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安倍内閣支持率急落、大人のいじめなど

 産経・フジの合同世論調査で、安倍内閣の支持率が、50%をきって、47・7%に落ちた。前回調査で63.9%あったのに、約1ヶ月で、16・2%も急落したのである。その他の世論調査結果を見ると、自民党支持層の中で、内閣支持が低下し、無党派層でもそうなっている。小泉内閣の支持構造で、強かった部分が、安倍内閣には欠けていることがわかる。

 とりわけ、この間の郵政造反組の復党問題では、復党に反対が67%で、これも自民党支持者にも多く反対者がいる。多くの自民党支持者が、昨年の衆院解散総選挙で、郵政造反組に対して刺客を送った小泉政権を強く支持したのであり、この復党は、それを裏切る行為と感じるのは当然である。

 下付の『毎日』の記事は、このところ深刻化している子どものいじめ問題が、大人の問題でもあることを示す例である。職場でのいじめの相談が労働相談に多く寄せられるようになったというのだが、しかし、それは90年代不況の頃に、リストラの過程で、よくあったことであり、その相談は、管理職ユニオンなどに多く寄せられていた。この時は、経営側が、リストラという明確な目的を持って、組織的に行われたが、今増えているのは、「長時間労働などが職場にギスギスした雰囲気を生み、いじめにつながっているのでは」ということで、労働強度や労働システム、過労、精神的ストレスの強まり、などから発生しているようだ。

 記事では、「20代のシステムエンジニアの男性の事例では、システムの完成が進まないことから「再教育」の名目で仕事と関係のない研修を受けさせられ、ひざげりなどの暴力を受けるようになり、うつ病となった。また、経理職だった女性は営業に回された上、けんしょう炎になるまで古い伝票を破る作業を延々とやらされたという。技術の未熟な若者や動きの鈍い人などが狙われるらしい」という2例があげられている。これらは、仕事の集団性を捨象して、無理矢理、能力や成果を個人に帰着させるシステムの不条理さ・間違いが、いじめを発生させていることを表していると考えられる。

 最後の記事は、注意しなければならないのは、宮城県の教員へのいじめ対応調査で、取り組みが弱いような結果が出ているのは、そもそもいじめ問題が、こんなものは昔からあったというような深刻さを認識していない人が多く、また、いじめと非行をごっちゃにしている人が多いという一般的ないじめ認識を反映していることが大きいと思う。アメリカのコロンバイン高校銃乱射事件の犯人がいじめ被害者だったことをしっかりと報道していたら、事態はもう少し変わっていたかもしれない。調査は、まず、教員自身のいじめ対応についての率直な自覚が現れているように思われる。いじめの存在すら認めようとしなかったこれまでの学校や教育委員会の不誠実な態度よりは、よっぽど正直である。これで、いじめ解決に向けてのスタートラインにようやく立ったように見える。

 復党反対67% 内閣支持率は50%下回る FNN世論調査

 産経新聞社はFNN(フジニュースネットワーク)と合同で11月30、12月1の両日、「政治に関する世論調査」を実施した。郵政民営化に反対して、自民党を離党した「造反組」議員11人の復党について「反対」と回答した人が67.2%に達し、賛成の17.3%を大きく上回った。世論の厳しい反応を裏付けた結果で、安倍内閣発足直後の9月に実施した前回調査で63.9%だった内閣支持率は、47.7%と16.2ポイント低下した。

 復党に反対した人の理由で最も多かったのは、「来年夏の参院選目当てなのがあからさまだから」で45.1%。「かつて郵政民営化に反対した」24.6%▽「復党の理由がよくわからない」15.9%-が続いた。

 逆に、賛成と答えた人の理由では「『造反組』議員はもともと自民党議員だったから」が最も多く、43.9%。「安倍政権に代わったから」「今回、郵政民営化支持などを約束した」がそれぞれ16.2%だった。

 「造反組」議員の復党願提出に際して党執行部が求めた誓約書提出などの条件については「妥当」とする意見が36.2%でもっとも多かったが、「甘すぎる」との回答も33.4%に上っている。また、復党問題に関して安倍晋三首相が指導力を発揮したかどうかの質問に対しては「発揮したと思わない」との回答が66.7%に達し、中川秀直自民党幹事長に対応を一任した首相の姿勢が国民には分かりにくかったようだ。

 復党問題が来年夏の参院選に与える影響についても、「自民党にプラスだとは思わない」と答えた人が57.6%と、「プラスだと思う」の23.4%の2倍を超えた。自民党の支持率も前回の43.4%から37.3%に低下しており、安倍政権としては復党問題でのマイナスイメージ払拭(ふっしょく)のため、政策面で一層の改革姿勢が求められそうだ。(『産経』2006/12/01)

 <いじめ>「大人」の職場でも深刻 労働相談の2割近くに 

 「大人のいじめ」もまん延してます――。日本労働弁護団(宮里邦雄会長)の実施する労働相談で、職場でのいじめに関する相談件数が全体の2割近くを占め続けている。内容も言葉のいじめから直接的な暴力まであり、弁護団は「子どものいじめ自殺が相次ぐ中、『子は親を映す鏡』というが、長時間労働などが職場にギスギスした雰囲気を生み、いじめにつながっているのでは」と分析。「14年間の相談活動の中で経験したことのない異常事態」と指摘している。
 弁護団によると、年間約2000件寄せられる相談のうち、いじめに関する相談の割合は04年に8%で、不払い残業(30%)や解雇(14.9%)などと比べて相談は少なかった。それが05年には17.7%と2倍以上に増加。06年も17.2%と高水準のままだ。これに伴って労災の相談では、従来のけがなどから「うつ病」の相談がほとんどを占めるようになった。
 20代のシステムエンジニアの男性の事例では、システムの完成が進まないことから「再教育」の名目で仕事と関係のない研修を受けさせられ、ひざげりなどの暴力を受けるようになり、うつ病となった。また、経理職だった女性は営業に回された上、けんしょう炎になるまで古い伝票を破る作業を延々とやらされたという。技術の未熟な若者や動きの鈍い人などが狙われるらしい。
 弁護団の棗一郎弁護士は「さまざまな形のいじめがある。法的措置で対抗もできるのでぜひ相談してほしい」と話している。
 弁護団は2日を中心に20都道府県で電話相談「労働トラブル110番」を実施。常設的な相談も行っており、問い合わせは弁護団(03・3251・4472)へ。【東海林智】 (『毎日新聞』 - 12月2日)

 いじめ問題:県立高教諭らの認識調査、「無関心」浮き彫り--県教委実施 /宮城

 県教委は1日、県立高の教諭らを対象に実施した「いじめ問題」への認識調査の結果を発表した。全国各地で起きているいじめを苦にした自殺は、教師の無関心が要因ともなっているが、県内でもいじめに無関心で適切に対応できていない実態が浮かび上がった。

 調査は定時制・分校を含めた県立高94校の教諭や養護教諭、実習助手などを対象に行い、ほぼ全員の3459人から回答があった。

 17人が「生徒からのいじめの訴えに的確に対応していない」、30人が「生徒が発する危険信号を見逃さずに対応していない」と回答。8人が「いじめは人間として許さない」との認識で指導に当たっていなかったほか、8人が「日常の活動で生徒との良い関係を築いていない」と答えた。

 県教委高校教育課は「担任でないなど生徒とのかかわりからの回答で、いじめを放置している訳でない」としている。

 また、仙台市を除く小中学校計482校を対象に同様の調査をしたところ、53校の生徒指導担当教諭が児童相談所や警察との連携が不十分としたほか、29校が学級便りや家庭訪問を活用した情報提供をあまりしていなかった。

 調査結果を受け、県教委は12日、小中高校の担当者らによる連絡会議を開き、いじめ問題への対応を指導徹底する。【石川貴教】(『毎日新聞』12月2日)

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