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落ち目の安倍政権

 最近の安倍政権を見ていると、発足当時、本格的な保守政権などと呼ばれていたことが嘘のように、ふらついている。なるほど、安倍政権が最重要法案と位置づけた教育基本法与党案は成立した。しかし、教育再生会議の方は、百家争鳴状態で、第一次提言骨子案が決まらないなど、迷走状態である。報道では、野依氏が、塾をなくすことを会議で表明したという。教育再生会議では、なんでもありの議論になっているようで、文科省と自民党が、主導権を握ろうとしているようである。その点を、『産経』社説が指摘して、再生会議の議論に不満を示している。『産経』は、「ゆとり教育」がもたらした学力低下をはやく是正しろと主張している。そこで、「ゆとり教育」を導入し維持してきた文科省の役人が、教育再生会議の事務局にいることを警戒し、「ゆとり教育」の是正が明記されなかったのに不満をもらしている。『産経』は、「もっと官邸主導を」というが、支持率急落中の安倍政権の官邸が、主導性を強く発揮できるとは考えにくい。

 教育基本法は、理念法と位置づけていて、具体的な制度改革には、学校教育法などの関連法の改正が必要であり、それこそが、本格的な権力闘争の対象である。当然、文科省は、その当事者であって、この教育制度改革で、多くの利権を確保することを目指して闘っているのである。小泉政権では、官邸主導を支えたのは、世論の高支持率であった。世論支持を高めるために、タウンミーティングの「やらせ」が行われていたわけだ。

 安倍政権に官邸主導を求めても、無理だろう。すでに、「ポスト安倍」という話がささやかれているようで、保守派・右派の期待を集めた安倍総理であったが、短命に終わる可能性が高そうである。しかし、「ポスト安倍」といっても、自民党内にそんな人材がいそうもない。ただ、衆議院での圧倒的多数の議席があるだけで、場合によっては政界再編という可能性もありそうだ。しかし、教育改革・改憲は、野党民主党の綱領でもあり、与党が落ち目だといっても、自民・民主共通の政治課題として、これから、国会で課題として持ち上がるだろう。防衛省昇格問題で民主党があっさりと与党と妥協したように、改憲のための手続き法の国民投票法案に、民主党案ができている。そこで、改憲が、安倍政権か民主党政権かに関わりなく、政治スケジュールにのってくることは確実である。

 春の統一地方選、そして、夏の参議院選の結果が、その行方を大きく左右する。安倍政権が落ち目になると同時に右派保守派も一緒に落ちていくのは明白であろう。9条改憲阻止のためには、それをなお促進する必要がある。それによって、改悪教育基本法も死に体となるだろう。 

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