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総連関連だと空想癖が強く出る『産経』『読売』。その他

   『産経』『読売』の現実離れした空想ぶりを示す社説が出た。

 元公安調査庁長官の緒方弁護士が、地上げ屋と組んで、強制執行を免れようと総連施設の売却先を探していた土屋元日弁連会長と総連幹部を騙して、一儲けをたくらんで、偽装売り買いをしたとして、三人が逮捕された件である。

 逮捕された不動産ブローカーは、札付きの地上げ屋であって、過去に、緒方弁護士と組んで、六本木のビルを地上げして大もうけしたことがあったという。

 『毎日新聞』の記事によると、緒方弁護士、不動産ブローカー、元銀行員の三人が、総連と間に入った土屋弁護士をはめて、土地の名義変更を行った上で、35億円の買収資金を支払うという約束をし、それぞれ億単位の謝礼などの名目で、総連から数億円をもらっていたが、実際には、買収資金はなく、架空取引だった。

 土地建物を差し押さえられる瀬戸際に追い込まれていた総連の弱みにつけ込んだ犯行で、欲にまみれた詐欺犯罪である。

 だいたい、検察側の事件の認識は、こんな感じのようだ。

 当初、総連側が、元公安調査庁長官を利用して、騙した加害者であって、緒方弁護士らはそれに引っかかって、騙された被害者だという見方が流れていた。検察側も、そういう見込みをもって捜査したと言われるが、実際に調べた結果出てきたのは上のようなことであった。

 『読売』は、「しかし、朝鮮総連は単なる被害者の立場なのか」と疑問を呈す。「この売買を仕組んだのは、もともと総連側で、総連側の誘いに乗ったのが緒方容疑者だとみられていた」のは、まったくの間違いなのかと疑っているのである。しかし、検察は、捜査の結果、逆だったと結論づけた。

 しかし、『読売』はあきらめない。「加害者と被害者の関係が、逮捕容疑のような単純なものなのか。総連側に違法性はないのか。特捜部には、全容を徹底的に解明してもらいたい」というのである。いかにも、総連側が真っ白のはずはないと言いたげである。たたけばほこりが出るはずだというのである。

 そのほこりとは、朝鮮総連が、整理回収機構が返済を求めている長銀信組の破綻処理の費用35億円の返済作業を妨害するために、総連側が積極的に工作活動をしたのではないかということである。

 しかしそうだとしても、たんなる土地建物の売り買い行為自体に、違法性はないわけだし、実際に、もし買収費が全額支払われていれば、それはたんなる商行為にすぎないわけだ。それに、この土地建物がかりに売られてしまったとしても、今度は売却代金が差し押さえの対象になったはずである。返済義務も、それで消えるわけではない。

 『産経』も『読売』と似たようなことを言っているのだが、最後に、「検察エリートでもあった元長官がなぜ、朝鮮総連と深いかかわりを持つようになったのか。検察当局はこの深い闇を明らかにすべきだ」としている。はたして、緒方弁護士と総連に、深い闇のつながりがあったのかどうか、なんとも言えないが、今のところ検察が描いている今回の事件の構図は、たんなる悪質な詐欺事件である。

 『産経』『読売』は、総連が絡んでいる事件と聞いただけで、深い闇だの秘密のベールだとのというイメージを思い浮かべるのが癖になっているわけである。そういうときに、まてよ、こうしたワンパターンなイメージにとらわれているのではなく、まず、頭をからにして、虚心に事実に向かおうとはしないわけだ。禅寺で座禅を組んででも、いったんそういう状態にした方が、よい。そうすれば、後で読み直して恥ずかしくなりそうなことを書かないですむだろう。実際のところ、これらの記事は、後で読み直すと恥ずかしくなるだろう。

 すでに、最高裁が審議を差し戻した段階で、死刑確実と言われる光市母子殺人事件の公判で、審議引き延ばしをするなと言えば、少年を早く死刑にしろ! 早く殺せ!と言っていることになってしまうため、これを伝えるテレビ・キャスターなどの表情は苦しげである。

 『産経』『読売』の主張と反対に、JR西日本福知山線脱線事故の原因として、懲罰的な「日勤教育」が事故調査報告書で指摘された。しかし、社会保険庁の年金未記録問題では、屋山太郎をはじめ自民党幹部から、懲罰を強めろという声ばかりだ。現実から学べないどうしようもない連中だ。教育されなければならないのは、この連中の方である。

 【主張】元長官逮捕 総連との関係も解明せよ(『産経新聞』6月29日)

 朝鮮総連中央本部の土地・建物をめぐる仮装売買事件で、東京地検特捜部は元公安調査庁長官、緒方重威容疑者ら3人を詐欺容疑で逮捕した。予想されたこととはいえ、北朝鮮などを監視する日本の情報機関の元トップが逮捕されたことは衝撃である。

 緒方容疑者は資金調達の見込みがないのに可能であるかのように装い、総連中央本部の土地・建物をだまし取ったとされる。この詐欺容疑に関しては、総連は被害者である。しかし、売買そのものは、整理回収機構(RCC)から627億円の返還を求められていた総連の中枢が、強制執行を免れるために計画した疑いが強い。総連の関与も徹底解明されるべきである。

 緒方容疑者とともに逮捕された満井忠男容疑者は、住宅金融債権管理機構による差し押さえを免れるために財産を隠した強制執行妨害罪に問われ、有罪判決を受けている。緒方容疑者はその裁判で、満井容疑者の弁護士を務めた。今回の総連中央本部の仮装売買に通じるものがあり、この点からの2人の関係解明も必要だ。

 公安調査庁は破防法施行に伴い、法務省の外局として設置された行政機関である。北朝鮮や総連以外に、過激派やオウム真理教(アーレフに改称)の動向など国内外の公安情報を収集する重要な役割を担い、その情報は内閣にも上げられる。

 緒方容疑者はそのトップとして公安庁内の最高機密を把握できる立場にあった人物だ。検察庁では最高検公安部長、広島高検検事長などを歴任し、公安庁では北を重点的に監視する調査第2部長も務めた。

 その元公安庁長官が監視対象の朝鮮総連への強制執行を免れる行為に手を貸していたこと自体、公安庁の信頼を失墜させる行為である。

 緒方容疑者は公安庁長官時代の平成6年の衆院予算委員会で、朝鮮総連について「北朝鮮と一体関係にあると見ている」「非公然組織『学習組』約5000人が非公然活動に従事していると承知している」などと踏み込んだ答弁をしていた。

 検察エリートでもあった元長官がなぜ、朝鮮総連と深いかかわりを持つようになったのか。検察当局はこの深い闇を明らかにすべきだ。
  緒方元長官逮捕 総連事件の闇を徹底解明せよ(6月29日付・読売社説)

 「架空取引ではない」としきりに強弁してきたが、通るはずもなかった。

 公安調査庁の緒方重威・元長官が東京地検特捜部に逮捕された。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の東京・千代田区にある中央本部の土地と建物を、総連側からだまし取ったとする詐欺容疑である。

 法務省外局の情報機関である公安調査庁は、北朝鮮、朝鮮総連の動向も主要な調査対象としている。そのトップだった人物が、朝鮮総連がらみの事件で逮捕されるという異例の展開だ。

 特捜部によると、緒方容疑者は中央本部を35億円で購入するとみせかけ、緒方容疑者が代表の投資顧問会社に所有権だけ移転させたという。

 しかし、朝鮮総連は単なる被害者の立場なのか。この売買を仕組んだのは、もともと総連側で、総連側の誘いに乗ったのが緒方容疑者だとみられていた。

 実質的に総連の最高責任者とされる許宗萬・責任副議長が自ら関与していたという構図だった。

 許氏は北朝鮮の国会議員である最高人民会議の代議員も務めるなど、本国と密接なつながりを持つ人物だ。

 加害者と被害者の関係が、逮捕容疑のような単純なものなのか。総連側に違法性はないのか。特捜部には、全容を徹底的に解明してもらいたい。

 そもそもの発端は、破綻(はたん)した朝銀信用組合の債権を引き継いだ整理回収機構が朝鮮総連を相手取り、約627億円の返還を求めて起こした訴訟である。

 総連全面敗訴の判決が今月18日に東京地裁で出たが、この判決を前に、総連は中央本部が差し押さえられるのを逃れようと企て、緒方容疑者が買い取った形にして、5年後に買い戻す念書まで交わしていたとされる。

 朝銀信組の破綻処理では1兆円以上の公的資金が投入されている。整理回収機構が総連を訴えたのも、この国民負担を少しでも軽くするためだ。総連は返済義務を忠実に果たそうとせず、機構の作業を妨害しようとしたのではないか。

 35億円の仲介役とされる元不動産会社社長らも共犯の容疑で逮捕されたが、この仲介役には総連から4億8400万円の資金が支払われている。こうした資金の流れや許氏の動きなど、まだ不明な部分があまりに多い。

 東京地裁は、整理回収機構の申し立てを受け、中央本部について強制執行を認める決定を出した。もともと、総連の乱脈運営が招いたことである。整理回収機構も、中央本部を含め、総連からの債権回収を着実に進めてもらいたい。

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