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『正論』の一感想

 『正論』今月号を立ち読みしてみた。

 小林よしのりの西部批判と沖縄での集団自決事件問題の座談会が載っていた。ざっと、読んでみると、前者は、西部が、東京裁判のパール判事を世界連邦主義者であり、容共的だという点から、保守主義に反する人物として批判しているのに対して、小林が、事実を無視しているの、パール判事は、一貫して親日家であったことを強調しているというものである。どうでもいいような話なのだが、小林は、西部が保守派ならわしは保守派などとは言われたくないと述べている。どうでもいいような話だというのは、小林は、大東亜戦争は、アジア諸民族の西欧列強の植民地支配からの解放戦争だと硬く信じているからである。歴史事実からいえば、アジアの独立を支持した勢力を戦前国家は弾圧したのであり、けっしてアジア諸民族の解放者たり得なかった。日本の力を利用しようとしたインドのボースらも、日本の敗勢が濃いと見ると、中国に接近したのである。

 沖縄の集団自決問題では、要するに、これまでどおり、直接的な軍命令はなかったとする説の繰り返しで、集団自決の原因は、遅れて日本国民に入れられた沖縄の人々が、もともとの日本人以上に日本人になろうとした過剰な同化からきたのとサイパン島玉砕時に日本人が崖から海に飛び込んで多くの犠牲者が出たのと同様の集団パニック状態だったとするものである。軍隊が、権力であり、いちいち正式の書類の決済をへて、行動しているというお役所とは違うことをまったくわかっていない。沖縄での集団自決の際に、あらかじめ軍命を受けていたとする住民の証言は、いっさい取り上げられていない。

 とにかく、へんてこりんな話だ。

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