入管法・入管特例法・住民基本台帳法改悪に抗議する

 入管法・入管特例法・住民基本台帳法改定案が、参議院本会議を、自民・公明・民主の賛成で可決成立した。

 以下、反差別国際運動(IMADR)のメール・マガジンの抗議・批判文である。この問題点については、すでに当ブログでも書いている。民主党は、在日朝鮮人の多くが属する特別永住者には、新たに「特別永住者証明書」を交付するが、携帯義務をなくすという修正案を通した。しかし、問題は、在留者の管理を法務省に一元化したことであり、明確に治安対策として、在日外国人対策を統合したことにある。総務省地方自治の領域から、法務省入管に外国人管理を完全に移したのである。これによって、「在日」もまた法務省の情報管理の網の目に把捉される対象となるのである。常時携帯義務はなくすにしても、治安目的での情報監視網に入れられるわけである。もちろん、その他の在日外国人に対しても、治安管理がより細かく厳しくされるわけで、不法滞在者に対しては、生存権すら認めないということになりかねないのである。この法制度の改訂内容を見れば、埼玉県蕨市で、不法滞在者の子供を含む家族に対して、「犯罪者は出ていけ」と叫んだ「在特会」などの右翼が、実は、法務省入管の差別排外主義を民間で代弁し、その代理人として、民間で道を掃き清める役を果たしていたことは明らかである。

 27日には京都で、23日には東京でも、入管法・入管特例法・住民基本台帳法改悪に抗議する集会がある。今後も、入管体制に対する闘い、そして、法務省入管の民間代理人たる「在特会」などの差別排外主義の跋扈を許さない闘いを発展させなければならない。

 改正入管法が成立 在留情報を一元管理 MSNニュース 2009.7.8

 改正出入国管理及び難民認定法(入管難民法)が8日、参院本会議で可決、成立した。国による新たな在留管理制度で、中長期間滞在する外国人の利便性を向上する一方、不法滞在者対策をはかり、「外国人と日本人とが共生する社会の基礎」(森英介法相)になる。同法は公布後、在留カード交付など最長3年以内に段階的に施行される。

 3カ月を超える中長期滞在の外国人について、これまで法務省では上陸時と在留許可申請時の情報しか得られず、在留中は国が委託した自治体で実施する外国人登録の情報で管理していた。だが、居住実態などが正確に把握できず、就学や保険、手当など自治体の事務にも支障を来たしているほか、外国人登録証(外登証)が不法滞在者にも交付され、就労や在留継続を容易にするなどの問題が生じていた。

 改正法では外登証を廃止し、正規滞在者だけに新たに「在留カード」を交付。在留情報を国(法相)が一元管理することになった。

 在留カードは新規入国者は上陸時に、在留者は各地の入国管理局でそれぞれ作成。写真のほか届け出事項の氏名、生年月日、性別、国籍、住居地、在留資格・期間などが記載される。常時携帯が求められるほか、記載事項変更時は入国管理局への届け出義務もあり、いずれも違反すると罰則が科せられる。また届け出事項については入管の事実調査も可能になった。

 カードには登録情報を収めたICチップが入り、偽変造などには、懲役や罰金などの罰則が科せられる。

 一方、戦前から日本で生活する在日韓国・朝鮮人の特別永住者には同様の「特別永住者証明書」を交付するが、歴史的な背景を考慮し、常時携帯義務はない。

 また、低賃金労働などの事例が問題になっていた外国人研修制度では、新たな在留資格「技能実習」(最長3年)を作り、1年目の技能習得段階でも企業と雇用契約を結ばせることで、労働基準法や最低賃金法など労働関係法令の適用を可能にし、保護する。

 このほか、在留期間を従来の3年から5年にするなど、利便性を高める。

        ◇

●改正入管法の骨子●

・国が在留情報を一元管理、外国人登録証は廃止

・中長期の在留者に「在留カード」交付、常時携帯義務

・特別永住者に「特別永住者証明書」交付、携帯義務なし

・外国人の在留期間を3年から5年に伸長

・外国人研修制度で在留資格「技能実習」を創設。労働関係法令適用で、搾取を防ぐ

・在留資格「留学生」「就学生」の一本化

1.入管法・入管特例法、住民基本台帳法・改定案成立に抗議する
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 本日(7月8日)の参議院本会議にて、入管法・入管特例法、住民基本台帳法・
改定案が可決、成立しました。IMADR-JCも参加する「在留カードに異議あり!」
NGO実行委員会は本日、十分な議論を経ていないこの法案成立をうけて、参議院
議員会館にて記者会見を開催し「改定入管法・入管特例法・住基法の成立に対
する抗議声明」を発表しました。

 記者会見では、「入管法改定案は与党がおしてきた案であるとともに、グロー
バル企業と法務省の連携が可決につながった。グローバル企業の勢力が日本の
法案に強い影響を及ぼし、国会の機能が低下しはじめている」(衆議院議員
(社民党)保坂展人さん)、「入管法改定の大きな目的の1つに、日本の産業を
担ってきた非正規滞在者を『使いにくく管理しにくい労働力』として国外へ追い
出し、代わりに『使いやすい労働力』として労働権・人権を制限された外国人
研修生・技能実習生の受け入れシステムを固定化する、ということがある」
(全統一労働組合・鳥井一平さん)といった問題が指摘されました。

 IMADR-JCはこれに先立ち、参議院での審議が進行中の6月30日、これらの法案
成立への動きに抗議する声明を発表し、参議院法務委員会委員長および理事に
送付しています。

 IMADR-JC声明「外国籍者の管理強化ではなく、権利確立を─入管法・入管特例
法、住民基本台帳法・改定案成立への動きに抗議する」の全文は以下をご覧
ください。

 

反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)声明 2009年6月30日http://www.imadr.org/japan/statement/imadrjc/post_19/

 外国籍者の管理強化ではなく、権利確立を
―入管法・入管特例法、住民基本台帳法・改定案成立への動きに抗議する

 6月19日、入国管理法、入国管理特例法および住民基本台帳法改定案が衆院を通過し、現在参院での採択にむけた審議が行なわれている。IMADR- JCは、この動きに遺憾の意を表明する。これらの改定案は、外国籍者への国家の管理を強化し、さらに排除・周縁化する、人種主義的制度につながるものである。

 今回衆院を通過した改定案は、「在留カード」の常時携帯、住居地や所属機関の変更の届出を、刑事罰や在留資格取消をもって義務付けるという非常に重い負担を課し、所属機関や学校などが外国籍者の個人情報を届け出ることを求め、外国籍者の「管理」を押し進めるものである。この新制度下では外国籍住民の個人情報が法務省に収集・一元化され、日本人の個人情報については許されていないようなデータマッチング・利用がなされうる。さらに、同改定案は非正規滞在者や難民申請者を制度の対象外とすることでこれらの人びとを社会において不可視な存在とし、また、地域の行政サービスや教育の場を奪うことにつながる可能性がある。加えて、日本人・永住者の配偶者として滞在している人びとが一定期間「配偶者としての活動をしていない」場合在留資格取消しできるとしており、DV法の適切な運用からDV被害者である外国人女性を排除し、人権侵害を拡大する要因となる。また、新設される「みなし再入国許可」の規定は、朝鮮籍の在日コリアンを排除しうる内容である。上記の問題の一部については、衆院での審議を経て、付帯決議や一部の修正が加えられているが、問題が解消されたとはいえず、いまだに非常に差別的な内容を含んでいる。

 2009年4月にスイス・ジュネーブで開催されたダーバン・レビュー会議成果文書の文面には、「78.すべての差別的な政策と勧告を撤廃する目的で、入国管理政策が国際人権義務と矛盾していないかを見直して、必要ならば変更するよう、すべての国家に求める」とされている。

 日本は、外国籍住民の住民としての権利、マイノリティとしての権利を十分に保障しないまま、国家による管理の対象としてきた。そのなかで、2007 年11月、「テロ対策」を口実に導入された、16歳以上の外国人のほとんどに指紋や写真などの提供を義務付ける日本版「US-VISIT」などの人種主義を制度化する法制度が作られ、運用されてきている。国家がマイノリティを社会の中で排除・周縁化し、管理対象として扱う動きには、常にマイノリティに対する憎悪や恐怖の煽動がともない、このような扱いが異常なものではなく当然であるかのような仮説が、権力の維持・拡大に利用されてきた。

 グローバル化のもと、また、外国人労働者の受け入れ拡大にむけた政策が盛んに提示されるなかで、日本は現実として多民族化が進み、今後もその流れは止められない。そのなかで、今、必要とされているのは、外国人を犯罪者扱いし、外国籍住民を管理対象として扱うことではなく、日本社会がこれらの人びとの存在を認識し、地域・社会を共有する住民として受け入れ、住民としての諸権利を保障することである。異なる背景やアイデンティティを持つ人びとが尊重され、ともに豊かにしていく多文化・多民族共生社会をめざすためにも、今回の法案による人種主義・人種差別のさらなる制度化を許してはならない。IMADR-JCは、入管法・入管特例法・住民基本台帳法改定案に反対し、参院での慎重な審議を求める。

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金融貴族の支配

  7月革命の後で、自由主義者の銀行家ラフィットは、自分の仲間のオルレアン公を意気揚々とパリ市庁舎に先導しながら、ふと漏らした。「これからは銀行家が支配する」と。ラフィットは革命の秘密を漏らしたんだ。
 ルイ・フィリップの下で支配したのは、フランスのブルジョワジーじゃなくて、その一分派、銀行家や株取引王、炭鉱・鉄鉱山・森林所有者、それと彼らに結びついている一部の土地所有者たち--いわゆる金融貴族たちなんだ。そいつらが玉座に座り、議会で法律を公布し、内閣の大臣からタバコ局の役職に至るまで公職を分配した。Copyright on Japanese Translation (C) 2002 Ryoichi Nagae 永江良一

 これは、マルクスの『フランスの階級闘争』の第1部1848年6月の敗北最初の部分である。1848年革命では、ブルジョアジー全体ではなく、その一分派である金融貴族を権力を握る。そこで、バルザックやフローベルが描く、金融貴族の支配が始まるのである。産業ブルジョアジーは、政府の反対派に加わっていた。いわゆる『ナショナル』派である。この時、男子普通選挙が始まり、この金融貴族の支配は、12月には、ナポレオン3世が大統領となり、帝政を復活することで終わる。

 7月革命後に支配を達成した金融貴族は、投機や山師的商売や詐欺や空想的な投資計画の作成に熱中した。フローベルの『感情生活』の主人公フレデリックは、田舎から出てきた貧しい学生で、法律家になることを目指していたが、ある時、突然、遺産を相続することなり、一夜にして成金となった。そこで、証券投資や投機などにそれを元手に投資していくが、証券投資の失敗で、元の木阿弥となる。その過程で、7月王政を倒して、権力を握るのが、こうした金融貴族たちである。これらの思惑取引、信用の状態、それらの変化が、社会生活を大きく動かした時代であった。主人公が恋するのは、共和派の産業ブルジョアジーの夫人だったが、時代は、金融貴族のものだった。農村では、ナポレオン1世が解放した農地が細かく分割されて分割地農民が発生していたが、金融貴族たちは、これらを抵当としてかれらを借金づけにした。負債の圧力に押しつぶされ、土地を失い、あるいは失いかけたかれらを十分に吸収する産業が都市に育っていなかった。もちろん、金融貴族がそれをまじめに実行するわけがなかった。あらゆる階級階層の代表者という綱渡りを演じて、帝政を復活させたのが、サン・シモン主義者のルイ・ナポレオンである。分割地農民たちは、彼に期待した。この間、わずか2年余りである。

 『感情生活』には、主人公が恋する夫人の子守の黒人女性が登場する。奴隷貿易は、15~16世紀にかけて、世界中で行われ、アフリカ大陸の人々ばかりではなく、中国の人々、日本の人々も、売り買いされた。この時代から少し後に、新大陸では、南北戦争が勃発し、北部が勝利して、黒人奴隷を解放し、奴隷貿易を禁止する。マルクスは、南北戦争についても、『ニューヨーク・デイリー・ドリビューン』などの新聞に記事を書いて分析・評価している。アメリカは、ヨーロッパ大陸でのごたごたをよそに、保護貿易主義をとって、内陸開発に邁進し、重化学工業化を進めていく。アメリカの金融貴族の「金ぴか時代」は、1920年代である。アメリカのプラグマティストのデューイの教育論が形成されるのは、科学と発明と実験とその産業化が豊かさを実現していく19世紀末から20世紀初頭の時代であり、未来に向かって前進し発展していく産業状態と教育・学校を結び付けようとするものであった。ちょっと、サン・シモン主義者ナポレオン3世の登場とパラレルな感じがする。アメリカの金ぴか時代は、29年恐慌であっというまに終わる。

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届かない定額給付金

 先日、フランスのハウジングプア問題を描いた映像を観た。

 最近、フランスで増えている旧植民地からの移民労働者が、公営住宅にも入れないため、職もないという悪循環に陥っているので、空きアパートを占拠する闘争を行った様子を映したものである。

 移民労働者といっても、もちろん不法移民である。この闘争に参加しているのは、女性が多かったのだが、彼女たちは、ハウスキーパーなどの雑業に従事している。パリの民間アパートにはけっこう空きが多いにもかかわらず、家主は、彼女たちの足元を見て、家賃を高めにしている。したがって、彼女たちは、職を失えば、ただちに住むところを失うことになる。もちろん貯えなどわずかしかできない。それをアピールするために、こうした闘争が行われているわけである。

 日本でも似たような情況になっているが、だからといってこういう闘争戦術を取れるということにはならないだろう。しかし、職と居住と貧困と差別がつながっているということをこの映像は示していた。旧植民地出身者ということで言えば、植民地支配の清算とかその保障とかいう観点からも事態を見なければならないだろうが、それは直接には描かれていなかった。ただ、闘争の現場では、イスラムの音楽が流され、文化とともに、権利を主張していて、そこには、生存権から住居権から労働権から文化権から、いろいろな総合性を持った社会性の創設という志向とエネルギーを感じた。

 下の記事は、麻生の人気取りのばらまき生活給付金が、結局、住所の明確な人々にまでしか渡らず、住所不定の野宿者やネットカフェ難民などには渡らなかったこと、つまりは、緊急にそういうお金を必要とする人たちには渡っていないことを示している。定額給付金をめぐる議論では、上層が受け取るのは公平かどうかとか、自主的に受け取りを拒否するかとか、上の方の態度や反応ばかりが議論された。居住権の保障なしに、生存権も保障されないということが、フランスの例でも示されている。

 それと関連して、デヴィッド・ハーヴェイの『パリ』という本を読んで大変面白かった。ハーヴェイは、フランスの1848年革命がナポレオン三世の第二帝政に帰着する中で、このサン・シモン主義者の皇帝が、オスマンに命じて行ったパリの都市大改造計画が、資本、とりわけ、金融資本の街へとパリを変えていく様子を、バルザックやフローベルの小説や絵画などの象徴分析を用いて分析し、そういうイマージュの空間化に対して、それに対抗する様々な対抗空間の創設を通じて、1871年のパリ・コミューンが準備されていく過程を描いている。イメージや象徴を配置して、金融資本の支配と権力をうち立てる過程に対して、それに反発する産業ブルジョアジーや女性プロレタリアートの姿を描いている。それは、想像や象徴や表象をぶつけ合う闘いでもあり、そうして感情レベルでの闘争の過程であった。王党派支持者のバルザックは、王党派が基盤とする農村地主の感情生活を理想として描き、パリの雑多な階級階層のひしめき合う都市生活者をエゴイストの群れとして描いている。例えば、『ゴリオ爺さん』では、フランス革命に参加して、一代で製粉業者として、つまりは産業資本家として財を成した職人上がりのゴリオ爺さんは、妻亡き後、大切に育ててきた二人の娘を新興の金融貴族に嫁がせるが、娘たちは、過去の人に追いやられた父親に金の無心をするばかりで愛情を返さず、ゴリオ爺さんは、財産の多くを娘に与えて自らは安下宿に引っ越して、つつましく暮らし、ついには娘に看取られることなく、死ぬのである。彼が住んだ安下宿のある一角は、教会に挟まれた馬車も通れないような急坂の路地の底にあるところにあった。

 この頃のパリの女性の現実について、ハーヴェイは、データをも示しながら、ほぼ職業から締め出されていて、教育を受けた女性なら家庭教師、そうでなければ裁縫師や家政婦などわずかな働き口しかなく、結婚は生活の必要であったことを示してる。しかし、既婚女性が離婚すると、これらの働き口ぐらいしかなく、しかも、賃金は安かった。だから、娼婦になる者も多かったという。金持ちや貴族の愛人というのも、比較的実入りのいいものでありえたという。それに、地方から来る学生の世話をするという仕事もあったという。しかも、産業の必要と男性労働者の賃金を抑え、抵抗を抑えつけるために、女性労働者をスト破りとして雇い入れることも行われるようになった。女性は、男性の下で従順に家庭のことに専念すべきだという考えが、プルードンなどによって広められた。しかし、ハーヴェイによると、そうした考えには、男性労働者はあまり染まらず、むしろ、女性労働者の賃金や待遇の改善を要求したという。しかし、全体としては、女性労働者を家庭に引き戻し、男の支配の下に従順な妻としておくべきだとする考えは、広まっていった。しかし、フェミニストの一部は、女性連盟を組織して、パリ・コミューンに参加していく。

 山谷における取り組みとして、空いている簡易宿泊所を行政に買い取らせて、野宿者の住居として、住所を確保して生活保護を取らせる試みが行われているという。以前、大阪で、野宿者を大量に労組の事務所を住所として登録したことに、行政がそれを解除するという事件が起きたことがある。住民登録が行われていなければ、権利主体とされないということは、フランスでも同様だったようだ。今は多少の改善が行われているようである。「年越し派遣村」の件で明らかになったのは、日本でもそうした問題が広がっているということであり、下の記事は、それを示してるのである。それに、難民問題や不法外国人労働者問題は、居住権というよりも、労働権と生存権の関係の問題を提起していて、それに難民問題の場合は、政治問題が絡んでいる。日本の不法滞在外国人労働者問題の場合は、産業的にはほぼ製造業に偏っており、したがって、愛知県豊田市とか浜松市などに集中している。それは、国土交通計画による産業配置による空間配置によって形成された全国空間の配置図にしたがって形成されている地域の抱える問題となっている。対策が急がれる。

定額給付金の申請書、47万世帯に未到達

 総務省は3日、市区町村が発送した定額給付金の申請書のうち転居先不明などにより、47万1567世帯分が世帯主に届いていないと発表した。

 6月26日現在の調査で、支給対象約5475万世帯の0・9%にあたる。同省は今月中旬から、申請が終わっていることを確認するよう広報活動を始める。

 定額給付金の申請書は、住民基本台帳または外国人登録原票を基に世帯主にあてて送られる。しかし、引っ越す際に市区町村に転出届を出していなかっ たり、郵便物の転送手続きをしていなかったりすれば、申請書は市区町村に返送される。届いていない申請書が最も多いのは東京都の9万492通。次いで神奈 川県4万9099通、大阪府4万7384通で、人口移動の多い都市部が目立つ。日本人にあてたものが約23万3000通で外国人は約7万3000通ある。 残りは日本人か外国人かを確認できていない。

 定額給付金を受け取るための申請期間は市区町村の受け付け開始日から6か月以内で、多くの市区町村が10月ごろに申請期限を迎えるとみられ、申請漏れのため給付金を受け取れない人が出てくる可能性もある。

 また、6月26日までに支給された定額給付金は総額1兆7726億円で給付対象世帯の86%に支給済みだった。

(2009年7月3日読売新聞)

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6月28日、いろいろなこと

 ロイター通信は、イランでの大統領選に抗議するデモの際に銃撃されて死亡したとされる「ネダ」と呼ばれる若い女性の映像がネットで世界中に配信され、多くの国で、人々のイラン政府への抗議を呼び起こしたことについて書いている。

 この映像は、携帯電話で撮影されたとされており、中国でもネットに公開された。技術的な問題はよくわからないが、ユーチューブなどの動画共有サイトが、市民の情報源として大きな位置を占めるようになってきたことを示していて、それが政府をも動かしているとして、記事は、「米国務省は、ツイッターがイランの抗議活動で重要な役割を果たしているとして、予定されていたメンテナンス作業の延期を要請した」と述べている。しかし、もちろん、米国政府は、イラク戦争などの自国の関わる戦争についてのこうした情報については、なんとか規制しようとしてきているし、ねつ造した情報を平然と流してきた。米政府は、こうした非政府系のコミュニケーション・ツールを宣伝・煽動のための、あるいは情報戦のために利用している。イラン政府ももちろんアクセス制限をかけているわけだが、他方で、こうしたネットの発展は、現在の経済活動にとって不可欠ということもあり、規制しすぎると経済活動を悪化させかねないというジレンマを抱えている。

 記事は、「モスクワ・コムソモール」紙が、「ネダさんがテヘラン大学の哲学科の学生だったなどと紹介。「先週末にかけ、彼女は反政府運動の象徴となりつつある。彼女の写真がムサビ元首相支持者の持つプラカードに張られ、多くが復讐(ふくしゅう)を唱えている」と伝えていると書いている。やはり、指摘したとおり、反政府派は、「報復」を唱えているのである。だからといって、相手を抹殺するような暴力的戦いになるかと言えば、そうではない。「コーラン」では、最後の裁きは、唯一神アラーが行うとされている。ただ、政教分離を原則とするキリスト教国と違って、世俗の掟も「コーラン」で規定されているので、それに従うことが信者の務めとされているのである。そこに、「聖戦」というのもあり、預言者マホメットも「聖戦」を指導した軍事指揮官であった。

 日本経済研究センター http://www.jcer.or.jp/report/econ100/index.html の「金融要因の影響強まる商品市場」(安倍直樹)によると、この間の商品価格は、2008年夏から大きく下落し、例えば、原油価格(WTI)は08 年7 月に1バレル147 ドルの史上最高値をつけたが、その後急落、12月には32 ドルまで下落したが、「WTI は1バレル70 ドル手前の水準まで上昇、主要な1次産品を構成項目にして算出されるロイター・ジェフリーズCRB指数は5月の前月からの上昇率が13.8%となり、74 年7月以来、最大の上昇率となった」。この物価上昇は、金融要因によるところが大きいというのが、同レポートの主張である。

 「インデックス商品は主要な1次産品をもとに構成される。問題は、この構成比が現実の市場規模と乖離しているため、商品価格の中でも、価格動向に違いが生じているのである。代表的なものは、小麦である」。

 米国の小麦の世界シェアは1割もないのに、「S&PGSCI の小麦の投資先は、米国の先物市場(シカゴ、カンザス)の商品のみである。商品を構成する際の基準が世界なのに対し、投資をするマーケットは比較的取引が薄い米国のみ、インデックス商品の特性上、こうした不均衡が小麦市場で起こっている」。つまり、インデックス商品市場には年金基金などの資金が投資されていて、過剰になっているのである。特に、小麦の商品市場には、需給要因以上にこうした資金が流れ込んでいて、それによってこの間の価格上昇が引き起こされている。それに対して、同レポートは、米政府がこれを規制する措置を取れば、価格下落が一気に起こるだろうと警告しているわけである。これは、アメリカの小麦市場の構造が不均衡を生むようになっているということを示している。しかも、過剰資金、過剰流動性が今ここに集中投資されていて、需給と乖離した価格になっていて、価値と価格の間に大きな不均衡があるということだ。だから、ここに恐慌の火種が一つあるということになる。この資金が引き揚げられて次の投資先がないとなると、それは、遊休貨幣となり、資本化されないたんなるお金になり、資本はその分減少する。潜在的資本に形態転化するのである。付加価値を生まない、利潤を生まない貨幣になるのである。危機はまだまだ去っていないということをこのレポートは示しているのである。

 当ブログが賛同している外国人排斥を許さない6・13緊急行動実行委員会から最新メールが送られてきたので紹介したい。今後は、ブログでの情報発信に限定するそうだから、そちらを見ていただきたい。

 「在日の特権を許さない会」は、「爆竹を鳴らした」とかなんとかいろいろと難癖を付ける電話を賛同人に対してかけているようである。そもそも、在日朝鮮人の多くが特別永住権を付与されたのは、具体的な歴史的経過があってのことで、それを形式的かつ抽象的な「平等」一般の立場から、特権と決め付けていること自体が、差別排外主義的である。このメールによると、かれらは在日をテロリストと決め付けて参政権に反対するなど、デマも平気である。

 先日の「朝まで生テレビ」での自民党大村議員の「年越し派遣村」問題での厚生労働省の倉庫開放の時の話を聞くと、「年越し派遣村」に集まった人々を潜在的犯罪者と見なす態度が露骨に現れていたが、「在特会」のまなざしは、そういう国家のトップの人間のまなざしと似ている。大村は、倉庫を解放したが、支援者が、整然と場所を区分けし、秩序正しく、宿泊者に振り分けていたことを評価したが、それは、裏返せば、この連中はそういうことのできない無秩序な連中だと見ていたことを表している。それは、かれらの階級的敵対心・敵愾心の現れである。それは階級的偏見であり、かれら流の秩序感覚から外れた人々、その価値観の外にある人々というふうに、「年越し派遣村」の人々を見ていたことを示している。そこに、在日も入れていることは、先に入管法改悪の動きの中で、法務省入管の姿勢に現れていることはすでに書いた。在日外国人対策が、犯罪対策会議に諮られているのがそれである。そしてそれは、9・11事件後のアメリカの対テロ戦争、出入国管理の強化、治安強化、民族間、国民間の敵対、外国人を潜在的テロリスト、潜在的犯罪者とみなす姿勢の強化という動きと関わっている。イスラムへの偏見、差別、敵愾心を煽りつつ、イラク戦争から現在に至るアラブ・イスラム圏での戦争が行われていることとつながっている。

 名古屋でも「在特会」は50名ぐらいのデモを行ったようだが、さらに、福岡でも行動を起こすようだ。全国で、かれらの排外主義煽動がこれからも行われるだろう。入管法改悪は、その動きを後押しするようなかたちになっている。だから、これらを結び合わせて、かれらの意図をくじく必要がある。そのような、国際的な友誼の感情、そして正義を求める人々の声が大きくなれば、それは可能である。

 賛同者のみなさま

 外国人排斥を許さない6・13緊急行動実行委員会です。

 当日の行動報告が遅れて申し訳ありません。
 以下、長文ですが、当日の報告と実行委員会としての見解を記しました。

 また、当日のカンパ額についても記載しております。ご確認頂ければ幸いです。

 改めてご協力頂いた皆さまには御礼申し上げます。

 在特会福岡支部主催のデモが7月20日に予定されており、気を緩めることができない状況です。
 引き続き、みなさまと一緒に、排外主義を許さない行動に取り組んでいきたいと考えております。

※今後、実行委員会からのメールの一斉送信は行わない予定です。情報発信はブログにて行っていく予定です。

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【当日報告】(※重複して受け取られている方々にはご迷惑おかけします)

 2009 年6月13日、私たち「外国人排斥を許さない6・13緊急行動実行委員会」(以下、実行委)は、「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)による「外国人参政権断固反対デモ」に対して抗議するデモと情宣を行いました。実行委が行動前に確認していたことは、非暴力を貫き、在日外国人との共生を自分たちのメッセージとして街に届ける、ということです。日常活動ではなかなか出会うことのない団体や個人から幅広い賛同をいただき、行動に結びつけることができました(2009年6月20日時点で個人・団体を合わせて769名)。

 当日は午前11時00分に三条河川敷に集合し、11時30分、デモに出発をしました。出発前のアピールは、審議中の入国管理法改定案の問題点を訴えるもの、在日外国人の就労や生活における制度的欠陥を主張するもの、国籍は違えど労働者として共に生きていこうと呼びかけるもの等、多数ありました。デモに出発してから、隊列の前からは「在日特権なんてないぞ」「全ての外国人に生きる権利を」「私たちに生きる権利を」「人らしく生きられる社会を」などのシュプレヒコールが上がり、道行く市民の関心も高くビラの受け取りも上々でした。かと思うと、隊列最後尾からは「シュプレヒコールを待つな!自由に叫べ!」という大きな声。激しく打ち鳴らされる太鼓の音。また在特会をパロディしたユニークな旗や服装の人々も。日の丸を掲げて在特会を批判する保守の人、排外主義に脅かされたくないと路上に参じた外国籍の人たちもいました。緊急行動の呼びかけに、本当に多種多様な人々が集まってくださり、それを象徴するデモの風景になりました(当日の様子を記録した動画です)。参加者数は、出発前が250人ほどで、終了時点で約300人にまで増えました。

 午後1時30分より、今度は在特会のデモに対して、三条商店街入口、蛸薬師通入口、四条河原町交差点にてアピールとビラまき情宣を行いました。在特会がシュプレヒコールを上げながら通過していく道向かいで、排外主義に反対する趣旨のビラを2000枚配り切りました。在特会の「テロリストに参政権は与えないぞ」等の独特のシュプレヒコールで土曜日の四条河原町は異様な雰囲気に包まれ(*1)、何事なのかと自ら私たちのビラを取りに来た人もいました。私たちのアピールは在特会にではなく、京都の市民に向けられたものです。私たちを過剰に敵対視し挑発を繰り返してくる在特会に応じることなく、準備していた日本語、朝鮮語、中国語、スペイン語、英語、エスペラント語のプラカードや旗を掲げました。その内容は「外国人排斥反対」「No More Fascism」「生きる権利に国境はない」「自由の敵に自由を許すな」「いじめるな」等。さらに、彼らが四条河原町を通過するときには交差点の四隅から、「さべつ・はんたい」「いじめ・やめろ」「ざいとくかい・ゆるすな」等のショートコールを上げました(*2)。

 立場を超えて様々な人たちが集まり、排外主義的な在特会のデモに反対して立ち上がることができたのは、実行委の呼びかけに賛同いただいた皆様のおかげと思います。ありがとうございました。

 実行委は解散いたしますが、在日外国人の権利を拡充していく地道な運動は今後ますます必要になるでしょう。排外主義に抗して在日外国人の問題に向かい合う人々の輪が広がっていくことを願います。

 外国人排斥を許さない6・13緊急行動実行委員会
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(*1)6 月13日に在特会が掲げていた主張は「外国人参政権反対」でしたが、ホームページや当日のシュプレッヒコールの内容からも、彼らの主張が参政権反対にとどまらない排外主義的なものであることは明らかです。それに対しネット上では、「外国人参政権に反対であって外国人排斥ではない」といった在特会シンパによる書き込みが散見されます。こうした書き込みは、自分たちの意見が堂々と全面展開できるような正しいものではないと気づいており、自分たちの主張を歪曲することなしに自らを正当化できない在特会の弱さ、悪ふざけの現れであると考えます。
 改めて強調しますが、在特会が発する言葉の内容は、政治的な主張に値しない露骨な悪意と憎しみに満ちたヘイトスピーチであり、そのようなきわめて差別的な言葉が垂れ流されること自体が暴力であり、許されるものではありません。

(*2)すでに在特会が宣伝材料として使用していますが、彼らのデモが四条河原町を通過中に爆竹がなったという事実があるようです。確かに爆竹のような音はなっていますが、インターネットにアップされている動画を見る限り、彼らが喧伝しているような「デモ隊に爆発物を投げ入れられた」という事実を読み取ることはできません。また、もちろん実行委として彼らの隊列に爆竹を投げ込むというような行動は呼びかけておりません。
 しかし、このようなあやふやな事実を根拠に、在特会のメンバーを名乗る人物が緊急行動の賛同者に対して、「「外国人排斥を許さない緊急行動」のメンバーに爆竹投石を受けた」、「子どもがデモ中に爆竹で被害を受けた」、「爆竹を投げる者への賛同はどういうことだ」といった内容の電話をしてきております。実行委として事実に基づく批判を受け止めることは当然ですが、そもそも彼らの主張する「爆竹のようなもの」については、誰が何の目的で鳴らしたのかはいまだ不明です。しかも実行委に対して直接批判するのではなく、賛同人を特定し圧力をかけるなど、あまりにも陰湿であり卑怯極まりないと断じざるを得ません。その上で、今回の彼らの反応から、私たちも教訓を引き出しました。基本的に間違った主張をしている在特会は、批判者や抗議者を攻撃することによってしか「正しさ」を主張できず、そのことに自覚的な彼らは攻撃材料を常に探しています。今回の抗議行動を組み立てるにあたって、実行委はそのことを十分に念頭においておりましたが、今後の抗議行動においてもそうされるべきであるということを声明しておきます。

☆         ☆

【会計報告】

収入:42,881円
支出:24,998円
(内訳)
・街宣車ガソリン代
・記録用ビデオテープ
・宣伝物製作器具・材料費
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残額:17,883円
(※寄付等、用途については現在、検討中です。決定し次第、ブログにてご報告致しま)

外国人排斥を許さない6・13緊急行動実行委員会
http://613action.blog85.fc2.com/

 

イラン抗議デモで殺害のネダさん、市民ジャーナリズムの契機に

 [ロンドン 23日 ロイター] イラン大統領選の抗議デモで「ネダ」と呼ばれる若い女性が銃で撃たれ死亡した。携帯電話で撮影されたその映像が今、世界中で大きな反響を呼んでいる。

 この女性の名前はネダ・アガ・ソルタンさん。大統領選の結果に反対する抗議活動の最中に撃たれ、血まみれになる姿が動画共有サイトのユーチューブに投稿されている。

 中国のポータルサイト「新浪」では「殺害された天使」と呼ばれ、グーグルによると、彼女の名前に対する検索結果は1万5300件に上る。

 またロシアでは、発行部数210万部のモスクワ・コムソモール紙が23日に4面に特集記事を組んだ。

 同紙は、ネダさんがテヘラン大学の哲学科の学生だったなどと紹介。「先週末にかけ、彼女は反政府運動の象徴となりつつある。彼女の写真がムサビ元首相支持者の持つプラカードに張られ、多くが復讐(ふくしゅう)を唱えている」と伝えている。

 今回の抗議行動で携帯電話がコミュニケーション手段として大きな役割を果たしているイランは、中東で最もインターネットが普及している国だ。国際公共放送(PRI)のポッドキャスト「The World」によると、イランで初めてブロガーが逮捕されたのは2003年。一部の投稿者にとっては、ツイッターやフェースブック、ユーチューブは、市民ジャーナリズムが発達するのにぴったりの場所だったと言える。

 抗議活動が始まった選挙直後は、イラン国内のアクセスをブロックされている人たちは、ツイッターがアクセス可能なインターネット・プロキシを探す場所として活用された。

 イラン市民が政府のフィルタリングを回避できるよう、多くの人がウェブアドレスを投稿したが、イラン当局も同じようにツイッターで情報を得られることに気付き、やがて投稿は下火になった。 

 ニューヨーク市立大学ジャーナリズム大学院で双方向ジャーナリズムを教えるジェフ・ジャービス教授は、自身のブログの中で、イランでのデモでツイッターがいかに不可欠な存在になったかについて触れ、その理由をユーザーが便利に使えるようコード書き換えを可能にしていることだと指摘する。

 インターネットのセキュリティに詳しいユーザーは、ネット技術に精通するようになった結果、自分を単に傍観者だと考えていた人が、ツイッターのようなサイトを通じて参加者に変わることもあると指摘する。

 computerworld.comに紹介されたウェブサイトによると、今月16日ごろ、ツイッターに投稿されたリンクによってアクセスが集中したことで、いくつかのウェブサイトが故意にダウンさせられる出来事があったという。

 サイバー攻撃に詳しいSANSインターネット・ストーム・センターのBojan Zdrnja氏は、「イランでの暴力行為が激化している中、ハッカー攻撃が起きるのは時間の問題」と分析。「これまでのところ、2つのグループがイランのウェブサイトに攻撃を仕掛けたことが確認されているが、両方のケースとも技術的には極めて単純な攻撃だ」と話している。

  しかし、イラン市民が画像を世界に向けて発信できたのは、こうしたプロキシがあったからだ。

 インターネットを通じて世の中の出来事をカバーする際、「市民の力」がいかに重要になってきているかを示す例はまだある。米国務省は、ツイッターがイランの抗議活動で重要な役割を果たしているとして、予定されていたメンテナンス作業の延期を要請した。

 また、グーグル・マップでもユーザーの要請を受け、テヘランの衛星画像が最新にアップデートされ、現地で今何が起こっているのか、より分かるようになった。

 しかし、ソーシャル・ネットワーキング・サイトを長く使っているユーザーは、事態がより複雑に動いていると見ている。

 ニューヨーク市立大学ジャーナリズム大学院で双方向ジャーナリズムを教えるジェフ・ジャービス教授は、自身のブログの中で、イランでのデモでツイッターがいかに不可欠な存在になったかについて触れ、その理由をユーザーが便利に使えるようコード書き換えを可能にしていることだと指摘する。

 インターネットのセキュリティに詳しいユーザーは、ネット技術に精通するようになった結果、自分を単に傍観者だと考えていた人が、ツイッターのようなサイトを通じて参加者に変わることもあると指摘する。

 computerworld.comに紹介されたウェブサイトによると、今月16日ごろ、ツイッターに投稿されたリンクによってアクセスが集中したことで、いくつかのウェブサイトが故意にダウンさせられる出来事があったという。

 サイバー攻撃に詳しいSANSインターネット・ストーム・センターのBojan Zdrnja氏は、「イランでの暴力行為が激化している中、ハッカー攻撃が起きるのは時間の問題」と分析。「これまでのところ、2つのグループがイランのウェブサイトに攻撃を仕掛けたことが確認されているが、両方のケースとも技術的には極めて単純な攻撃だ」と話している。

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6月25日付「中央日報」から思ったこと

 6月25日付「中央日報」には、歴史関係の面白い記事が幾つか載っている。

 まず、イランの反政府デモについての社説である。この社説は、現在のイラン政治体制を神政と呼んでいる。そして、「今回の事態はイスラムの最高指導者が実権を持つ「神政統治」の限界と矛盾を劇的に表している。神政統治の下での民主主義は装飾品にすぎない。最高宗教指導者の嗜好に合わない選挙結果はいくらでも操作されるのだ」と神政統治対民主主義という対立図式の下に事態を整理し、民主主義の側を支持し、現体制を批判している。

 社説は、反政府デモに参加した若い女性が治安部隊の銃撃を受けて死亡したという衝撃的な場面を冒頭に記し、「彼女は有権者として政府に抗議しただけだ」と書いている。結論は、預言めいたものである。いわく、「市民の民主的要求を受け入れる勇断がない限り、イランの時代錯誤的な神政統治は下り坂を辿ることになるだろう」。この記者は、イスラム教やイスラム文化・社会について、西欧に一般に流布されている偏見・ステレオタイプをそのまま今の事態に当て嵌めていて、それを自己吟味しようという姿勢はまったく感じられない。

 社説は、イランで、イスラムの最高宗教指導者の個人独裁が行われていて、彼の恣意によって選挙が自由に操られているという図式を描いている。しかし、第一に、イランの宗教指導体制は、個人独裁ではなく、合議による集団制である。第二に、かつて最高宗教指導者の意に反する大統領が誕生したことがある。第三に、銃弾で撃たれた若い女性もまたイスラム教徒である可能性が高く、撃った方と基本的な価値観を共有しているものと思われる。彼女やその仲間の価値観は、それに対して、民主主義への信仰を持つ社説子の価値観とは異なっているだろう。彼女たちは、イスラム信仰から民主主義信仰へと改宗を迫るのは、信教の自由に反することと思うだろう。しかし、民主主義は、制度でありシステムであって、信仰ではないという反論があるかもしれない。しかし、それは、その時々の具体的条件の下での大衆と権力との力関係によって規定されるものである。つまり、それは、個人独裁的にもなるし、そうでない場合もあるというふうに流動的であって抽象的に絶対的な固定した対立ではない。また、「今回の事態を平和的に解決する方法は全面的な再点検または再選挙の実施しかない」と社説は述べているが、民主主義信仰を強く持たないイランのシーア派イスラム教徒の反政府派が、このような民主主義的な解決に簡単に納得するとは思えない。恐らくは、血の報復とか、イスラム法やコーランの教えるところに従って事態を解決することを望むだろう。それは、コーランが宗教と法・道徳・社会規範を一体としているためで、それらが分離されているキリスト教社会とは違うのである。

 次に、高麗人の問題である。この問題は、「19世紀末の日本の強占期まで多くの韓民族がロシア沿海州に移住した。経済的問題と「独立運動」という政治的理由のためだった。1937年冬、ソ連のスターリン政権は沿海州に住んでいた高麗人17万人をすべて中央アジアに強制移住させ」たが、1991年の冬に、ソ連邦が解体し、いくつもの国に分かれた際に、無国籍となった多くの無国籍高麗人を、ロシア政府が歴史の犠牲者だと認めたという記事である。

 まず、高麗人という名称である。高麗と言えば、918年に王建が建てた国で、936年に朝鮮半島を統一した国の名である。ウィキペディアによると、10世紀から12世紀にかけてアラビアとの貿易が盛んだった頃に、アラビア商人が、コリョをなまって「コウリオ」と呼ぶようになり、それが転じて、今の韓国の呼び名であるコリア(korea)になったという。コリアの成立にアラビアとの交流があったわけだが、今の韓国の代表的な新聞である「中央日報」の社説子は、イスラムを理解することが出来ないほど遠く隔たっているわけである。

 高麗は、宋と関係を結ぶが、中国東北部の契丹からの侵害を受け、さらにモンゴルから起こった元が南下して、宋を南へ追いやり、さらに滅ぼすと、元に支配され、さらに、元に協力して、元の日本への侵攻に協力した。したというか、元の圧倒的な力の前に、そうするしかなかったわけだが。1392年、高麗は滅亡する。高麗の特徴として、ウィキペディアにある面白い点を二点だけ引用しておく。新羅と高麗は、仏教を奉じていた。後の李氏朝鮮は、儒教、朱子学を奉じた。ちなみに、織豊時代、日本に宣教に来ていたイエズス会士のポルトガル人のルイス・フロイスの書いた『ヨーロッパ文化と日本文化』(岩波文庫)によると、当時の日本の女性の地位は徳川時代よりも高かったようである。例えば、女性に離婚権があったとか、若い娘が何日も家に帰らなくても問題にならないとか、結婚しても女性だけの財産を持っていたとか、書いている。もちろんそこには当時のヨーロッパ的なあるいはキリスト教的なまなざしが入っているとは思うのだが。

 高麗がアラビア商人とも交流し、交易した頃、日本では、平安時代末期に入っていて、荘園制度が衰えてきて、武士の平氏が台頭、平清盛は、海外貿易を盛んにしようとして、旧勢力の巣窟である平安京から、貿易拠点として、瀬戸内海に臨む福原遷都を企てる。しかし、後白河法皇などの旧勢力の反平氏の動きが活発化したり、東国武士などの反平氏の動きが、伊豆に島流し幽閉されていた源頼朝に結び付いた北条氏などを巻き込んでいって、平清盛の死後、平氏打倒の動きは強まり、源平合戦をくり広げ、ついに壇ノ浦の戦いで平氏は滅び、1192年源頼朝は征夷大将軍として鎌倉に幕府を開く。鎌倉時代にも、亡命者や僧侶や職人集団などが日本に来て活動していた。女性の地位という点で面白いのは、同じ平氏である北条氏の娘の政子が、島流しで幽閉状態にあった源頼朝と結婚式を挙げるが、それに出ずに姿を隠し、いわば、駆け落ちしたことである。やがて、幕府が出来ると、父親をも遠ざけ、頼朝亡き後、息子まで殺害し、尼将軍と呼ばれるほどの実権者となったことである。幕府打倒に立ち上がった都の後鳥羽上皇らの起こした承久の変の際には、東国武士を前に、頼朝の恩を蕩々と説いて、彼らを説得し、まとめた。軍事指揮権まで握ったかたちで、東国武士団の頭領としての器量を発揮したのである。幕府の後継者をも決める実権を持ったのである。

 「中央日報」は、韓国政府は2007年から無国籍高麗人の国籍取得を支援する事業を開始した。ロシア政府がそれに協力的だとロシア政府の姿勢を評価している。

 そして、イランの民主主義度が低いと批判した「中央日報」は、自国の民主主義度が低いとして問題点を指摘している。「韓国が経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に社会葛藤が深刻な国であることが分かった。韓国が社会葛藤のために支払う費用は国内総生産(GDP)の27%にのぼると分析された」。

 それを測る社会葛藤指数は、「社会葛藤指数の算出には所得不均衡の程度、民主主義の成熟度、政府政策の効率性(政府効果性)が指標に使われた。所得不均衡が高いほど、また民主主義の成熟度と政府政策の効果性が低いほど、葛藤指数は高まる」というもので、韓国は、OECD諸国中、所得不均衡は平均程度だが、「民主主義の成熟度は27位と最下位で、政府政策の効果性も23位」である。民主主義成熟度では、「行政権が他の憲法機関よりも強く、政党体系が不安定で、反対集団に対する寛容が十分でないと評価された。また妥協の文化が定着せず、法秩序を尊重する意識も不足している」と分析されたという。これが改善すれば、国民総生産GDPが上昇するという。民主主義は、経済成長と関連しているというわけである。あるいは、経済成長を促進する制度が民主主義だということだ。

 最後は、北朝鮮の核問題についてのコラムである。このコラムは、「最近、北朝鮮の核問題が米国が耐えうる限界に達した。2つの点で以前と次元が違う。まず一つは、北朝鮮は核と長距離ミサイルを保有した。米国を核攻撃する能力を近いうちに保有する。二つ目は、北核が交渉用カードではないという米国の判断だ。適当な補償で北朝鮮は核を放棄しないはずだ。したがって以前とは違う根本的対応が必要だというのがオバマ政権の判断だ。最悪を想定する軍事的な対応はすでに始まった」と戦争を想定した軍事的段階に入ったと述べている。

  「6月25日の朝に歴史の繰り返しを憂慮するのは悲劇だ。大韓民国は60年前の新生独立国や100年前の封建王朝ではない。もう無気力ではない。危機を直視しなければならない。先週の韓米首脳会談である米国側の関係者が「韓国はなぜ北朝鮮の核脅威に無感覚なのか」と尋ねたという。すべての国民が「そうではない」と答えられなければならない」といわば戦争の覚悟を韓国民に求めている。そこで、大国の国際政治に翻弄された歴史を総括し、「もう無気力ではない」として、その歴史を繰り返さないように呼び掛けているのである。その時、韓国が「もう無気力ではない」のは、民主主義という価値観が中心価値として根付いているという自覚によるのである。そしてそれは、韓国軍と北朝鮮軍の軍事力の比較をして、韓国が大きく北のそれを上回っていることを報じていることとも合わせて考えると納得がいく。

 イランで民主主義のために血を流し命を犠牲にした若い女性、ロシアで民主主義を勝ち取るべく無国籍高麗人の権利のために動く韓国政府、そしてハンナラ党、日韓併合、独立、朝鮮戦争、と、強大国によって自国の運命を決定された歴史への反省、そして、今や、そうした「無気力」を脱して、危機に対処すべきだという呼びかけ、そこには、しかし、強大国アメリカのオバマの危機を克服し、民主主義のために闘う市民の国としてのアメリカ人としてのナショナリズムの発揮の呼びかけとどこか似通っているものがあると感じる。それは、現在、通年のGNPが、マイナス1・2%と予想されている韓国経済の危機を戦時体制で乗り切れというふうに聞こえる。オバマ政権は、北朝鮮に対して軍事的解決の道に本格的に入ったのかどうか、まだはっきりしない。注意が必要だ。

 

ウィキペディアより 

 女性の社会的地位
 高麗の社会は朝鮮の歴史にとって新羅に続き、女の社会的地位が高いという時代だった。もちろん、政治や生活全般には男が優先されたが、財産の分配は息子と嫁いだ娘を同等に待遇した。また夫に殴られた妻が官庁に告発し、官庁に引っぱられた夫がむち打ちの刑をうけた事もあった。忠烈王の時、朴楡は王に貴族の畜妾(ちくしょう)制度を法律で定めることを建議した。後に朴楡は町で老婆と女たちに後ろ指を指され、面前で悪口を言われた。離婚と再婚が自由だったというが、特別な理由もなく妻を見捨てると法律によって処罰された。12世紀に宋の徐兢が高麗を訪問してから書いた『高麗図経』には、「離婚率が高いし、恋愛と別れが多すぎるので、風習がおかしい」と書かれている。息子がいなくても祭祀は娘と婿が行なった。婿取婚の比率も高い、女は影響力が強かった。

 

 アラビア
 高麗の首都の開京(現在の北朝鮮の開城市)の礼成江河口の国際貿易港だった碧瀾渡でアラビア商人が賑やかだった。『高麗史』の記録には1024年(顕宗15年)と1025年(顕宗16年)、1040年(靖宗6年)にアラビアと大食国(ペルシア)の商人らが高麗に入朝し、産物を献上したと記されている。高麗はアラビアから水銀・香料・ガラス工芸品・珊瑚を輸入した。この時代に高麗の名称がヨーロッパに知られ、アラビアの商人たちが高麗(コリョ)を「コリア」と呼び始め、今の朝鮮を指す英語表記「Korea」になった。

 【社説】危機を迎えたイランの時代錯誤的な神政統治
  ジーンズに白いスニーカーを履いた若い女性が路上で倒れる。2人の男性が胸を押しながら応急治療を試みるが効果はない。地面は血だらけだ。イラン内の反政府デモで女性が胸を銃で撃たれて倒れて死んでいく場面の映像が世界ネットユーザーに大きな衝撃を与えている。ネダという名前の27歳の大学生だ。

  彼女は有権者として政府に抗議しただけだ。大々的な不正選挙疑惑があるため選挙をやり直せということだ。正当な要求に返ってきたものは冷たい銃弾だった。バイクに乗った私服民兵隊員2人が照準を定めて彼女を殺害したと伝えられている。

  大統領選挙の結果が発表された13日から始まったイランの反政府デモが10日以上続いている。首都テヘランをはじめ全国的にこれまで数百万人が参加し、デモの過程で少なくとも19人が死亡したと伝えられている。しかしイラン政府の報道統制のため正確な真相は知ることができない。

  今回の事態はイスラムの最高指導者が実権を持つ「神政統治」の限界と矛盾を劇的に表している。神政統治の下での民主主義は装飾品にすぎない。最高宗教指導者の嗜好に合わない選挙結果はいくらでも操作されるのだ。イラン政府はアハマディネジャド現大統領が改革派のムサビ元首相に圧倒的な票差で勝ったと発表したが、大多数の有権者はこれを信じていない。各種証拠が不正選挙疑惑を説明しているということだ。

  神政統治の権威を自ら否定する格好となるため容易ではないが、今回の事態を平和的に解決する方法は全面的な再点検または再選挙の実施しかない。今のように武力強硬鎮圧で一貫すれば、一時的にデモを鎮めることはできても再発する可能性が高い。イラン人口の70%が1979年の革命以降に生まれた30歳未満の若者だ。今回のデモの主役も若者層だ。このままでは第2、第3のネダが出るしかない。市民の民主的要求を受け入れる勇断がない限り、イランの時代錯誤的な神政統治は下り坂を辿ることになるだろう。

 

 韓国政府「高麗人は歴史的被害者」認め始める

 ロシア南部のロストフ州。車に乗り3~4時間走っても地平線しか見えない広大な平原。ここの農村地域にパク・ドミトリーさん(53)とキム・イェカチェリーナさん(51)の夫婦が、22歳の娘と2歳の孫とともに暮らしている。夫婦にはロシア国籍がない。無国籍の身分は娘を経て2歳の孫にまで続いている。

  娘は高校を卒業しているが卒業証書はない。国籍がないので国が卒業を証明することができず、大学にも進学できなかった。正社員の職を得ることはほとんど不可能だ。歳を取っても年金はもらえない。妻は「娘」「母」という単語が出るたびに泣いた。

  19世紀末の日本の強占期まで多くの韓民族がロシア沿海州に移住した。経済的問題と「独立運動」という政治的理由のためだった。1937年冬、ソ連のスターリン政権は沿海州に住んでいた高麗人17万人をすべて中央アジアに強制移住させた。

  1991年冬。高麗人はまたも厳しい季節を経験する。ソ連が崩壊し、高麗人は自分の意志とは関係なくそれぞれ別の国住むことになった。この過程で多くの人は国籍を取得できなかった。ウズベキスタンが故郷のパクさん夫婦も同様だ。

  旧ソ連地域にはパクさんのような「無国籍高麗人」が5万人に上ると推定される。53万人の高麗人の10%程度だ。彼らを指して外交通商部のシン・ガクス次官は、「わが民族が不幸だった時代、列強に挟まれた弱小国が生んだ悲劇の産物」と述べた。

  政府は高麗人強制移住60周年を迎えた2007年から、無国籍高麗人支援事業に着手した。現地国籍取得のため外交的努力と法律的支援をしている。しかし各国の法律と文化的な壁に阻まれ大きな成果は上げられていない。

  こうした状況の中、最近無国籍高麗人の解決策が作られ始めた。ウクライナが「無国籍高麗人に国籍を回復させる創意的モデル」を提示したのだ。同国のルツェンコ内務相は本紙とのインタビューで、「(高麗人実態調査の)アンケートに参加した無国籍高麗人は、『自らの身元を証明できないとしても』追放することはできないという長官命令を全国に出した」と明らかにした。

  ルツェンコ内務相は特に、「高麗人について調査したところ、私の在任期間中に問題を起こしたことはなかった。高麗人はすでわが国の人だった」と話した。ルツェンコ内務相は以後、韓国大使館とこの問題を解決するための接触を始めた。150の民族で構成されたウクライナでひとつの民族に特恵を与える内容を盛り込んだ長官命令は前例がないものだった。

  破格の措置はこれにとどまらない。イーゴル移民局長は、「ウクライナ国籍がない高麗人の身分を、「韓国大使館」が証明すれば国籍回復手続きを手助けできる」という意志を明らかにした。「他国(韓国)が自国の領土で行政手続きを踏めるよう配慮する」という意味だった。朴魯壁(パク・ノビョク)駐ウクライナ大使は、「ソ連時代から何代にもわたりこの地域で暮らしてきたこと、高麗人は歴史的被害者だという事実をウクライナが認め始めた」と説明した。

  高麗人支援に関する法律を推進しているハンナラ党の李範観(イ・ボムグァン)議員は、「法をあるがままに適用すれば、無国籍高麗人はすべて不法滞在者なだけだ。しかし歴史認識を通じて彼らに関する新しい観点を提示できるだろう」と強調した。

  本紙はロシア、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタンの4カ国で20日間にわたり無国籍高麗人を取材した。しかし正確な実態調査も行われておらず、どこにどれだけ多くの無国籍者がいるのかも把握するのは困難だった。 

 

韓国の社会葛藤、OECDで4番目に深刻 
  韓国が経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に社会葛藤が深刻な国であることが分かった。韓国が社会葛藤のために支払う費用は国内総生産(GDP)の27%にのぼると分析された。

  三星(サムスン)経済研究所は24日、報告書「韓国の社会葛藤と経済的費用」で、韓国の社会葛藤指数は0.71で、OECD平均(0.44)を上回ったと明らかにした。OECD加盟国のうち韓国より葛藤指数が高い国はトルコ(1.20)、ポーランド(0.76)、スロバキア(0.72)。

  社会葛藤指数の算出には所得不均衡の程度、民主主義の成熟度、政府政策の効率性(政府効果性)が指標に使われた。所得不均衡が高いほど、また民主主義の成熟度と政府政策の効果性が低いほど、葛藤指数は高まる。

  所得不均衡はOECD平均水準だが、民主主義の成熟度は27位と最下位で、政府政策の効果性も23位と平均を下回った。

  民主主義の成熟度部門では、行政権が他の憲法機関よりも強く、政党体系が不安定で、反対集団に対する寛容が十分でないと評価された。また妥協の文化が定着せず、法秩序を尊重する意識も不足している。

  研究所は、韓国はGDPの27%を社会葛藤費用として支払っていると推定した。社会葛藤指数が10%下落する場合、GDPが7.1%増加する効果が生じるという。韓国の葛藤指数がOECD平均(0.44)水準に改善される場合、1人当たりのGDP(02-05年平均基準)は1万8602ドルから2万3625ドルに増える効果が生じるということだ。

  ◆社会葛藤指数=三星経済研究所が米ハーバード大のデニー・ロドリック教授(経済学)の「葛藤の経済的モデル」に基づいて開発した。所得不均衡の程度を表す「ジニ係数」を、民主主義の成熟度を表す「民主主義指数」と世界銀行が測定する「政府効果性指数」の算術平均値で割る方法で算出した。

 【コラム】歴史は繰り返される
  少なくとも過去100年間の大韓民国の運命は米国に左右されてきたといっても過言ではない。ところがそれほど重要な米国について、私たちはその間あまり知らなかった。気分は良くないが、『米国、韓国を捨てる』(ナカタ・アキフミ著)はこうした点で引用する価値がある。

  「私たちは米国を兄のような存在と考えています」。高宗(コジョン)が1897年に韓国公使に赴任した米国人アレンと面会しながら述べた言葉だ。 高宗はアレンを通して米国の支援を切実に訴えた。 米国公使館で保護してほしいと2度も頼んだ。 2度とも拒否された。米国の考えは違った。

  「私は日本が韓国を手に入れるのを見たい」。セオドア・ルーズベルトが副大統領候補時代に友人に送った手紙の一部だ。ルーズベルトの日本愛はさらに深まる。 「東洋の発展は日本の使命だ。 日本の勝利は世界の幸福だ」。日露戦争の直前に述べた言葉だ。ルーズベルトは白人優越主義者だ。 唯一の例外が日本だった。 有色人種のうち日本人だけがアングロサクリンと同じ文明人だと見なした。

  もちろん米国外交の第一の尺度は自国の利益だ。 国際政治で強大国が考慮しなければならない独立変数は強大国だけだ。米国は日本を後援することでロシアと中国を牽制しようとした。日本が韓半島を植民地化することを黙認する代わりに、米国は自国の植民地(フィリピン)に対する日本の放棄覚書を受けようとした。1905年に米日間で締結された桂・タフト協定がその結実だ。 密約で韓半島の植民地化は事実上完結した。

  解放も米国がもたらした。 米国が日本を追い出して植民地独立という原則を立てた。ただ、韓国人には自治能力が足りないため相当期間は信託統治をするという前提だ。そして計画を変更して38度線を引いたのも米国だ。日本が予想よりも早く降伏し、ソ連軍があまりにも早く韓半島に進入すると、半分でも占めようという考えで腰を切った。そのどの過程でも韓半島に住む人々は独立変数として考慮されなかった。

  ちょうど59年前の今日に戦争を起こしたのは北朝鮮だ。 しかし韓半島の運命は依然として米国の決心に左右されていた。スターリンが南侵計画を承認した決定的背景は米国のアチソンラインだ。アチソン国務長官が「米国の防衛線から韓半島は除外する」と発表すると、スターリンは「米国が参戦しない」と判断した。米国は参戦し、38度線を越えて進軍したことで、中国の参戦を招き、李承晩(イ・スンマン)政府の北進統一主張にもかかわらず休戦に合意した。この過程でも当事者の韓国よりも強大国の利害が優先された。

  不幸な歴史が見え隠れする。最近、北朝鮮の核問題が米国が耐えうる限界に達した。 2つの点で以前と次元が違う。まず一つは、北朝鮮は核と長距離ミサイルを保有した。 米国を核攻撃する能力を近いうちに保有する。二つ目は、北核が交渉用カードではないという米国の判断だ。適当な補償で北朝鮮は核を放棄しないはずだ。したがって以前とは違う根本的対応が必要だというのがオバマ政権の判断だ。最悪を想定する軍事的な対応はすでに始まった。最近、米国が成功した空中発射レーザーは北朝鮮ミサイルを狙ったものと考えられる。飛行機からレーザーを放ってミサイルを爆破させる方法だが、射程距離が短く、北朝鮮以外の核保有国には使用するのが難しい。新しい国連決議案に中国が協力することを約束し、北朝鮮船籍の貨物船「カンナム」の追跡はうやむやにはならないだろう。

  6月25日の朝に歴史の繰り返しを憂慮するのは悲劇だ。大韓民国は60年前の新生独立国や100年前の封建王朝ではない。もう無気力ではない。危機を直視しなければならない。先週の韓米首脳会談である米国側の関係者が「韓国はなぜ北朝鮮の核脅威に無感覚なのか」と尋ねたという。すべての国民が「そうではない」と答えられなければならない。

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