« この『読売』社説にもあきれた | トップページ | このままでええの!!日本と世界10・21反戦共同行動in京都 »

最近の二つの話題について

 当ブログでも取り上げた元自衛隊イラク派遣隊長の佐藤正久自民党参議院議員のテレビでの「駆けつけ警護」発言問題は、ブロガーにまたたく間に広がり、弁護士グループなどの「公開質問状」送付につながり、社民党などが問題を取り上げるなどして、新聞・テレビなどのマスコミでも取り上げられた。
 
 当ブログに、コメントを寄せていただいた兵庫の弁護士の津久井進さんも「津久井進の弁護士ノート」http://tukui.blog55.fc2.com/で取り上げ、また、やはり先日、コメントを寄せていただいた杉浦ひとみさんは、「公開質問状」提出運動で中心的に動かれている「杉浦ひとみの瞳」http://blog.goo.ne.jp/okunagairi_2007
 
 こうした人々によって、参院選での自民党大敗・民主党躍進という劇的な政局の動きの中で、危うくかき消されかけていた佐藤議員の「駆けつけ警護」発言問題を、問題として浮上させることができた。
 
 これには、この問題をいち早く取り上げ、ブロガー間の連携を訴え、それを実現していった「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005さんの働きが大きかった。これは、ブログの可能性を示すものであったといえよう。

 「公開質問状」については、小泉前総理は受け取り拒否、安部首相からの回答は今のところなし。佐藤議員は、どうするか検討中だそうだ。
 
 この問題については、上記の諸ブログに詳しいので、それを見ていただくとして、今日、気になったのは、ライブドア・ニュースのJ-CASTニュースからの記事「橋下弁護士は「業界の笑いもの」なのか?」である。
 
 記事は、山口県光市母子殺害事件の差し戻し審において、加害者・被告に大量の弁護団がつき、被告がそれまでの証言をひっくり返したことに対して、橋下弁護士が、テレビ番組で、この弁護団は、弁護士の社会的信用を傷つけたとして、人々に懲戒請求するように呼びかけたことから、それに応じたと思われる懲戒請求が多数行われ、それによって、弁護士業務に支障が出たとして、損害賠償請求が起こされたことを取り上げているのである。彼は、8月29日の自身のHPで、
 
裁判なんて、科学じゃない。
刑を科すための社会手続きなんだ。
弁護団がやるべきことは、一審・二審で主張しなかことを、なぜこの期に及んで主張するのか。
刑事裁判というものが被害者遺族のための制度であり、そして社会の公器であることを考えれば、徹底的に説明すべきなんだ。
そんなこともせず、自分たちのカルト教義の信心のため、自己陶酔に浸って裁判を長期化し、被害者遺族の心を傷つけ、社会に対して弁護士不信を醸造させた、彼らカルト集団弁護士たちの行動は、完璧に弁護士法上の懲戒事由にあたる。
本日(2007年8月31日収録、同年9月1日放送)の「たかじんのそこまで言って委員会」の収録において、やしきたかじん委員長に、僕は許可を求めた。
「彼ら弁護団は、自分たちの主張をメディアが取り上げてくれないと不満を言っていますので、ぜひこの番組に出席させて主張させて下さい。弁護士仲間に話すのではなく、一般の観客の前でそしてテレビカメラの前に出させることで、世間の空気にさらさせてください」と。
やしきたかじん委員長は許可してくれた。
弁護団よ、そしてカルト集団弁護士よ、加えて、俺に野次を飛ばしたチンカス弁護士よ、世間の前でしゃべってみろよ!!

 と暴言をまき散らしている。自分の利己心を満足させるために。「弁護団がやるべきことは、一審・二審で主張しなかったことを、なぜこの期に及んで主張するのか」と文章的に破綻しながら。「刑事裁判というものが被害者遺族のための制度であり、そして社会の公器である」というのが、彼の刑事裁判観である。これもまた、文章的に破綻している。「刑事裁判は、社会の公器である」これは一体なんだろう? 意味不明だ。また別の箇所では、刑事裁判は社会の公器であるが、民事裁判は、私事だというような考えを示しているような部分が出てくる。だから、私服でいいのだと。刑事裁判だけが、公的なので、スーツにネクタイだという。弁護士同士は私人間の関係なので、ジーパンにTシャツでいいのだとも言う。私的なもの・私事と公的なもの・公事を区別する基準は一体何なのだろう? 刑事は、公秩序の維持の問題だから公事で、民事は、民法という私法の領域を扱うから私事だというのだろうか? ちんぷんかんぷんだ。

 彼は、「業界で笑い話になる」だけではなく、世間でも笑い者になるだろう。いやいや、すでに、自身がバラエティー番組で、弁護士をお笑いタレントにすることに一役買ったわけだから、笑い者になってしまっているのである。手遅れだ。そうなってしまった以上、もはや、こんなことをいくら言っても、彼が言うことは「笑い話」にしかならないことは明らかである。バラエティー・ネタなのだ。
 
 橋下弁護士は、弁護士の社会的信用を落としている張本人でありながら、そういう自分を直視し自覚した上で、振る舞うだけの器量も理解力もないことを臆面もなくさらけ出しているのである。それが彼の言葉の醜さに現れているのである。
 
 それに対して、占いだの予言だの霊だの幽霊だのの信用を自ら傷つけ、落としている占い師の細木数子の場合、すでに、自身がバラエティ・ータレント化しているという自覚があって、番組視聴率を稼ぐことに貢献することで生きのびていることを隠しもしていない。彼女の予言とやらは、はずれまくっているし、仏教は、霊を否定しているのに、まるで仏教を敬っているかのように言うし、墓だの系図だのに人間の幸不幸の原因があるように言う。そんなものが人の幸不幸を左右するわけがない。少なくともそれは仏教とは関係ない。彼女の師匠の安岡正篤譲りの儒教(陽明学)から借りたものかもしれない。いずれにせよ、まだ、彼女には、テレビと自分が持ちつ持たれつの利用関係にあるという自覚があり、バラエティー・タレントとしての役割をつとめているという自覚があるわけだ。細木を助けているのは、商才であって、「六星占術」の力などではない。彼女が、大丈夫だと言った安部総理は、参院選で大敗を喫し、政権も危うい状態だ。それに対して、橋下弁護士は、「国民に弁護士というのはこんなふざけた主張をするものなんだと印象付けた今回の弁護団の弁護活動は完全に懲戒事由にあたる」などと自分を差し置いて、正義の味方面をし、国民感情の代弁者のごとく振る舞うのだから、あきれる他はない。
 
 「きっこのブログ」は、光市の事件の犯人を、早急に、遺族に公開した上で、処刑しろと言う。そんなことをしたら遺族感情をさらに傷つけることになるだろう。たとえ憎い犯人であっても、人が目の前で殺される場面を見たら、その場面が、フラッシュ・バックしたりして、トラウマのようにならないだろうか? アメリカで、実際に、遺族が望む立ち会い処刑というのをやったことがあるが、その後、それが続いているとは聞いていない。逆に、最近は、死刑囚が冤罪で無罪放免されるケースが増えているということで、死刑の執行には慎重になっているという。いくら遺族に同情しているといっても、大谷昭宏氏のように、死刑は犯罪抑止になるなどという根拠のあやふやなことを言ったり、「きっこのブログ」のように、中国や北朝鮮みたいな公開処刑を評価するようなことを言うのは、どうかと思う。中国の公開処刑で冤罪はなかったのだろうか? 無実の者を処刑してしまったら、国家によるなんの罪もない人のとりかえしのつかない殺人になってしまう。ヨーロッパ諸国では死刑を廃止した国が多いが、それによって、死刑制度のある国よりも凶悪犯罪が増加しているということはあるのだろうか? もちろん、これらは、遺族への強い同情心と犯罪への怒りからの感情的発言であって、そう言わずにはおれないほどだという強い気持ちを表現しているのはわかる。しかし、だからといって、犯罪抑止にならない早期死刑執行だの、遺族がさらに苦しむことになりかねない公開処刑だのを叫ぶことは控えた方がいいのではないだろうか。
 
 もちろん、遺族には同情するし、犯罪事実に対して、ふさわしい刑罰が下されるべきだとうと思うが、報復感情だけが、遺族感情を代表するわけではないし、遺族感情は、複雑で微妙であり、変化するものであることを忘れてはいけないと思う。この件については、「やめ蚊」ブログでも論じられているので、そちらも見ていただきたい。

 世間が橋下弁護士の発言を一お笑いタレントの発言として笑いながら聞くかどうかはわからないが、私は、細木和子のバラエティー番組を見るときと同じように、笑いながら聞くことにする。もちろん、そこに含まれる問題を、批判的に考えながらである。

 ・佐藤正久氏問題報告 ~  回答に関する記者会見と今後
[ Weblog ] / 2007-09-04 09:04:40

 今回の佐藤正久氏の発言についての質問状を当の佐藤氏、小泉元総理大臣、辞職勧告の要望書を安倍晋三総理大臣に送っていた件ですが、8月31日を回答期限としていましたので、その回答状況を昨日、マスコミに対して公表しました。

 小泉氏については、既に質問状郵送自体を受け取り拒否され、返送されてきています。安倍氏は回答なし。また佐藤氏に対して何らかの表だった勧告や要請はされていないようです。よって、要求拒否、と理解できます。
 佐藤氏は、回答なし。
事実上のことですが、
 昨日たまたま参議院会館の中で、佐藤氏の部屋前を通りがかったときにドアが開いていたので、ご挨拶をしました。
担当の秘書さんは席を外しているとのことでしたが、事情がおわかりの秘書さんが  「あの質問状ですね」とご了解の様子で、「先週の段階(先週の土曜日は8月31日)では回答していません。どうするかも検討中。」とのことでした。
・・・検討中といっても、期限までに回答しないことは、回答拒否の意思表示ととる以外ないのですが。

 以上が、今回の重要な発言に対する当事者、監督者らの姿勢でした。
 佐藤氏の危険な発言とその後明らかになった自衛隊内での教育に関しては、放置することのできない問題です。

 そこで、9月19日にこの件に関する抗議集会を開くことになりました。
 9月19日(水)12時~13時参議院議員会館第1会議室

 野党各党の議員の出席とご発言のほか、前田哲夫さんのお話も予定しています。

 参加は自由ですので、どうぞお越し下さい。

 橋下弁護士は「業界の笑いもの」なのか?
 
橋下弁護士はブログで光市母子殺害事件の弁護団を「カルト集団」と批判していた   山口県光市で発生した母子殺害事件の裁判をめぐって、タレント活動もしている橋下徹弁護士がテレビ番組で被告の弁護士に対して「懲戒請求」を呼びかけたとして、被告の弁護士4人が橋下弁護士を提訴した。橋下弁護士はブログを通じて、被告の弁護士を「ふざけた主張をする」「カルト弁護団」「説明義務違反」などと主張。一方、被告弁護士側は橋下弁護士の主張について「業界で笑い話になる」と述べている。

「弁護士というのはこんなふざけた主張をするものなんだ」
   山口県光市母子殺害事件で被告の元少年の弁護人を務める今枝仁弁護士ら広島弁護士会所属の4人が2007年9月3日、橋下徹弁護士のテレビ番組の発言で弁護士業務に支障を来したとして、1人当たり300万円の損害賠償を求める裁判を広島地裁に起こした。
   訴状によれば、橋下弁護士は07年5月23日放送された讀賣テレビ番組「たかじんそこまで言って委員会」で、

「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてもらいたいんですよ」
「懲戒請求を一万二万とか十万人とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとしても処分出さないわけにはいかないですよ」
などと発言し、「懲戒処分を行うよう扇動した」としている。
   橋下弁護士はかねてから自身のブログで、被告弁護団について

「なぜそのような新たな主張をすることになったのか、裁判制度に対する国民の信頼を失墜させないためにも、被害者や国民にきちんと説明する形で弁護活動をすべきだ。その点の説明をすっ飛ばして、新たな主張を展開し、裁判制度によって被害者をいたずらに振り回し、国民に弁護士というのはこんなふざけた主張をするものなんだと印象付けた今回の弁護団の弁護活動は完全に懲戒事由にあたる、というのが僕の主張の骨子です」
「僕と、カルト集団弁護士の決定的な違いは、被害者や国民に対しても配慮するかどうかという点」
などと、弁護団を「カルト弁護団」と呼びながら主張。一方、橋下弁護士を提訴した弁護士の広報担当をしている弁護士はJ-CASTニュースの取材に対し次のように語る。

「刑事事件で加害者を弁護するのですから、弁護士に反感を持たれるというのは当然あると思います。弁護士に対する『批判』にとどまるならばならしょうがないというのはありますが、『懲戒請求』は刑事事件で言えば、告訴・告発に当たるものです。だから、数の問題ではないし、しかも報道を根拠にして、署名活動のように懲戒請求することを扇動することは理解に苦しみます」
橋下弁護士にそそのかされた被害者?
   この橋下弁護士のテレビの発言以降、この4弁護士には1人300件ほどの懲戒請求がされたほか、日弁連によれば、全国からこの事件について3,900件の懲戒請求が出された。06年の懲戒請求の総計は1,367件で過去最高だったことを考えると、今回の裁判についての懲戒請求がとてつもない数だということがよくわかる。

   懲戒請求の多くは、弁護士がセクハラ行為や横領行為など、職務としてあきらかに不当な行為に及んだ際にされるもの。しかも、弁護士にとっては、自身の行為について説明・調査しなければいけない。一方で、懲戒請求が「事実上又は法律上の根拠を欠く」とみなされた場合、請求者に対して50万円の損害賠償の支払いが命じられた最高裁判決もあった。(07年4月24日最高裁判決)

   母子殺害事件の弁護士は、懲戒請求を行った人たちについて「橋下弁護士にそそのかされ、被害者的な面もある」として、現段階では提訴しない方針だという。ただ橋下弁護士の言動については、

「業界内では笑い話になるくらいとんでもない話。しかもブログやテレビの主張もころころ変わって何を思っているのか分からないし、どういった反論が返ってくのか量りかねている」
と述べている。
   一方、橋下弁護士は07年9月5日に東京都内で会見し、提訴を受けての反論を展開する予定だ。

|

« この『読売』社説にもあきれた | トップページ | このままでええの!!日本と世界10・21反戦共同行動in京都 »

雑文」カテゴリの記事

コメント

橋下の勝ち

投稿: | 2007年9月 5日 (水) 21時58分

橋下正論

投稿: 橋上 | 2007年9月 5日 (水) 21時59分

この記事へのコメントは終了しました。

« この『読売』社説にもあきれた | トップページ | このままでええの!!日本と世界10・21反戦共同行動in京都 »