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政治その他についての雑感

 与党の教育基本法案が成立してしまったのは残念である。しかし、教育再生と称する教育体制の変更は、これからが本番だ。ところが、安倍政権は、支持率低下を気にする風もなく、郵政造反組の復党やスキャンダルが発覚した本間政府税調会長をかばったりしている。

 民主党が見送った和歌山県知事選では、共産党候補が、投票率が低い中で、3万票以上を上積みするなど、自民党・公明党支持候補の出だしは低調となった。さらに、安倍首相と考えの近い保守派石原東京都知事は、海外豪華出張問題や公私混同などが報じられるなど、ピンチに立っており、日の丸君が代強制の先頭にたってきた広島県知事の選挙資金疑惑が持ち上がり、辞職勧告決議が採択されるなど、与党系知事が次々と力を落としている。

 与党が落ち目なのに、民主党がそれを鋭く追求することもなく、存在がかすんでいるように見える。来年の東京都知事選では、候補次第で、勝てるチャンスは拡大しているのだが、未だに候補者の名前が出てこない。菅氏の名前がマスコミなどでは取りざたされているが、田中真紀子氏という名前があってもいいだろうに。あるいは、野党統一候補というのでもいい。とにかく、やる気があるのか疑いたくなるような対応の遅さである。東京都議会では、民主党都議の何人かが、石原を支持して、与党的な振る舞いをしていて、本当はかれらは石原再選を望んでいるのかもしれない。そんなこんなで、民主党の事情が、自公政権や石原東京都政を助けている面があるように思われる。

 自民党政権は、わずかな野党の時期を除いて、長年政権政党であり、社民党委員長を首相に担ぐという無茶苦茶なことをしてまで、野党から脱して与党に返り咲いてから、連立相手を変えつつも、すでに十数年、政権の座にある。保守派が好む格言に、「権力は絶対的に腐敗する」というのがあるが、当然、自民党権力はこの間に絶対に腐敗しているのである。だからこそ、政権交代が必要だというのが、二大政党論者の主張であった。だとすれば、タウンミーティング「やらせ質問」問題その他の権力の腐敗が次々と明らかになっている今こそ、政権交代が必要な時ということになろう。

 しかし、その政権もやがて絶対に腐敗するのだから、また何年か後には、政権交代が必要な時が来る。政権は交代するが、基本的な体制は同じでなければならないのが、二大政党論の前提である。基本政策は、大きく変更しないということである。しかし、それでは、制度疲労が強くなったらどうしたらいいか? 大改革を行わねばならない。ところが、二大政党は、基本政策が同じなのだから、それができない。しかし、この間、自民党政権は、教育基本法を変えたし、さらに憲法まで変えようと狙っている。

 基本政策を大きく変えるような大改革の場合は、世論の多数が支持していることが必要だという基準を導入したとしても、世論は時期によって動くから、時期が問題である。しかし、今回の教育基本法改「正」については、明らかに世論の多数を無視した。復党問題でもそうである。結局は、去年夏の「郵政民営化賛成か反対か」を問うた解散総選挙で得た衆議院での圧倒的多数が、世論を代表すると見なして、国会で多数だから、基本政策の大改革は人々の多数支持を受けたとされたのである。総選挙では、シングル・イシューの国民投票みたいな感じになってしまったから、その他のイシューが選択基準にならず、白紙委任みたいになってしまったわけである。改憲の場合は、国民投票で多数を取らねばならないので、そういうわけにはいかない。

 他方で、保守派の分裂・再編が進んでいるが、とくに、産経グループの出版社の扶桑社が、日本教育再生機構(八木理事長)側に立って、「つくる会」教科書の編成権と執筆者選択権を確保し、執筆者から藤岡信勝氏をはずすなどの要求を「つくる会」に突きつけたことは、保守系運動体の大同団結をはからないとまずいという考えが、フジ・産経グループ内で強まっていることを示すものだろう。

 それに対して、「つくる会」東京支部の抗議の声が出ているようである。他方で、加藤紘一元自民党幹事長宅放火事件の右翼メンバーの行動を支持する集会に1000人が集まったと鈴木邦男氏が書いている。これは多いのか少ないのか、判断がつかない。少なくとも、緩やかに保守派が大同団結することを目指しているソフトな日本教育再生機構の民間タウンミーティング東京の700人よりは多い。しかし、教育基本法改悪阻止のために国会前に詰めかけた採択日の2500人よりは少ない。この行動では述べ何万人もが連日、国会前に集合した。それ以外に、日教組中央集会1万2千人、北海道1万人などの大集会が行われた。

 東京都石原知事批判は、左からだけではなく、一般都民からも噴出しているように、右派・保守派は、追いつめられつつあるように見える。だからといって、多くの都民が左傾化しているようにも見えない。今は、保守からニュートラルな状態になりつつあるところではないだろうか? 民主党はこのような意識変化に対応できずに右往左往しているようだ。和歌山県知事選挙では、有権者の間から、民主党が候補者を立てなかったことに失望する声が起きているという。選択肢を与えられなかったことは、民主党が反省すべき点であると思われる。こうして中間政党化している民主党に人々が失望すると、人々の意識は左傾化していく可能性が高いのではないだろうか?

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