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イラクでの米軍独裁について

 日本のマスコミでは、イラク情報がほとんど伝えられなくなっている。益岡賢氏のページには以下のような記事が載っている。
 
 この文章によれば、アメリカ軍は、さらにイラク人を多数拘留するつもりだという。
 
 「米軍は、これらの捕虜のほとんど全員を無期限に拘留している。逮捕状も発行せず、起訴もせず、そのため人々は裁判で自らの潔白を表明する機会もない。米国は公式の検討手続きを開始し、定期的に抑留者全員の立場を検討して釈放を考慮することになっているが、その手続きに抑留者が参加することもできず、自分たちに不利な証拠に反駁することもできず、弁護士を付けることもできない。家族に拘留が知らされることも不規則にしかなく、訪問を認められることは稀にしかない」という。
 
 「こうした状況は、国際人権法を明らさまに犯すものであるが、米国政府は、米軍が「国際武力紛争」に関与しているのだからそうした法的制限は無関係であると主張している」。
 
 人権と民主主義を掲げる自由世界の盟主たるアメリカは、「国際武力紛争」の最中には、平時の法は適用されず、非常事態における独裁権の行使の正当性を訴えているわけである。
 
 それに対して、「人権関係者は、この紛争は伝統的な法的解釈のもとでは国際的なものではないし、さらに、国際人権法は戦争時であろうと平和時であろうと、いつでも常に適用されるとして、米国政府の見解を批判している」。

 アメリカが現在イラクで行っていることは、まさしく、独裁、しかもジャコバン主義的独裁である。これは、ほぼ無制限の暴力の行使という意味での独裁である。
 
 米政府は、この監獄装置を備えた独裁権力の実態を暴かれないように、「アムネスティ・インターナショナルやヒューマンライツ・ウォッチ、国際人権連盟といった人権モニターがこれらの抑留施設にアクセスすること」を「拒否」している。
 
 このような米軍のイラクにおける蛮行を暴くこともなく、アメリカを自由と民主主義と人権の擁護者のような見方を平気で流している者がいることが問題である。
 
 このようなアメリカの軍事独裁・無制限の暴力が「中東の民主化」というきれいな看板の下で行使され、実現されているのである。アメリカの攻撃の矛先は、今、イランに向けられている。

5万1000人、そして増加中
イラク人拘留者のサージ(大波)
シアラ・ジルマーティン

2008年5月11/12日
CounterPunch原文

 イラクにおける米軍のサージ(大波/増派)が喧伝されていた中で、それに伴って投獄されたイラク人の「大波」についてはほとんど語られることがなかった。交流者(ママ)は2007年末に、5万1000人近くに達した。アブ・グレイブ・スキャンダルから4年、占領軍はかつてないほど多数のイラク人を拘束し、数千数万という人々がイラクに置かれた恐ろしい監獄の中で苦しんでいる。

 抑留キャンプ

 米軍司令部に抑留されている人々の多くは、二つの場所にいる。100エーカーの監獄キャンプであるキャンプ・ブッカと、バグダード空港近くの巨大な米軍基地内にあるキャンプ・クロッパーである。これらの施設に抑留されているイラク人の数は、占領が始まって以来、着実に増加してきた。2007年には、収容者の数は70%増え、1万4500人から2万4700人となった。

 キャンプ・ブッカには約2万人の収容者がおり、超法規的な捕虜収容所としてはおそらく世界最大である。この施設は、それぞれ800人の抑留者を収容する「居住区」からなり、その周囲はフェンスと監視塔で囲まれている。抑留者のほとんどは大きな共用テントに暮らしているが、砂嵐が頻繁に起きる地域なのでテントは倒壊することもある。砂漠環境なので昼間の気温は焼け付くほど熱く、夜は骨まで染み入るほどの寒さになるが、その中で、水の供給が不足することもある。

 2007年10月、米軍工兵隊は、キャンプ・ブッカの収容規模を2万人から3万人に拡大する契約を得た。それにより恐ろしい人口過密は軽減されるものの、この契約は、米国政府が今後、さらに多くのイラク人を拘束し抑留しようとしていることを示唆している。

 キャンプ・クロッパーは、より伝統的な監獄の建物である。約4000人の収容者の中には、数百人の若者が含まれている。クロッパーでは尋問が行われており、また、長期にわたる拘留者もいて、日の目を見たことがないという。最近、拡張されたが、このキャンプも人口過密で、医療処置も乏しく、抑留者は悲惨な状況に置かれている。

 無期限の抑留

 米軍は、これらの捕虜のほとんど全員を無期限に拘留している。逮捕状も発行せず、起訴もせず、そのため人々は裁判で自らの潔白を表明する機会もない。米国は公式の検討手続きを開始し、定期的に抑留者全員の立場を検討して釈放を考慮することになっているが、その手続きに抑留者が参加することもできず、自分たちに不利な証拠に反駁することもできず、弁護士を付けることもできない。家族に拘留が知らされることも不規則にしかなく、訪問を認められることは稀にしかない。

 こうした状況は、国際人権法を明らさまに犯すものであるが、米国政府は、米軍が「国際武力紛争」に関与しているのだからそうした法的制限は無関係であると主張している。これに対し、人権関係者は、この紛争は伝統的な法的解釈のもとでは国際的なものではないし、さらに、国際人権法は戦争時であろうと平和時であろうと、いつでも常に適用されるとして、米国政府の見解を批判している。

 アムネスティ・インターナショナルやヒューマンライツ・ウォッチ、国際人権連盟といった人権モニターがこれらの抑留施設にアクセスすることは拒否されている。国連安保理から人権報告を行うよう指名されている国連イラク支援団でさえ、米軍司令官から施設への立ち入りを拒否された。様々な人権団体が指摘するように、人権モニターが立ち入りできないことで、抑留者が虐待を受けたり劣悪な状況に置かれる可能性は高まる。

 キャンプ・ブッカの捕虜たちは、拷問や劣悪な環境、看守による宗教的侮辱に抗議して暴動を起こした。もっともおぞましいのは、米軍が日常的に抑留施設での捕虜の死を認めている点である。このことは、過剰な暴力が日常的に捕虜に加えられていることを示唆している。

 イラク政府の監獄

 米軍が抑留する人々に加え、イラク政府が2万6000人を越すイラク人を拘留している。イラクの施設に拘留されている人々の中には犯罪で有罪判決を受けた人もいるが、ほとんどは起訴もされずに無期限に抑留されている人々である。中には、法廷で裁判を受け、無罪となったにも関わらず、無期限に拘留され続けている人もいる。有罪を受けた人の多くも、最低限の法的基準を満たさない裁判で有罪を宣言されている。国連が最近出した報告書で述べているように、「膨大な誤審を避けるためには大規模な状況改善が必要である」。

 最近国連が出した一連の報告はまた、こうした施設が「非常に人口過密」であり、「衛生と健康状況が悲惨な状況にある」と述べている。さらに、「広範にわたって日常的に抑留者に拷問や虐待が加えられているという報告が続いている」と言われる。国連の調査官がインタビューした複数の女性収容者が、警察の留置場に拘留されているときに強姦されたり性的虐待を受けたと述べている。イラク政府の拘留施設に対して巨大な影響力を持っている米軍司令部も、こうした状況に対して大きな責任を負っている。

 声をあげる時が来ている

 2008年2月13日、イラク政府は、数千人に適用できる可能性のある恩赦法を採択した。米軍司令部も、抑留者を釈放する計画を最近発表した。しかしながら、こうした宣伝にもかかわらず、抑留者の数は2007年11月のピーク時と比べてほんのわずかしか減っていない。同様の捕虜解放が発表された過去の事例を考えると、変化はほとんどないと思われる。

 アメリカ合衆国そして世界中の人々が、イラクにおける米軍増派後の、このおぞましい現実に向き合い、米軍とイラクの収容所に不法に抑留されているすべての人々の解放を手始めとして行動を起こすときである。イラクそして国際的な監視団が収容施設に立ち入ることが認められるべきである。監獄の監督に当たっている米軍関係者と契約要員の責任をはっきりと追求すべきである。虐待のシステム全体を完全に分解し、閉鎖すべきである。

 イラク人抑留者の虐待と法的手続きの不在に加担しているのは、米軍と政府の指導者だけではない。イラクの強制収容所を前に、沈黙を続けている人々全員が、その継続に加担しているのである。

 シアラ・ジルマーティンはニューヨークのグローバル・ポリシー・フォーラムの安全保障理事会プログラム調整官で、フォーリン・ポリシー・イン・フォーカスに寄稿している。

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