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7月2日の雑感

 軽いぎっくり腰で、大変だったが、元整体師の人が勧める体操をやったら、ずいぶん楽になった。

 それにしても、そのわずか数日の間にも、いろんなことがあった。

 参議院選挙が近いというのに、久間防衛大臣が、講演の中で、アメリカによる広島・長崎に対する原爆投下は、「しょうがない」と発言して、与党内からも批判を浴びた。彼の理屈では、原爆投下によって、ソ連の北海道侵略を防ぐことができ、早期終戦できたので、犠牲者が少なくてすんだことになるらしい。

 アメリカ政府は、原爆投下について、米軍犠牲者を最小限にするためであったと主張して、未だに、謝罪もしないで、この行為を正当化している。

 久間防衛大臣は、日本の一部でもソ連に占領されていたら大変だったということを言いたかったのであろう。

 しかし、元々、アメリカの原爆開発は、対ナチス戦での使用を目的に開発されたもので、対日戦に使用する計画は当初はなかった。ナチスドイツが、敗北する中で、残った日本に対して、原爆を使用することを決断したのは、トルーマン大統領である。それを知ったアインシュタインなどの一部の原爆開発計画への参加者が、反対し、抗議した。

 沖縄戦での猛烈な反撃であるとか、特攻攻撃や硫黄島の殲滅戦のすさまじさであるとかの体験から、もし、本土上陸戦になった場合には、米兵の犠牲者が大勢出るだろうとアメリカ政府は考えたのである。しかし、実際には、そもそも日本政府内部では、対米戦争に消極的だった勢力がいて、戦況が不利になっていくにしたがって、停戦への動きが本格化していた。そして、その意向は、連合国側にも伝わっていたのである。もちろん、それは、ぐずぐずしたもので、国体護持を前提とするものであった。沖縄は、本土決戦の時間稼ぎのための捨石にされたのであるが、それでも、政府中枢の講和への動きは、鈍かった。しかし、政府も敗戦を前提にした戦後体制問題を議論し始めていたのである。

 それにも関わらず、アメリカ政府は、一つには、久間大臣が言うとおりソ連に先駆けるため、二つには、原爆の実証実験をしたかったため、長崎と広島への原爆投下を決定したのである。すでに、日本本土には、アメリカ軍とまともに戦える武器も資源もなく、民間人のゲリラ的闘いぐらいしかできなかったのである。それでどれだけの米兵の犠牲が出るのかわからないが、原爆を落として、一般人を大量虐殺するほどではないだろう。 核廃絶を掲げている政府の防衛大臣として、許される発言ではないことは明白である。

 田原総一郎という男は、本当にどうしようもない。『朝まで生テレビ』での発言では、年金記録漏れ問題について、厚生労働省の上級官僚に聞いて、問題を理解しようとしたらしい。とにかく、年金を払った人が全部払った分に応じた給付が確実になればいいのだと言うのである。安部総理は、就任当初、年金問題も、とにかく経済成長さえすれば解決すると言っていたことを忘れているようだ。今国会で、強行採決された年金改革法なるものは、社保庁を解体して非公務員化によって民間の手法で年金を徴収すれば、未納率があがって、年金財政が良くなるという非現実的なものなのである。

 年金問題を理解するには、社保庁に年金記録の問い合わせに殺到している人の意見を聞かないといけないのである。それは、この人たちの人生の問題だからである。官僚からすれば、年金は、税金と似たようなもので、しかも、先に使って、後で支払えばいいものだと、どんどん自分たちの利益のために使ってしまったものなのである。民間ならいいというものでもないことは、生保の保険金不払い問題が明らかになったことで明らかである。

 結局のところ、この国の官僚も与党も年金を頼りに老後の生活設計をしてきた人々のことなど考えてもいないし、ただの金ずるや票田としか見てこなかったわけである。そのことに対する人々の怒りと不満の大きさをぜんぜん見えていないのである。田原総一郎もそうした支配者たちの一員として、価値観を共有していて、それに対する距離感や批判意識を失ってしまっているのである。それは言うまでもなく、ジャーナリズムの使命の喪失である。支配者の代弁は、ジャーナリズムではないのである。

 年金問題は、制度としては極めて簡単な仕組みである。政府が、徴収した金を預かって、それを投資して、将来に支払うというだけのことだ。仕事は、年金を徴収することと投資することと支払うこととそれらを記帳することだ。複雑なのは、年金に複数の種類があって、それぞれ制度設計が違っているということである。しかし、それでも、仕事自体は、投資判断を除けば、それほど難しくはない。投資判断についても、投機的な投資は禁止されているのだから、それほどでもないのであるが。

 政府の年金対策が対策になっていないことは、人々の多くが見抜いていて、政府自民党を信用していない。それに対する民主党の対案についても、人々の多くが信用していないのであり、人々の求める対策案がどこからも出ていないのである。これでは二大政党制というのは、ひとつも人々にとっていい政治制度ではない。それなら、年金党みたいなシングルイシューでの政党という多様な選択肢があったほうがいい。

 田原は完全に人々をなめてかかっていて、それが不愉快だから、なんとか参議院選挙で、彼があっというような結果を出して、政府自民党・官僚と一緒に落としてしまいたいものだ。

 最近は、「ワーキング・プア」の人の一部から、このままの状態から脱出できないなら、戦争でも起きて、それに兵士として参加して死んだ方がましだということを言う人がいる。バブル崩壊後、90年代以来、進んできたこうした「ワーキング・プア」の人たちは、存在しながら、社会から無視されてきた人たちで、絶望感が深いのかもしれない。田原は、こうした問題にも対して関心がないらしい。それに対して、一応、関心を向けている小林よしのりは、何でもナショナリズムで解決するというナショナリズム万能論、あるいはナショナリズム還元主義になっている。彼は、中小企業主義であり、宮台慎司も、マックス・ウェーバー主義者で、同じ立場であることがわかった。これでは、「ワーキング・プア」を理解することも問題解決をすることもできない。ただ、小林は、映画「フーテンの寅さん」のタコ社長の立場はわかるようだが、宮台はまったくわからないようだ。それでよく、左右を批判するなどということが言えたものだ。寅さんは、左翼「国民」統一戦線映画なのである。

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