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2009年1月

イスラエル軍、再びガザを空爆

 イスラエル軍は、27日、ガザ南部、ハンユニスに空爆を加えた。地上部隊も越境して軍事行動を行った。

 ガザ南部、エジプトの国境地帯は、イスラエルが、エジプト側との地下トンネルによって、ハマスなどの武装勢力に武器が渡っているとして、警戒している地域である。

 このルートの破壊は、昨年12月27日の空爆から始まったガザへの軍事攻撃の重点目標の一つであった。しかし、その目標は達成できなかった。だから、イスラエルは、このような攻撃の機会を狙い続けることは疑いない。

 イスラエル政府は、オバマ大統領が、就任演説でも、その後の政策表明でも、ガザについて具体的な対策を打ち出さなかったことを、イスラエルの軍事攻撃を、オバマ政権が、暗黙の内に容認したと受け取っているのかもしれない。

 オバマ大統領の就任演説では、テロと戦う国際同盟の重要性が強調されているが、イスラエルは、アメリカにとっても最も強い同盟関係にある国の一つである。イスラエル政府は、その再確認のメッセージと受け取ったのかもしれない。

 この間、シオニスト・イスラエルのガザでのジェノサイドを鋭く批判し、行動を呼びかけてきたブロガーの一人、どすのメッキーさんが、ガザ報道に関するジャーナリズムの問題点を指摘して、批判している。この間のガザに関する報道のイスラエルより、アメリカよりの姿勢には、憤りを感じる。幸いなのは、ネット内で、現地からのガザの住民からの情報が多少なりとも、メールその他の通信手段で、世界に伝えられたことである。

件名: 【転送・転載歓迎】イスラエル再び侵攻、「ガザでジャーナリストは
再び過ちを犯した(前編)」
差出人: どすのメッキー
送信日時: 2009/01/29 0:02

 どすのメッキーです

 28日未明、イスラエル軍地上部隊が再びガザに侵攻を始めました。

 前日、イスラエル南部キスフィム検問所付近で、道路脇の爆弾が爆発しイ
スラエル兵1名が死亡したことへの報復で、ラファのエジプトとの境界に掘
られた密輸用トンネルとガザ南部の都市ハンユニスを空爆し、検問所を閉鎖
したといいます。

 ここで、わたし達が押さえておかなければならないのは、こうした報復に
国際法上正当性があるかどうか、ということです。パレスチナ人の武装組織
によるとみられる爆弾攻撃で被害が起きたにせよ、翌日に空爆を加えるとい
うのは、あまりにも拙速すぎる対応です。その爆弾が停戦後に仕掛けられた
ものなのか、そうだとして、それはパレスチナ自治政府、あるいはハマスが
組織的に行った結果なのか、それとも、個人や小規模の組織が行ったものな
のか、などなど調査するのが先でしょう。その上で、今は国連が現地の視察
も行っているわけですから、調査結果を国際機関に申し立てるのがルールと
いうものです。

 イスラエル人の犠牲が軽視されていいはずはありません。しかし、一人の
犠牲が起こったからといって、無関係の市民を巻き添えにすることが分かっ
ている空爆を行っていい理由にはなりません。集団的懲罰は、ジュネーブ条
約33条ではっきりと禁止されています。しかも、ガザのトンネルの復旧作
業に一般市民が携わっていたことをイスラエル軍が知らないはずはありません。

 停戦条件が双方で合意されていれば、イスラエルもここまで性急な攻撃は
できないかもしれません。しかし、今回の停戦は、双方の「一方的」攻撃停
止であるため、それを破るにあたって何の国際的合意も必要ありません。
「一方的」とはこういうことです。

 空爆はもちろん、インフラが徹底的に破壊され、復興のめどが立たないガ
ザを封鎖することは、個人でいえば未必の故意による殺人に相当します。イ
スラエル政府は「黙って殺されるままになれというのか」と反論するかもし
れません。そうしたら、こう答えるしかありません。「パレスチナはずっと
そうしてきたのだ」と。

 しかし、日本の血の通わないニュースを聞く多くの人々は、残念ながら、
ああ、またか、どっちもどっちという感想で終わってしまうのではないで
しょうか。

 先日、アメリカの主要メディアに公正な報道を求める運動をご紹介しまし
たが、NYタイムズの元中東支局長が、メディアの今の限界について、苦悶
する文章を書いています。その内容は、わたし達も共感させられるものです。

 長いので、また前後編に分けて紹介します。ガザ紛争を見る曇りを溶かす
一助としていただければ幸いです。


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オバマ大統領就任演説に寄せて

 2009年、世界は、昨年12月27日に始まるイスラエルによるパレスチナ人虐殺・抹殺の軍事攻撃の渦中に、新しい年を迎えた。この年末年始、日本では、霞ヶ関の真ん前の日比谷公園が、「年越し派遣村」に変わるという、これまでと様変わりした風景が登場した。そして、アメリカでは、オバマ氏が、大統領就任のための準備に追われていた。

 イスラエルは、ブッシュ政権の間に、懸案のガザの抵抗をうち砕くために、昨年11月から、ガザの封鎖を強め、そして、停戦が切れてからまもなくの12月27日に、ガザへの空爆に踏み切った。イスラエルは、オバマ政権が誕生する2009年1月20日前に、一方的停戦を宣言し、軍の撤退を開始した。ガザの運命は、ワシントンの政治劇によって翻弄されているのである。イスラエルは、南からの脅威であるエジプト国境からの物資や人の出入りを止めるために、アメリカの協力を取り付けた。

 エジプトは、アラブ国家であり、その地のムスリムの多くが、パレスチナ人に同情的である。そして、エジプトでは、ブッシュ政権が、イラク戦争において掲げた「中東民主化」のスローガンを忠実に実行した結果、イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系候補が大量に当選するという事態が起きた国である。そのエジプトに、イスラエルが国境管理に関して、望むとおりの施策を強制することはできない。国境問題は、主権国家にとってきわめて重大な問題だからである。そこで、エジプトに大きな影響力を持てるアメリカの助けが必要なのである。この点でも、イスラエルは、事実上、敗北を喫したと言っていい。国境の完全な封鎖ができなかったからである。

 そして、欧米、アラブ・イスラム諸国での、パレスチナ連帯の声は、かつてなく大きなものとなり、イスラエルの国際的孤立がより深まった。欧米のユダヤ人社会でも、イスラエルの今回の攻撃を非難する声が高まり、シオニストとその他のユダヤ人の間の亀裂が拡大し、深まったことが明らかになったことも、大きな変化である。

 1月20日、オバマ大統領は、アメリカ初の黒人大統領として、第44代大統領に就任した。大統領就任式で、オバマ氏は、まず、「指導者の技量や洞察力だけによってではなく、「我ら合衆国の人民」が先人の理想に誠実で、(独立宣言など)建国の文書に忠実だったからだ」(1月21日『朝日新聞』、以下同じ)と建国の理念を再評価している。

 そして、「家が失われ、雇用は減らされ、企業はつぶれた。医療費は高すぎ、学校は、あまりに多くの人の期待を裏切っている。(石油などを大量消費する)私たちのエネルギーの使用方法が敵を強大にし地球を脅かしていることが、日に日に明らかになっている」と、サブプライム・ローン破綻に始まった経済危機による住宅ローンが支払えずに家を失った人、失業、倒産、高額医療費、教育の劣化、エネルギー・環境危機、について指摘している。

 同時に、氏は、「深刻なのは、米全土に広がる自信の喪失だ。それは、米国の衰退が不可避で、次の世代は目標を下げなければいけないという、つきまとう恐怖だ」と、アメリカ人の自信喪失と将来不安・恐怖という心理的な危機を指摘する。

 そして、「私たちは地球上で最も繁栄した、強力な国であり続けている」として、「私たちの労働者は、この(経済)危機が始まったときと比べ、生産性が落ちたわけではない。先週、先月、昨年と比べ、私たちの創造性が低くなったのでもなければ、私たちの商品やサービスが必要とされなくなったのではない。私たちの能力は衰えていない」と、アメリカの労働生産力が低下していないと述べている。労働生産性、それが、アメリカの創造性であり、能力の指標なのである。

 アメリカの物的生産力は依然として健在なのだから、後は、「新たな雇用を創出するだけではなく、成長への新たな基盤を築く」ことが必要だと、重点政策を列挙する。

  1. 商業の糧となり、人々を結びつけるように、道路や橋、配電網やデジタル回線を築く。
  2. 科学を本来の姿に再建し、技術の驚異的な力を使って、医療の質を高め、コストを下げる。 
  3. 太陽や風、大地のエネルギーを利用し、車や工場の稼働に用いる。新しい時代の要請に応えるように学校や大学を変革する。

 これらは、これまでも、欧米や日本でも進められてきた政策の一部である。政策の重点が、これらに絞られたということと公共事業や医療・教育・エネルギーなど、これまで、ブッシュ政権下では自由競争にゆだねられてきた分野への公的関与が打ち出されているところが、チェンジ(変化)しているところである。

 そして、オバマ大統領は、「先人たちがファシズムと共産主義を屈服させたのは、ミサイルや戦車によってだけではなく、頼もしい同盟国と強固な信念によってでもあることを思い起こしてほしい。彼らは自らの力だけが自分たちを守ったのではないことも、その力が、自分たちが好きなように振る舞う資格を与えたのでもないことを理解していた」と、国際協調を強調している。ここで、彼が、「先人たちがファシズムと共産主義を屈服させた」と述べているのは、イデオロギッシュな自己主張であって、客観性をそれほどもつ主張ではない。

 彼は、そのことを、テロリズムとの闘いというところにも横滑りさせて、イラクやアフガニスタンでの戦争を正当化している。言うまでもなく、ファシズムと共産主義は違う。そして、それらとイスラム原理主義も違う。それとテロリズムも別物である。これらを一緒くたにできるのは、ただ、自由主義や民主主義などというイデオロギーの場においてだけである。つまり、想像力において、そうできるだけである。そのことは、次に、それらに対置するものとして、オバマ大統領が、以下のように述べているところで明らかである。

「私たちの多様性という遺産は、強みであり、弱点ではないからだ。私たちの国はキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、そして無宗教者からなる国家だ。世界のあらゆる所から集められたすべての言語と文化に形作られたのが私たちだ」。

 こういうアメリカで、キリスト教原理主義やKKK(クー・クラックス・クラン)のような差別的人種主義が、多様性の名の下に存在し、そして、前者からは、中絶賛成派の殺害者、後者からは黒人殺害者が、出ている。こういうものも含めて、アメリカの多様性と言うなら、そしてそれが、信教の自由、宗教の多様性、そして、「世界のあらゆる所から集められたすべての言語と文化に形作られた」という「帝国」的な多様性であるというなら、それが、19世紀のイギリスの帝国主義的多様性とどう違うのかを示さなければならない。当時、大英帝国は、帝国主義として、そして世界の工場として、世界の商業の中心地として、世界からあらゆる富や資源や文化や人間を集めた。その成果が、大英博物館であり、例えば、古代エジプトの貴重な文化遺産が、そこには集められている。そこで、そこは同時に学問・研究資料の宝庫ともなりといった具合に、それこそ多様だったのである。もちろん、19世紀のイギリスと21世紀のアメリカは違うが。

 アメリカは、そうなりつつあったわけで、オバマは、それをさらに押し進めようというのである。そして、世界からすべての言語や文化を集めるなどという驚くべき野望を、オバマは漏らしたのだ。

 そして、「成否を左右する価値観」として、「勤労と誠実さ、勇気と公正さ、寛容と好奇心、忠誠と愛国心」をあげる。これこそ、真理だと言い、この真理に責任を持つことを強調している。そして、以下のように述べる。

「一人ひとりの米国人が、私たち自身や我が国、世界に対する責務があると認識することだ。その責務は嫌々ではなく、むしろ困難な任務にすべてをなげうつことほど心を満たし、私たち米国人を特徴づけるものはないという確信のもとに、喜んで引き受けるべきものだ」。

 そして、「これが市民であることの代償と約束である。これが、不確かな行き先をはっきりさせることを神が私たちに求めているという、私たちの自信の源でもある」と、アメリカ市民であることには、代償と約束が必要だと言う。それは、神が求めていることだというのである。例えば、愛国心のために、喜んで困難な任務にすべてをなげうつことが、市民であることの代償であり約束だと言うのである。そして、それは、神の求めるものだというのだ。例えば、神は、アフガニスタンで、愛国心のために喜んで死ぬ市民を求めているということだ。

 オバマは、アメリカの夢、建国の理念への回帰、建国者たちの想像への同一化、独立革命のイメージの想起、を通して、アメリカの想像的一体化を目指す。しかし、それは、オバマ連合という諸勢力の利害を絡み合わせた政治的同盟を創設し、資本主義経済を再生させるための新たなイデオロギーの構築の試みの一つであるにすぎない。オバマが、教育改革を強調したのは、そういうことである。そこで、実利の追求と同時に、新たなイデオロギーの再編、学の再編を進めようというのである。そこで、労働における「勤労と誠実さ」、軍事と法秩序における「勇気と公正さ」、ブルジョア的道徳と教養・知識における「寛容と好奇心」、そして、国家主義的な「忠誠と愛国心」が真理とされているのだ。ブルジョア的価値観として、勤労、そして、愛国心、をしっかりと入れているのがミソだ。

 最後に、オバマ大統領は、独立革命戦争の一場面について語っている。

 建国の年、最も寒い季節に、いてついた川の岸辺で消えそうなたき火をしながら、愛国者の小さな集団が身を寄せ合っていた。首都は放棄された。敵が進軍していた。雪は血で染まっていた。独立革命の行く末が最も疑問視されていたとき、建国の父は広く人々に次の言葉が読み聞かされるよう命じた。

 「将来の世界に語らせよう。厳寒のなか、希望と美徳だけしか生き残れないとき、共通の危機にさらされて米全土が立ち上がったと」

 この話は、建国の年、愛国者、建国の父、と出てくるように、なんのためらいもなく愛国者の話になっている。これは、「独立革命の行く末が最も疑問視されていたとき」であり、つまり、独立以外の可能性がまだあった、そういう意味で、多様性があり、自由があった時期の話なのである。だから、この「建国の父」は、まず、「将来の世界に語らせよう」と語るのである。この時、彼はまだ「建国の父」ではなかった。将来の世界は開かれていたのである。そして、彼は、「希望と美徳だけしか生き残れないとき、共通の危機にさらされて米全土が立ち上がったと」、独立革命の事実だけが将来に残るかもしれないという可能性について語った。

 オバマは、なぜか、この話を引用しながら、希望と美徳という価値観を真理として上のリストに上げなかった。とくに、美徳をあげなかった理由が気になるところだ。オバマの就任演説は、全体として、夢のような話と技術的・経済的・政治的なタダモノ的リアリズムや功利主義的利害計算とが混じっている。それは、オバマが、チェンジと、伝統の継承との、両者を折衷する立場に置かれていることを反映しているのだろう。言うまでもなく、タダモノ的リアリズムは、現実をしっかり理解できないし、功利主義的利害計算などでは、たいしたことはできないし、だいいちそれは間違ってばかりであり、害悪ばかりを結果するだけである。

 オバマ大統領は、この就任演説で、1300人以上の死者が出たイスラエルによるガザへの攻撃については一言も触れていないが、全体に、これは、おそろしくイデオロギー的で、同時に、中産階級的である。実利と夢話が、入り交じっているのである。

 だが、イスラエルによって破壊されたガザの人々が、住む家を失い、食糧不足状態にあり、水道や下水道などの社会的インフラの多くを破壊され、がれきが通りをふさぎ、家族や友人・知人・仲間を失うなど、大きな傷を受けたばかりで、廃墟の中で、「希望と美徳だけしか生き残れないとき、共通の危機にさらされて全土が立ち上がる」ほかはないという状態にあることを、世界が忘れないようにしなければならない。

 オバマの空虚な夢の下で、どんな実利追求が行われ、それが世界に、あるいはパレスチナにどう影響していくのかに注意が必要だ。イスラエルは、アメリカを見ながら、パレスチナへの対応を判断しているからである。イスラエルは、次の機会を狙い続けるに違いないのである。

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ガザ、廃墟からの蘇生

 

Gaza_by_develse  ガザの停戦は続いている。

 CNNが、イスラエル外務省の匿名の関係者の話として伝えるところでは、18日から始まっているイスラエル軍の撤退は、20日のオバマ米次期大統領就任前に終わるという見通しだという。これは、この攻撃が、アメリカ大統領選、政権交代を見極めつつ、計画的に行われたものであることをうかがわせる情報である。

 国連の潘基文国連事務総長は、20日、ガザに入ることを表明した。ようやく、国際社会の目が、現地に届くということである。

 停戦後のガザ市内には、報道機関が次々と入って取材を始めている。

  BBCニュースは、イスラエルの三週間の攻撃後のガザ地区の再建には、何十億ドルもの費用がかかるだろうと、国連が警告したことを伝え、何千人のパレスチナ人が、家がなく、未だに水がないという状態にあることを指摘している。また、国連の人権担当のジョン・ホームズは、140万人のガザの人々を直接支援するのに、何百万ドルが必要だと述べたと伝えた。彼は、家が破壊されており、がれきの撤去が必要、下水が道にあふれている、医療と食糧がたくさん必要だ、不発弾も大きな問題となっている、と述べている。

 また、BBCは、ガザでは、電気は一日12時間以下の供給力という状態、10万人が移動が必要で、50の国連施設、21の医療施設がダメージを受けていると伝えている。

 パレスチナ中央統計局は、月曜日、4,100軒が全壊、 17,000軒がダメージを受けたこと、1,500の工場と作業場、20のモスク、31の警備施設、 10の上下水道施設がダメージを受けたことを指摘し、インフラのダメージ約2億ドル分を含めて、全体で、19億ドルを超える物的ダメージがあると見積もっている。

 破壊された社会インフラの再建。人道状態の改善。「生きさせろ」というガザの人々の声に応えること。

 ガザの人々は、この廃墟から、フェニックスのように蘇生する。

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ガザの停戦、だが、人道危機は続く

 

Your_voice_for_gaza_by_anitarupng    イスラエルが一方的な停戦を発表した翌日の18日、ハマスも即時停戦に入ることを表明した。

 イスラエルの停戦は、20日の米オバマ新政権の誕生前というタイミングをはかってのものとみられ、この攻撃が、事前に、アメリカの政治情勢を見極めた上での、計画された軍事作戦であったことをうかがわせる。

 イスラエルが破壊したガザの再建は、国際支援によって行われることになろうが、イスラエルは、オバマ政権の中東外交方針を見極めながら、しかし、それをできるだけ妨害しようとするだろう。ブッシュ政権に比べれば、オバマ政権は、より人権問題に敏感になるだろうが、オバマは、「親イスラエル」ロビーに、支持を与えている。だから、政権が代わっても、「親イスラエル」の立場はあまり変わらないのではないかと思われる。

 ハマスのハニヤ首相は、「われわれは侵略を阻み、敵は目的を達成できなかった」(19日、AFP/Mai Yaghi)と述べ、勝利を宣言した。そして、イスラエル軍の一週間以内の撤退を求め、停戦はその間の猶予であるということを述べた。もちろん、イスラエルは、すでに勝利宣言をしている。文字通り両者の言い分を足し合わせれば、この戦闘での敗者はいないことになる。ハマスの言うことは、ある意味そうである。ファタハが支配するヨルダン川西岸地区で、ハマス支持者が大幅に増えたからである。

 攻撃当初、ファタハは、ハマスにも責任があると述べてきた。しかし、ガザのPLO各派は、イスラエルの侵攻に対して、戦った。PLOは、今、ハマスを含むパレスチナ勢力の統一を呼びかけている。イスラエルが、ガザの次に、ヨルダン川西岸地区を攻撃し破壊しようとするだろうと、ファタハとPLOは危機感を強めているようだ。パレスチナ各派が、PLOの下に統一できるかどうかはわからないが、イスラエルの今回の攻撃が、パレスチナ人の統一を促す結果になったことは確かなようだ。イスラエルは、ファタハとハマスの分断をはかってきたが、その目論見はうまくいかなかったようだ。

 避難民の帰宅が始まっているが、ライフラインの多くが破壊されており、国際支援物資も、イスラエルが検問で厳しくチェックするなどして、スムーズに届かない状態にあるようで、それが十分に行き渡るには時間がかかりそうだ。だいいち、イスラエルはガザ地区から軍を撤退させるといっても、ガザの封鎖はそのままだし、国境管理もしている。ガザから徴収した税金もガザの自治政府に渡していない。そして今回、社会インフラを破壊した。自己統治の基盤を攻撃して打ち壊した。停戦にはなったが、いつまた戦闘が再開されるかはわからないという状態に変わりはない。

 パレスチナ問題は、戦前の主にイギリスの二枚舌政治に起因する国連のパレスチナ分割決議に始まっている。この国連決議に基づいて国連が承認する国家として、アラブの反対を押し切って1848年に建国されたのがイスラエルである。その後、イスラエルは、第1次から第4次の中東戦争で、国連決議が定めた境界を超えて領土を拡大し、さらに入植地を作って、パレスチナの土地を奪ってきた。国連が作った国家であるイスラエルが、今度は国連の意志に逆らっているわけである。それを支えてきたのが、国連を自国が自由にできる道具としか見ていないアメリカである。このような世界政治の不条理や矛盾の集中的な犠牲者とされたのがパレスチナ人であった。

 パレスチナ解放にとって一つの希望と言えるかもしれないのは、昨年12月27日の空爆開始以降、世界中で、何百万という人々が、イスラエルに抗議し、パレスチナに連帯する行動を起こしたことである。あるいは、シオニストが流すデマや情報操作を暴露し、真実を伝えるネットでの取り組みが、広がったことである。これだけ大規模なイスラエルへの抗議とパレスチナ連帯行動が起きたのは、はじめてではないだろうか。

 AFPによると、22日間の戦闘で、死者数は、1,300人を超えた。しかし、AFPが、「がれきの中から19日朝までに新たに子どもを含む95人の遺体が発見され」たと伝えているように、崩壊した建物などの中に埋もれている死者・負傷者がまだ多数いると思われ、犠牲者数は、これからも増えていくだろう。

 ガザ封鎖は続いている。ガザ地区の人道危機は続いている。

 WE ALL FOR GAZA!

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イスラエルは一方的停戦を宣言したが、戦時は続く

                              Gaza_blood_by_aglash      ロイター通信が伝えたところによると、17日イスラエルは、18日午前2時(日本時間午前9時)をもって一方的にガザへの攻撃を停止すると宣言した。それに対してハマスは、攻撃の続行を表明している。

 16日、イスラエルのリブニ外相とアメリカのライス国務長官は、武器密輸を封じるために情報共有などの措置を取る覚え書きに調印した。イスラエルは、アメリカの支援を取り付けたことと20日にオバマ新大統領の新政権が発足するのを前に、様子見に入ったものと思われる。

 この停戦について、17日の当ブログ記事にコメントを寄せていただいているが、そこで、「イスラエルが一方的な停戦をして、軍が短期間駐留するという。合意の停戦はハマスを正当な政権と認めてしまうから受け付けないと。侵攻を仕掛けた理由とする数々の嘘が明らかにされて来たこの数日でハマスを表にだすとイスラエルの非正当性がはっきりするからだろう。イスラエルは虐殺を正当化するために、一方的に停戦して、ハマスをガザの中で処分してハマスの主張する声を抹殺し、ハマスが一方的に悪いという世界世論を何かしらの理由を創りながら形成していくのだろう。彼らの世界的なマスコミネットワークと政治力で。パレスチナ人の生きる権利を認めず、イスラエルの従順な奴隷としか認めないという、このようなことが許される世界でいいのだろうか。そして、国連も国際法も人々の声も力が及ばず、世界のリーダーがそれに沈黙している」と述べられているが、そのとおりだと思う。

 この間、数々のイスラエルの不当性を暴き、パレスチナ側に立って、有意義な情報を発信し続けてきた「パレスチナ情報」に、早尾貴紀さんは、18日、イスラエルによる一方的停戦宣言に対して、「「一方的戦闘行為停止」は「攻撃継続」に等しい」として、以下のように述べている。

 「イスラエル軍が駐留を続け、封鎖も継続するというのは、見た目の戦闘行為の一時停止ということにすぎない。「停戦」などではけっしてなく、「攻撃の継続」「軍事行動の継続」にほかならない」。

 去年6月からの停戦中、ガザを封鎖し、ガザを兵糧責めにして、ハマス戦闘員だけではなく、ガザの住民全てを人道危機に追い込んできたことも、イスラエルにとって「戦争」だったのであり、軍隊が直接武器を使用する戦闘は停止しても、ガザの人々の肉体や精神を弱らせる長期戦は継続するということだ。

 イスラエルは、自治政府の建物、モスク(イスラム社会では、モスクはたんなる宗教施設ではなく、門前町を伴い、そこからの喜捨を貧困者に再分配する福祉的な機能も持っている)、学校、病院、食糧保管庫、等々、ガザにおける社会インフラ、自己統治の物的基盤、精神的な拠り所、教育、医療、その他、ガザの人々の自立を支えるようなものをことごとく破壊した。イスラエルの狙いが、ガザにおけるパレスチナ国家の基盤になりそうなところを破壊して、パレスチナ人が自決できないようにすることにあることは明らかである。そういう攻撃は、ガザの占領、ガザの封鎖、ガザの実効支配という形で、継続される。早尾さんが言うとおり、「問題はイスラエルのパレスチナ「占領」だということは、戦闘停止が戦略的に宣伝されているいまこそ、繰り返しておく必要がある」。

 元レバノン大使の天木直人氏は、「正義のない状況下で何を誇りに生きるか」と題するブログ記事で、パレスチナ問題解決に対する駐日イスラエル大使、ファタハ代表、ハマス代表の三者の言い分を載せた18日の『朝日』の「耕論」の記事を紹介し、「パレスチナ問題は遠い世界のことではない。私たちの身の回りに無数に存在する絶望的な不正義、不条理を前にして、自分はどう生きていくべきか、その悲しいまでの根源的な問いを、幼い子供達が流す無辜の血と涙とともに、私たちに問いかけているのである」書いている。

 このように問うことは、哲学の本来の役割であった。つまり、人類が哲学を必要としたのは、人々の現実生活上、こうした問いを考え、判断することが、共同的必要事だからである。近代以降、ことに西欧において、学問が、社会から自立し、離れてしまってから、こういう生活や社会との関係を離れて、純学問化、近代科学化してしまったのである。その結果、哲学は、象牙の塔の中に閉じこめられ、一般の人々の生活関心と離れてしまったのである。敗戦後の混沌とした時代状況の中で、哲学者西田幾多郎の全集がよく売れた時期があったという。買った者の中には、商店で働く丁稚のような層もいたという話もある。哲学はこういうものだったのである。

 今のガザの人々にとっては、『コーラン』が、「身の回りに無数に存在する絶望的な不正義、不条理を前にして、自分はどう生きていくべきか、その悲しいまでの根源的な問い」に応えるものとして読まれているのではないだろうか。

 INTERNATIONAL SOLIDALITY MOVEMENTのHPhttp://palsolidarity.org/ には、ガザ近郊のTel al-Hawaアル・テル・ハワから、恐怖から逃れるために、ガザのAl Quds hospitalアル・クズ病院へ避難してきていたAl Batranアル・バトラン一家の9才の娘Haneenハヌーンが、イスラエルの狙撃兵によって頭部と腹部を撃たれ、病院で死亡した事件について報道している。この病院は、こうした避難民の避難場所となっており、イスラエル軍は、それを意図的に狙って攻撃したことは明らかである。この日、イスラエル軍は、この病院に砲撃を行い、そして、無差別に狙撃したのである。そして、非戦闘員の避難民の幼い少女が犠牲になったのである。

 これは、ガザへの無差別攻撃、しかも、病院を攻撃するという国際人道法への違反行為であり、パレスチナ抹殺攻撃でなくてなんだというのか? そして、このような明確な国際法違反を許している今の国際社会は、力のある者によって牛耳られるだけの、正義のない無力な存在になっているのだろうか? そうであってはならないということを行動で示すこと、その力によって、世界を変えていくこと、それは、個人間で普通にある正義の感覚、そして友愛の感情、そういうものが、力を発揮できるようにすることだ。哲学の役割は、本来そういうものであった。それを近代アカデミズムの狭い世界から解放して、社会的な哲学機能として再生することもそれに一つの役割を果たすことにつながるだろう。

 AMLに関西での行動の案内が載っていたので転載します。

皆様

役重です。
イスラエルは「一方的停戦」を宣言しましたが、ガザから
撤退もしていなければ、封鎖の解除もしていません。
つまり、自体は何も変わっていないということです。
イスラエルに対する国際的な圧力をさらに強めていきましょう。
以下、関西方面の方、ご参加くださいませ。

【転送・転載歓迎】

┛┛┛┛┛┛┛パレスチナの民衆を殺すな!!┛┛┛┛┛┛┛

許すな! イスラエルのガザ侵攻 1・22緊急行動 in 関西

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イスラエルのガザ侵攻に対する非難の声が高まりつつありま
す。しかし、1200人以上の犠牲者を出しながらもなお、
アメリカを中心とする国際社会の動きは鈍く、イスラエル軍
の撤退、および、ガザの人々を苦しめている封鎖の解除は実
現していません。

私たちは、イスラエル軍による虐殺行為の中止、ガザ地区の
封鎖解除、そして、パレスチナにおける公正な平和の実現を
広く訴える緊急集会とデモを行います。

イスラエルの戦争・占領政策を止めるためには、国際社会か
らの圧力、抗議の声を挙げていくことが不可欠です。より多
くの方の結集を!!

なお、参加される方は、キャンドルやプラカード等、街頭や
メディアにアピールできるものをご持参頂ければと思います。


日時 ● 2009年1月22日(木) 午後6時集合
~午後7時頃デモ出発(7時45分頃大阪市役所前解散)

会場 ● 扇町公園
(地下鉄「扇町」2番出口からすぐ。環状線「天満」から西
へ徒歩5分)

集会内容 ●
ガザ現地からの映像紹介
参加団体・個人からのアピール・行動提起

主催 ● 許すな!イスラエルのガザ侵攻1・22緊急行動
実行委員会

【呼びかけ団体】
アジア共同行動・京都
ATTAC関西
アムネスティ・インターナショナル日本
沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会
釜ヶ崎医療連絡会議
釜ヶ崎パトロールの会
関西共同行動
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Gaza needs your voice

   

Gaza_strip_under_siege_by_benheine   イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの大虐殺攻撃は、今日も続いている。17日のBBCニュースが、ガザの医療機関からの情報として伝えたところでは、ガザでのパレスチナ人死者は、1,155人、負傷者は、5,015人になった。 

 国連の潘基文事務総長は、イスラエルでオルメルト暫定首相などと会談し、戦闘の即時停止を訴えた。しかし、イスラエルは、15日、ハマスのナンバー3といわれるサイード・シアム内務相の家を攻撃し、同氏を殺害したと報道された。

 14日、ベネズエラとボリビアは、イスラエルの攻撃を、人道に対する犯罪だと非難して、イスラエルとの国交を断絶した。

 ガザの人道危機状況は悪化し続けている。14日付の世界食糧計画のガザにおける食糧支援最新情報http://www.wfp.or.jp/index.phpによると、ガザでは人口の約8割の人々が食糧支援を必要としている。忘れてはならないのは、このような食糧不足は、イスラエル・ハマスの間の停戦期間中にすでに深刻化していたということである。そして、昨年12月27日の空爆が開始されたということである。それから、イスラエルが、国際支援物資を狙って攻撃している疑いがあるということだ。

 攻撃開始以来、現地からのメールによる情報、写真が数多く、ネットで世界に発信されている。それは、イスラエルの情報操作をうち破り、真実を伝えるものであり、世界の人々のイスラエルの残虐行為に対する怒りや抗議を呼び起こしている。

0001image43  AMLに、ガザでの人々の被害の様子を撮影した写真アルバムHP
http://www.elfarra.org/gallery/gaza.htmが紹介されていた。そのうちの2枚を掲載する。あまりにもむごたらしく、胸いたむ写真だ。このような写真を見ると、イスラエルのガザでのジェノサイド、ほとんどホロコーストと言ってもいいような非道に怒りがこみ上げてくる。そして、ガザから届けられているアブペルワード教授のメールが書いているよう に、言葉を失ってしまう。しかし、この真実を伝えなければならない。この写真アルバムのHPは、このウェブ・ページを友人や仲間に広めて、真実を伝えること、そして、政府に、イスラエルのガザでの大虐殺を止める外交努力をするように促す手紙で働きかけるよう呼びかけている。0047image52_2

my dear friend

after what you have seen of oppression and torture which humans suffer on this land who only want to live a decent life, and I believe after you have seen this painful reality you will start thinking how you can help those people? And I can help you to answer this question.

First:send this webpage to all your friends and colleagues, let them know the truth of how these humans live and not let them get carried away by the Israeli media.

Secound:is that you should write a letter to your government and encourage them to move in a diplomatic way to stop this massacre, and be sure they can stop all this killing if they are willing to do so

 自由と民主主義を掲げるアメリカ政府が、このようなシオニスト国家によるジェノサイドを支持し続けていることに、怒りを覚える。そして、日本政府は、ベネズエラやボリビアのように、イスラエルの非道に非をならして、毅然とした抗議の意志、ジェノサイドを容認しないという断固たる姿勢をとれないのかと残念に思う。そうした、日本政府の姿勢にも怒りを感じる。この国のトップや政治家たちに、正義の感覚がないのかもしれない。しかし、世界の人々の間には、正義の感覚が生きている。この間、イスラム圏や欧米では、何万何十万という人々が、イスラエルの非道に抗議の声を上げ、行動を起こしている。日本でも、全国各地で、そうした取り組みが行われ、これからも行われようとしている。ネットでの取り組みも様々に行われている。

 人々の中に普通に生きている正義の感覚が、イスラエルの非道を止め、パレスチナの解放を実現するための原動力の大きな源であると思う。

 

ガザ侵攻関連:翻訳)終わることのない葬列、埋葬する余地もない墓地

 Posted by:情報センター・スタッフ

 1月6日、ジャバリヤの国連学校がミサイルの直撃を受け、40人近くの人が殺された時のことを書いた記事です。すでに10日前のことになりますが、ここに書かれたことは、今もまったく変わっていません(事態はさらに深刻化しています)。ガザでは日々、こうした光景が積み重ねられていっています。

終わることのない葬列、埋葬する余地もない墓地

エヴァ・バートレット
エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine
2009年1月8日

 昨日の朝、パレスチナ赤新月社の救急車同伴のシフトを終えてから、私たちは国連が運営するジャバリヤのアル・ファフーラ学校に行った。前の日(6日)、家を失って避難していた少なくとも40人の人がイスラエルのミサイルの直撃を受けて殺された場所だ。私たちが着いた時は礼拝の時間に当たっていて、学校の前の道路で祈りが捧げられていた。屋外で祈りが捧げられているのは、パレスチナとエジプトで、これまでも何度も目にしてきている。でも、今は、アル・シファ病院の前で、ジャバリヤのあちこちの路上で、大勢の人が祈りを捧げているのを見るたびに、破壊された多くのモスクのこと、失われた多くの命と避難所のことを考えずにはいられない。昨日、アル・ファフーラ学校爆撃のニュースを聞いた時も、私の頭にまず浮かんだのは、またひとつ安全な(はずの)避難所が失われたということだった。

 いたるところに悲しみが満ちている。悲しみと嘆きと、いきどおりが。ひとりが強い口調で「いったい、私たちはどこで過ごしたらいいんだ」と言う。「どれだけ死んだら充分だというんだ? どれだけたくさんの人が死んだら?」 同じ問いが、12月27日以来、繰り返し私の頭の中に響いている。

 ファフーラ通りを隔てて学校の反対側、15メートルほど行った道沿いに巨大な穴が開いている。ディーブ一家の家があったところだ。これから焼こうと丸められて並べられたいくつもの丸いパンが、ミサイルの直撃を受けた時に一家が何をしていたのかを物語っている。生き残った家族のひとりが私たちに話をしてくれた。アマル・ディーブは30代の母親で、彼女とほかに9人が死んだこと。その中には2人の男の子と3人の女の子がいたこと。ほかに4人が重傷を負ったこと。その内のひとりは両脚が吹き飛ばされていたこと。

 家に近づいていくと、まだなまなましい、強い血の臭いがした。部屋の残骸のいたるところに飛び散った血、いくつもの血だまり。あとでジャバリヤのカマール・アドワーン病院に行き、19歳のアフラーム・ディーブを見舞ったが、彼女は、意識はあるものの、笑みを浮かべることはもとより、応答もいっさいしなかった。付き添っていた女性が説明してくれたところでは、砲弾の破片がアフラームの全身を切り刻み、中には胃に達しているものまであるという。アフラームは家族の10人が死んだのもまだ知らないということだった。

 ファフーラ学校の前に戻ると、葬儀の参列者が集まり、死んだ人と死んだ人の体の一部を墓地に、もうこれ以上埋めるところもないほどに込み合った「休息の場所」に運んでいく準備をしていた。葬列には、あらゆる色の旗があった。どの派が主導権を握っているのでもない。集団的懲罰のもとの集団的な悲しみ。同じひとつの、追悼者たちの悲しみ。

 狭い通りを進んでいくうちに葬列に加わる人の数はどんどん増えていった。一行はいくつもの集団に別れ、それぞれに別の道を通って墓地に到着した。墓地の入口付近には、以前に作られた墓であることを示す、装飾を施されたセメント板が並んでいる。まだセメントとスペースがある時に作られたものだ。一方、つい最近埋葬された者の墓はただの土盛りで、ごく浅いところに埋められて土がかぶせてあるだけ。もちろん、これでいいと思っている者などいはしない。墓であることを示すセメントブロックもところどころにあるけれど、葉っぱやツタが置かれてあるだけのものが多く、中には、土がほんの少し盛り上がっているだけで、ほとんど墓と見えないものもある。あまりにも詰め込まれすぎていて、どこが墓なのか判断するのさえ難しい。充分な敬意を払うために充分なスペースをとって配置するなど、とうてい不可能な状態なのだ。

 「気をつけて、そこを踏まないで」と友人のマフムードが言い、それと気づきようもないほどに小さな子供の墓を指差した。

 このおびただしい死の非道さに、私は改めて頭を殴りつけられたような思いに包まれた。殺戮と心理攻撃が始まって12日が過ぎ、私は、バラバラになった死体を見ても、以前ほどのショックは受けないようになっていた。少しずつ無感覚になっていっていた。こういう事態に繰り返し繰り返し向き合わされたほかの人や医師も同じような感覚になっているのかもしれない。今も続けられている虐殺は依然として心底恐ろしいし、瓦礫の下から引きずり出される子供の写真には、ただただ声を失いつづけている。これからも、そんな状態が続くだろう。それでも、死体や手足を失った人やめちゃくちゃになった生活が当たり前のようにあるという現実に、私は順応しはじめていたのだった。

 土だけの間に合わせのお墓。急いで埋葬するために、手で地面を掘る人。必要なだけの長さがあるもの──ただの板切れや波形のブリキ板、廃材を組んだもの、ストレッチャーなど──に載せた遺体を運んでくる人。頭上には無人哨戒機が行き交い、100メートルかそこらのところから戦車砲の砲撃音が響いてくる。こんなことはもうたくさんだ。あまりにも、あまりにもひどすぎる。私は泣いた。死んだ人たちみんなのことを思って。心に深い傷を負っているすべての人のことを思って。ガザの人たちはみな、自分たちの血がおびただしく流され、それがこれからも続いていくということを、じっと噛みしめている。

 少し前、私はハーティムにこう言われた。パレスチナの人たちのように強くあってほしい、パレスチナの人たちのために、と。そうあろうと、私は努力している。けれども、誰にも想像できないような殺戮の日々は続いている。分断されたガザのほかの場所のことは、私には手が届かない。私はサムニー一家の記事を読み、イスラエルの戦闘機の爆撃を受けた家の瓦礫の下から引っ張り出される女の子の赤ちゃんの写真を見る。イスラエルの爆撃で殺されたこうした人たちの写真を、フォトジャーナリストのムハンマドが撮りつづけてくれている。そして、今日、ハーティムがこう言った。こんなことはもうたくさんだ。ハーティムはとても強いのに。

 パレスチナ赤新月社の医療スタッフのニダールが、ファフーラ学校が爆撃された時のことを話してくれた。叔父さんと叔母さんが学校のすぐそばに住んでいて、ニダール自身、爆撃があったその時に、学校にいた友達のところに行っていたのだった。「まさに現場にいたんです。友人たちと話をしている時に、ほんのすぐそこにミサイルが2発……僕とミサイルの間にいた人たちがシールドになってくれたようなものです。みんな、ズタズタに引き裂かれてしまいました。 20人くらいの人たちが一瞬で」

 ニダールはまだ20歳。私が出会ったパレスチナ人の多くがそうであるように、ニダールもまた、この若さですでに近しい人を失うという経験をしている。今回のとんでもない無差別攻撃よりも以前のこと、ニダールの父親と弟のひとりが、イスラエル軍のスナイパーの銃弾を受けて殺された(パレスチナでは「シャヒード(パレスチナに殉じて死んだ者)になった」というふうに言われる)。その時の出来事にニダールも否応なく巻き込まれたことを、彼の右手が物語っている。「3年前、イスラエル軍が僕たちの住んでいる地域(ジャバリヤ)に侵攻してきた時のことです。ひとりの兵士が僕たちに向かって音響弾を投げつけました。それを拾って遠くに放り投げようとしたんだけど、その前に手の中で爆発してしまって……」音響弾は、西岸地区のビリーン村やニリーン村で行なわれているような、イスラエルの隔離壁に対する非暴力抗議デモの際によく使われており、多くの若者が、小さいころから、爆発する前に投げ返す術(すべ)を身につけるようになっている。しかし、5本の指の先端がすっぱりなくなってしまったニダールの右手は、ニダールがさほど幸運ではなかったことを示していた。それでも、ニダールは父親や弟よりは幸運だった。そして、ミサイルが撃ち込まれた国連の学校のすぐそばの家にいた2人の従兄弟、叔母の息子たちよりも。12歳と27歳の従兄弟は2人とも死んだ。

 複数のミサイルが炸裂したのちのシーンを医療スタッフの立場から見たウサーマの言葉。「僕らが到着した時には、いたるところに死体が転がっていました。30体以上ありました。死んだ子供、死んだおじいさん……あちこちに飛び散った肉片。そして、血。大勢がパニック状態で逃げまどっていて、死んだ人や怪我人を運び出すのもたいへんでした。人間の死体の間に死んだ動物も転がっていました。僕は15人の遺体の搬送を手伝ったんですが、途中で3回、服を着替えなければなりませんでした。あそこにいた人はみな、国連の学校なら安全だと思っていました。そんな人たちを、イスラエル軍は冷酷無惨に殺したんです」

 パレスチナ赤新月社のボランティアスタッフ、ムハンマド・Kは、ファフーラの避難所が爆撃された時には別の場所にいた。「ジャバリヤの国連のG学校で、家を失って避難してきていた人たちに話を聞いていました。どれだけの数の人がこの学校に避難しているか、ひとりひとりがどこから逃げてきたのか、逃げてきた正確な状況・理由、この学校でどのくらい安全だと感じているか、そういった聞き取り調査をしていたんです。僕たちがまだそこにいる時に、爆発音がして、もくもくと煙が立ち昇るのが見えて、いったいどこがやられたんだろうと思っていたんですが……それがファフーラの学校でした」

 エヴァ・バートレットはカナダ人の人道活動家、フリーランサー。2007年、西岸地区の各地に8カ月、カイロとラファ・クロッシングに4カ月滞在。 2008年11月に第3次フリー・ガザ運動の船でガザに到着したのち、現地にとどまり、国際連帯運動(ISM)の一員として活動を続けている。現在、 ISMメンバーは、救急車同伴活動を実施し、イスラエルのガザ空爆・地上侵攻の目撃証言を現地から発信している。

原文:"Too much to mourn in Gaza"
Eva Bartlett writing from the occupied Gaza Strip, Live from Palestine, 8 January 2009

翻訳:山田和子

 ガザにおける食糧支援最新情報

 戦闘が続くガザでは食糧不足が深刻化しており、WFPはガザの人口の約8割の人々が食糧支援を必要としていると見ている。WFPは9日までに70,000人へ食糧を配給し、今後、難民以外のガザの住民計360,000人を対象に支援を拡大する予定。(難民への食糧配給は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が対応。)しかし戦闘のため、依然として食糧支援を行うのに困難な状態が続いている。

 食糧支援への支障

 WFPの倉庫には、支援対象とする36万人の3週間分に相当する食糧が備蓄されているが、戦闘の激化と共に食糧の輸送や配給は困難を極めている。戦闘への不安から、トラックやフォークリフトの運転手が業務を拒むことも多く、円滑な食糧支援が非常に困難となっている。カレムシャロム検問所では130台のトラックが4000トンもの食糧を積み待機しているが、なかなか通過できない状態。WFPは迅速な食糧支援を行うため、ガザのすべての検問所を開放するよう要請している。

 パン屋へ小麦粉を配給

 WFPがガザで積極的に取り組んでいる支援の一つに、人々の主食のパンを作るために必要な小麦粉をパン屋へ配給することがある。電力供給が乏しく、材料不足が進む中、WFPはソーラーパネルの設備があるパン屋と契約し、小麦粉を配給している。これらのパン屋は配給された小麦粉で一日に3kgのパンを 5,000セット生産、人々の命綱となっている。しかし、それでも食糧支援を必要とするすべての人々へ足りる量ではない。

 すぐに食べられる食糧を配給

 電力や燃料供給が乏しく、人々が家庭で調理することが困難なことから、WFPは高カロリービスケットや缶詰などの調理の不要な食糧の配給に力を注いでいる。WFPはこれまでに高カロリービスケットと缶詰を13箇所の病院に収容されている6,000人へ配給した。さらに、今後6ヶ月間に渡り、3,000人の児童に牛乳と高カロリービスケット、75,000人の避難民に高カロリービスケット、缶詰、パンなどを配給する予定。また、緊急処置として
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の避難所に収容されている16,000人と病院に収容されている7,000人を対象に、火なしで温められる食糧12日分を配給する予定。

 さらなる支援を要請

 WFPはガザ地区での危機的な状況を踏まえ、国際社会へ緊急支援を求めている。1月8日現在、WFPの2009年の活動資金は7,300万ドルの資金不足に陥っている。この不足分は、ガザへの立入り制限が解消され、より大規模な支援活動が可能となった際にさらに増加すると予想されている。

 募金受付中

パレスチナ自治区ガザの住民の方々への緊急食糧支援のため、募金を受け付けています。皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

ゆうちょ銀行から
口座番号:00290-8-37418
加入者名:国連WFP協会
金額:ご寄付額を明記ください。
通信欄: ガザ地区緊急支援
※銀行備え付けの振込用紙をご利用の際には振込手数料がかかります。(振込金額・方法に応じて80円~)

手数料無料口座で
三菱東京UFJ銀行 店名/本店(店番001)
預金種類・口座番号/普通預金 0887110
口座名/トクヒ)国連WFP協会募金口
※領収書発行および寄付金使途指定につきましては、お手数ですが、国連WFP協会事務局 (Tel. 045-221-2515)またはinfo@jawfp.orgまでご連絡ください。

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ガザの死者1000人を超える

 For_gaza_by_jay_cozzy                    15日ロイター通信によると、パレスチナ側の死者は、1,024人とついに千人を超えた。イスラエルのガザへのジェノサイド攻撃は、20日目に入り、市街戦が続いている。

 同日、パレスチナ自治区のガザ市で、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRW)の現地本部がイスラエル軍の攻撃によって炎上し、負傷者が出たと伝えられている。この機関のスタッフは、イスラエル軍は、国際条約で使用が禁止されている白リン弾を使用したと述べているという。

 アメリカのライス国務長官は、これを誤爆だと述べ、イスラエルのバラク国防省とリブニ外相に、こうした事故を防止するように伝えたという。ライス国務長官は、これを、「事故」「誤爆」だと言うのだ。イスラエルが攻撃したのは、人道支援物資の保管庫である。先に、イスラエルは、支援物資を運ぶトラックを攻撃している。これは、ガザの人々の食糧を断つ兵糧攻めの一環ではないのかと疑わせるものである。

 さすがに、イスラエルをかばってきたライス国務長官も、国連施設への攻撃には、ものを言わざるを得なくなったわけである。中曽根外相は、「(即時停戦を求めた)国連安保理決議にもかかわらず、国連関連施設や病院に被害をもたらしたイスラエル軍の攻撃を非難する」と新聞に語っている。ちょうど、国連の潘基文事務総長が、エジプトなど関係諸国を訪れて外交に乗り出している最中で、エジプトで、ムバラク大統領、アラブ連盟のムーサ事務局長と会談し、イスラエルとの交渉のため、エルサレムを訪れるというタイミングである。前日14日には、日本政府が派遣した有馬龍夫・中東和平担当特使が、オルメルト暫定首相に、即時停戦を求めたばかりである。CNNによると、潘事務総長は、ガザ訪問を希望しているが、現地情勢から、困難という見方をしているという。

 元レバノン大使の天木直人氏は、イスラエルの攻撃を非難し続けている。氏は、15日のブログ記事「イスラエルを正しく理解するためには努力が必要である」で書いている。

 「杉原氏の美談がイスラエル政府により作為的につくられ、日本において過度に美化さ れている事を私は知っているからだ。もっとはっきり言えば杉原氏という善良な外交  官の行為を日本国民への情報操作の具にしているということだ」。

 このようなイスラエルによる情報操作戦という戦場で戦うことも必要だということである。イスラエルは、情報戦という戦争を遂行しているのであり、この戦場で戦うことも、パレスチナ連帯の一つなのである。一人でも、こうしたイスラエルの情報操作から解放される人が増えれば、自ずとパレスチナ問題の真実が見えてくる人が増えて、それは、この攻撃を止める力の一つになるということを天木さんは指摘しているのだと思う。

 イスラエルのガザ攻撃以来、この攻撃を止めるために、がんばっておられる岡真理さんのAMLへの投稿です、至急転送とあるので、転載させてもらいました。

 市街戦では、イラクでもそうだったが、多くの非戦闘員を巻き込み、犠牲を出すことが避けられない。犠牲者の数は、急増するだろう。

 昨年、イラク帰還兵の反戦ビデオを観たが、市街戦・白兵戦においては、戦闘員か非戦闘員の見極めは難しく、非戦闘員を殺害してしまって、それへの自責の念に苦しむ帰還兵の証言があった。

 オルメルト暫定政権は、2月10日の総選挙からアラブ政党の参加を禁止した。デモクラシー・ナウというシオニスト左派の平和団体は、パレスチナとの共存を訴えて、この攻撃に反対しているが、イスラエル国内の圧倒的多数は、この攻撃を支持している。イスラエル国内に、デモクラシー・ナウのような勢力が増えることが、和平への道につながる。

 それから、なんといっても、イスラエルのレイシズムを擁護しているアメリカ政府とアメリカ世論の変更が必要である。日本政府は、暗にアメリカの立場を支持している。せめて、即時停戦を求める国連安保理決議や国連人権理事会決議を実現するための外交努力を真剣に行うべきであり、その立場から、イスラエルを一方的に支持するアメリカ政府に、これらの国連の意志に従うよう求めていくべきである。

 

[AML 23556] Fw: 至急転送してください! ガザ 15 日 16:30  (日本時間 23:30 )
OKA Mari anajoana at nifty.com
2009年 1月 16日 (金)

京都のおかです。
ガザ、市街戦が始まりました。
以下、転送します。

至急転送してください! ガザ 15 日

> パレスチナ子どものキャンペーンです。
>
> 市街戦が始まっています。
>
> ガザからの緊急の声を一人でも多くの人に伝えてください。
>
> 転送転載大歓迎 
>
>
> ガザ 1月15日16:30(日本時間23:30)
> --------------
> 500メートル先に戦車が・・・
> --------------
>
> 国連の本部が攻撃されました。今、私の家族と一緒に家にいますが、家から500m
> のところにイスラエル軍の戦車がいて外にでることができません。これまでで最
> 悪の日です。
>
> 彼らはテル・アル・ハワ地区に侵入し、次に小麦が保管されていたUNRWA(国連)
> 本部を攻撃して火事が起きました。テル・アル・ハワ地区の人々は、女性も子ど
> もも通りに出て逃げ出しました。この地域は人口密集した住宅地です。男たちが
> 集められ、建物が取り上げられて火がつけられました。あらゆる方向から爆撃と
> 砲火を浴びせ、アブダビのジャーナリスト2人が負傷し、1人は重傷です。
>
> 今、新たな空爆が始まりました。(爆発音)
>
> イスラエルは状況をどんどんエスカレートさせています。今、人々は家を離れて
> あちこちに動き回っています。あらゆる方向から攻撃を受けているので、どこに
> も行けず、人々はただ動き回るだけです。いろいろな地域が攻撃を受けています。
> そのような地域から人々は逃げ出しています。
>
> -----------
> 人々が逃げまどっている
> -----------
>
> 昨夜は朝まで恐ろしい時を過ごしました。銃撃が連続しています。
>
> (また爆発音を飛翔体の飛行音)
>
> 多くの人々が残骸の下敷きになっています。パレスチナ赤新月社が運営している
> アル・クッズ病院も攻撃を受けました。ここには500人のパレスチナ人が避難し
> ています。この病院もテル・アル・ハワ地区にあります。病院も救急車も民間防
> 衛局も消防署も、全てが攻撃されています。多くが負傷したり死んだりしていま
> す。
> --------------
> 石油の備蓄も小麦もなくなった
> --------------
>
> 多くの人がただ逃げ回っています。今日の午後は多くの人がただ毛布やかばんだ
> けを持って攻撃された地域からこちらに逃げてきています。テル・アル・ハワ地
> 区の人々は国連本部に逃げ込んでいましたが、そこも攻撃されました。イスラエ
> ルは攻撃してUNRWA職員と避難民の3人が負傷しました。ここにはUNRWA本部のオ
> フィスと倉庫がありました。
>
> 大きな問題は、この施設には石油が備蓄されていたことです。石油やガスの備蓄
> が破壊されたのは破局的です。これらの燃料は病院や井戸から水をくみ上げる施
> 設に供給されていました。ガソリンや燃料はUNRWAだけにしかなかったのです。
> 石油は攻撃目標になった二つのものの一つです。もう一つは小麦粉でした。もう
> ガザには小麦も石油もありません。
>
> 空爆は無差別で、攻撃はあらゆる方角に向けられています。ただ殺すだけです。
>
> 皆さんによろしく。
>
> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>
> アムジャッドさんと電話がつながり、話を聞くことができました。
> 彼には、小さな娘が二人います。子どもたちはどんな思いでいるのでしょうか。
> 電話で話をすることしかできない自分がとても辛いです。
>
> **************************************************
> 特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン
> Campaign for the Children of Palestine(CCP)
> 〒171-0031 東京都豊島区目白3-4-5 アビタメジロ603
> Tel:03-3953-1393   Fax:03-3953-1394
> Email: ccp at bd.mbn.or.jp
> HP: http://ccp-ngo.jp/

日本政府は人権理事会決議の実現=停戦とガザ国際調査団派遣に動け!
 【資料:国連人権理事会ガザ決議(仮訳)】
 

                          [転送・転載歓迎/重複失礼]

 杉原浩司です。ガザ侵略により既に1000人以上の命が奪われました。国連
事務総長イスラエル訪問中のUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機
関)本部爆撃など、イスラエルの戦争犯罪は留まるところを知りません。
世界は完全にナメられています。

 1月12日の国連人権理事会緊急会合でガザに関する決議が賛成多数で採択
されました。ヒューマンライツ・ナウ( http://www.ngo-hrn.org/ )に
よる仮訳を入手しましたので、重要と判断し、取り急ぎご紹介します。
極めて残念ながら、日本政府はこの決議にEU諸国と共に棄権しました。
そして、決議は未だ履行されてはいません。たとえ棄権しようとも、決議
が採択された以上、日本政府は人権理事国として決議履行のために最大限
努力する義務があります。

◆日本政府が、決議の履行、とりわけガザへの国際調査団派遣を緊急に実現
 するために積極的に動くよう、外務省や各政党に働きかけて下さい!

  ◇中曽根弘文外相     (FAX)03-3592-2424
  ◇外務省ご意見・ご感想コーナー
             http://www3.mofa.go.jp/mofaj/mail/qa.html
   →「志野光子人権人道課長」あてでお願いします。
   ◇外務省 (代表電話) [TEL]03-3580-3311

   小沢一郎(民主党代表)         (FAX)03-3503-0096
   鉢呂吉雄(民主党ネクスト外相)     (FAX)03-3593-7272
   犬塚直史(民主党ネクスト外務副大臣)   (FAX)03-5512-2318
   志位和夫(共産党委員長)        (FAX)03-3508-3735
   福島瑞穂(社民党党首)         (FAX)03-3500-4640
  田中康夫(新党日本代表)        (FAX)03-5512-2416
  太田昭宏(公明党代表)         (FAX)03-3592-1019
  綿貫民輔(国民新党代表)        (FAX)03-3504-2569

……………………………………………………………………………………………………

国連人権理事会 決議

2009年1月12日

占領下のパレスチナ地域、特にガザ地区に対する最近のイスラエル軍の攻撃による
重大な人権侵害

国連人権理事会は、
国際連合憲章と世界人権宣言の原則と目的に従って、
平和、安全保障、開発、人権を認める事は、
国際連合の制度の根幹をなすものであると認識し、
また、国際連合憲章に記されているように、パレスチナの人々の自決権と武力行使による土地の取得の非許容性に基づいて、
2006年3月15日の国際連合総会決議60/251を思い出し、
東エルサレムを含む、占領下のパレスチナ地域での、国際人権法の適用性を確認し、
また、同地域での国際人道法、つまり戦時下における文民の保護に関するジュネーブ第四条約の適用性を確認し、
国際人権法及び国際人道法は義務であり、相互に補強するものであることを強調し、
また、ジュネーブ第四条約の締結国の義務を想起し、戦時下における文民の保護に関するジュネーブ第四条約の各締結国は、この条約に基づく義務を尊重し、
また保証しなければならないことを再確認し、
生存権がすべての人権の最も根本的なものであると強調し、
占領軍であるイスラエルが過去に批准した東エルサレムを含む占領下のパレスチナ地
域における人権状況に関する国際人権理事会の決議及び勧告の不履行に対して重大な懸念を表明し、
イスラエルによる継続中の大規模な軍事作戦は、 占領下のパレスチナ地域、特にガ
ザ地区でのパレスチナ市民に対する重大な人権侵害を引き起こし、
その点での同地域における重大な人道的危機を深刻化させ、
同地域における公正かつ永続的な和平の実現に向けた国際的な努力を台無しにしていると認識し、
市民に対するいかなる暴力も非難し、
現在の状況における人命の犠牲を遺憾に思い、
また、境界線を封鎖、医療品及び食料の供給の停止を含む、
ガザ地区におけるイスラエルの包囲攻撃は、
パレスチナ市民に対する集団的な懲罰に当たり、
人道上及び環境上の悲惨な結果をもたらすと認識し、

1、占領下パレスチナ地域、特にガザ地区に対する継続中のイスラエル軍の軍事作戦
  が、パレスチナ市民に対する重大な人権侵害とパレスチナの経済基盤の計画的な
  破壊を引き起こしていることを強く非難し、

2、多くの女性と子供を含むパレスチナ人の900人以上の死者と4000人以上の負傷者
  を出した同地域でのイスラエル軍の軍事攻撃の即時停戦と、4人の市民の死者と
  数名の負傷者を出したイスラエル市民に対するロケット弾の発射の停止を求め、

3、イスラエルに対して、占領下のガザ地区からのイスラエル軍の即時撤退を要求し、

4、1967年以来のすべてのパレスチナ地域の占領の中止と、すべての近隣諸国との平
  和と安全保障と基にした東エルサレムを首都とする独立主権国家としてのパレス
  チナの建国に向けた和平交渉努力の尊重を求め、

5、第四ジュネーブ条約の原則に従って、市民、医療施設及びその関係者を標的に
  する事、また公的及び私的財産の破壊に加え、パレスチナ人の文化的遺産の計
  画的な破壊の停止をイスラエルに要求し、

6、包囲攻撃の解除と、国際人道法上の義務の遵占として、人道上の回廊の即時設置
  及び、報道の為の回廊を通じた紛争地域への報道機関の自由なアクセスを含む、
  占領下のガザ地区に対する人道支援のアクセスと自由な移動のためにすべての境
  界線の解放を、イスラエルに更に要求し、

7、ガザにおける現在の軍事攻撃の即時停止に向けた現在のイニシアティブに協力す
  ることを、国際社会に対して求め、

8、占領下パレスチナ地域、特にガザ地区でのイスラエルによる重大な人権侵害の即
  時停止の為の、緊急の国際的な行動を求め、

9、国際人権法と国際人道法に従って、占領下のパレスチナ地域でのパレスチナ人の
  即時の国際的な保護を求め、

10、国際人権法及び国際人道法の原則を尊重し、市民に対する攻撃を自制することを、

    すべての関係者に要求し、

11、(a) 占領下パレスチナ地域、特にガザ地区での現地事務所のプレゼンスと、イス
    ラエルによるパレスチナ人の人権侵害及びパレスチナ人の財産の破壊を記録、観
  察する為に必要な人員及び専門家の派遣を強化し、
  (b) この決議の履行に関する定期的な報告を人権理事会に提出することで、国際
  連合人権高等弁務官に対して、イスラエルによる人権侵害に関して報告するよう
  に求め、

12、関連するすべての特別報告者、特に1967年以来の占領下のパレスチナ地域の人権
  状況に関する特別報告者、精神的及び肉体的健康に関する特別報告者、紛争地に  
  おける子どもに関する事務総長の特別代表、女性に対する暴力に関する特別報告
  者、国内難民に関する事務総長の特別代表、十分な住宅供給に関する特別報告者、

  食料の権利に関する特別報告者、超法規的、恣意的な死刑執行に関する特別報告
  者、教育権に関する特別報告者、極度の貧困に関する特別報告者、に対してパレ
  スチナ人に対する人権侵害の情報を緊急に探し集め、次回の人権理事会会議にそ
  の報告を提出することを求め、

13、イスラエルに対して、上記で言及したすべての報告者に完全に協力し、1967年以
  来の占領下パレスチナ地域の人権状況に関する特別報告者の調査に対するこれ以
  上の妨害を止める事を求め、

14、現在の攻撃に関して、占領下パレスチナ地域、特にガザ地区でのイスラエルによ
  るパレスチナ人に対するすべての国際人権法及び国際人道法違反を調査する、理
  事会長によって任命された、緊急の独立現地調査団を派遣する事を決定し、イス
  ラエルに対して、この調査団に完全に協力し、調査作業を妨げないように求め、

15、事務総長及び国際連合人権高等弁務官に対して、上記に言及した特別手続き及び
  現地調査団が効率よくかつ迅速にその委任を遂行できるように、すべての管理上、

  技術上及び後方支援を提供することを求め、

16、国際連合事務総長に対して、女性と子供を含むパレスチナ市民の犠牲者を出した
  学校を含む、最近の国際連合パレスチナ難民救済事業機関関連施設を対象にした
  攻撃を調査すること、この件に関する報告を国連総会に提出することを求め、

17、次回の人権理事会会議でのこの決議の履行について検討することを決める。

 天木直人ブログ1月15日、「イスラエルを正しく理解するためには努力が必要である」

 ガザで暮らしてガザの実情を知っている者は皆イスラエルの暴挙に怒りを覚えている。

 イスラエルと結びついて利益を得ている者は皆イスラエルを擁護する。

 しかしこのブログを読んでいる読者の多くはそうではないだろう。

  だからイスラエルのガザ攻撃が連日ニュースで流されても、世界で止む事のない戦争の一つでしかないと思っているのかもしれない。

 どのように残虐な事が繰り広げられても、戦争に犠牲はつきものだ、攻撃を止めないイスラエルとパレスチナの双方の指導者が悪い、と思っているのかもしれない。

 しかし、そんな読者であっても、イスラエルのやっている事は、いくらなんでも酷すぎるのではないか、と思う者が多いだろう。

 そして、ふつうはこれだけの残虐な事が行なわれていれば、国際社会が介入して停戦に持ち込まれるはずなのに、なぜイスラエルのガザ侵攻だけは誰も止められないのか、止めようとしないのか、と感じるだろう。

 そう思う人はすでにイスラエルという国を正しく理解できる資格がある。その疑問からすべてがスタートする。そこから自分の頭で考えて自分なりの答えをだせばいい。

 しかしそれには真実を知る努力が少しばかり必要だ。その参考のためにこのブログを書いている。

 杉原千畝という外交官がいた。日本政府の訓令に反して迫害ユダヤ人に亡命ビザを発給して6000人ほどのユダヤ人の命を救った外交官だ。

 先日なくなられた杉原夫人は生前に、「うちの主人がユダヤ人の命を救った事が果たして正しかったのでしょうか」と知人にもらしていたという話を、私はこのあいだ人づてに聞いた。ナチに虐待されたユダヤ人が、今度は同じ事をパレスチナ人に繰り返している、それを知って心を痛めていたというのだ。

 もちろんユダヤ人の命を救った事は正しい。しかしそのユダヤ人たちによってつくられたイスラエルという国が、パレスチナ人を虐待している、この矛盾が杉原夫人を苦しめたのだ。もちろんそれは今回のガザ攻撃が始まる前の話である。今回のガザ攻撃はこれまで休む事無く続けられてきたイスラエルのパレスチナ弾圧政策の延長に過ぎないという事である。

 イラク戦争に反対して外務省を首になった私は、講演先などでよく、あなたは杉原千畝さんを思い起こさせてくれる、と言われる。

 そのたびに私は内心いささかの困惑を覚える。その理由は、杉原氏はその行為で6000人ものユダヤ人の命を救ったという現実の功績がある。それにくらべ私は「小泉バカヤロー」と言っただけだ。その意義において比べものにならない。

 しかし困惑するもう一つに理由は杉原氏の美談がイスラエル政府により作為的につくられ、日本において過度に美化されている事を私は知っているからだ。もっとはっきり言えば杉原氏という善良な外交官の行為を日本国民への情報操作の具にしているということだ。

 もちろんこれは杉原氏の責任ではない。イスラエル政府の責任を私は言っている。

 私がイスラエルを正しく知るためには努力が必要だ、と言ったのはこの事である。

 外から与えられる情報を、ぼけっ、としてそのまま信じてしまうと、とんだ勘違いを起こす事になる。

 1月15日の朝日新聞は、イスラエル政府が外国報道陣のガザ立ち入りを拒否し続けていると報道している。これでどうして我々は今ガザで何が起きているか知ることができるだろうか。いままで日本のメディアが流してきた報道や映像は、嘘とは言わないまでもイスラエルの都合のいい偏った情報であるということだ。

 真実はガザにいる被害者たちがインターネットなどで発する声の中にある。それを知ると見方が一変する。悲惨さが圧倒的になる。

 1月15日の日経新聞は、イスラエルの政治家が語ったという次の言葉をスクープしている。

 「米国が第二次大戦中に日本に対して行なったのと同じように、我々もハマスとの戦いを続けなければならない」。

  つまり無差別爆撃と原爆投下で無条件降伏するまで叩きのめす、と言っているのだ。

  これがガザ攻撃であり、これがイスラエルという国である。

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ガザへのジェノサイドを許すな!

Stop_killing_gaza_by_dark_lil_ang_2  1月12日、ガザでの死者数は、1000人に近づいた。もちろん、これは、確認されている数字だけである。ガザの医療体制は、危機的状況にあり、4,400人(BBC)の負傷者の中から、十分な手当を受けられないために死にいたる者もあるだろう。

 デモクラシー・ナウのHPには、1月11日、イスラエルのガザ攻撃を支持する数千人の集会がニューヨークで開かれたという記事がある。そこには、ニューヨーク州選出の上院議員チャック・パターソンやニューヨーク州知事デビット・パターソンが含まれていたという。それに対して、在米ユダヤ人の有名な劇作家トニー・クシュナーは、がイスラエルのガザ再占領を見当違いと批判したということが載っている。

 イスラエルの平和団体ピースナウのイスラエルのテルアビブでの反戦集会のビデオを観た。演説者は、真のシオニスト・真の愛国者として、間違ったシオニズムに犯されている現在の政府に対して、停戦を求め、パレスチナとの友好こそが求められていると述べている。現在のイスラエル国防軍は、イスラエル人のためではなく、アメリカのために使われているとしている。そして、真の愛国者として、平和を求めるというようなことを訴えている。

 13日、アルジャジーラは、国連総会議長Miguel d'Escoto Brockmann(ミゲル・ドゥエスコット・ブロックマン?)が、イスラエルのガザへの攻撃を、ジェノサイド(genocide)と非難したと伝えた。この元カトリックの聖職者で、ニカラグアの元外務大臣は、「国連総会によって存在を許されたイスラエルが、これほどまでに国連の決議を軽視していることは信じられない」と述べている。まさに、イスラエルは、1947年11月の国連総会でのパレスチナ分割決議によって、建国を国際的に認められ、国連総会によって存在を保証された国なのである。同じように、この時の国連総会決議は、パレスチナの主権と国家建設を認めたのであり、パレスチナ国家は、国連総会の意志として、認められたのである。

 そのイスラエルは、建国後の4次に渡る中東戦争によって、国連総会が、パレスチナに認めた土地を侵略してきたのである。そればかりか、シオニスト・イスラエルは、パレスチナの対等の主権を認めるどころか、こうして、ガザのパレスチナ人の生殺与奪権は我が方にあるといわんばかりに、ジェノサイドを行っているのだ。こんなことを認めたら、我々は、シオニズム同様ゲルマン主義国家を作ったナチスのレイシズムをも容認するようなはめになりかねない。ホロコーストにつながったナチの人種主義は、ヒトラーの思想に早くから現れていたが、それに対して、イギリスは、対独戦争を避けるため、譲歩と黙認を続けた。

 今のアメリカ政府は、黙認どころか、イスラエルのレイシズム攻撃を支持し、積極的に支えている。オバマは、大統領選挙戦の最中に、AIPAC(米・イスラエル公共政策委員会)の総会に出席し、「親イスラエル」の立場を明らかにし、パレスチナ側が断固として反対してきたエルサレムをイスラエルの首都として認めるかのような発言をしている。2000年9月からの第2次インティファーダ(人民蜂起)が、右派リクードのシャロン首相が、武装した護衛を引き連れてエルサレムのパレスチナ人地区に踏み入ったことから起きたのである。AIPACのHPには、ブッシュもオバマも、イスラエルの自衛権を再確認したという記事が載せられており、イスラエルによるガザでの虐殺攻撃については無視して、ハマスによる攻撃の報道が載せられている。

 日本でも、保守派の雑誌に、昨日紹介した富岡幸一郎というキリスト教徒の評論家のイスラエルよりの記事があったり、元外務省のレバノン大使だった天木直人氏の13日のブログで、イスラエルを全面支持したと批判されている元外務省官僚の佐藤優といった連中がいる。日本ではさすがに、アメリカのように、露骨なイスラエル支持の声はあまり聞こえないが、それは必ずしも喜ぶべきこととも言いにくい。パレスチナ問題を遠い地で起きている無縁の出来事として、無関心であるというふうにも考えられるからである。

 しかし、世界政治の上において、パレスチナ問題は、つねに、中心的問題としてあり続けており、それで、欧米のメディアの関心も高いのである。イラクやアフガニスタンの問題も、パレスチナ問題とつながっている。アラブ・イスラム世界は、帝国主義がかつて好き勝手に切り分けた人為的なラインを今の国境として、いくつもの国家に分かれているが、民族的歴史的文化的生活的には、国民という区分によって分けるのは不自然であり、アフリカから中国西部の新疆ウイグル自治区、ロシア南部、インド、インドネシア、と広大な地域に広がりがあり、ネットワークを持っている一大共通文明圏なのである。実際、サウジアラビアの国境を、遊牧民が自由に行き来している。それから、イスラム圏全体をカバーするようなイスラム金融のネットワークもある。パレスチナはその一部にすぎず、もっと言えば、もともと歴史的には、ユダヤもその一部にすぎなかったし、ユダヤとイスラムの長い共存の伝統と歴史があった。

 12月27日以後の報道を見ると、イスラエルのパレスチナへの攻撃が、原油価格にどういう影響与えるかとか、為替はどうなるかとかいう経済的な影響についての記事が多く見られる。例えば、「NY原油、時間外で一時42ドル台」(30日『読売』)、「外為17時 円、夕方に上昇し90円台前半 イスラエル空爆受けドル売り」「ドル90円後半、中東情勢の緊迫化でユーロなどに買い」(30日『ロイター』)。市場は、戦争をも売り買い、利益追求の一材料としている。アメリカの軍事企業の株価などの動きは確かめていない。おそらく、このような不均衡な戦争では、イスラエル軍側の物理的被害は小さいので、それほど、軍需産業に利益をもたらさないだろうから、値上がりはしなかったのではないか。いずれにしても、イスラエルは、アメリカの軍需産業のお得意さまであり、しかもその費用の多くをアメリカの援助がまかなっているのであり、それもアメリカ政府の親イスラエルの態度を形成している要因の一つである。戦争の陰で、経済的な利益を求める動きがあるということにも注意する必要がある。

 シオニズムは、ヨーロッパで生まれ、育った思想であり、それが広まる直接のきっかけは、フランスで起きたドレフュス事件であった。それから、19世紀からの民族独立運動の影響もあったのである。つまり、シオニズムは、ヨーロッパ的な近代的民族主義の影響を受けているのである。ユダヤ教による迫害と弾圧を受けたユダヤ人哲学者として、スピノザがいる。アインシュタインも、ユダヤ人であり、イスラエル建国を支持したが、シオニズムを嫌っていた。ただ、ナチスのホロコーストの体験から、それを支持しただけである。アインシュタインは、リベラルな社会主義者で無神論者、ヒューマニストだった。まるで、シオニズムがユダヤ人の全体を代表しているかのようなイメージが流布しているけれども、そうではない。実は、ユダヤ人といっても、様々であり、シオニストにも、左右があり、ユダヤ教にもいろいろあって、現在、イスラエルで主流となっている一派ができたのは、イスラエル建国後のことである。

 イスラエルの帰還法は、ユダヤ人の子孫(血縁)ないし、ユダヤ教徒をユダヤ人として認定して、移民を受け入れている。アメリカの市民権は、そういう血統とか特定宗教への帰依を要件として与えられるものではない。イスラエルには、約24%の非ユダヤ人がおり、そのほとんどはパレスチナ人などのアラブ系住民である。パレスチナ人は、総人口1,000万人以上で、西岸地区とガザに約380万人が住み、難民が約440万人いる。難民は、西岸、ガザの他、レバノン、ヨルダン、シリアなどに分かれている。難民の帰還権の問題もある。イスラエルは、こうして血統や宗教の純粋性を守るシオニズムによって、アラブとの平和的共存、長い友好関係から、強制的ではなく、自由意志によって、自然に生じるであろう混血、融合を、国家意志として、否定しているのである。そうして、パレスチナ人の抹殺・虐殺行為を繰り返しているのだ。

 下は、この間、精力的に、パレスチナに連帯して、イスラエルのガザ侵攻に反対して、発言や翻訳を続けられてきた早尾貴紀さんの記事である。マイケル・ウォルツァーというアメリカの倫理思想家のイスラエルの攻撃を支持する記事についての批判である。シオニストの差別主義、レイシズム、侵略主義に目を向けないどころか、それを正当化するとんでもない倫理思想を唱えるマイケル・ウォルツァーなる思想家の倫理性の低レベルな議論を批判している。

 12日の時事は、ガリ元国連事務総長が、「ガザでの戦闘は全アラブ諸国そしてイスラエル国内の過激派、原理主義者の力を強化させる」と語ったと述べた。ガリ氏は、紛争の解決のためには、穏健派を育てることが必要だと唱えた比較的リベラルな立場を取った人物である。13日の時事は、イスラエルの極右政党「わが家イスラエル」のリーバーマン党首が、大学でのスピーチで、第2次世界大戦の時にアメリカが行ったように日本を屈服させるべきだと語ったと伝えた。9・11事件の際に、ブッシュは、これを真珠湾攻撃に例えて、「対テロ戦争」を正当化し、イラク占領策は、GHQによる日本統治をモデルにした。アメリカにとって、先の対日戦の勝利とその後の日本の対米追随は、成功モデルとして、強く認識されているらしい。

 対日占領を、アメリカによる日本従属化としてとらえる保守主義者なら、今イスラエルが行っているガザの民族抹殺攻撃にシンパシーを感じるはずだ。それが、自称保守主義者の佐藤優がイスラエル支持なのはどういうわけだろう? 国会や政府が、この問題を取り上げないのはなぜだろう? 被抑圧民族であるパレスチナ人よりも、抑圧民族のシオニスト・イスラエルとそれを支持するアメリカという大国の方を自らに近しいものと感じているからに違いない。

 だが、現実を見よ! イスラエルには、正規軍だけで、陸軍約13万人、海軍約1万人、空軍約3万人、合わせて、17万人以上のの正規軍があり、予備役が40万人以上いる。そして、戦車約3,500両、装甲車約6,700、F-15、F-16などの戦闘機約400機、攻撃ヘリコプター約90機、などの装備で武装している。それに対して、ハマースのロケット弾はほぼ手作りのもので、多少の銃器類や手榴弾などで軽武装しているにすぎない。2次にわたるインティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)は、多くは、石が武器で、投石による抵抗であった。それに自爆攻撃がいくらかあったにすぎない。

 ハマースは政権を握ったが、イスラエルは、かれらに対して、パレスチナ自治区で徴収した税金を引き渡していない。そして、ガザを握ったハマースに対して、ガザ市民を飢餓や人道危機に追い込んだ上で、軍による直接的戦闘を開始したのである。体力的精神的にガザ市民を弱らせた上での今回の攻撃なのである。

 ガザへのジェノサイドを許すな!

正戦論の倫理思想家マイケル・ウォルツァーのガザ攻撃正当化について(2009.01.13)http://palestine-heiwa.org/note2/200901130036.htm

   Posted by :早尾 貴紀

 イスラエルのガザ侵攻をめぐって、いろいろと貴重な発言、良心的な発言が翻訳紹介されています。
 しかしもちろん、こういった発言が世論の主流を占めているわけではなく、稀少だからこそ拾われて紹介されているということでもあるわけです。

 ここで反対に、ひじょうに巧妙にイスラエルの軍事攻撃を正当化する議論を紹介します。論者はマイケル・ウォルツァー(Michael Walzer)。アメリカの政治思想・倫理思想の研究者で、日本でも、その主要な著作が次々と(もう10冊も!)翻訳紹介されている人気の思想家です。共同体の倫理と人権の理論で知られます。
 そして彼は、〈9・11〉のときも、アメリカの軍事行動を正当化する代表的イデオローグとして名を馳せました。

 それだけではありません。ウォルツァーは、もはや古典とも称される正戦論、『正しい戦争と不正な戦争』を1977年に刊行し、とうとうそれがつい最近になってこのタイミングで日本語に訳されたのです。同書の原書は、91年に第二版、2000年に第三版と、新版を重ねてきました。力は正義というリアリズムでもなく、絶対平和主義的反戦でもなく、正しい戦争と不正な戦争を区別できるという議論をしています。
 ウォルツァーの著作がどんどん日本語に訳されるなか、本書の訳はなかなか出ませんでしたが、とうとう出たのがいまというのは、残酷な気がします。
 というのも、同書においてウォルツァーは、1967年の第三次中東戦争(イスラエルが西岸地区やガザ地区などを全面的に占領した戦争)を正当化し、また、それ以前に西岸地区がトランス・ヨルダン領だったときにおきたパレスチナ人村の虐殺(リッダ近くでユダヤ人3人が殺害された報復と称して50数人の村人を虐殺)をも正当化したのです。
 このロジックの背後には、「イスラエル=西欧=味方」/「パレスチナ=非西欧=敵」という二項対立が隠されていることをエドワード・サイードは批判しました。(このあたりの議論については、早尾貴紀『ユダヤとイスラエルのあいだ』(青土社、2008年)の第8章で詳しく検証しています。ご参照ください。なお、同書の最終章は、ハマスの06年の選挙勝利を受けて書かれていますので、まとめて読んでいただけるとなお幸いです。)

    *   *   *

 さて今回もやはりと言うべきか、自らが編集する雑誌 『Dissent』のオンライン版 で、イスラエルの軍事行動を正当化する文章を発表しました。 「ガザ戦争と均衡」 (2009年1月8日)。
 ウォルツァーは、「均衡/proportionality」をキーワードに、今度のイスラエルの攻撃が「不均衡/disproportinate」だという批判、すなわちハマスのロケット弾に対してイスラエルの軍事攻撃が不釣り合いに過大であるという批判に対して、反批判を加えているのです。
 均衡・釣り合いのとれた攻撃というのは、「目には目を」ではないので、同じ数の人間を攻撃するという意味ではない、とウォルツァーは主張します。第二次大戦や湾岸戦争の例を挙げ、「何人の市民が犠牲になれば、連合軍や多国籍軍の攻撃が釣り合いが取れているということになるのか?」と問いかけ、数の問題ではないところで正義の戦争(攻撃の正当性)がありうるというわけです。つまり、最悪の犠牲者数が発生する前段階で(それを想定し)それを阻止するための攻撃は正義だ、と。

 この段階からすでに議論が作為的なのですが、ここからさらにウォルツァーの議論は巧妙になっていきます。
 「攻撃の均衡は将来予測的で思弁的なものなので(最悪の被害が現実のものとなる前に、そうなることを予測してのものだから)、攻撃の正当化についてはきわめて慎重になる必要がある」とウォルツァーは語り、これによってその後に展開するイスラエルのガザ侵攻の正当化が慎重に判断されたものであることを臭わせ、そして、こう言います。「ある攻撃を不均衡な暴力だと批判する者は、たんにその暴力が嫌いであるとか、あるいはその暴力を行使している人たちのことが嫌いなのである」、と。
 こうしてウォルツァーはそれと明示せずに、しかし、イスラエルのガザ攻撃を非難する人びとは、たんにイスラエルが嫌いだから「不均衡だ」と言っているに過ぎないのだ、と臭わせ、対比的に自分が慎重に判断した結果イスラエルの正当性を認めていることを強調するわけです。

 ここからウォルツァーは具体的にイスラエルとガザ・ハマスのことに踏み込んでいきます。
 ◆ 6月~12月の半年間の停戦の前は、ハマスが飛ばしていたのは射程の短い手製のロケットだったが、その後に飛ばしたのは射程の長い外国製で 30~40キロは飛ばせた、したがって、さらに半年後にどうなるかを予測すれば、テルアヴィヴまで飛ばせることになるだろう(だから、このタイミングでの攻撃は正当だ、とウォルツァーは言いたい)。
 ◆ イスラエルは05年のガザ撤退後、いかにしてハマスのロケット攻撃を止めることができるかという議論を重ね、さまざまな政策の試行錯誤があった(だから、その努力の果てに空爆に踏み切ったのは正当だ、とウォルツァーは言いたい)。
 ◆ 06年のレバノン戦争のとき、国連事務総長アナンは、イスラエルの反撃が「不均衡だ」として批判すると同時に、ヒズブッラーがガリラヤ地方の人口密集地にロケット弾を撃ち込んだことも批判した。今回のハマスもそれに当たる(だから、ハマスが悪い/イスラエルの攻撃は正当だ、とウォルツァーは言いたい)。
 ◆ 軍隊というものは(つまりイスラエル軍もとウォルツァーは言いたい)、目的達成(イスラエルの場合ハマス排除)のために市民の被害を最小限にするための戦術をとっている。逆にハマスの場合はそういう戦術を選んでいない(だからイスラエル軍のほうに正義がある、とウォルツァーは言いたい)。

 実はウォルツァーはこうストレートには言っていません。カッコ( )のなかも明言してはないのはもちろん、だいたいは問いのかたち、あるいは批判者への問いなのでそれ自体が反批判になっているのですが、ともあれ、自分の思考の慎重さを最大限にアピールすることでイスラエル軍の正当性を訴えるというレトリックを駆使しています。

   *   *   *

 いい加減、日本のウォルツァー好きの面々には、粗雑なダブルスタンダードでしかないものを糊塗するためのレトリックに心酔するのはやめてほしいと思うのです。
 どうしてウォルツァーは、ガザ地区の隅から隅までを爆撃できる軍事力を保持しているイスラエルの正当性について、そしてそれの恐怖させられる150万人のガザ住民の生活については、正面から向き合うことがないのでしょうか。射程が伸びたどうこうというのは、核ミサイルも公然と保有し(まさか隣接するガザ地区には使わないにせよ)、最新鋭の戦闘機・爆撃機・重戦車をもつイスラエルの前では、まったく比較にならない些事です。
 もちろん論理としてはイスラエル市民の恐怖ということは成り立つでしょう。しかし、もしそれを認めるなら、全ガザ住民ののしかかる恐怖のほうがはるかに大きく、しかも現実の攻撃に日々さらされており、したがって、いつどんなタイミングでイスラエル側に攻撃を加えてもいいということになるでしょう。ウォルツァーの論理(破綻)にしたがえば、そうとしかなりません。

 イスラエルはガザ撤退以降、ロケット攻撃を止めさせるために努力を積み重ねてきたというのは、そうでしょうか? まず05年夏のガザ撤退というのは、入植地をなくしただけで、ガザが陸海空すべてにおいて閉鎖された監獄であるという状況は悪化しこそすれ改善はありませんでした。これがガザ市民を追い込まなかったとでも? このフラストレーションが爆発しないとでも?
 加えて、「06年1月ハマス政権発足からの3年間のガザを振り返る」 を負えば明らかなように、ハマスからのロケット発射の前には必ずと言っていいほどイスラエル軍による休戦破棄の攻撃があります。これがロケット弾を誘発しなかったとでも?
 何を以て「ロケット攻撃を止めさせるための努力」というのでしょうか。

 人口密集地への攻撃についても、はるかにイスラエルにこそあてはまる批判であり、まず真っ先にそのことを問うことこそが、「均衡」というものでしょう。人口密集地と言うなら、ガザ地区全体がそうです。逆に、ガザ地区から発射されたロケット弾の99%以上が周囲のネゲヴ砂漠などの人口稀薄地域に落ちています。1%未満が町に着弾することをもって、「人口密集地への攻撃」だとするなら、その批判は100倍になってイスラエルに跳ね返されるべきでしょう。
 ガザ地区からのロケット弾はいいんだと言うつもりも毛頭ありませんが、もしウォルツァーのレトリックにのるのであれば、そういうことになるよ、ということですが。

 そして、イスラエル軍は目的達成のために市民の被害を最小限に食い止める戦術をとっているとのことですが、ここまで大々的に市民を犠牲にし、いくつもの陰惨きわまりない虐殺事件を引き起こし、それでいてここまで言うことのできる倫理思想家ウォルツァー氏の厚顔無恥さには、驚嘆するほかありません。

    *    *    *

 そして私は、日本におけるウォルツァー思想人気については、耐え難い非倫理的なものを感じています。こうした時事的発言をさておいて主著の議論には意味がある、などという使い分けは認めません。彼の倫理思想とこのガザ侵攻の正当化は、通底し一貫しているものです。
 すでに、前掲拙著『ユダヤとイスラエルのあいだ』でウォルツァー批判には手をつけていますが、いずれさらに踏み込んで展開するつもりです。

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イスラエルはガザへのジェノサイドを止めよ!

Save_____gaza_by_funtoon  イスラエルは、戦闘の第3段階フェーズ3に突入し、予備役を投入し始めた。戦闘は、人口密集地帯のガザ中心街に移りつつある。

 AFPが、12日、医療関係者の話として伝えるところによると、パレスチナ人の死者は、少なくとも905人、負傷者は3950人、死者のうち少なくとも227人は子どもだという。イスラエル軍は、11日の攻撃で、国際法で民間人への使用が禁止されている白リン弾を使用したと見られる。イスラエルはこれを否定している。ガザの様子を写した写真を見れば、崩壊した建物の下敷きになるなどして、救出されていない、あるいは生死が確認できない市民がまだまだある可能性が高いので、実際の死者数は、もっと多いものと思われる。

 国連の潘基文事務総長は、今週、エジプト、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、トルコを訪れるという。ただし、ガザを訪問しない。国連事務総長は、ガザに行って、ガザの被抑圧者たちの側に立って、即時停戦を訴えるべきで、その方が、即時停戦への強い圧力になるはずだが、そうはしないらしい。国連としての即時停戦への強い決意と意志を現地で示すべきだ。訪問期間中、イスラエルはガザへの攻撃をしにくいだろう。もちろん、イスラエルは、国連総長がガザに入るのを嫌がるだろう。しかし、真剣に即時停戦を望むなら、やはり、国連事務総長は、直接、ガザの人道情況を見るべきだ。

 アメリカでは、下院に続いて、上院でも、拘束力はないが、イスラエルを支持する決議が可決されたという。

 これまで、この事態に沈黙を守ってきたオバマ次期大統領が、20日の大統領就任後、直ちに、中東和平の問題に取り組むことを表明した。イランなどの反米的な中東諸国と話し合うことを表明している。それは、シリア、イランなどとの対話を一切拒否してきたブッシュ政権の中東政策からの転換を意味している。もちろん、このオバマ次期大統領の発言は、イスラエルにとって、歓迎できないものである。

 戦闘の終結が近いとのイスラエル副国防省の声も出始めている。イスラエルのオルメルト政権は、20日のオバマ政権の発足をにらみながら、戦闘の行方について考えているのだろう。イスラエルは、1ヵ月後に迫った総選挙から、アラブ系政党を締め出す。

 12日付AFPに、Sylvie Lanteaumeさんの「親イスラエルとは? ガザ情勢めぐり分裂する米ユダヤ人社会」という署名記事がある。それによると、アメリカで、親イスラエル・ロビー団体「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC、American Israel Public Affairs Committee)」が、政治家に対して、強い影響力を行使してきたが、在米ユダヤ人の間に、それとは別の動きが台頭してきたという。2008年に、新たなユダヤ人らのロビー団体の「Jストリート(J Street)」が誕生し、「イスラエルが12月27日にガザへの空爆を開始した直後に、即時停戦を求める署名を集めた」。すでに、イスラエルの平和団体「ピース・ナウ」の米国支部があり、イスラエルの攻撃を批判しているが、アメリカのユダヤ社会内部に亀裂が広がっているというのである。

 その大きなきっかけは、2006年のスティーブン・ウォルト(Stephen Walt)とジョン・ミアシャイマー(John Mearsheimer)が書いた『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策(The Israel Lobby and US Foreign Policy)』の出版であった。この本で、二人は、AIPACを親リクード的と批判し、それにAIPACが「反ユダヤ主義者」と批判するということがあった。ウォルト氏は、『親イスラエル』の定義を見直すべきだと主張しているという。民族アイデンティティの揺らぎは、ユダヤ人にとって、大きな問題になっているのである。

 それに対して、富岡幸一郎という評論家は、イスラエル建国の正当性を、『聖書』に書かれた宗教的起源、神話的起源に求めている。それが、深いのだそうだ。ユダヤ教の直接の起源は、バビロン捕囚から解放されてパレスチナへ帰還した後のイスラエル建国の中での『聖書』編集過程での宗教改革である。もっとも、その後、トーラー、その他の『ユダヤ聖典』が別に出てきて、パリサイ派やエッセネ派などの諸派が登場し、エッセネ派から出たイエスによって開始されたキリスト教は、当初は、ユダヤ教の一派として、ユダヤ人の間に広まり、ユダヤ教の改宗として進むのである。その後、異教徒の間にも広まっていくのだが、その過程では、ギリシャ思想の影響も入っていくのである。さらに、ローマ帝国への反乱が鎮圧されて、世界に広がっていったユダヤ人の間では、神秘主義的な一派や世俗的な一派などに分かれていき、キリスト教に改宗する者も増えていった。もちろん、差別されたが、古代や中世の差別を現代の差別とは同じ内容ではないことに注意する必要がある。一方で、特権が付与されているということがある。いずれにしても、イスラエル建国の正当性を『聖書』の宗教性によってはかるというなら、もともと、イスラエルが立っている土地は、『聖書』のペリシテ人の土地を意味するパレスチナである。『聖書』に建国の正当性を求める限り、どっちにも有利な証拠を見つけることが可能である。彼は完全に現実から目をそらしているのである。

 アメリカの反戦団体ANSWERのHPに、10日の世界のイスラエルへの抗議行動の数字が載っている。ソースによって、数に違いがあるが、これはある程度は仕方のないことである。ANSWERによると、10日のガザに連帯する世界緊急行動は、アメリカ以外では、 ロンドン、エディンバラ、カイロ、アテネ、クアラルンプール、ベイルート ソウル、メキシコシティ、ジャカルタ、モントリオール、パリ、バルセロナ、マルセイユ、リヨン、オスロ、ベルリン、ベルン、カラチ、ナブルス、ニューデリー、アンマン、サラエボ、ラマラ、ストックホルム、東京で行われた。11日には、スペイン25万人、アルジェリア10万人以上が参加する行動があった。

 アメリカでは、ANSWER Coalition, Muslim American Society Freedom, Free Palestine Alliance, National Council of Arab Americans, and Al-Awda - International Palestine Right to Return Coalitionの呼びかけたデモに、 ワシントン2万人以上、サンフランシスコ1万人。

 以下は、息子がイラク戦争で戦死したことをきっかけに、反戦・平和運動の先頭に立って政府の責任を追及し、アメリカの反戦運動の象徴的な存在となったシンディ・シーハンさんのガザに連帯するメッセージである。この記事は、「ちきゅう座」HP(11日)にあったものだが、ここには、ガザについて、気になる13日の記事がある。イスラエル兵が、医療スタッフを狙い撃ちしているというものである。これは、イスラエルが、ジェノサイドを行っていることを示している。それに対して、一般に通常の戦争のイメージで、この事態が語られている。明らかに、情報操作がなされ、イメージのイスラエルよりの誘導が行われている。それか、メディアなどが、通常の戦争イメージのフィルターをかけたまま、この事態を見ているかである。

 これは、純粋ユダヤ人国家を夢見るシオニストによる民族浄化攻撃、レイシズムによるジェノサイドの一環である。アメリカ議会は、すっかり、通常の、民主国家対テロリストの戦いという低強度紛争(LIC)、あるいは、イスラレルが、ブッシュ政権が進めた対テロ戦争の同盟者として、ハマースなどのイスラム過激派テロリストを一掃する攻撃を行っているものと信じ切っているようだ。在米ユダヤ人の間に、これに反対する動きが出てきたことは、希望を感じさせるものだ。日本の右派の中に、シオニスト・イスラエルが純粋ユダヤ国家だとして、単一民族であろうとしている点で、日本と似ているというようなことを言うものがいる。しかし、それは、シオニスト・イスラエルのように、アグレッシブなレイシズム国家として、強烈な排外主義、侵略主義に似るという意味でもある。それは、われわれの正義の感覚に反するものだ。

 イスラエルはガザへのジェノサイドを止めよ!

<09.01.11>わたし達は皆ガザとともにある<シンディ・シーハン/仮訳: どすのメッキー>

【We are all Gazans】
(By Cindy Sheehan, 7/Jan./2009)
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750

 これを書きながら、私の目は真っ赤にはれています。

 血だらけの赤ちゃんや体に障がいを負った子ども、そして母親や父親 が嘆き悲しんでいる写真を見るのは耐えられないことです。

 ヤハウエの「神に選ばれし」国防軍は、2か所の国連避難所を爆撃しました。イスラエルは、そこが避難所として使われていることを知っていながら、(GPS座標を提供した国連は、それほど彼らを信用していたのかしら?)学校を破壊しました。ガザの数十人の無辜の人々が殺されました。イスラエルは、ハマスが学校をロケット発射場に使っていたという便利な言い訳をしましたが、 それは国連が否定しています。

 「大統領はいつもひとりだけだ」と言ったナントカさん(【訳註】オバマ次期大統領のこと!)は「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」と言ったでしょう。あなたは、今ガザで行われているテロ行為にコメントするのを頑なに拒否したけれど、わたし達は、あなたが2008年7月にエルサレムを訪れた時、どちらの側に重きを置いてイスラエル大統領シモン・ペレスに話したかを知っている。南部イスラエルのスデロト、そこもイスラエルの大部分と同じようにもともとパレスチナ領土ですけどね、そこであなたはペレスに「あなたのおかげで、イスラエルが建国して60年で奇跡が花開きました」と語って、ハマスの貧弱なロケット弾からイスラエルが自衛する権利にお墨付きを与えたわね。ナントカさんに伝えましょう「わたし達は、あなたがイスラエルを大好きで、ずっと以前から、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPEC【訳註】米国の最も強力なロビー団体のひとつ。アメリカ-イスラエルの強固な関係を維持することを目的とする)と軍事で徒党を組んでいるアメリカ・イスラエ ル帝国の言いなりだって知ってるの。でも、パレスチナの赤ちゃんはガザからロ ケット弾を放ったりしないわ」

 私はここで、オバマに言いたい。戦争は愚かではありません。戦争は「邪悪」なのです!ここアメリカの貧しい黒人に対する戦争から、アメリカとイスラエルがアラブの人々を侵略するために行った虐殺まで、あらゆる戦争が邪悪です。戦争というものは、例外なく、完全に、絶対的に、議論の余地なくむごたらしく、邪悪なのです。アメリカ議会も、イスラエル議会も、そしてそれぞれの政権も、死と破壊を求めて、乱暴で極端な人種差別主義者が羽を休める止まり木かもしれません。洞察にとんだ「チェンジ」にも、積極的な「チェンジ」にもわたし達は全く「希望」が持てません。

 ジョージ・ブッシュはいつも死と破壊を推し進めて、共和党と民主党が戦争マシーンに忠誠を誓えば満足する役立たずの愚か者です。彼は最終的にいなくなり、それは大歓迎なのですが、経済に関わるブレインが納得できるというだ けで、次の政権を歓迎していいのでしょうか。次の大統領は、ガザの無力で無抵抗な人を弁護する段になると、驚くべきすばやさと光のスピードで責任逃れに 走ってしまうのです。

 殺される赤ちゃんや子ども、そしてその他の純潔な人達が、貪欲で残忍なアメリカ・イスラエル政府の対価を払わされていると思うと、気が狂いそうです。わたしは、虐殺を前に、そして、私の仲間と多くの「平和」運動が、シオニストの次の戦争モンスターに「チェンジ」を期待しているの見ると、深い無力 感でいっぱいになります。そう、叫びたい「ナンセンス!」と。

 イスラエルはガザの住民を虐殺し続けています。医師にどんな薬も必 要な物資も届かない状態では、数百人いえもっと多くの人達が死に、数千人以上の人が傷つけられるでしょう。そして、オバマがこれ以上沈黙しているなら、数万人が恐怖に取り残され、上に苦しみ続けるのです。沈黙は共犯と同じです。わたし達が似非リーダーに追従するなら、わたし達も共犯者です。

 わたし達に何ができるのでしょう。税金を支払う日が近づいている。 あなたが支払った税金は、あなたが若い人でも、年老いた人でも、支払い始めてからずっと死と破壊に使われています。あなたが汗水流して稼いだお金がガザやイラクやアフガンの赤ちゃんを殺すのに使われているのを知りながら、夜すやすやと眠れる?わたしはもうめったに熟睡できません。わたしもアメリカ・イスラ エル戦争マシーンに税金で資金を提供しているからばかりではないのですが。

 わたしは、サンフランシスコの議員に、イスラエルの会社の株と投資を剥奪するよう呼びかける積もりです。すべてのパレスチナ人への暴力的なアパルトヘイトを止めなければなりません。そして、南アフリカで実現したように、多くの保守的なイスラエル人とともに、公正で人道主義に根ざした解決策が経済的に推し進められなければなりません。あなたも、あなたの住む町で同じような 運動を始めるか、すでに始まっていればそこに加わってください。

 わたし達が選んだ公務員に人道主義に基づいた行動をとらせるために は、組織化され、抜け目ない抗議運動をしなければなりません。アメリカ・イスラエル公共問題委員会は、政府立法を親イスラエルにさせるため無制限とも思える資金と影響力を持っています。わたし達の連邦公務員の多くがAIPACに買 収されているのですから。

 わたし達が正当な怒りを表し、ファシスト政府に道徳的な水を運び、 声をそろえて平和と正義を叫ぶまで、これ以上赤ちゃんの犠牲を増やすべきでは ありません。

 ガザ地区の住民は、アメリカ製の飛行機からアメリカ製の爆弾を落と されて組織的に殺されています。アメリカ製のヘリコプターからアメリカ製の機 関銃で機銃掃射されているのです。止められるのは、まさにわたし達なのです。

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 "One President at a Time" というオバマ氏の表現は、すでにイデオム化していますが、日本では最近になって(ハワイから帰ってきた)彼が就任後パレスチナ問題を重視すると発言したこと「だけ」を捉えて、愚かな期待をしています。言いたくもないわたしの地元の空騒ぎは論外としても、日本のオバマ熱 は異常でしょう。
 上訳中の「『大統領はいつもひとりだけだ』と言ったナントカさん」の原文は"Mr."One President at a Time""です。周囲がどれだけ浮ついても、シンディの視点はぶれません。オバマは、日本で言えば小泉に似たプレゼンの上手い政治家だと見ていますが、シンディの言葉の真実を前にすると、その空虚さが 際立ってきます。

 絶望と無力感に襲われそうな状況の中で、どれだけ、この人の声を 待っていたでしょうか。
 わたしは、彼女をカリスマ化して思考停止する風潮に反対してきましたが、ガザに関する彼女の文章を読むと、運動家としてまさに類稀な資質、それは他人の痛みを我がことのように感じ、断固として何者をも恐れず、そして緻密な戦略をたてて行動するすべてにおいて、傑出したものを感じずにはいられませ ん。
今回紹介するメッセージは、シンディ・シーハンが今年1月7日に書 いたものです。微力ながら、彼女の熱い思いが伝わるよう精一杯訳しました。こ のメッセージで、彼女とともに泣き、怒り、そして胸を張りましょう。
「わたし達は皆、ガザとともにある」
(どすのメッキー 11/Jan./2009))

(著者/訳者の意思により、この記事は「転載歓迎」です。―編集部)

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye500:090111〕

〔eye503:090113〕

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パレスチナへの連帯を!

 

For_gaza_by_rzrdesign_2                                                                             

 イスラエルは、いっこうに攻撃を止める気配がない。昨日は、エジプトの領空を侵犯して、エジプト国境付近を空爆した。

 犠牲者の数は増え続けており、さらに食糧・医療などの不足によって、ガザの人道危機が深刻化している。

 報道では、イスラエルのガザ攻撃に対して、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人たちの間で、ハマス支持者が急増している。

 S761944053_1171864_3739_3                  新聞が、10日の世界でのイスラエルへの抗議行動を伝えている。新聞などの情報によって再度見てみると、ロンドン約10万人、スペインのバルセロナ10 万人、フランス全土で、12万人、ドイツ各地で4万人、アメリカのボストン約400人、シカゴ6000人以上、クリーブランド1000人以上、ワシントン 1500人以上、フォートコリンズ約50人、アッシュランド20人以上、サンディエゴ300人以上、 サンフランシスコ数千人、カナダのモントリオール数千人、ケベック800人、など。左の写真は、10日のロンドンの10万人デモを撮影したものである。

 日本では、東京の「9条改憲阻止の会」のイスラエル大使館への抗議行動約120人、芝公園などでの行動約1500人、京都三条大橋のピースキャンドル約120人、「パレスチナの平和を考える会」などでつくる実行委員会主催の大阪行動、500人以上、広島原爆ドーム前の抗議行動約60人、1月11日の札幌の「人殺しはやめてください いのちの行進 in SAPPORO」に180名、東京・四谷の「スピークアウト&デモ:イスラエルは占領とガザ侵攻をやめろ!」実行委員会主催、約250人。その他、長崎、福岡の座り込み抗議行動、など。

 アメリカのニューヨークの抗議デモ、デンマークのコペンハーゲンでのデモでは、逮捕者が出ている。

 停戦に向けた和平交渉は進んでおらず、イスラエル軍はフェーズ3と称する軍事作戦の新段階入りを宣言し、人口が密集するガザ中心街に部隊を進めている。非戦闘員の犠牲者が急増する危険性が高い。日本からの有馬中東特使は、即時停戦を言った。しかし、その声は空しく響く。

 シオニスト・イスラエルのレイシズム、侵略主義、野蛮主義(バーバリズム)を止めなければならない。日本でも、これから、各地で様々な取り組みが予定されており、サイバー・アクションも広まっている。世界でも、同じ動きが今後も行われる。

パレスチナへの連帯を!

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ガザはゲルニカ化している

 All_for_gaza_by_anitarupng_3                                                     1月11日、イスラエルによるガザへの攻撃は、3週目に突入した。

 イスラエル軍は、即時停戦を求める国連安保理決議を無視して、戦闘の新たな段階に入るとして、ガザの住民に標的に近づかないように警告するチラシをまいた。イスラエル軍は、対ハマス攻撃の第3段階と呼んでいる(英紙『ガーディアン』)。

 『ガーディアン』によると、パレスチナ人の死者は、820人を超え、そのうち子供が235人である。それに対して、ハマスのロケット弾攻撃によるイスラエル人の死者は4人、戦闘によるイスラエル兵士の死者は9人、である。820対13というきわめて偏った死者数の比が示していることを理解しないことは難しい。

 イスラエル軍は、昨年12月27日の空爆開始から、今年3日の地上戦突入、そして、3週目に入ったところでの戦闘の第3段階への突入と、事前に準備し計画した戦闘計画に沿って、着々と軍事作戦を進めている。ハマースの最高幹部の一人は、最初の段階で暗殺され、昨日には、ロケット攻撃を指揮していた幹部が殺害された。すでに、ハマースのロケット弾は残り少なくなったはずである。イスラエル紙『ハアレツ』の記者が、ハマースについての情報を、イスラエル諜報機関が、停戦下の半年の間に収集していたことを明らかにしている。その情報に基づいて、今回のハマース壊滅作戦が立てられたのだろう。それには、謀略、情報操作、世論対策などが含まれており、その結果、イスラエルの「9日付のイスラエル紙マーリブが掲載した世論調査結果によると、ハマスに対する軍事作戦について、ユダヤ人市民の91.4%が賛成。反対はわずか3.8%だった」(10日付『時事通信』)という結果をもたらした。同記事によると、この結果は、2月10日に総選挙を控えた政治家たちの態度に強い影響をもたらすだろうということである。

 国連施設や支援物資への攻撃や犠牲者に非戦闘員が多く含まれていることなどから、国際社会や世界の人々の目はイスラエルに対して厳しくなってきているが、ハマースを壊滅状態に追い込むことをあくまでも目指して、攻撃の継続を強行しようというのである。

 下の、「パレスチナ情報センター」のHPに掲載された早尾貴紀さんの記事は、この攻撃の性格を正確につかんでいると思われる。イスラエルは、ハマースをPLOにけしかけ、PLOをハマースにけしかけて、パレスチナの団結を破壊し、妨害してきたのであり、ハマースをパレスチナの主権を代表する政治勢力として認めないということである。イスラエルは、ガザから撤退しても、その形式的支配はファタハに認めても、実行支配権は握り続けてきた。それを、ハマースが奪うことをシオニスト・イスラエルは容認できないのである。ファタハは、政権を握った後、買収などによって腐敗していった。イスラエルからすれば、ファタハは、もはやコントロールできる存在になりつつあった。そのファタハ政権を倒し、ハマース政権を誕生させたのは、パレスチナ人の多数派である。ハマース支持者がパレスチナ人の多数である以上、未だにハマースを支持するパレスチナ人は、イスラエルにとって危険な存在なのである。イスラエルは、ハマースの戦闘員だけではなく、それを支持するパレスチナ人多数派の壊滅を狙っているのだ。ハマース支持者に、恐怖をあじあわせ、転向を迫っているのである。だから、見せしめのための、非戦闘員の虐殺を行っているのである。

 そのことは、岡真理さんがAMLに投稿した以下のガザのアブデルワーヘド教授のメールからもうかがえる。繰り返されるイスラエルによる空爆は、ハマースの戦闘員や施設のみを破壊するのではなく、周囲の人々を多数巻き込み、殺戮している。大量虐殺だ!

 「夜はただひたすら恐ろしく、夜明けの光を目にすると子どもたちは歓喜の声を上げる! 子どもたちは続けて何時間も眠ることができない。こっちで空襲、あっちで砲撃、遠くで激しい機関銃の音という状況なのだから」と教授は記している。そして、食糧難、停電、医療崩壊、・・・。恐怖をもって、ガザを支配すること、それが今イスラエルが行っていることだ。これをゲルニカにたとえる人もいる。ピカソが、怒りを込めて描いたゲルニカ。tigrimpa氏のウェブ・アルバムhttp://picasaweb.google.com/tigrimpa/wLVhCF?feat=directlinkを見ると、まさに、今、ガザは、ゲルニカである。ガザの子供たちは、いつになったら、夜ゆっくり眠れるようになるのか? 

 これは、ハマース対イスラエル国防軍(IDF)の間の戦闘ではないのである。そういうデマをイスラエルは流しているが、実際にやっていることは、ハマースを選んだガザの人々に対するイスラエルの恐怖支配の強制であり、飢えや死の恐怖によって、シオニストのくびきの元につなぎ、パレスチナの自由を奪いつくし、奴隷化し、ガザを監獄化するための長期作戦の一部なのである。それは、アメリカにとっては、中東・アラブ世界でその支配に逆らう者たちへの見せしめであり、それもあって、イスラエルを支持しているのである。

 アブデルワーヘド教授は、メールの最後に、「時折、自分のまわりで起きていることをことばにできなくなることがある!」と述べている。言葉を失わせるようなこの世の地獄が、そこにあるということだろう。

 10日、イギリスのロンドンのハイド・パークで行われたイスラエルの攻撃に抗議する集会・デモは、イギリスで行われたパレスチナ連帯集会では過去最高の20万人(主催者)が参加した。報告を載せている参加者の一人のlenin氏は、LENIN'S TOMB http://www.leninology.blogspot.com/というブログの記事で、間違いなく10万人を超えていたと書いている。lenin氏は、10日付の『ガーディアン』に載った70人以上のユダヤ人のライターと活動家の「ガザの残虐行為を非難する」手紙について記している。その手紙は、イスラエルのボイコットなどを呼びかけている。その中の一人、Azzam Tamim(アッサム・タミム?)氏は、「これは、ムスリムとユダヤ人の間ではなく、抑圧者と被抑圧者の間の戦争である」と述べている。

 その他、島川さんが、10日に行なわれたデモについて、中東・ヨーロッパについて集めて、AMLに投稿した記事によると、エジプトのアレキサンドリア50,000人(AFP)、レバノン20,000人(AP)、クウェート3,000人(AFP)、ヨルダンのアンマン2,000人(AFP) ケニアのナイロビ数百人(Aljazeera)、ドイツのベルリンなど全土で、40,000人(Reuters)、オーストリアのインスブルク3,500人(AFP)、フランスのパリ30,000人(AFP)、その他120以上の市町村を合わせて、90,000人以上(AFP)、スペインのバルセロナ30,000人(AP)、ギリシャのアテネ2,000人以上(AFP)、イタリアのローマ、フローレンス、ベニス、ミラノ、トリノ、合わせて数千人(AFP) (AFP)、スイスのベルン 7,000人(AFP)、ノルウェーのオスロ5,000人(AFP)、スウェーデンのストックホルム5,000人(Aljazeera)、インドネシアのジャカルタでエジプト大使館に約200人の女性が抗議活動(AFP)。

 日本で、知る範囲では、京都三条大橋のピース・キャンドル約100人、大阪中之島500人以上、東京のピース・パレード(JVCなど)約1,500人(11日付『毎日』)。

 「ガザは人道的・環境的危機の限界にある!」

 

 ガザのアブデルワーヘド教授のメール(その31)

 攻撃15日目、フランスのUrgenca Gaza(緊急ガザ)のHPによれば、
これまでの死者は854名、うち子ども275名、女性100名、負傷者3681名、
危篤400名。
http://www.urgence-gaza.com/index.php?option=com_frontpage&Itemid=1

****** 転送・転載歓迎 ***********

【メールその31】
日時:2009年1月10日(土)20:31

件名:ガザ攻撃15日目

 どこもかしこも死で覆われている。昨晩の空襲は70回以上、さらに今日は30回!これらの空襲で何百人もの子どもたち、女性たちが死んだ!

 あなたがたには想像できるまい、このすさまじい破壊の姿を。人々は継続する爆撃になす術もない。爆撃された建物の瓦礫の下敷きになって、一家全滅した家族がいくつもある!

 複数の戦車がガザ市に向かってゆっくりと移動している。夜はただひたすら恐ろしく、夜明けの光を目にすると子どもたちは歓喜の声を上げる!

 子どもたちは続けて何時間も眠ることができない。こっちで空襲、あっちで砲撃、遠くで激しい機関銃の音という状況なのだから。今、F16が私たちの頭上を飛んでいる。

 ガザ市全体が食糧難に陥っている;当然のことながら果物や野菜などまったくない。

 電気と水の状況も依然、ひどい。今日、ガザのいくつかの地域で2時間、電気が供給された!

 ガザは人道的・環境的危機の限界にある!

 健康をめぐる状況も貧弱な病院も崩壊しつつある!

 時折、自分のまわりで起きていることをことばにできなくなることがある!

 アブデルワーヘド教授(ガザ・アル=アズハル大学 教養・人文学部英語学科)

 2006.06.15 「存在承認」など要らないイスラエル、パレスチナの団結を恐れるイスラエル 
                                  Posted by :早尾貴紀

 イスラエルがハマスに求めるもの、と、その自己矛盾

 イスラエル国家(ユダヤ人国家)の存在をそもそも「承認」していないハマス政権に対してイスラエルは、「イスラエルの承認」・「武装放棄」・「過去の和平合意の遵守」の三点を求めて、それがないかぎりは「ハマスとは交渉しない」という姿勢を貫いています。この一見まことしやかに聞こえる三条件は、しかしどれもが実は取って付けたような理由にすぎず、よくよく考えれば矛盾だらけだということに気がつきます。
 「武装放棄」は、ハマスが選挙前から一年以上にわたって「停戦遵守」という形で継続していました。それに対して、多数の一般市民を殺傷しているガザ空爆などをはじめとして、武力行使を停止していないのはイスラエルの側です。「和平合意の遵守」は、主にハマスがオスロ合意の枠組みを認めていないことを指していますが、ハマスはその方向性は示唆していますし、これについてもむしろイスラエルこそが入植地建設拡大や隔離壁の一方的建設などによって、すでにハマス政権誕生以前から和平の枠組み自体を崩壊させてしまっています。

 獄中政治犯からの政策提言とアッバースの圧力

 そしていまパレスチナのアッバース大統領、つまりイスラエルを承認し妥協を重ねてきたPLOの主流派ファタハのリーダーでもあるアッバース大統領が、膠着状況打開のために打って出たのが、イスラエルの事実上の存在承認を問う住民投票構想です。これは、「イスラエルの存在を認めますか?」と直接的に問うものではありませんが、1967年以前の境界線(いわゆるグリーンライン)を国境とした「ミニ・パレスチナ国家」路線で一致結束しましょうということ(これはファタハではとっくに既定路線となっている)をパレスチナの全住民投票にかけようというもので、事実上のイスラエル承認です。
 この発案そのものは、5月はじめにイスラエルの獄中にいるパレスチナの政治犯のリーダーらが発表した政策提言文書18項目に含まれていたもので、この文書はパレスチナのほぼすべての有力党派の幹部らによる共同署名がなされていたことで注目を集めました。つまり、ファタハ、ハマス、イスラム聖戦、 PFLP、DFLPです。アッバース大統領はこの政策定言を受け入れる形で、イスラエル承認を強くハマスに求め、ハマスが承認をしない場合にはハマスの頭越しに住民投票の実施を提案し、イスラエル承認を国民的合意とする言って、ハマスに圧力をかけてきました。5月末のことです。
 6月、その交渉は決裂しました。そしてアッバースは住民投票の実施を宣言しました。しかし、、、奇妙なタイミングの一致?

 6月というのは、ガザで9日と13日にそれぞれ10人前後にも達する一般民間人の死者とそれぞれ30人を越す負傷者を出した イスラエル軍のミサイル攻撃 があり、またそれ以外の日も連日「活動家の暗殺」が行なわれ、その度ごとに狙われた活動家の何倍もの民間人犠牲者を出していました。ハマス政権を混乱させることを目論む一部党派が手製ロケットをイスラエル側に打ち込むことはありましたが、それまでハマスは停戦を遵守。しかし、 4月から強められてきたガザ攻撃 は、5月末からさらに厳しさを増し、死傷者数は急増してきていました。
 このタイミングはやはりイスラエルの政治的意図を感じさせます。ハマス政権に対して「存在承認」を求めていたはずのイスラエルが、まさにその動きがパレスチナ内部から起きているときに、それを促すどころか、正反対にそれを妨害するとしか思えないようなガザ爆撃を強めるのはいったいどういうことなのか。ファタハとハマスとその他の有力党派の幹部が共同署名で、イスラエルの存在を前提としたミニ・パレスチナ国家で協力しようという呼びかけ、そしてアッバース大統領の断固としたイスラエル承認の姿勢。これこそがイスラエルの求めていたものではなかったのでしょうか? それなのに、なぜそれと同時のタイミングでの暗殺作戦(ハマス、ファタハ、イスラム聖戦などの活動家が殺されている)とあまりに多数の民間人殺害(6月上旬だけで30人)。
 この疑問に対する一つの説明は、前稿 「暗殺作戦の真の意図は?」 」にも書きましたが、そもそもイスラエルはハマスとは交渉をしたくない、ということがあるでしょう。「一方的国境画定」、つまり西岸主要入植地の恒久的領土化を押し進めるためには、パレスチナ政権が「パートナー」になっては困るのです。

 「存在承認」など要らないイスラエル

 おそらく、もっとあけすけに言えば、イスラエルはハマスに「承認」などしてもらわなくていい、いやもっと言えば、「承認」などしてほしくない、そういう本音が見え隠れします。すでにイスラエルを承認しているファタハに加えてハマスが承認をし、上記の政策提言署名のように全党派が一致結束してその方向で動けば、実はイスラエルは従来の入植政策について窮地に立たされるはずです。つまり、全党派がもし、「東エルサレムも含めてグリーンライン(67年境界)を越えて西岸地区内部にあるすべてのユダヤ人入植地を一つ残らず完全に撤去せよ。自分たちはイスラエルを承認した。イスラエルはいまの境界線内部でユダヤ人国家をつくればいい。相互承認だ。自分たちが残された小さな土地でパレスチナ国家をつくることを承認せよ。すべての入植地を撤去し、そのために西岸内につくっている隔離壁を撤去し、イスラエル軍の基地と検問所をすべて撤去せよ」と、そう迫ってきたとしたら。これは否定しようのない正論の一つの形です。しかもそれをパレスチナが武力行使なしに訴えてきたら、これに反対できる論拠はイスラエルにはありません。
 そのためにイスラエルは、ハマスを挑発して武装闘争に走らせ、「テロリストとは交渉をしない」という論拠をつくりだそうとした、と前稿に書いたことに加えることがあるとすれば、イスラエルが恐れたのは、パレスチナの全党派による一致結束です。それまでのファタハ政権は、一党的利害の追求(独占権益)もあり、イスラエルの領土的主張を受け入れる傾向がありましたが、今度はそうはいきません。全党派が歩調を揃えて「1センチも譲歩する理由はない」と言ってきたならば、国際法に違反して侵略の既成事実を積み重ねる入植地をつくってきたのはイスラエルですから、反論などできるはずがありません。イスラエルはこの政策提言の共同声明を潰す必要がありました。
 案の定、停戦を続けた自分の組織のメンバーも暗殺され、あまりに多くの民間人が殺傷されるに及んで、ハマスが停戦破棄を宣言。同時に、獄中政治犯の政策提言から、ハマス幹部は署名を撤回。イスラム聖戦もまた、「アッバースはむしろ住民間に分断を持ち込もうとしている」として署名を撤回(DFLPはどの段階でかは不明だが、すでに署名を外したらしく、DFLPの名前のないバージョンの定言文書が出回っている)。こうして事実上、ファタハだけの署名文書として骨抜きにされて、従来のハマス対ファタハという対立構図を崩すことができなくなってしまいました。これで利益を得るのはイスラエルです。

 党派的結束/民族的団結を妨害するイスラエル

 パレスチナの党派横断的結束を潰すこと、いや、民族的団結を潰すこと、これこそは、イスラエルが一貫してパレスチナに対して行なってきたことだということに気がつきます。これは以前にここのスタッフ・ノートに書いておいたことでもありますが、かつてイスラエルは、パレスチナの世俗的な民族抵抗運動が PLOのもとに結束することを恐れて、それを妨害するために宗教勢力としてのハマスに肩入れをしていたことがありました( ハマスに対するイスラエル/アメリカのダブル・スタンダード )。今度のことも、それと同じ行動原理から説明可能です。党派横断的な署名文書によって、ミニ・パレスチナで国家建設にパレスチナ人たちが結集していったとしたら、イスラエルは主要入植地を恒久的領土化するという目論見がいかに不当な収奪行為であるかということを、世界中の誰の目にも明らかな形で訴えられてしまう。もしアメリカがそれを擁護し切れなくなったとしたら、、、
 率直なところ、いまの情勢では西岸地区の主要入植地の撤去というのは、ほぼ実現不可能と言っていい。イスラエルが「テロ政権とは交渉しない」と騒ぎ立てているかぎりは、国際社会も毅然とした態度は取れないでしょう。しかし入植政策が不法収奪であるという事実は払拭できるはずもなく、そのことを誰よりもよく自覚しているイスラエルだからこそ、今度のようなガザ攻撃の「暴挙」に出た。しかしそう考えると、民間人の命をなんとも思わず平然と自己正当化の手段として利用するイスラエルの政策は、実は狂気の沙汰などではなく、(吐き気のするほど)冷徹な合理性に裏打ちされているのだという気がします。

【附記】
 文章のなかに、「全党派がもし、すべてのユダヤ人入植地を一つ残らず完全に撤去せよ。イスラエルはいまの境界線内部でユダヤ人国家をつくればいい、と迫ってきたとしたら」という仮定を記した箇所がありますが、私自身は何度もスタッフ・ノートなどに書いてきましたように、イスラエル国家のシオニスト的性格、つまりレイシズム的性格そのものが問題だと思っていますので、二国家分離案でパレスチナ問題が解決するとは思っていません。念のため記しておきます。

 

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WE ALL GAZA

We_all_gaza_by_glbk_2   パレスチナ人の犠牲者がついに800人に達した。下の『時事通信』の記事によると、そのうち、子供が230人である。

 ガザは、もともと、平均年齢が低く、子供の多い地域である。しかも、狭い土地に150万の人口が住む人口過密状態にある。イスラエルが言うように、ハマース戦闘員のみをターゲットにして、民間人を巻き添えにしないのが困難であることは、誰が考えても、わかりきっているところである。しかも、イスラエルは、昨年6月のハマースとの停戦協定締結以後、ガザを完全に封鎖して、一種の「城攻め」にしてきたのであり、食糧も十分に行き渡らない状態にしてきたのである。このような「城攻め」も戦争であり、銃火を直接交えることだけが戦争なのではない。後者は戦闘である。小規模な戦闘は、停戦中も続いていたし、そして、大規模戦闘の準備は、停戦後に、進められてきたのである。

 イスラエルもハマスも、即時停戦を求める安保理決議の受け入れを拒否し、戦闘が続けられている。

 この安保理決議の採択を棄権したアメリカの下院では、9日、「パレスチナ自治区ガザからの攻撃に対するイスラエルの自衛権を認める」決議案の採決を実施するとCNNが伝えた。確認してはいないが、決議案は、超党派で提出され、圧倒的多数で採択されたはずである。決議は、「「民主主義国家」イスラエルの治安や生存を強く支持」するものとなるという。この場合の「民主主義国家」とは、民主主義的な手続きが取られている国家という意味だろうか? 手続きが民主的であるという意味なのか? ハマースは、民主的な手続きで行われたパレスチナ評議会選挙で多数議席を獲得して政権の座についた。それを認めなかったのは、イスラエルであり、アメリカであり、ヨーロッパ諸国であった。サウジアラビアは、王政であり、民主主義国家ではないが、アメリカは、サウジアラビアを友好国として認めている。それもあるが、アメリカ下院は、民主主義国家だというイスラエルの自衛のためなら、イスラエルのパレスチナ人の虐殺攻撃を容認してもいいと言うのか?

 ユダヤ人からも、今回のイスラエルによるガザ攻撃に反対するデモや抗議の声があがっている。イスラエルの中からも、戦争に反対する声があがっている。アメリカ政府、そして議会が、守ろうとしているのは、シオニズム国家イスラエルであって、イスラエルの民主主義ではない。イスラエル内のアラブ人・パレスチナ人との同権、平等があってこそ、はじめて民主主義国家と呼ぶにふさわしい。周辺諸民族と対等な友好関係を結べてこそ、その名に恥じない国家である。それは、日本であっても同じである。

 我々は、マルクスの「他民族を抑圧する民族は自由ではない」という言葉を思い出すべきである。日本に住む我々も、パレスチナ人を抑圧するイスラエル人同様、自由ではないが、被抑圧民族であるパレスチナ人への友情と連帯を通して、我々もまた他民族を抑圧することない自由を勝ち取りたいという思いを強くするのである。パレスチナ人を虐殺しているイスラエルの姿、そして、それを支えるアメリカの姿は、他民族への抑圧・差別を強めようとしている今の日本国家の姿とだぶるのである。

 パレスチナに連帯し、イスラエルの蛮行を止める闘いは、日本のあり方を変える力を育てる。それは、真の国際的友愛の感情や正義の感覚を育て、それに反する政府などの行為や思想と闘う力を成長させるのである。

 AMLへのコリンさんの投稿には、「9日には、ノルウェーの鉄道が全線止まり、オスロ の都電と地下鉄は、イスラエルのガザ侵攻に抗議するため、2分間止まった。イスラエルへの投資を放棄するよう、組合、諸団体は、呼びかけた。商業労働者・非雇用者ユニオンは、雇用者に、売店の棚か らすべてのイスラエル商品を排除するよう呼びかけた」とある。労働組合が、パレスチナへの連帯をストなどの行動で示した。

 9日の衆院予算委員会で、中曽根弘文外相は、社民党の阿部知子議員の質問に答えて、「中東和平担当の有馬龍夫外務省参与の派遣を検討している。わが国は(国連安保理の)非常任理事国となっているから、関係国とも緊密な協議をしたい」と述べた。日本政府は、この問題に対して、この程度のことしかしない。

 9日の『読売』は、「赤十字国際委員会(ICRC・本部ジュネーブ)は8日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で国際人道法違反を犯していると批判した」ことを伝えている。中立をモットーとする赤十字が紛争の当事者の一方を非難するのはきわめて異例のことだと『読売』記者は記している。それほど、イスラエルの人道対応は酷いものだ。

 そもそも、イスラエルは、国連決議に違反して、4次の中東戦争によって、パレスチナの地を併合して侵略してきたのである。

 「パレスチナ情報センター」に、イギリスの新聞「インディペンド」のフィスクという記者が書いた記事の翻訳があったので転載させてもらった。彼は、「今回の空爆・侵攻は1990年代のバルカン戦争に匹敵する残虐行為だと言うべきだろう」と述べ、「アラブの人々が抑えることのできない怒りに立ち上がり、その猛烈な怒りを欧米諸国に向けた時、私たちは当然のように、こう言うだろう。私たちにはまったく関係がない、と。どうしてアラブの人たちは私たちを憎むのか。そう問うかもしれない。しかし、私たちは、その答えを知らないと言うわけにはいかないのだ」と、欧米諸国の欺瞞を批判している。この記事を読よむと、我々は、パレスチナとイスラエルの両方が悪いとして、この問題に中立の立場を取るという善意に潜む、欺瞞や偽善に気づかされる。

 この場合の偽善は、「私たちはこれからもまた繰り返し、でっち上げの誹謗がまき散らされるのを耳にするだろう。「悪いのはハマースだ」という嘘はもとより(まったくのところ、今回のことを付け加えなくとも、ハマースを咎める口実はいくらでもある)、「墓地から運んできた死体」という嘘が出てくる可能性もありそうだ。ほぼ間違いないのは「ハマースが国連の学校の中にいた」という嘘、そして、絶対的に確実なのは「反ユダヤ主義者」という嘘。さらに、我々のリーダーたちは、あわてふためきながら、世界に対し、最初に停戦協定を破ったのはハマースであることを思い出させようとするだろう。これもまた事実ではない。停戦協定を先に破ったのはイスラエルだ。11月4日にイスラエルはガザを攻撃して6人のパレスチナ人を殺し、11月17日にも再度の攻撃で、さらに4人のパレスチナ人を殺した」と書いているように、イスラエルの側を擁護することで、自分は反ユダヤ主義者ではないという立場に身を置いたつもりになるというものである。そして、イスラエルがまき散らす欺瞞に同調することで、自らも欺瞞に陥ることだ。今、パレスチナでホロコースト的なパレスチナ人虐殺攻撃を行っているのは、純粋ユダヤ民族国家を夢見るシオニズム国家イスラエルであり、それは、諸民族の対等で平等な関係を追求することにまったく反しているのだ。

 イスラエルはパレスチナへの虐殺攻撃を止めよ!
 アメリカは、イスラエルへの支持・支援を止めよ!
 日本政府は、イスラエルの野蛮を止めるための真剣な行動を起こせ!

 

パレスチナの犠牲者800人に=子供・女性も多数-ガザ軍事作戦

 【エルサレム9日時事】イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスの弱体化を図るため、パレスチナ自治区ガザで展開する軍事作戦によるパレスチナ側の犠牲者が800人に達した。ガザ救急当局が9日、AFP通信に明らかにした。
 それによると、作戦が始まった昨年12月27日以降の死者は少なくとも800人、負傷者は3330人となっている。この中には子供230人、女性92人など民間人多数が含まれている。
 イスラエル軍の激しい攻撃で接近できず、遺体収容が進んでいない場所も多数あり、犠牲者がさらに増加するのは避けられない見通しだ。
 一方、イスラエル側の死者は、兵士10人と民間人3人の計13人。イスラエルとハマスの交戦はしばしば「暴力の応酬」と形容されるが、実際の被害状況は極端に偏っている。(2009/01/10)

 

米下院、ガザ紛争でイスラエル支持決議案を採決へ

  ワシントン(CNN) 米下院は9日、「パレスチナ自治区ガザからの攻撃に対するイスラエルの自衛権を認める」決議案の採決を実施する。ペロシ下院議長が8日明らかにした。

  決議案は民主党のペロシ議長とベイナー共和党院内総務が提示する。イスラエルにロケット弾を発射し、米国がテロ組織とみなすイスラム原理主義組織ハマスが、戦闘員や指導者、武器を民間家屋や学校、モスク、病院に巧妙に配置し、パレスチナの民間人を人間の盾にしていると非難。そのうえで「民主主義国家」イスラエルの治安や生存を強く支持し、ハマスの「絶え間ない攻撃」から国民を守るための自衛権を認めている。またブッシュ米政権に対し、ハマスの復活を阻む持続的停戦に向けて努力するよう促している。

(ガザ侵攻関連:翻訳)ロバート・フィスク:アラブの人たちはどうして私たちをこんなにも憎むのか?──私たちはその答えを知っているはずだ

Posted by:情報センター・スタッフ

イギリスの『インディペンデント』紙に掲載された、中東に関するベテラン記者ロバート・フィスクの記事の翻訳です。

アラブの人たちはどうして私たちをこんなにも憎むのか?
──私たちはその答えを知っているはずだ

ロバート・フィスク(2009年1月7日、英紙『インディペンデント』)

 またもイスラエルは、パレスチナ人の前で地獄への扉を開け放った。国連の運営する学校に避難していた40人の一般市民が死んだ。さらに、別の場所に避難していた人が3人。「戦争の潔白性」を信じるイスラエル軍にとって、ひと晩の仕事としては「悪くない」というところだろう。しかし、私たちはどうしてこれに驚かなければならないのか。こんなことはもう嫌というほど見てきたではないか。

 1982年のイスラエルのレバノン侵攻では1万7500人が死んだ。このほぼ全員が一般市民で、大半は子供と女性だった。サブラ-シャティーラの殺戮では1700人のパレスチナの一般市民が死んだ。1996年のカナの殺戮では、国連の駐屯基地に避難していた106人のレバノンの一般市民が死んだ。半分以上が子供だった。2006年のレバノン侵攻では、イスラエル軍に、家を出て避難しろと命令されたマルワヒン村の人々が避難所に向かおうとしているところにイスラエルのヘリコプターが襲いかかり、ほぼ全員を殺戮した。同じ2006年のレバノン空爆・侵攻では1000人が死んだ。このほとんどが一般市民だった。

 私たちはこうしたいっさいを忘れてしまったと言うのか?

 驚くべきは、数えきれないほどの欧米諸国のリーダーたち、大統領・首相たち、そして、数えきれないほどのメディアの編集者やジャーナリストが、大昔からの真っ赤な嘘、イスラエルは一般市民の犠牲者が出るのを避けるために多大な努力を払っているという嘘を受け入れていることだ。今回もまた、ガザの殺戮が始まるほんの数時間前に、イスラエルの大使は「イスラエルは一般人の犠牲者が出るのを避けるために、ありとあらゆる努力をする」と言い放った。そして、世界の大統領・首相連は、停戦を避ける口実としてこの嘘を繰り返し、それによって昨晩の惨殺行為にみずから手を貸した。ジョージ・ブッシュが48時間前に即時停戦を要求するだけの気概を持ち合わせていたなら、そうしたら、この年とった人たちと女性たちと子供たちは今も生きていただろう。

 昨晩起こったことは「遺憾」などというものではない。恥辱の極みだ。戦争犯罪という表現はきつすぎる? もしこの残虐行為がハマースによってなされたものであったなら、私たちは即刻、戦争犯罪と呼んではばからないだろう。だから、これは戦争犯罪なのだ。これまで、中東のあちこちの軍隊、シリア軍、イラク軍、イラン軍、イスラエル軍によってなされてきた多くの大量殺害について伝えてきた私としては、シニシズムで応じるべきなのかもしれないとは思う。しかし、イスラエルは、自分たちは「国際的なテロ」に対する「私たちの」戦争として戦っているのだと主張している。ガザで戦っているのは、私たちのため、私たち欧米の理念のため、私たちの防衛のため、私たちの安全のため、私たちの基準に基づくものだと言っている。だとすれば、今ガザに向けられている蛮行には、私たち自身もまた加担していることになる。

 これまでも、私は、こうした非道な行為を糊塗するためにイスラエル軍が使ってきた口実の数々を報告してきた。これからもイスラエル軍がいっそう熱心にこうした口実をまき散らすことは充分に考えられる。そのいくつかをここで改めて確認しておこう。パレスチナ人はみずから同胞である避難者を殺している/パレスチナ人は墓地の遺体を掘り起こし、それを攻撃された場所のあちこちに置いている/パレスチナ人は武装派を支持しているから、また、武装パレスチナ人は罪のない一般市民を意図的に「盾」に使っているから、とどのつまり咎められるべきはパレスチナ人だ。

 サブラ-シャティーラの殺戮を実行したのはイスラエルの同盟集団である、レバノンの極右ファランジスト党の民兵だが、48時間の間、イスラエル軍は何もせずに殺戮が進行するに任せ、つまりは、みずからも虐殺に加担していたことが、のちの調査で明らかになった。イスラエルの罪責が問われた時、時のメナヘム・ベギン政権は、とんでもない誹謗中傷だと、逆に世界中を非難した。1996年、カナの国連駐屯基地に大砲を撃ち込んだ時には、イスラエルは、ヒズボッラーの武装メンバーがその基地に潜んでいたからだと主張した。これは嘘だ。ヒズボッラーが国境で2人のイスラエル兵を捕捉したことに始まった2006年の戦争での1000人以上の死は、単純にヒズボッラーの責任だとして片づけられた。イスラエルは、2度目のカナの殺戮で殺された子供たちの遺体は、墓地から持ってこられて現場に置かれたものだろうと主張した。これもまた嘘だ。マルワヒンの殺戮に関しては、イスラエルは弁明すらしていない。村の人たちは、逃げろというイスラエルの命令に従って避難所に向かおうとしていたところをイスラエル軍のヘリコプターの銃撃に襲われた。村人は、自分たちが純然たる一般人であることがイスラエルのパイロットにもはっきりわかるようにと、子供たちを、これから避難所に運んでくれることになっているトラックの周りに立たせていた。そこに、イスラエルのヘリコプターが至近距離から銃弾を浴びせ、村人と子供たちを次々になぎ倒していった。生き残ったのはわずかに2人。死んだふりをしてじっと動かずにいたおかげだった。マルワヒンの殺戮に対して、イスラエルは申しわけ程度の謝罪もしていない。

 12年前にも、イスラエルのヘリコプターが近隣の村から一般人を運んでいる途中の救急車を攻撃し、子供3人と女性2人を殺害した。この時も村人たちは、イスラエルから「別の場所に移るように」と命令を受けていた。イスラエルは、ヒズボッラーの武装メンバーが救急車に乗っていたからだと主張した。これは事実ではない。私は、これら殺戮行為のすべてを調査し、生存者から話を聞いて、記事にした。ジャーナリスト仲間の多くが同じことをした。そんな私たちは、当然のように最大限の誹謗中傷を投げつけられた。私たちは反ユダヤ主義者であると口を極めて非難されたのだ。

 以下に書くことに、私はいささかの疑問も抱いていない。私たちはこれからもまた繰り返し、でっち上げの誹謗がまき散らされるのを耳にするだろう。「悪いのはハマースだ」という嘘はもとより(まったくのところ、今回のことを付け加えなくとも、ハマースを咎める口実はいくらでもある)、「墓地から運んできた死体」という嘘が出てくる可能性もありそうだ。ほぼ間違いないのは「ハマースが国連の学校の中にいた」という嘘、そして、絶対的に確実なのは「反ユダヤ主義者」という嘘。さらに、我々のリーダーたちは、あわてふためきながら、世界に対し、最初に停戦協定を破ったのはハマースであることを思い出させようとするだろう。これもまた事実ではない。停戦協定を先に破ったのはイスラエルだ。11月4日にイスラエルはガザを攻撃して6人のパレスチナ人を殺し、 11月17日にも再度の攻撃で、さらに4人のパレスチナ人を殺した。

 そう、イスラエルにも安全を求める権利はある。この10年間で、ガザの周辺で12人のイスラエル人が死んでいる。これは、実際、恐ろしい数字だ。だが、わずか1週間あまりで600人ものパレスチナ人が死に、1948年(この時、デイル・ヤシン村でのイスラエルによる殺戮がきっかけとなって、パレスチナ人が自分たちの土地から逃げ出し、そして、そこがイスラエルとなるに至った)以来のパレスチナ人の死者が何千人にもなるというのは、まったく別のスケールの話だ。これが思い起こさせるのは、いつもながらの中東での流血の事態などではない。今回の空爆・侵攻は1990年代のバルカン戦争に匹敵する残虐行為だと言うべきだろう。そして、アラブの人々が抑えることのできない怒りに立ち上がり、その猛烈な怒りを欧米諸国に向けた時、私たちは当然のように、こう言うだろう。私たちにはまったく関係がない、と。どうしてアラブの人たちは私たちを憎むのか。そう問うかもしれない。しかし、私たちは、その答えを知らないと言うわけにはいかないのだ。

原文:Why do they hate the West so much, we will ask

by Robert Fisk Wednesday, 7 January 2009 The Independent

翻訳:山田和子

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イスラエルの空爆開始から2週間

 

Save_gaza_by_reemildmani  イスラエルの空爆開始から2週間がたとうとしている。

 戦闘は止んでいないが、停戦に向けた調停の動きが活発化してきている。

 国連安保理は、「即時、永続的で完全に尊重される停戦の緊急必要性を強調し、要請する」などという内容の決議を、賛成14、棄権1(アメリカ)で可決した。『朝日』によれば、それは、「「市民に対するすべての暴力とテロを非難」し、アラブ側が強く求めた「イスラエル軍によるガザからの完全撤退」も盛り込むとともに、「イスラエルが問題視するガザへの武器・弾薬の流入防止に国際社会が努力を強める▽ガザを経済封鎖から解くため、イスラエルが閉じている検問所を開き、物資と人間の往来を保証する▽人道支援をガザ全域に円滑支給する――などを求め、さらに、「カイロでの停戦協議を歓迎する意向を明記したが、同協議で焦点の一つとなっているガザへの国際監視団派遣については直接触れていない」というものである。

 ロイターは、8日、「イスラエル治安当局筋は8日、ロケット弾3発がレバノンからイスラエルに発射され、2人が軽傷を負ったことを明らかにした。イスラエルは砲撃による報復に乗り出している」という記事を配信した。先のレバノン侵攻でイスラエルを実質的に敗北させたヒズボラが、ついに動き始めたのではないかと思われる情報である。詳細は不明だが、これは、イスラエルにとって由々しき事態である。イスラエルがガザを攻撃しているのには、エジプトからのハマスへの武器その他の物資や人の流出入ルートを断ち、ハマスの戦闘力を削ぐ狙いがあると見られるが、北部でヒズボラとの戦闘が開始されれば、戦線を大幅に拡大させねばならず、この攻撃を開始したイスラエルの政権にとっても、大きな危機が到来することになる。シリア・ルートでのイランその他のイスラム武装勢力への武器や物資の供給ルートまで叩かねばならないことになると、大変である。

 このタイミングで、国連安保理で停戦決議が採択され、アメリカが拒否権を行使しなかったことは、先の国連の人道支援物資の輸送トラックへの攻撃への国際非難の高まりとともに、これ以上の戦闘の拡大は危険と判断したのかもしれない。

 英紙「ガーディアン」は、オバマ次期大統領が、ブッシュ現政権の中東政策を見直し、イスラム勢力との交渉や対話を行う方向での、路線修正を進めていることを明らかにしている。このことは、アメリカにおいて、政治に巨大な影響力を行使してきた「アメリカ・イスラエル公共問題委員会」などのユダヤ・ロビーとの関係を悪化させるだろう。その問題を、オバマがどう解決しようとしているのかは、わからないが、いずれにしても、「ガーディアン」の記事によると、オバマの次期外交チームでは、イスラムとの対話の方向が打ち出された模様である。

 イスラエルに対する抗議の声は世界中に広がっている。AMLで紹介されていたパリ在住の大学教員の箱山富美子さんの報告記事によると、1月3日のパリでの労働運動団体主催のデモは、大規模なものであったようである。ヨーロッパの場合、アラブ、イスラム地域からの移民が多いので、そういう人々の参加もあったようである。

 デモでは、「イスラエル、人殺し!」「ヨーロッパも共犯!」「虐殺をやめろ」「フランスのメディアは真実を伝えろ」「ガザは生き残る」、「ガザ港で、ガザの地で、抹殺されているのは人間性そのもの」、「ガザ、ガザ、私たち皆貴方たちと一緒」、「私たちは皆パレスチナ人」というシュプレヒコールがあったという。

 日本でも、10日、11日と各地でガザに連帯する集会や催しが予定されている。

 ガザ、ガザ、私たち皆貴方たちと一緒!

10日(土)

【大阪】「許すな! イスラエルのガザ侵攻 1・10緊急行動」
中之島公園女神像前 午後2時集合 発言の後、デモ
http://0000000000.net/p-navi/info/info/200901080308.htm

【東京】『ガザに光を!即時停戦を求めるピースパレード&シンポジウム』
「芝公園23号地」 15:30集合、パレード、シンポジウムほか
http://ccpnews.blog57.fc2.com/blog-entry-11.html

【京都】キャンドル・ビジル──ガザ空襲・侵攻に抗議と殺された人々
の追悼の意を込めて
三条大橋東詰め周辺 午後6:30-8:00頃
http://d.hatena.ne.jp/al-ghad/#1231415495

【札幌】「人殺しはやめてください いのちの行進」
大通り西1丁目テレビ塔前・札幌北光教会前 午後4:30集合
http://d.hatena.ne.jp/al-ghad/#1231378367

11日(日)

【京都】「京都・三条でのガザ虐殺に抗議する街頭アピール」
河原町三条(三条アーケード入口) 午後5時半~6時半くらい
http://0000000000.net/p-navi/info/info/200901080232.htm

【仙台】「パレスチナーーガザ地区の平和を求める緊急市民集会」
戦災復興記念館 午後1時半~午後4時
http://0000000000.net/p-navi/info/info/200901080343.htm

【広島】ガザ無差別攻撃抗議集会 二回目のヒロシマ行動
平和記念公園・原爆ドーム前 午後5:00- 集会とデモ
http://d.hatena.ne.jp/al-ghad/#1231219247

【東京】緊急集会「イスラエルによるガザ侵攻を考える」
如水会館 11:00 ~ 14:00
http://0000000000.net/p-navi/info/info/200901080326.htm

【東京】「スピークアウト&デモ:イスラエルは占領とガザ侵攻をやめろ!」
四谷地域センター・多目的ホール 14時開場/14時30分開始
http://0000000000.net/p-navi/info/info/200901080326.htm

 ガザ停戦へ安保理決議採択 米英仏とアラブが合意(2009年1月9日『朝日』)

 【ニューヨーク=立野純二】国連安全保障理事会は8日夜(日本時間9日午前)、パレスチナ自治区ガザの停戦を求める決議案を賛成多数で採択した。アラブ連盟の代表団も交えた外相級会合で合意したが、米国は採決で棄権した。長引くガザの戦闘に対し、国際社会として初めて収拾の枠組みを示した形だが、当事者のイスラエルとイスラム過激派ハマスがどう応じるかはなお不透明だ。

 安保理(15カ国)の採決は賛成14カ国で、米国だけが棄権した。拘束力のある安保理決議が採択されたことで、次の焦点はイスラエルとパレスチナ自治政府を交えたカイロでのエジプト政府仲介の協議に移る。当事者が参加した同協議で安保理決議を土台に具体的な停戦の道筋が練られ、最終的な条件が整う見通しだが、ハマスが協議にどう臨むのか見通しは立っていない。

 決議は「即時、永続的で完全に尊重される停戦の緊急必要性を強調し、要請する」とした。「市民に対するすべての暴力とテロを非難」し、アラブ側が強く求めた「イスラエル軍によるガザからの完全撤退」も盛り込んだ。

 また、イスラエルが問題視するガザへの武器・弾薬の流入防止に国際社会が努力を強める▽ガザを経済封鎖から解くため、イスラエルが閉じている検問所を開き、物資と人間の往来を保証する▽人道支援をガザ全域に円滑支給する――などを求めている。

 さらに決議はカイロでの停戦協議を歓迎する意向を明記したが、同協議で焦点の一つとなっているガザへの国際監視団派遣については直接触れていない。安保理としてはひとまず停戦の大枠を決め、カイロ協議などでの詳細の詰めにゲタを預けた形だ。

 ニューヨークの国連本部では5日からアラブ各国の外相らが集まり、安保理と緊急協議を重ねていた。仏英米は7日まで「停戦の必要性を強調する」との文面を、拘束力のない議長声明の形で提案したが、アラブ側が反発。非常任理事国のリビアがアラブ側の主張を反映した決議案を提示して対抗していた。

 ロイター通信によると、ニューヨークに滞在中のライス米国務長官はイスラエルのオルメルト暫定首相とも電話協議を続け、安保理での対応を検討。米国は当初はイスラエルの主張に沿って決議に消極的だったが、ガザ情勢が深刻化するなかでアラブと欧州の強い主張を受け入れ、拒否権の発動を控える「黙認」の姿勢に転じたようだ。

 アラブ諸国側は、中東各地で高まるイスラエル非難の世論の矛先が、親米の立場を取る自国の政府にも向かうことを恐れ、異例ともいえる安保理協議への集団交渉で米国などの説得に力を注いだとみられる。決議案の草案をつくった英国のミリバンド外相は「この決議は国際社会の決意を示す非常に強いシグナルだ」と記者団に語った。

 

国連機関、ガザでの援助物資輸送停止…トラックへ砲撃

 【エルサレム=久保健一】イスラエルによる侵攻作戦が続くパレスチナ自治区ガザで8日、国連の援助物資を運んでいたトラックがイスラエル軍の戦車砲を受けた事件を受け、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は同日、「国連スタッフの安全を保証する措置をイスラエルがとるまで、すべての物資輸送を停止する」と発表した。

 事件はガザ北部で起き、国連現地スタッフのトラック運転手と同乗者の2人が死亡、1人が負傷した。トラックは、国連旗を掲げていたという。

 一方、イスラエル軍は8日、ガザ全域で25か所以上を空爆するなど攻撃を続け、AFP通信によるとパレスチナ側に20人の死者が出た。イスラエル軍兵士も3人が死亡した。
(2009年1月9日『読売新聞』)

 

レバノンからイスラエルにロケット弾、イスラエルは砲撃で報復(2009年 1月8日『ロイター』)

 [エルサレム 8日 ロイター] イスラエル治安当局筋は8日、ロケット弾3発がレバノンからイスラエルに発射され、2人が軽傷を負ったことを明らかにした。イスラエルは砲撃による報復に乗り出している。

 誰か発射したかは不明。

 イスラエル警察スポークスマンによると、ロケット弾はイスラエル北部のガリラヤ地域の3カ所に着弾した。レバノンの治安当局者は、レバノンから3─5発のロケット弾がレバノン南部から発射されたと述べている。

 イスラエル軍スポークスマンによると、イスラエル軍は「発射場所に向けたピンポイントの対応」を行った。治安当局者は、イスラエルは5発の砲弾で攻撃したと述べている。

 イスラエルでは、イランを後ろ盾とするイスラム教シーア派組織ヒズボラが、イスラエルとイスラム教原理主義組織ハマスのガザでの戦いに関与しようとする可能性が指摘されている。

 

ウェッブマガジン「モンパリ」

 パリのガザ連帯のデモhttp://www.mon-paris.info/jp/contents/branche/oyv.html

 年末からヨーロッパのテレビニュースのトップはいつもイスラエルのガザ空爆。日本でも大晦日に抗議デモがあったらしいが、1月3日朝のテレビで「今日はロンドン、パリはじめ各地で大掛かりなデモが予定されている」と言ったので、私も急遽参加することにした。

  15時レピュブリック広場の共和国記念碑前。主催は労働運動団体だったが、参加者の大半はアラブ系で、アラファトがつけてパレスチナの象徴になったあの段だら模様のスカーフを首に巻いたり、頭につけたり、体に巻きつけたりしている人が多い。食べ物屋台でメルゲスや肉の串刺しを揚げ、色とりどりのピーマンを付け合せにしてアラブ風サンドイッチを売っている人たちもこのスカーフをつけている。もしかしたら売り上げはパレスチナへの連帯活動に使われるのかもしれない。

 イスラエルの旗が燃されて行進が始まる。突き詰めたような表情をしたおばあさん達の参加が目立つ。肩車されてプラカードを掲げている幼子たち、乳母車を押している父親や母親、必死に「ガザ、ガザ、私たち皆貴方の味方」とシュプレヒコールを叫んでいる女学生たち、イスラムのスカーフをかぶった女の子たち、大きなパレスチナの旗を振る若者たち、手作りのプラカードを肩から下げたり手に掲げたりしているおじさんやおばさんたち、アルジェリアやイラク、リビア、フランスの旗を連帯のしるしに振る人々、、、年齢も国籍も様々な参加者たちが、誰もがいたたまれない気持ちでひとつになって、歩いている。
 シュプレヒコールが絶え間なく響く。「イスラエル、人殺し!」「ヨーロッパも共犯!」「虐殺をやめろ」「フランスのメディアは真実を伝えろ」「ガザは生き残る」」「ガザ港で、ガザの地で、抹殺されているのは人間性そのもの」。日本の春闘のデモとは比較にならない、悲痛さを伴った心の底からの叫び。中でも一番多く、もっとも共感をもって繰り返されたのが「ガザ、ガザ、私たち皆貴方たちと一緒」と、「私たちは皆パレスチナ人」。
 ブッシュの靴にちなんでプラカード代わりの靴も散見される。手作りのパンフを配る人々もいる。署名して投函するようにつくられたフランス大統領への手紙も配られた。もらってコートに貼り付けた黄色いワッペンには「戦争で死の商人は金儲けをする」と書いてあった。
 デモはルイ14世が建てた2つの凱旋門、サンマルタン門とサンドニ門を通って、パリの古い町並みを貫いて走っている大通りを進んでいく。沿道の人々もデモに呼応して、旗やスカーフを掲げたり、手を振ったり、一緒に歩き始めたり、、、イスラエルの軍事侵攻に対する市民の怒りの大きさを肌で感じられる。建物の窓からも、手を振る人、段だら模様のスカーフを振る人、ベランダに懸けて連帯を表明する人々、、、その度にデモ隊からも歓声が上がる。
 オペラ座と、年末の派手なイルミネーションに飾られたギャラリーラファイエットやプランタンデパートの間の大勢の人に溢れる目抜き通りを過ぎて、目的地のサントーギュスタン広場に着いた時は5時を回っていた。幸いお天気は好かったけれど、体がすっかり冷え切ってしまった。おばあさんたちや杖を突いて参加していた人たちにはこの寒さはかなりこたえたのではないだろうか?マイクで、10日15時にもレピュブリック広場からデモがある、とアナウンスがあって解散。

 でもイラク戦争の前にもあれだけ世界各地で大きなデモがあったが阻止できなかった。このデモは本当になんらかの結果をガザの人々にもたらすことができるのだろうか、などと考えながら家に帰ると、テレビでイスラエルの地上部隊のガザ侵攻を報道していた。途端に、2日前イスラエル外相がヨーロッパを訪問してサルコジなどと会談していたのが思い出された。そうか、あれはこの根回しで、ヨーロッパの黙認を取り付けるためだったのだ。ついさっき聞き続けた「ヨーロッパも共犯だ」「サルコジも共犯だ」というシュプレヒコールがよりいっそうの現実味を帯びて頭の中で鳴り響いた。

箱山富美子

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イスラエルの攻撃中止を求める動きが世界に広まっている

 

Gaza_by_issam_zerr_2  イスラエルは、国連が運営する学校を攻撃し、40数名の犠牲者が出たことに、国際社会から、強い非難を浴びせられたため、7日午後、人道物資搬入のために、たった3時間停戦した。それから、地上戦を再開した。この日、死者は700人を超えた。

 それに対して、岡真理京大教員は、3日(土)のイスラエル国内の大規模な抗議デモについてAMLに情報を寄せている。テルアビブのデモには、イスラエル全土から約1万人が参加した。これは、700万人弱のイスラエルの人口の約0.017%、日本なら約18万人に相当する。このデモは、平和人権団体グシュ・シャローム(シオニスト左派)が主導して、その他23団体の呼びかけで実施されたものである。また、「同日、パレスチナ系人口の多い北部のサクニーンでもパレスチナ系市民主体のデモがあり、こちらは、10万人が参加しています」。

 さらに、AMLでは、、小倉さんが、カナダでユダヤ人のイスラエルの攻撃の中止を求めるデモがあったことを紹介している。

 日本でも全国で、イスラエルの攻撃を非難し、停戦を求める行動が行われたり、呼びかけられている。以下に、いくつか紹介する。

 当ブログでは、「sometimes a little hope」(http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/)というブログの、どすのメッキーさんのガザに連帯するバナーをブログ・ホームページに貼ろうという呼びかけに応えて、記事にバナーを貼ることで、イスラエルの蛮行に抗議し、パレスチナへの連帯を意志を表示することにした。

 以下の記事の中に、イスラエルの攻撃を非難し、即時停戦を求め、パレスチナに連帯する集会・デモに、かつてないほど多くの人が参加しているというものがある。

 ちなみに、日本政府の立場は、7日の日伊外相会談で示された以下の3点である(外務省HPプレリリース日伊外務相電話会談についてhttp://www.mofa.go.jp/MOFAJ/press/release/21/1/1186059_1090.html)。

(1)我が国としても、ガザを巡る情勢が悪化していることを深く憂慮しており、双方が武力の行使を即座に停止し、その上で持続的な停戦合意が達成されることが重要である。

(2)現在、国連安保理等の場で関係各国による調停努力が活発化しているが、我が国は早期の停戦が実現するよう、国際社会の声を揃えていくことが重要と考えており、双方に対して自制を求めている。

(3)ガザ地区の住民に対する人道上の配慮が急務であり、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に対する300万ドルの支援を含め1000万ドル規模の緊急人道支援を行う考え。この観点より、イスラエルに対して、通行所の開放を含め必要な措置をとるよう要請した。

 (1)の「双方が武力を即座に停止し、その上で持続的な停戦合意が達成されることが重要である」というのは、アメリカ政府の主張と同じである。日本政府は、アメリカの立場に立っているのである。

 

 イスラエルは即時停戦しろ!

 PeaceMedea (http://peacemedia.jp/) より、

1/10 (大阪)許すな!イスラエルのガザ侵攻 1・10緊急行動
1/10 (京都)街頭署名
1/10 (京都)キャンドルビジル
1/11 (京都)ガザ虐殺に抗議する街頭アピール
1/11 (大阪)キャンドル行動
1/19 (大阪)『レインボー』&トーク ガザ この現実 一方的な破壊と殺戮の中で 映像とトークの夕べ

 9条改憲阻止の会( http://9jyo.asia/)

 各位へ
「イスラエルのガザ侵攻、虐殺に抗議する緊急行動」として
下記の通り提案させていただきます。万障繰り合わせご参加いただきたく
お願い申し上げます。

1) イスラエル大使館抗議行動
■ 1月10日(土)午後1時半集合~2時半まで
■ 場所・イスラエル大使館前
      千代田区麹町2番町日本テレビ脇
      最寄り駅 JR中央線市谷駅4分
             〃    四谷駅5分
            地下鉄有楽町線日本テレビ前1分

 上記抗議行動終了後、下記の共同行動に参加します。
  主催;9条改憲阻止の会
     Tel;03-3356-9932

2)1.10 イスラエルのガザ進攻に対する国際共同抗議行動
「ガザに光を!即時停戦を求めるピースパレード&シンポジュウム」
■1月10日(土)午後3時半~
■芝公園23号地
    地下鉄:御成門駅3分、神谷町駅5分、大門浜松町駅10分
         東京プリンスホテル・芝高校・正則高校に囲まれた空間
16:00ピースパレード出発
17:30パレード終了(解散地は六本木三河台公園)

  ※パレードには、ペンライトなど光るものを持参して下さい。

18:30―20:30 シンポジウム
      会場 聖アンデレ教会(最寄り駅神谷町、芝公園そば)

  ※パレード解散地近くの日比谷線の六本木駅から1駅で
   シンポジウムの会場の最寄り駅である神谷町まで行けます。

※呼びかけ:
  ピースボート
  日本国際ボランティアセンター
  パレスチナ子どものキャンペーン
  アーユス仏教国際協力ネットワーク
  日本YWCA
  日本聖公会東京教区エルサレム教区協働委員会
  パレスチナの子どもの里親運動
  1コマ
 _________ 以下は国際共同抗議行動のよびかけ _____________

 AML<23135>のパリ在住の<グローバルウオッチ>のコリンさんからの呼びかけ

 コリンです。

 デモの数の修正をします。

 パリは、数字数えの時点以降まだまだ人が到着したようです。約5万。リヨン:4万、トゥールーズ:2000など、全国で20万人がデモしました。

 イギリスも同様で、ロンドンも4万から5万。マンチェスター:4000、エディンブルグ:3000などです。
 イスラエル軍による地上部隊の侵攻は、今後ますます大きな被害と犠牲者を生み出すことが予想されます。
 各国、それぞれ、様々なレベルでの調整が困難だとは思いますが、フランス、イギリスでは、次回の大きな抗議行動を1月10日(パリは15時)に定めました。まだ完全な世界統一行動までにはいたらずとも、多くの世界の都市のデモがこの日程で、同時抗議行動ができれば、パワーアップできると思います。
 よろしくお願いします。
__________________________
長船青治 http://geocities.com/osafune_seiji

  緊急 NGO共同行動のご案内
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
ガ ザ に 光 を !
即時停戦を求めるピースパレード&シンポジウム

★1月10日(土)に緊急開催★
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

 2008年から開始されたイスラエル軍によるガザ地区への大規模な攻撃は、新年になってもますます強まり、これまでに伝えられた犠牲者は多数の子どもを含んで550人を越えています。今後もイスラエルは停戦する気配はありません

 150万人のガザ地区の人々は、これまでもイスラエルの封鎖によって、医療や食料、燃料の不足に苦しめられていました。今度はその人々の上に爆弾が落とされています。

 この人道的危機を前に、これまでパレスチナ問題に様々な形で関わってきたNGOが共同で、この軍事行動への抗議の意志を示し即時停戦を求めるピースパレードとシンポジウムを行います。
 皆さんもぜひこのアピールに加わってください。たくさんの声が、この惨状を変える力になります。

────────────────────────────────────
開催日:2009年1月10日(土)
────────────────────────────────────
■プレイベント
12:30上映会『パレスチナ1948NAKBA』(監督 広河隆一)
場所:増上寺 慈雲閣(都営三田線「御成門」駅から徒歩3分)
http://www.zojoji.or.jp/map/index.html
共催:浄土宗平和協会
(開場:12:00)(詳細計画中)

■ピースパレード
15:30「芝公園23号地」集合
http://soccerunderground.com/blog/archives/siba.jpg
(都営三田線「御成門」駅A1出口から徒歩5分。東京タワー近く。
案内スタッフがおります)
16:00出発、パレード開始
(芝公園から六本木方面に向けて歩きます)
17:10「六本木三河台公園」にて終了。キャンドルで祈りを捧げます。
(日比谷線・大江戸線「六本木」駅6番出口から徒歩2分)

★パレードのテーマは「ガザに光を!」。
ペンライトや懐中電灯などの光るものをぜひ持参ください。

■シンポジウム
【時間】18:30~20:30
【会場】聖アンデレ教会
【アクセス】東京メトロ日比谷線「神谷町」駅1番出口から徒歩10分
(神谷町駅はパレード終了地最寄の六本木駅から1駅)
【住所】東京都港区芝公園3-6-18 TEL 03-3431-2822
【地図】http://www.nskk.org/tokyo/church/map_html/andrew_m.htm
【参加費】無料
【内容】・リレートーク:池田 香代子さん
(『世界がもし100人の村だったら』再話者)
広河 隆一さん(ジャーナリスト)
パレスチナに関わるNGOのアピール 他
・現地ガザからの声(電話録音)(予定)

────────────────────────────────────
■主催:1・10 ガザに光を! ピースパレード実行委員会

■呼びかけ団体:
特定非営利活動法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク
社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
日本山妙法寺
日本聖公会東京教区「エルサレム教区協働委員会」
日本パレスチナ医療協会
日本YWCA
特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン
パレスチナの子供の里親運動
ピースボート
平和をつくり出す宗教者ネット
『1コマ』サポーターズ
────────────────────────────────────
<お問い合わせ>
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル6F TEL 03-3834-2388/FAX 03-3835-0519
http://www.ngo-jvc.net
info at ngo-jvc.net
(パレスチナ事業担当 藤屋、 広報担当 広瀬)

ピースボート 電話:03-3363-7561 http://www.peaceboat.org/index_j.html
日本YWCA 電話:03-5367-1872 http://www.ywca.or.jp/home.html

転送歓迎

緊急集会のお知らせです。

18日午後の大塚集会(映画「レインボー」上映、岡真理さん講演)とは別に、17日夜にも集会を行います。

**準備期間が非常に短いため未確定の部分もありますが、お知らせします。一部変更になることがあることをお断りしておきます。転送していただける場合は、この部分も一緒に転送願います。

********************************

戦争反対――――――占領終結
ガザ攻撃に抗議する

イスラエルによるガザ攻撃が世界を驚かせ、震撼させています。おびただしい命が奪われ、暮らしが破壊されています。世界の平和団体が抗議の声をあげ、日本でも数々のアピールが出されています。下記の緊急集会を開催します。現代アラブ文学研究者の岡真理さん、ジャーナリストの小田切拓さんにお話していただきます。ぜひともご参加ください。

日時:1月17日(土)午後6時~8時(開場5時30分)
会場:HOWSホール
http://www3.ocn.ne.jp/~hows/map.pdf
  東京都文京区本郷3-38-10 さかえビル2階
 電話03-3818-2328
参加費:500円

講演:私たちに何ができるか  
   岡 真理さん(現代アラブ文学、京都大学准教授)
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/staff/223_oka_m_0_j.html

主な著書:
『記憶/物語』(岩波書店、2000年)
『彼女の「正しい」名前とは何か――第三世界フェミニズムの思想』(青土社、2000年)
『棗椰子の木陰で―第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社、2006年)
『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書房、2008年)

研究テーマ:
 エドワード・サイートが「オリエンタリズム」と命名した、世界を「西洋」と「西洋」ならざる世界に二分し、両者のあいだには本質的かつ絶対的差異(世界差)があるとするような思想を批判し、こうした「世界差」が例えば第一世界における第三世界の女性をめぐるフェミニズムの言説や、文学作品における第三世界表象、そして第三世界の文学作品の読みという具体的実践においていかに生産・再生産さら、いかなる政治的効果を発揮しているか、そうした認識や実践が植民地主義の歴史とどのように関係しているかについて分析、考察する。また、パレスチナ問題について、ガッサーン・カナファーニーをはじめとするパレスチナの作家の思想をプリーモ・レーヴィなど西洋の作家たちの思想に接続することで、「難民」を近代の思想問題として捉え直すことで、「パレスチナ」を普遍的な思想的課題として考究する。

 「パレスチナ人とは、シオニズムというナショナル・イデオロギーに支えられたイスラエルのナショナル・ヒストリーの犠牲者であった。『ユダヤ人』の『人種的他者』として『アラブ人』という『敵』を同定し、彼らをパレスチナから徹底的に排除することによって、パレスチナに対して超歴史的な権利を有する『ユダヤ人』という主体を立ち上げるシオニズム史観において、祖国を剥奪され難民となって離散と流浪を強いられるパレスチナ人の悲劇は居場所をもたない。パレスチナ人の人間解放とは、このイスラエルのナショナル・ヒストリーにおいて抑圧され、否定される『パレスチナ人』の記憶を『歴史』のなかにいかに回復するかに賭けられている。だが、シオニズムの合わせ鏡のように、パレスチナ人の解放の言説において、自らの他者として敵を同定し、抵抗の主体として『パレスチナ人』というアイデンティティが構築されるとき、その対立の枠組みに収まらない女たちの経験は排除され、抑圧される。ホーリーの作品は、これら女たちの経験をもパレスチナ人のナクバとして作品に刻み、パレスチナの解放の言説が抑圧する出来事の記憶を回復することで、『歴史』というものの別のあり方、別の可能性を描いている。極言すれば、それは、ネイションによる占有から歴史を解放する試みと言えるだろう。」(岡真理『アラブ、祈りとしての文学』より)

コメント:小田切拓(ジャーナリスト)

 「第二次インティファーダは、「イスラエルによるパレスチナ全土のガザ化プロセス」という視点で、取材を続けてきましたが、それがほぼ完了し、再度ガザに対する新しいステージが始まったというのが、今回の事態ではないでしょうか。
 ガザの人々の第一次インティファーダでの戦い方が、「石」と「人口」による戦いであり、それによって、少なくともイスラエルがオスロ合意という交渉の場に出ることを選ばざるをえないとすれば、第二次インティファーダは、ガザの人口を逆手に取り、人々を殺害するよりも証拠が残りにくい形で苦しめることで、イスラエルは多くの物を手に入れました。
 そしてパレスチナ全土が、ガザのようなゲットーと化し、そこでの生活維持の費用は、日本を含めた外からの援助で賄う、というシステムが整えられ、国際社会のイスラエルに対する圧力が一般的にみて弱められた状況で、今度は、ガザでの殺害のレベルを格段に上げた、というのが今回の事態だと私は捉えています。イスラエルの選挙、パレスチナ大統領(ファタハ)の任期切れなど、背景には様々な理由があるのでしょうが、見逃すことが出来ないのが、住民の大半が難民というガザの、イスラエルによる切り離しが始まったと捉えるべきだと思います。
 10数年前に初めてパレスチナに行き、01年からパレスチナに絞って報道する中で、一環してガザに拘ってきましたが、それは同時に、今回の舞台が、自分にとっては庭先のようなエリアであることにもなります。だからこそ、今回のような場では、どのようなサイズの場所で、どんな状況の中、人々がどんな面持ちでイスラエルの侵攻に晒されているのかを、なるべく客観的にかつ具体的に解説するべきだと考えています。
 気持ちに任せて語るのは簡単ですが、ある意味冷徹に語ることを自らの役割と捉え、短い時間ですが、事の深層に踏み込みたいと考えています。我々に何が出来るかについても、時間が許す限り触れる所存です。」

私も呼びかけます:

秋元理匡(弁護士)阿部浩己(神奈川大学法科大学院教授)安斎育郎(立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長)安藤博(非暴力平和隊・日本)五十嵐正博(神戸大学大学院国際協力研究科教授)池田香代子(翻訳家/世界平和アピール七人委員会メンバー)石田勇治(東京大学教授)板垣竜太(同志社大学)伊藤和子(弁護士、ヒューマンライツ・ナウ事務局長)伊東きくえ(Link to Peace代表)井上正信(弁護士)井堀哲(弁護士)上原公子(元国立市長)大島和夫(京都府立大学教授)大竹誠(デザイナー)大内要三(平和に生きる権利の確立をめざす懇談会)岡本三夫(広島修道大学名誉教授/岡本非暴力平和研究所所長)小田切拓(ジャーナリスト)亀田博(金子文子・朴烈研究)鍵谷明子(東京造形大
学教授)梶村太一郎(ベルリン/「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」顧問)金子マーティン(日本女子大学教授)川崎けい子(映像ディレクター)河村健夫(弁護士)きくちゆみ(著作・翻訳家/環境・平和活動家)木瀬慶子(憲法9条―世界へ未来へ連絡会・事務局スタッフ)北村肇(「週刊金曜日」編集長)君島東彦(立命館大学国際関係学部教員/非暴力平和隊・日本共同代表)金栄(ルポ・ライター)桐生佳子(RAWAと連帯する会)桐原尚之(全国「精神病」者集団)清末愛砂(島根大学教員)栗田禎子(千葉大学教授)黒木英充(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)小松浩(神戸学院大学法学部教授)小山潔(ウラニウム兵器禁止条約実現キャンペーン事務局長)坂上香(映像ジャーナリスト/津田塾大学教員)佐藤和義(民主主義的社会主義運動MDS)佐原徹哉(明治大学教員)しみずさつき(RAWAと連帯する会)清水竹人(桜美林大学教員)清水雅彦(札幌学院大学教授)ジャミーラ高橋(アラブイスラーム文化協会)杉浦ひとみ(弁護士)鈴木国夫(桜丘9条の会)鈴木敏明(映像作家)高橋哲哉(東京大学教授)高橋博子(広島平和研究所講師)田中利幸(広島平和研究所教授)俵義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)寺尾光身(名古屋工業大学名誉教授)戸田清(長崎大学教授)南雲和夫(法政大学講師)新倉修(青山学院大学教授)西谷文和(イラクの子どもを救う会代表/フリージャーナリスト)二谷隆太郎(本郷文化フォーラムワーカーズスクールHOWS)丹羽徹(大阪経済法科大学教授)中富公一(岡山大学法学部教授)野平晋作(ピースボート)波多野哲朗(東京造形大学名誉教授)林英樹(RAWAと連帯する会)林博史(関東学院大学教授)廣瀬理夫(弁護士)平野健(中央大学教員)服部泉(東京。をプロデュースⅡ準備会副代表)坂東通信(電力労働運動近畿センター常任幹事)星川淳(グリーンピース・ジャパン事務局長)益岡賢(日本東チモール協議会/翻訳者)増田都子(東京都学校ユニオン委員長)松野明久(大阪大学教授)松宮孝明(立命館大学教授)三輪隆(埼玉大学教員)村井敏邦(龍谷大学教授)本山央子(ア
ジア女性資料センター事務局長)森英樹(龍谷大学教授)森口貢(「長崎の証言の会」事務局)森広泰平(アジア記者クラブ事務局長)ヤスミン植月千春(カーヌーン[アラブの琴]奏者)山本眞理(全国「精神病」者集団会員)矢野秀喜(平和と生活をむすぶ会)横原由紀夫(広島県原水禁元事務局長/第9条の会ヒロシマ世話人)吉田好一(国際人権活動日本委員会代表委員)和田隆子(第9条の会・オーバー東京)渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」)

主催:平和力フォーラム
192-0992 
八王子市宇津貫町1556 東京造形大学・前田研究室
   電話 042-637-8872  メール maeda at zokei.ac.jp

 小倉です。以下、お知らせです。重複投稿ご容赦ください。たくさんの抗議集会、デ
モなどありますが、是非ご参加ください。

■■転送歓迎■■---------------------------------

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スピークアウト&デモ:イスラエルは占領とガザ侵攻をやめろ!
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日時:1月11日(日)
14時開場/14時30分開始(14時から映像上映あり)
16時45分終了(デモ出発は17時00分)

場所:四谷地域センター・多目的ホール(12階)
地下鉄丸ノ内線「新宿御苑前」駅より徒歩5分(四谷方向に向かってまっ
すぐ歩き、右手/新宿区内藤町87番地)
http://www2.odn.ne.jp/~hao65350/page002.html

■アピール:
阿部浩己さん(国際人権法/神奈川大学法科大学院教授) 
鵜飼哲さん(ティーチイン沖縄/一橋大学教員) 
小倉利丸さん(ピープルズプラン研究所/富山大学経済学部教員) 

■リレーアピール: 
国富建治さん(新しい反安保行動をつくる実行委員会) 
杉原浩司さん(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン) 
園良太さん(憲法カフェ)
北林岳彦さん ほか 
※当日の飛び入りアピールも受け付けます。

■デモ:
四谷地域センターを出発し、新宿方向に向けてデモを行います。
※出来るだけ、各自で手作りのプラカードなどを持参して下さい(主催者側も用意します)。

=============================

 イスラエルはついに地上戦を開始しました。40年以上も占領を続け、人権を侵害して苦しめてきた人々を逃げ場のない空間の中で追いつめて殺すという、こんな酷い行為は一刻も早く止めさせなくてなりません。

 イスラエルを非難する国際的な声は鈍く、多くのマスコミはイスラエルとハマースの「暴力の応酬」という構図を作り上げて事態を矮小化し、イスラエルの占領行為を免罪しています。しかし2006年のレバノン戦争と同様、イスラエルが「自衛」戦争を演出し続けなくてはならないような事態を作り出したのは、他でもないイスラエルによる占領です。

 ガザのむごい光景は、私たちの無惨な日常生活の延長上にあります。アメリカのイラク占領を支援するためイラクに自衛隊を送り、インド洋で給油活動を続けることでアフガニスタン攻撃を支えて来た日本。目先の「安全」や政権の安定を得るために「対テロ」の名目で人を殺すことが当たり前のようになっている世界。もうこりごりです。
 この日本社会の中から、今こそ戦争と占領をやめろ!という声を大きく響かせましょう。

=============================

主催:「スピークアウト&デモ:イスラエルは占領とガザ侵攻をやめろ!」実行委員会

<連絡先>
メールアドレス:speakout.demo at gmail.com 
電話:090-6498-6448
郵便物送付:〒162-0823東京都新宿区神楽河岸1 - 1 東京ボランティア
・市民活動センター メールボックスNo.114 ミーダーン〈パレスチナ・
対話のための広場〉気付 

 オルターナティブ・メーリング・リスト(AML)より転載

 以下、グシュ・シャロームのHPより、同デモの記事の翻訳、お送りします。
(例におって、拙速、お許しください。)
追って、推敲したものを必要な注など付して、TUP-Bulletin速報に掲載するつもりです。

******* 転送・転載歓迎 **********

Saturday 03/01/09
MASSIVE DEMONSTRATION AGAINST THE WAR

2009年1月3日(土)

テルアビブで大規模反戦デモ

 エフド・バラク〔国防大臣〕が軍隊にガザに対する残虐な地上攻撃を命令していたその頃、テルアビブでは、イスラエル全土から駆けつけた、戦争に反対する一万人あまりの人々が行進して、一大デモを行った。
  テルアビブの主要道路のひとつであるイブン・グヴィロル通りの4車線はデモの人々で埋め尽くされた。参加者は、ラビン広場からシネマテックまでずっと歌を歌い、旗を振りながら行進した。

 「選挙戦は子どもたちの死体の上でするものじゃない!」参加者はヘブライ語で韻を踏みながら叫んだ。「孤児や未亡人を選挙宣伝に使うな!」「オルメルト、リヴニ、バラクーー戦争はゲームじゃない!」
 「全閣僚が戦争犯罪者だ!」「バラク、バラク、心配するなーーハーグ〔国際刑事裁判所〕で会おう!」「もうたくさんだーーハマースと話し合え!」

 プラカードに書かれているのも、同様の文言だった。バラクの選挙スローガンをもじったものもあった:「バラクに愛想がないのは、殺人者ゆえ!」(バラクのスローガンの原文は「バラクに愛想がないのは、指導者ゆえ!」
 こんなのもある:「2009年、選挙のための戦争にNOを!」、「6-議席-戦争!」

 これは、戦争初日の世論調査で、バラク率いる労働党が6議席獲得の見込みと発表されたことを指している。

 デモは警察との衝突のあとで始まった。警察は、右翼の暴徒がデモ隊を攻撃するのを抑えることができないからと言って、デモを禁じるか、少なくとも制約しようとしたのだった。なかでも警察は、デモの組織人たちに、参加者がパレスチナの旗を掲げるのを禁じるよう求めた。組織人たちは高等裁判所に請願、裁判所は、パレスチナの旗を合法と判断し、警察にデモ隊を暴徒から守るよう命じた。

 デモの実施は、グシュ・シャロームと、平和のための女性連合、壁に反対するアナーキスト、ハダシュ、オルターナティヴ情報センター、ニュー・プロファイルなど20団体が決定した。メレツとピースナウは公式には参加していないが、多くのメンバーがデモに現れた。〔イスラエル〕北部から約1000人のアラブ系市民が20台のバスを連ねて到着した。彼らは、
サクニーンで行われたアラブ系国民主体の一大デモを終えてその足でやって来たのだった。

 組織人たち自身にとっても、これだけの規模の参加者があったことは驚きだった。「第二次レバノン戦争開始の1週間後、私たちが反戦デモの動員に成功したのは1000人だけだった。今日、1万人もの人々が参加したという事実は、今回の戦争に対して、はるかに強い反対があるということの証だ。もしバラクが自分の計画を続けるなら、世論は数日で全面的に戦争反対に転じるかもしれない。」

 グシュ・シャロームの巨大な旗にはヘブライ語とアラビア語と英語で次のように書かれていた:「殺人を止めろ!封鎖を止めろ!占領を止めろ!」
 参加者たちは、封鎖の解除と即時停戦のスローガンを訴えた。

 この抗議行動の日、極右は力ずくでデモを粉砕するために動員をかけた。警察は暴動の阻止に極力、努め、ラビン広場からシネマテックまでの1マイルの行進は比較的平穏に運んだ。しかし、参加者が警察との合意に基づき解散し始めたとき、暴徒の一大群集が彼らを攻撃し始めたのだった。警察は、それまで両陣営を近づけさせないようにしていたのだが、その場から姿を消した。暴徒たちはこのあと、デモ隊の最後尾の参加者たちを取り囲み、嫌がらせをし、小突き回した挙句、最後のデモ参加者たちの何人かがシネマテックに逃げ込むと、これを包囲した。彼らは建物の内部に押し入ろうとし、デモ参加者を「片付けてやる」と脅したが、最後の瞬間、何人かの警官が到着し、入り口を守った。暴徒たちは長いこと、その場を立ち去らなかった。

 このような状況で、行進の最後に予定されていた市民集会を開くことができなかった。スピーチもなされなかった。以下は、ウリ・アヴネリがグシュ・ シャロームを代表してするはずだったスピーチの翻訳である。

彼らは私たちのことを裏切り者だという。
彼らは私たちのことをイスラエルの破壊者だという。
彼らは私たちのことを犯罪者だという。

だが、私たちこそ彼らに言おう:
犯罪者とは、
この犯罪的かつ無益な戦争を始めた者たちだと。

無益な戦争、
なぜならカッサーム〔ロケット〕を止めることは可能だったから、
ガザの150万の住民たちに対する封鎖を政府がやめさえすれば。

犯罪的な戦争、
なぜなら、なによりもまず、これは公然にして恥知らずにも
エフド・バラクとツィピ・リヴニの選挙戦の一部だから。

私は告発する、エフド・バラクを。
彼はイスラエル国防軍の兵士たちを利用したのだ、
国会の議席数をふやすために。

私は告発する、ツィピ・リヴニを。
彼女は双方が殺戮しあうことを支持したのだ、
自分が首相になるために。

私は告発する、エフド・オルメルトを。
彼は自分の腐敗と汚職を糊塗しようとしたのだ、
破滅的な戦争を利用して。

私は彼らに要求する
この法廷から、
ここにいる勇気と分別に満ちた聴衆を代表して:
戦争をすぐにやめろ!
私たちの兵士たちや市民たちの血を無益に流させるな!
ガザの住民たちの血を流させるな!
地上部隊の侵攻がもたらすのは
さらなる悲惨
相互の殺戮
そして、さらにおぞましい戦争犯罪!
この戦争が終わったら、
いかなる将軍も、逮捕されるという恐怖と無縁に、
ヨーロッパの土を踏むことはできない。

ほかに道はないのだと、 私たちは言われているが、
それは嘘だ!!!
停戦は可能なのだ、今ですら、
そう、まさにこの瞬間にも、
殺人的な封鎖を解除することに同意して、
ガザの人々が尊厳をもって生きることを認め、
ハマースと対話するならば。

聞いてほしい、南部の人々、
スデロット、アシュドッド、 ビールシェバの人々よ、

私たちにもあなたがたの苦しみは分かるー
あなたがたとともに暮らしてはいないけれど、
私たちにはよく分かる。
だが、私たちは、
この戦争があなたがたの状況を変えはしないということもまた、
分かっている。

政治家たちはあなたがたを利用しているのだ、
政治家たちは、あなたがたおぶさって、戦争を指揮しているのだ、
あなたがたも分かっているはずだ!

私は要求する、オルメルト、バラク、リヴニに:
兵士たちをガザに送るな!
お前たち3人みな、戦争犯罪人として告発されるだろう!
お前たち3人みな、この代価を支払うだろう!

今、お前たちに敬礼しているイスラエルの大衆は
明日、お前たちを罰するだろう。
第二次レバノン戦争で起こったことが、
今度もまた起こるのだ。

そしてここに立っているみなさん、
女たちも男たちも、
若者も老人も、
ユダヤ人もアラブ人も、
この身の毛のよだず戦争に
最初の日から、
最初の瞬間から、
孤立し毒づかれながら、
抗議していたあなたたちこそが、本当の英雄だ!
誇りに思ってください、 心から誇りに。
あなたがたは、ヒステリーと無知の嵐の只中に
立っているのだから、
その風に吹き飛ばされることなく!
家のなかだけでなく、ここ、街頭においても、
正気を失うことなく!
世界じゅうの何百万という人々があなたがたに敬意を表しています。
あなたがた一人ひとりに。
一人の人間として、一人のイスラエル人として、一人の平和を求める者として、
私は今日、ここにいることを誇りに思います。

原文はこちら;
http://zope.gush-shalom.org/home/en/events/1231029668

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イスラエル、学校を攻撃、42人殺害

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  イスラエルによる地上戦が始まって以来、パレスチナ人の犠牲者は増え続け、死者は635人、負傷者は2,900人に達した。

 日々入ってくるガザの惨状についての報道を見ると、胸が苦しくなるし、イスラエルに対する怒りがわき起こってくる。それは、そのイスラエルの蛮行を支持するアメリカ政府、イギリス政府、そして、沈黙することで、暗に、米英、イスラエルの側に立っている日本政府にも向かっていく。

 もちろん、アラブ連盟やEU、国連などが、停戦に向けた調停に動いているのであるが、イスラエルの攻撃は止まない。しかし、一刻も早く攻撃を止めなければ、パレスチナ人は、まさにホロコーストの犠牲者のように、存在の危機に到達する。

 ハマスと対立して、ヨルダン川西岸のみを支配するようになったファタハ政権下にあるパレスチナ人もまた、同胞が置かれている苦難をもたらしているイスラエルへの憎しみ、怒りを募らせていることは、容易に想像される。

 それは、イスラエルによって抹殺されようとしている被抑圧民族であり、搾取され、人権を踏みにじられてきたパレスチナ人の境遇に思いを寄せ、その苦難に思いを寄せ、かれらに友情を感じる世界の人々にとっても同じだろう。

 そのようなパレスチナへの人々の連帯の輪を広め、イスラエルに停戦を迫っていく国際世論の圧力を作っていくのに、このブログがささやかながら、貢献できればと思う。

 

米、「長期停戦」の条件そろわず=パレスチナ政府と温度差

 【ニューヨーク6日時事】パレスチナ自治区ガザの情勢をめぐる国連安保理会合が6日開かれ、アッバス自治政府議長は安保理に即時停戦決議の採択を求めた。だがライス米国務長官はイスラム原理主義組織ハマスの対イスラエル攻撃終結を保証する枠組みが必要と強調。「長期的停戦」の要件は満たされていないとの考えを示唆した。
 アッバス氏はイスラエル軍による学校攻撃を「憎むべき犯罪」と非難し、「侵略の即時全面停止」を求める決議採択を要請。これに対しライス氏は「ハマスに再武装を許さない」形での停戦を唱え、その条件としてハマスによるロケット弾攻撃の停止やガザへの武器密輸根絶などを挙げた。(2009/01/07)

 イスラエル軍がガザ・難民キャンプの学校攻撃、死者42人(2009年1月7日『読売新聞』)

 【エルサレム=久保健一】パレスチナ自治区ガザからの情報によると、ガザ北部ジャバリヤ難民キャンプにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)運営の学校が6日午後(日本時間同日夜)、イスラエル軍の戦車部隊による砲撃を受け、少なくとも42人が死亡した。攻撃が、空爆だったとする報道もある。

 学校は、先月27日のイスラエル軍の空爆開始以来、住民の避難場所になっており、女性や子どもなど民間人数百人が避難していたという。建物のがれきの下には、まだ多くの人が埋まっており、犠牲者がさらに増える恐れがある。

 6日午前にも、最大都市ガザ市と南部ハンユニスのUNRWA運営の学校2校が空爆を受け、AFP通信によると両校でパレスチナ人計5人が死亡した。

 地上作戦を続けるイスラエル軍は6日、5日夜の最大都市ガザ市への侵攻に続き、ハンユニスにも地上部隊が進軍。ガザ全域で、イスラム原理主義組織ハマスとの市街戦に突入する形となった。同通信によると、先月27日の空爆開始以来の死者は635人に達し、負傷者は2900人を超えた。

 

イスラエル軍によるガザの学校砲撃、国連事務総長が非難声明(2009年1月7日『読売新聞』)

 【ニューヨーク=白川義和】潘基文(パンギムン)国連事務総長は6日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)運営の学校がイスラエル軍の砲撃を受け、多数の市民が死傷したことに対し、「国連施設の位置はイスラエル当局に通知していた」として、「攻撃は容認できず、繰り返されてはならない」と非難する声明を発表した。

 潘氏はまた、6日の安保理会合で、イスラエルやパレスチナ自治区など中東を来週訪問し、調停を進める考えを示した。

 

ブッシュ大統領、ハマスを批判 オバマ氏論評せず(『読売』2009年1月6日)

 【ワシントン=梅原季哉】ブッシュ米大統領は5日、ホワイトハウスで記者団に対しガザ情勢について発言し、「現状を招いたのはハマスだ。ガザの人々の境遇を考えずに、罪のないイスラエル人を殺害するためのロケット発射にガザを使うことを決めた」とハマスを批判した。

 昨年末にイスラエルが軍事行動を始めて以来、ブッシュ氏が記者団に対して自分の考えを述べたのは初めて。さらに「いかなる停戦であっても、ハマスがガザをロケット発射基地に使うことがないようにする条件が含まれなければならない」と述べ、まずハマスが攻撃を停止しない限り停戦はありえないとする米政府の見解を繰り返した。

 一方、この日ワシントン入りしたオバマ次期大統領も記者団からガザ情勢についての見解をただされたが、「外交に関する限り、現職の大統領は常に1人だけという原則を順守するのが大切だ」と述べ、就任前の論評を控える姿勢を示した。

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英米日はイスラエルへの加担を止めよ!

  イスラエルによるガザへの攻撃は、10日を超え、地上戦突入から2日がたった。パレスチナ人の死者は400名を超え、負傷者も2000人を超えた。

 国連はじめ調停の動きが活発化してきたが、益岡賢さんのホームページにある以下の翻訳記事http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/ は、イスラエルが独立以来、一貫してパレスチナの主権を認めてこなかったことを、明らかにしている。

  イスラエル建国以来、英米は、イスラエルを、中東・アラブへの出先機関としてしてきたのであり、同時に、イスラエルは、英米の後ろ盾によって、その権益を確保してきたのである。この両者によって、搾取・収奪されてきたのがパレスチナ人であり、アラブ人なのである。そして、イスラエルは、『聖書』に書かれた神話上の旧イスラエル領土を獲得するなどの理屈を唱えて、パレスチナやアラブの土地や資源を奪ってきたのである。つまりは、侵略してきたのである。イスラエルの中には、もともと、イラクのあたりまで含めて、ユダヤ人の土地だったなどと唱える者もいる。いずれにしても、それは、イスラエルの野望を正当化するだけのもので、特に、ホロコーストを神話化して、世界に広めることでそうしているのである。

 1月5日のyusukeさんのコメントが、「ユダヤ人はこの世で唯一ホロコーストを経験したはずです、彼らはその経験と歴史からいったい何を学んだのでしょうか。世界中からホロコーストは許せないとユダヤ人を保護したはずです、今回は全く逆にナチユダヤを非難し国際社会がパレスチナ人を保護すべきではないでしょうか」と書いているとおりで、イスラエルは、被害者性を意図的神話的に強調することで、自らのパレスチナ人虐殺、それこそホロコーストと言ってもいいような野蛮を正当化しているのです。

 それに対して、日本はかつてアジア侵略をしたのだから、イスラエルを批判してはならないというようなことを言う人がいますが、こういう人は、問題を混同しており、そして、自らの立場を、民族という一面に限っています。民族であると同時に人間でもあり、労働者でもあり、市民でもあり、性でもあり、個人でもあり、我々でもある、・・・。われわれの多様なあり方の一面を抜き出して、それのみを選択してものを言っているのです。

 なるほど、日本国家は、かつて、ユダヤ人のホロコーストを行ったナチス・ドイツと手を組み、そして、アジアを侵略した。それに対して、日本は、正面から向き合って、公式の真の謝罪と補償を実現できていない。それを解決してからでなければ、イスラエルによるパレスチナ人への虐殺攻撃を非難できないとするならば、われわれは、自らの内からわき起こる正義感や被害者に対する犠牲者に対する同情や弱者への連帯の感情を抑圧しなければならない。それは頭でしかできないから、情を抑えるしかないことになる。これは苦しいことだ。しかし、これらは両方ともやらねばならないことであり、一方によって他方を抑制すべきというものではないと考える。

 日本政府は、公式にアジアに対して、過去の侵略を謝罪し、補償すべきだ。それは、欧米だって同じである。しかし、だからといって、イスラエルによるパレスチナ人虐殺・抹殺を批判できないということになるだろうか? 私は、そうはならないと考える。過去の侵略への反省が日本政府に明確にないために、そして田母神発言のようなことを言う奴が自衛隊幹部にいるというようなこともあって、アメリカが後押しするイスラエルによるパレスチナ人虐殺・抹殺に、事実上、日本が荷担するかっこうになってしまっている。政府がどうあれ、すでに過去を総括し、そうした間違いを二度と繰り返さないという立場に立つ個人や団体が、その立場から、イスラエルによるパレスチナ・アラブ侵略を許さないと言うことは、過去の帝国主義支配への反省の上に立ち、そうではない日本政府とは違う立場で、新しい世界の人々との国際友好、国際的友情を育てることになる。だから、イスラエルとアメリカに対して、即時停戦やパレスチナ人の救済を求めない日本政府は、これに事実上荷担しているのであり、パレスチナ側に立って、この非道を非難する人々は、そういう日本政府をも同時に批判することになるのである。

 イスラエルが日本より国家として小さいからといって、弱小国家でないのは、軍事的政治的経済的に支援する英米大国の巨大な後ろ盾を持っているからである。イスラエルが核兵器を持っていることは公然の秘密であり、それも、英米政府によって黙認されているのである。アメリカは、パキスタンとインドの核保有を事実上、公認してしまったようにである。世界のルールを自己の利益のために、なし崩しにし、自由にし、世界を何度も滅ぼせるだけの核兵器を持つアメリカの後ろ盾があって、イスラエルは、パレスチナを侵略し、中東の覇権国家、強国たらんとしているのである。

 イスラエル政府は、直ちに、パレスチナ人への虐殺を止めよ!
 英米日はイスラエルへの加担を止めよ!

アラブ側、新停戦決議起草へ=ガザ情勢の国際監視盛る-国連

 【ニューヨーク5日時事】パレスチナ自治区ガザでの戦闘収拾のため国連を訪れているアラブ連盟の閣僚級代表団は5日、潘基文事務総長らと協議を重ねた。アラブ側とフランスは、米国などの反対で安保理で採決できずにいる停戦決議案に代わり、戦闘の即時停止に加え停戦を監視する国際的枠組みを定めた新決議案を作成する。(2009/01/06)

ガザ市でハマスと激戦=戦車が誤射、兵士3人死亡-イスラエル軍

 【エルサレム6日時事】パレスチナ自治区ガザ市東部で5日夜、イスラエル軍とイスラム原理主義組織ハマスが激しい交戦を繰り広げた。ハマス側は同市のシェジャイヤ地区で戦車7台にミサイル攻撃を行い、イスラエル兵10人を殺害したと主張。これに対し、イスラエル軍報道官は、ガザ北部で自軍戦車の誤射により精鋭部隊「ゴラニ旅団」の兵士3人が死亡、24人が負傷したと発表した。
 AFP通信が同地区住民の話として伝えたところによると、イスラエル軍は地上部隊支援のヘリコプターからハマスのメンバー数十人に機関銃で攻撃を加えた。ハマス側は同部隊に爆弾で反撃したとみられ、現場では爆発音とともに大きな火の手が上がったという。(2009/01/06

イスラエルにはパレスチナ国家を認める意志はまったくない
ハマスは存在しなかった・・・
2009年1月2日
ジェニファー・ローウェンスタイン
CounterPunch原文

  一点だけ、誤解のないように完全にはっきりさせておきたい。ガザの全面切断と分解が続くならば、イスラエルの意図が米国の意図と同じならば、欧州連合とロシアと国連、そして世界中に広がる国際機関と国際組織が中空のマネキンのようにただ座って「双方」への「停戦」を繰り返し「呼びかける」以外に何もしないならば、世界最大の脅迫いじめ超大国がワシントンから気に入らないことを言う奴がいないかどうか目を光らせている中で、臆病で卑屈で無気力なアラブ諸国が同胞が時間単位で虐殺されていくことに黙ったままならば・・・・・・少なくとも、一体全体どうしてこんなひどい事態が起きているかについて、真実を告げておこう。

  現在、ガザ地区に空と地上からイスラエルが加えている国家テロは、ハマスとはまったく何の関係もない。「テロ」とも無関係である。ユダヤ人国家の長期的「安全」にも、ヒズボラーにも、シリアにも関係ないし、イランにも今日の危機に至る状況を悪化させたという以外は関係ない。また、魔法のように呼び出された「戦争」----使い古しの皮肉な婉曲表現で、その意味は、主権を主張し、自分たちの資源は自分たちのものであるとあえて断言し、自分たちの選ばれた土地に帝国の醜悪な軍事基地を望まない生意気な民族を全面的に奴隷化するという程度のものである----とも無関係である。

  現在の危機は、自由や民主主義、正義や平和ともまったく関係がない。マフムード・ザハルにもハリッド・マシャルにもイスマイル・ハニエ[いずれもハマスの指導者]にも関係ないし、ハサン・ナスラッラー[ヒズボラの議長]やマフムード・アフマドネジャド[イラン大統領]にも関係がない。彼らは皆、61年にわたり状況が今日の破局にいたるまで醸成され続けてきた結果生じた現在の大荒れ状況のなかでチョイ役を手にしただけである。イスラム原理主義という要素は危機の状況に彩りを添えてきたし、これからも彩りを添えるだろう。確かにイスラムは現在の指導者たちを惹きつけてきたし、世界中で多くの人々を動員してきた。モスク、コーラン、預言者モハマドやジハードへの言及など、今日、イスラムは重要な象徴となっている。けれども、それらの象徴がなくなったとしても袋小路は続くだろう。

  かつては、ファタハとPFLPが話題の中心だった。イスラム主義の政策や政治にパレスチナ人がほとんど誰も関心を持たない時代があった。イスラム主義の政治は、国境を越えて飛ぶ旧式ロケットとも、秘密の出入りトンネルとも、闇で取引された武器とも関係がない。アラファトのファタハが石や自爆とほとんど無関係だったのと同様である。両者のつながりは偶然のもので、一定の政治的状況が作り出したものに過ぎない。イスラム主義は、嘘つきの政治家やアナリストたちが話すこととはまったく異なる現実がもたらしたものなのだ。それは、今日の中東で人々が引き起こす出来事の風景の一部をなしているが、まったく同様に致命的な、あるいは同様に頑固で、必死の、怒れる、手に負えない出来事は、いずれにせよ起きてしかるべきものだったのである。

  奴隷と化したメディアと自発的に公僕を買って出る惨めな集団が垂れ流すクリシェと空疎なニュースピークの装いを剥ぎ取るならば、覇権への露骨な願望、そして弱者に対する権力の行使と世界の富の支配への露骨な欲望が姿を表す。さらに醜悪なことに、洗練されたジャーゴンと磨きをかけた学術的理論により我々が懸命に隠蔽しようとしてきた我々自身の身勝手さと憎悪、無関心、人種差別主義と偏見、利己主義と亨楽主義こそが、その下劣極まりない醜悪な欲望を実際に導いていることを見出すだろう。我々がそれに耽りながら示す無関心は我々の文化そのものに特有のもので、今や死体にたかる蝿のように跋扈している。

  我々の利己的かつ破壊的な欲望により犠牲になった人々の現在の象徴と言葉遣いを一皮剥けば、抑圧された人々の実直な、感情のこもった、ずっと変わらぬ叫びが、子どもや家や家族や村に対する冷酷な攻撃を止めるよう嘆願する「地に呪われたる者」たちの声が、漁やパン作り、オレンジやオリーブやタイム作りを邪魔しないよう懇願する声が、聞こえるだろう。その声は最初は丁寧だが、祖先からの土地に平静に暮らすことを我々が許さないのはどうしてか、次第に不審が高まってくる。どうして搾取の恐れなく、追放の恐れなく、強奪や破壊を被る恐れなく暮らすことができないのか? 許可証も道路封鎖も検問も妨害もなく、奇怪なコンクリート壁も監視塔もコンクリート壕も鉄条網もなく、戦車も監獄も拷問も死もない世界で平穏に暮らすことが否定されるのか? それらの政策や道具なしに暮らす生活がどうして不可能なのか?

 その答えは、イスラエルには、隣に主権を持ったパレスチナ国家の存在を認める意図がまったくないという点にある。1948年、イスラエルが、国連決議181で合法的に----ただし不公平に----割り当てられたよりも24%多い土地を収奪したときも、イスラエルにはパレスチナ国家の存在を認める意図はなかった。1950年代にパレスチナ人を虐殺し策略を講じていたときもその意図はなかった。1967年に歴史的パレスチナのさらに22%を収奪したときもイスラエルには、二国家を認める意図はなかった。さらに、最近占領した土地から撤退しさえすれば、国際的に保証され認められた国境の中でイスラエル国家は国際的に完全に認証されるという圧倒的な国際的合意があったにもかかわらず、イスラエルは国連安保理決議248を自分の都合のよいように再解釈した。

  1974年の国連の場でも、イスラエルにはパレスチナの民族的権利を認める意思はまったくなかった。このとき、イスラエルは米国とともに、二国家解決に反対票を投じた唯一の国だったのである。エジプトが包括的な和平調停を提案して、結局はパレスチナ人の権利および中東地域の人々の権利を除外し、単独で和平を従順に受け入れたときも、イスラエルは包括的和平を受け入れようとはまったくしなかった。1978年と1982年、手間をかけずに西岸を併合するためにベイルートを侵略して爆撃し、爆破し瓦礫の山にしたときも、イスラエルには公正な二国家解決へ向けて努力する意図などまったくなかった。1987年、イスラエルに占領されたパレスチナの地で第一次インティファーダが広まり、ディアスポラの人々や世界中の土地を奪われた人々の心に浸透したときも、イスラエルはパレスチナ国家を認める意図は持たなかったし、パレスチナにおける非宗教的な民族主義的勢力の力を弱体化させるために新たに組織されたハマスの運動を意図的にイスラエルが支援したときも、パレスチナ国家を認める意図は持っていなかった。

  PLOに取って代わった、ぶるぶる震える売国奴のパレスチナ自治政府----その多くがイスラエルの与えた富や名声に飛びついて同胞を犠牲にした----が登場したマドリッドやオスロでも、イスラエルはパレスチナ国家を認めようとはしなかった。イスラエルは、一方で世界中の衛星放送やマイクに向けて平和と二国家解決を望んでいるとの宣伝をまき散らしながら、他方で西岸の内部と東エルサレム周辺に不法なユダヤ人の入植地を倍増させ、パレスチナの地にある都市や村を分断するようにバイパス道や高速道路などの上部構造を建築し続け、土地を併合した。イスラエルはまた、ヨルダンとの国境であるヨルダン渓谷を併合し、そこに住む「現地人」をすべて追放した。イスラエルは腹黒い言葉を遣い、正義と平和、治安の名のもとにパレスチナをずたずたに分断し、今やその頭部を胴体から切り離そうとしている。

  家屋を破壊し、市民社会を破壊して、パレスチナの歴史と文化を忘却の谷に突き落とそうと試み、第二次インティファーダの際に難民キャンプを包囲しインフラを爆破して言葉にできないほどの破壊を加え、暗殺と略式処刑を加え、壮大な撤退劇の茶番を演じ、自由で公正で民主的なパレスチナ選挙を無効なものとして拒否することで、イスラエルは繰り返し繰り返し自らの見解をあたうる限り強い言葉----軍事力の言葉、脅迫と威嚇の言葉、いやがらせと中傷と名誉毀損の言葉----で表明してきた。

  米国の無条件の支持を取り付けているイスラエルは、世界中に向けて、繰り返し繰り返し、その行為の一つ一つを通して何度も何度も、国境を接した場所にパレスチナ国家の存在を認めはしないことを徹底的に明らかにしてきた。世界中の人々が真実に耳を傾けるために何が必要なのだろう? 「国際社会」の犯罪的な沈黙を終わらせるために何が必要だろう? 嘘と洗脳の幕の向こうに、世界の人々の目前で毎日毎日起きていることを見るためになにが必要だろう? イスラエルが加える攻撃が恐ろければ恐ろしいものであるほど、その語る言葉では平和をますます強く打ち出すようになる。現実に耳を澄まし目を凝らすことなくニュースを見聞きしていれば、無関心と無知と共謀が続くばかりで、死者が増えるごとに我々の集団敵恥辱も深まる。

  ガザの破壊はハマスとは無関係である。イスラエルが、パレスチナの領土に自分が支配できない政府を認めることはない。イスラエルの要求に従わない個人や指導者・グループ・運動、真の主権獲得と中東地域のすべての国家の平等を求める個人や指導者・グループ・運動、そして自民族/国民に国際人道法と世界人権宣言の適用を求める政府や大衆運動は、それがどんなものであれすべて、イスラエルというユダヤ人国家にとっては受け入れられないものなのである。一国家を夢見る人々は、イスラエル国境に暮らすパレスチナ人に対して時々刻々とは言わないまでも毎日のように人道に対する罪をイスラエルが犯している中で、イスラエル内にいる400万人のパレスチナ人にイスラエルがどう振る舞うか自問せざるを得ない。パレスチナの領土が完全にイスラエルに併合されたとき、イスラエルの態度が変わる理由、自ら主張する目的があるとでも言うのだろうか?

  パレスチナ民族運動の血が、今日、ガザの路上に流れている。路上に落ちる血の一滴一滴が、復讐と敵意、憎しみを、パレスチナにおいてだけでなく中東そして世界中に育むだろう。この事態を続けるべきか止めるべきかの選択は我々の手の中にある。選択を行うときが来ている。

  ジェニファー・ローウェンスタインはウィスコンシン大学マディソン校中東研究プログラムの副所長。メールはamadea311 at-here earthlink dot net.

    「イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開」に続き、イスラエルが現在ガザに加えている攻撃の性格を把握するための背景情報として訳出してみましたが、原文の記述にパレスチナの状況を既に知っている人以外には分かりにくい部分があること、また、原文を彩る感情およびレトリックを訳文でうまく反映しきれていないことから、少し散漫な印象を与える翻訳文になってしまいました。

    以下では、何点か、まとまらないながらも補足を試みます。

    1. 占領

    状況を理解するためには、何よりもまず、イスラエルによるパレスチナ占領の状況を理解する必要があります。拙訳『占領ノート 一ユダヤ人が見たパレスチナの生活』(現代企画室)に掲載され、パレスチナ情報センターさんからクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで入手できる次の地図が、占領の実態をよく示しています。

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 とりあえず上段真ん中の、(それ自体公正であるとは決して言えない)1947年の国連分割案を起点として見ると、現在、イスラエルがどれだけ不法にパレスチナの地を占領しているのかが、はっきりとわかります(下段左)。

    イスラエルによるパレスチナの地の不法占領が最大のそして根本の問題としてあります(関連する記事として「占領と「テロ」」を参照)。

    2. これは、イスラム過激派テロ組織に対する自衛の戦いだ

    ローウェンスタインも書いているように、また「イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開」にもあるように、イスラエルはハマスが登場するはるか前、60年も前から、必要に応じてそのときどきに都合のよい理由を作り出しながら、パレスチナ人への攻撃を続けてきました。

    全面攻撃だけでなく、暗殺や拉致なども頻繁に行って来ました。作家のガッサン・カナファーニーは1972年、ベイルートでモサドに暗殺されていますし、著名なパレスチナ人政治家バッサム・シャカアはイスラエルが彼の車に仕掛けた爆弾により両足を失っています。米国のパレスチナ系文芸批評家エドワード・サイードもイスラエルの暗殺リストに名が載っていました。

    イスラエルは不法占領を継続し占領地を拡大するために、繰り返し武力・暴力に訴えており、その正当化のために、そのときどきに都合のよい理由を作り出しています。ブッシュの「対テロ」戦争以降、「イスラム過激派ハマスに対する自衛」といった言葉が繰り返されていますが、この「XXXに対する自衛」という言葉は「XXX」を置き換えつつ、イスラエルが武力に訴えるときにずっと使ってきたものです。

    また、現在のイスラエルによるガザ攻撃で犠牲になっている人々の圧倒的多数は子どもを含む民間人です。学校やモスク、住宅が爆撃で破壊されていることからも、これが、これまでイスラエルが占領を維持・拡大するために繰り返してきた、パレスチナの人々に対する侵略攻撃の一環であることがわかります。

    「入植運動の父」と呼ばれ、とくにガザへの入植を推し進めてきたイスラエルのアリエル・シャロンは、2005年にガザから7000人の入植者引き揚げを行いましたが、これと引き換えに、シャロンはブッシュから、以下の了承を手にしています。

       1. ほとんどすべてにわたる、西岸地区入植地の永久存続(不法占領の永続化)
       2. イスラエル建国にともない発生したパレスチナ難民の帰還権の放棄
       3. 西岸での隔離壁の建設
       4. 暗殺攻撃を含めた、パレスチナ抵抗勢力への攻撃

    つまり、イスラエルによる不法占領を維持・推進するための武力テロをブッシュが認めているわけです。当事者であるパレスチナの人々を無視したこうした取引は、植民地主義時代のアフリカ分割が、その地域を訪れたこともない欧州各国によって進められた事態を思い起こさせるものです。

    3. 「ハマスが先に手を出した」

    すでに上記「1」と「2」から、イスラエルによる攻撃の「原因」を、ハマスによるロケット攻撃に求めることがイスラエルに都合のよい恣意的な判断に過ぎないことは明らかですが、いくつか、関係する事実を上げておきます。

       1. 2008年2月27日からの数日、イスラエル軍はガザを攻撃しています。ガザのジャバリヤでサッカーをしていた子供たちが戦闘機から撃たれて死亡しています。このときの犠牲者は100人を越えました。
       2. 2008年6月からイスラエルはガザの封鎖を強化し、食料や水、医薬品といった基本物資さえ不足する状況をガザにもたらしています。国連人権特別調査者リチャード・フォーク教授は、これを「国際人道法に対する重大で巨大な違反」だと述べています。
       3. ガザへの攻撃が、6カ月前から純美されていたことが明らかになってきています。

    これらが示しているのはやはり、今回のイスラエルによるガザ攻撃が、占領の継続と拡大、パレスチナに対する侵略戦争の一環であるということです。「イスラム過激派ハマス」を持ち出すのは、イラクで米国が一時期「ザルカウィ」をしきりに口実に使っていたのに似ています。

    4. ユダヤ人虐殺の記憶を呼び起こすこと

    イスラエルによるパレスチナ侵略に反対の声をあげると、「ナチスによるユダヤ人虐殺への考慮/配慮」がないと指摘する人が出てくることがあります。過去に悲痛な経験をした民族は、無関係な人々を攻撃しても、過去の経験分、配慮がなされてしかるべき、ということだとすると、例えば北朝鮮による拉致問題にも同様のロジックが適用されことになります。

    通常、このような意見が出てくるのは、虐殺行為を正当化するためであり(ギルティ・コンプレックスに訴えて欧州の「進歩派」知識人を沈黙させるときによく使われます)、そのようにユダヤ人の被害を持ち出すことは、むしろユダヤ人虐殺という出来事をユダヤ人のみの経験に限定することで他の人々による責任を軽減することにも繋がってしまいます。

    それが、現在起きている非人道的行為の容認に繋がることほどおぞましい皮肉は少ないのではないでしょうか。

    5. 「あれかこれか」

    今、日本国内で、派遣切りにあって住むところを失った人々やホームレス、ワーキングプアの問題がますます大きくなっています。住む所のない人々の越冬は身近な、そして緊急の問題です。そんな中で、「パレスチナという遠くの出来事にかかずらっているときか」という批判が出ることがあります。

    確かに、自ら身を切るような困難に面しているとき、周囲の人が自分には目を向けずに遠くのことに「だけ」目を向けているのを見ると、孤独感も大きくなるでしょう。けれども、「パレスチナという遠くの出来事にかかずらっているときか」という批判は、二つの点でポイントを逸しています(むろんこのように言うこと自体、緊迫感から一歩引いた発言なのですが)。

       1. 「あれかこれか」ではなく「あれとこれと」という立場があることを、その批判において認めていないこと。もちろん、表に現れたコミュニケーションの範囲では「あれかこれか」の立場で「これ」でなく「あれ」を取っているように見えることも多々あるでしょうが、実際に話してみると、むしろ「あれとこれと」を考えている(あるいは少なくとも考えようとしている)人がほとんどでしょう。それでも「あれもこれも」はできない人。「あれかこれか」を前提に「これ」をしない人を否定するより、「あれとこれと」のネットワークを作っていく方が生産的です。いずれにせよ、一人ですべてをできるわけではないのですから。
       2. もう一つ、拙速に「根は同じ」というのも危険ですが、今、パレスチナで起きていることと日本で起きていることには、構造的な対応関係があると同時に、間接的にではありますが、実際の関連も存在しています。パレスチナ/イスラエルという枠を取り去って(そうするとパレスチナ/イスラエル関係の固有性が失われるのでそれはそれで危険ですが、暫定的に)事態を見るならば、生活できない状態に不正に追いやられた人々の抵抗とそれに対する大規模な弾圧という図式が現れます。これは、現在日本国内で大量に生み出されている派遣労働者と企業の都合による勝手な派遣切り、そして例えば麻生邸見学ツアーに対する不当弾圧に見られるような弾圧の強化と同じかたちをしています。

    慌てて書いたので少し雑ですが、暫定的な補足としてアップしておきます。

    ……………………………………

    イスラエルはガザへの地上攻撃を開始しました。核とミサイル防衛にNO! キャンペーンを主催する杉原さんから、自宅からでもできる行動の提案がありましたので、一部編集・整形してご紹介します。

    ■ イスラエル大使館・米国大使館への抗議

    イスラエル大使館 [広報室/文化部](FAX)03-3264-0792
    (駐日イスラエル特命全権大使 ニシム・ベンシトリット)

    アメリカ大使館 (FAX)03-3505-1862
    (J・トーマス・シーファー駐日米国大使)

    FAXにて、日本語でOKです。

    ■ 国際刑事裁判所(ICC)によるイスラエル当局の訴追を実現するよう働きかけてください!

    【要請先】

     麻生太郎首相
     [首相官邸]  (FAX)03-3581-3883(1月4日現在不通)
     [国会事務所] (FAX)03-3501-7528
     首相官邸「ご意見募集」
     中曽根弘文外相            (FAX)03-3592-2424
     小沢一郎(民主党代表)        (FAX)03-3503-0096
     鉢呂吉雄(民主党ネクスト外相)    (FAX)03-3593-7272
     犬塚直史(民主党ネクスト外務副大臣) (FAX)03-5512-2318
     志位和夫(共産党委員長)       (FAX)03-3508-3735
     福島瑞穂(社民党党首)        (FAX)03-3500-4640
     田中康夫(新党日本代表)       (FAX)03-5512-2416
     太田昭宏(公明党代表)        (FAX)03-3592-1019
     綿貫民輔(国民新党代表)       (FAX)03-3504-2569

    【働きかけの文案例】

    国際刑事裁判所によるイスラエル当局の訴追を実現するよう働きかけてください!

    イスラエルによるガザへの封鎖と爆撃、地上侵攻は、国際人道法(ジュネーブ条約など)に対する重大かつ巨大な違反です。国連人権理事会のパレスチナ地域特別報告者であるリチャード・フォーク教授は、集団懲罰、民間人の殺害、過度の軍事的反応などを挙げて、イスラエルの行為が人道に対する罪や戦争犯罪を構成することを証言しています。病院をはじめとする民生施設さえ爆撃されています。

    イスラエルを非難するだけでなく、実効性のある具体的な働きかけが緊急に必要です。国際刑事裁判所(ICC)は、そのための手段にもなり得ます。ICCは緊急にこの件を捜査し、イスラエル当局を訴追すべきです。それはイスラエルに攻撃をやめさせる圧力になるでしょう。国連安保理は、スーダンのケースと同様にイスラエルの犯罪をICCに付託すべきです。

    そして、国連人権理事会の理事国であるとともに、ICCにも加入している日本政府は、そのための積極的な外交こそを今すぐ展開すべきです。常任理事国をはじめとする安保理各国に対して、ICCへの付託を実行するよう要請することが必要です。

    地上侵攻が開始され、殺りくの拡大が危惧されます。事態は一刻の猶予も許されません。即時停戦の実現とICCによるイスラエル当局の訴追に向けて、ぜひ具体的な働きかけをお願いします。

    ……………………………………

    なお、国際刑事法を専門とする前田朗氏によると、イスラエルはICC規程の署名手続きは行ったものの署名を撤回している点でブッシュの米国と同じパターン。したがってICCでの裁きを実現することは困難のようですが、前田朗氏は、それでもこの運動は政治的・人道的・国際法的に重要であるとコメントされています。

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計画的なガザ攻撃、パレスチナ人虐殺を許すな!

 以下は、「パレスチナ情報センター」に3日付で掲載された「(ガザ空爆関連:翻訳)6カ月前から極秘裏に準備が進められていたガザ全面攻撃」
http://palestine-heiwa.org/news/200901030059.htmという記事である。

 これによると、拙稿が指摘したとおり、イスラエルは今回のガザへの攻撃を半年前から準備を進めていたのである。

 地上戦においては、民間人が巻き込まれていくことは、イラクにおいても明らかであり、ガザもまた、イラク的な状態になることが予想される。この戦闘を、レバノン南部に拠点を置くヒズボラ、周辺諸国に大勢いるアラブ志願兵予備軍、そして、イラン、シリア、等々が注視している。

 ロシアのメドヴェージェフ大統領は、イスラエルのオルメルト首相に対して、攻撃の即時中止と、中東和平のための4者協議(ロシア、米国、欧州連合、国連)の枠組みの中で和平を実現するよう求めた。国連は、イスラエルを支持するアメリカによって身動き取らない状態に置かれている。日本は、蚊帳の外である。

 イスラエルの蛮行を止めなければ、パレスチナ人の犠牲者は増え続ける。イスラエルは直ちに虐殺攻撃を中止せよ!

 

ロシア大統領、イスラエル首相に「即時停戦」求める(『朝日新聞』2009年1月5日)

 【モスクワ=副島英樹】ロシアのメドベージェフ大統領は4日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻などを巡りイスラエルのオルメルト暫定首相と電話で協議し、多数の市民の犠牲や深刻な人道状況に懸念を表明し、即時停戦の重要性を強調した。ロシア大統領府が明らかにした。

 電話協議でメドベージェフ大統領は、ロシアは国連安全保障理事会や、中東和平のための4者協議(ロシア、米国、欧州連合、国連)の枠内で、事態の正常化に向けて国際社会と協力を続けていると伝えた。大統領府によると、電話協議はイスラエル側から話があったという。

 

ガザ中心部で戦闘、民間人64人が死亡 保健省が推計(『朝日新聞』2009年1月5日)

 【エルサレム=村上伸一、井上道夫】パレスチナ自治区ガザへ3日夜に地上侵攻したイスラエル軍は、5日もガザ中心部でイスラム過激派ハマスの戦闘員と銃撃戦などを展開した。AP通信によると、ガザの保健省の推計で地上戦による民間人の死者は64人。先月27日の空爆開始以来の死者は計512人に上った。イスラエル軍は北部のガザ市を包囲し、北と南を分断する形で駐留を続けている。

 イスラエル軍はガザに外国の報道陣が入ることを認めていない。攻撃の影響で停電などが続き、地元記者が情報を外に伝えることにも支障が出ているため、今回の地上戦による死傷者数の把握は遅れている。

 エジプトとの境界の街、ガザ南部のラファ近郊で暮らす無職ファリッドさん(25)によると、イスラエル軍は自宅の北約10キロまで迫り、4日夜には空爆が特に激しくなった。空爆開始以降、大半の商店がシャッターを閉じ、パンを買うためにはイスラエル軍の攻撃の恐怖にさらされながら、3時間の行列に加わる必要があるという。

 海外からの支援物資は届いていない。停電が続き、自家発電機を使っているが、燃料節約のため利用できるのは1日3時間。食料や燃料はあと3日程度しかもたない。「誰にも助けてもらえず、ガザ住民は追い込まれている」

 ガザ市北方のジャバリヤ難民キャンプに住む朝日新聞の助手エルアクラさん(41)に4日夜、携帯電話が通じた。イスラエル軍による同キャンプ周辺への攻撃はまだ本格化していない模様で、ハマスの警察官が主要道路の交通整理をするなど、キャンプ内はふだん通りの状態だという。

 エルアクラさんは「ハマスはイスラエル軍の侵攻前、ガザ内部の秩序はいつも通りに保たれると強調していた。それを実行してみせているようだ」と話した。

 同キャンプの郊外では4日朝、イスラエル軍への内通者と糾弾された2人がハマスの警官に公開で銃殺された。刑務所が空爆で破壊され、受刑者を収容する場所がないための「早期処刑」というのがハマスの言い分だが、ガザの規律を確保し、反イスラエルの闘争心を改めてかき立てる狙いもあるようだ。

(ガザ空爆関連:翻訳)6カ月前から極秘裏に準備が進められていたガザ全面攻撃 Posted by:情報センター・スタッフ

 イスラエル軍による今回のガザへの攻撃が、イスラエル政府が宣伝し、多くの場面でまんまとその通りに報道されている「ハマースのロケット弾攻撃に対する報復」という緊急事態ではなく、6ヶ月も前から周到な準備のもとに計画されていた攻撃であることを伝える記事の翻訳です。この記事が掲載された『ハアレツ』は、イスラエルを代表する新聞です。

 

6カ月前から極秘裏に準備が進められていたガザ全面攻撃

バラク・ラヴィッド(ハアレツ記者)
ハアレツ、2008年12月28日

 長期にわたる周到な準備、徹底的な情報収集、極秘のトップ協議、偽情報による誘導操作──27日(土)朝に始まったガザ地区のハマースを標的とするイスラエル軍の軍事行動、Cast Lead作戦の背後には、こうした様々な工作があった。

 意図的な偽情報を流しつづけたことで、ハマースは不意をつかれる結果となり、それが死者数の大幅な増加につながったと、複数の国防省職員は語った。

 国防省内の複数の情報源によると、エフード・バラク国防相が軍に今回の軍事作戦の準備開始を命じたのは6カ月前。つまり、ハマース相手の停戦合意交渉を始めたばかりの時に、すでに全面攻撃の準備に着手していたということである。この時、バラクは、停戦がハマースにとって対イスラエル決戦の準備期間になる可能性はあるとしても、イスラエル軍もまた同様に準備期間が必要だと主張したという。

 バラクは、ハマースの治安関連のインフラをはじめ、ガザ地区で活動するすべての武装組織の活動拠点・関連施設を突き止める包括的な情報収集活動を開始せよと指令を出した。

 この結果、組織の固定拠点、武器庫、訓練キャンプ、組織幹部の居宅、その他関連施設に関する詳細な情報がもたらされた。

 1 カ月前(停戦期間中)、パレスチナ武装集団がイスラエル攻撃用の武器・備品調達に使っている(と軍は言っている)トンネルを破壊するために、イスラエル軍はガザ侵攻を敢行し、緊張が高まったが、この時点では、現在Cast Lead作戦で実行されているアクションプランはまだ青写真にとどまっていた。

 11 月19日、パレスチナから10数発のカッサーム・ロケットと迫撃砲がイスラエルに撃ち込まれたのを受けて、バラクに、いよいよ作戦実行への最終承認が求められることになった。12月18日(木)、エフード・オルメルト首相とバラク国防相は、テル・アヴィヴのイスラエル軍司令部で、CastLead作戦を承認するための協議を行なった。

 だが、ふたりは、停戦協定の期限(12月19日)が過ぎたのちのハマースの攻撃の状況を確認するまで実行を保留することにした。したがって、閣僚たちに計画を明らかにして承認を得るのも先送りにしたわけだが、しかし、ツィピ・リヴニ外相にだけは事態の進行状況を伝えた。

 このテル・アヴィヴ会談の夜、首相事務局の情報源は、メディアを前に、「ガザからの攻撃が続くなら、ハマースとの決戦は避けられないだろう」と語った。週末には、オルメルト内閣の数人の閣僚が、ハマースのカッサーム攻撃に応酬しないことに対してオルメルトとバラクを激しく非難した。

 この非難に対し、バラクは「こういうふうにギャアギャア言われていたら、エンテベ作戦や6日戦争は実行さえできなかっただろう」と応じた。水曜(24日)になってようやく閣僚会議が開かれたが、首相事務局はメディアに対しては、全世界的なジハードをめぐっての協議が行なわれると嘘の情報を伝えた。閣僚たちも、当日の朝になって初めて、実際の協議内容がガザでの軍事作戦に関連するものであることを知った。

[注:エンテベ作戦=1976年7月3日深夜から4日朝にかけて、ウガンダのエンテベ空港で、ハイジャックされたフランスの旅客機にイスラエル軍が奇襲攻撃をかけた事件。6日戦争=1967年6日5 日のイスラエルの先制攻撃で始まった第3次中東戦争。勝敗は6日で決し、これ以降、イスラエルによるパレスチナの全面占領が始まった。]

 首相事務局が出した、この閣僚会議の要約発表では、35のイスラーム組織の非合法化に関して丸々1ページがさかれているのに対し、ガザの状況に関してはわずか1行しか触れられていない。

 閣僚会議で実際に行なわれたのは、軍事作戦に関する5時間に及ぶ協議だった。閣僚には実際の作戦行動の様々なアクションプランが伝えられた。「極めて詳細な内容だった」と閣僚のひとりは語った。

 この閣僚は続けて、「我々がどのような事態に向かいつつあるのか、これによってどのようなシナリオが現出することになるのか、参加者全員が十全に理解した。自分が何に賛成することになるのかわからないなど、誰にも言うことはできなかった」と語り、さらに、この会議は、2006年の第2次レバノン戦争の際の意思決定者たちのやり方をめぐってのウィノグラード委員会の教訓が、各人の意識に「充分に浸透していた」ことを示すものだったと述べた。

[注:2007年、レバノン侵攻の経緯を調査していた国会の独立調査委員会ウィノグラード委員会が中間報告を発表、開戦決断を軽率と批判し、作戦を立案・指揮したオルメルト首相、アミール・ペレツ国防相、ダン・ハルーツ参謀総長(当時)を強く批判した。]

 会議終了時、全会一致で攻撃賛成の決定がなされた。実行の期日は、首相、国防相、外相に委ねられることになった。

 バラクは作戦実行に当たる軍幹部らと最後の詳細な詰めの打ち合わせを行ない、リヴニはカイロに飛んで、エジプトの大統領、ホスニー・ムバーラクに、イスラエルがハマースへの攻撃を決断したことを知らせた。

 一方で、イスラエルは、ガザ地区への複数の検問所が開かれる、攻撃開始の時期は日曜(28日)にさらに3回の協議を重ねてのちに決定すると、偽情報を流しつづけた。実際に作戦が開始されたのは、日曜の前日、27日である。

 「水曜(24日)の閣僚会議ののち、ハマースは司令部の人員をいったん全員避難させたんですが、日曜(28日)まで事態は動かないと聞いて、また人員を戻したんです」と、国防省職員のひとりは語った。

 最終決定は金曜(26日)の朝に下された。バラクは参謀総長ガビ・アシュケナージ、国家保安機関シンベト長官ユヴァル・ディスキン、軍事情報管理局長アモス・ヤドリンと会い、その後、オルメルト、リヴニと数時間にわたって最後の協議を行なった。この会議中に、3人は空軍に指令を発した。

 野党の党首たちや主要な政治家--リクード党首ベンヤミン・ネタニエフ、「イスラエル我が家」党首アヴィグドール・リーバーマン、メレツのハイム・オロン、シモン・ペレス大統領、クネセット(国会)議長ダリア・イツィクら--に、目前に迫ったガザ攻撃の情報が伝えられたのは、金曜の夜と土曜(作戦実行当日)の朝のことだった。

翻訳:山田和子

原文:Disinformation, secrecy and lies: How the Gaza offensive came about

By Barak Ravid, Haaretz Correspondent

 イスラエル政府のプロパガンダに関しては、イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開(イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開/訳:益岡賢)も合わせてご覧ください。

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イスラエル軍地上作戦開始

イスラエル軍は、3日夜、ついに、地上作戦を開始した。

 時事通信は、イスラエルの「軍報道官は地元テレビに「これは学校の遠足ではない。多くの日数がかかるだろう」と述べ、作戦の長期化を示唆した」と伝えた。

 これで、「イスラエル軍は29日、ガザの周囲を軍事区域と宣言し、住民以外の立ち入りを禁止。イスラエルのバラク国防相は国会で、「ハマスとの全面戦争に入った」と述べた。ただ、リブニ外相は米NBCテレビに対し「目標はガザの再占領ではない」と語り、ハマス転覆やガザ占領などの大規模作戦に乗り出す意図は否定した」と『読売』が伝えた際の言葉を自ら裏切ったことになる。

 なるほど、これは、学校の遠足ではない。この作戦によって、周辺のアラブ諸国のパレスチナを支持するアラブ民衆の怒りを拡大し、かれらを巻き込みつつ、危険性を拡大していくことを辞さないということを示したわけであり、それを含めた軍事作戦への突入であり、ヒズボラやアラブ義勇兵、イランの支援などを含めた抵抗の粉砕までを意図した作戦の実施である。先のレバノン侵攻のきっかけは、やはりハマスとの戦闘激化であったことを考えれば、それは明らかである。

 国連は、緊急の安保理理事会を開催した。しかし、アメリカの反対や慎重姿勢によって、有効な措置がとれていない。その間にも、下の記事にあるように、アラブや世界でイスラエルを非難する民衆の声が高まっている。

国連総長、地上作戦の即時停止要求=ガザ侵攻で安保理緊急会合

 【ニューヨーク3日時事】国連の潘基文事務総長は3日、報道官を通じて声明を発表し、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザでの地上作戦開始を「深く懸念している」と表明した上で、同国に「作戦の即時停止」を求めた。
 声明によれば、潘事務総長はイスラエルのオルメルト首相に「非常に強い憂慮と失望」を伝達。また、声明は民間人保護と人道支援の実施を保証するため、可能なすべての措置を講じるよう同国に要求した。
 一方、安保理は同日、ガザ情勢を受けて緊急会合を開催。非常任理事国のリビアが「イスラエルによる地上攻撃開始後のガザ情勢悪化」に懸念を示すとともに、紛争当事者に「軍事活動の即時停止」を求める声明案を提示した。(2009/01/04)

イスラエル軍、ガザに地上侵攻=「テロ設備」への打撃狙う-ハマス抗戦、長期化も

 【エルサレム3日時事】イスラエル軍は3日夜、パレスチナ自治区ガザへの地上部隊投入に踏み切った。イスラム原理主義組織ハマスによるロケット弾攻撃阻止を理由としたイスラエル軍のガザ攻撃は、地上侵攻の開始でさらに深刻な局面を迎えた。民間人を含む犠牲者が増えるのは確実で、150万人のガザ住民の人道危機が一層悪化することが懸念される。
 現地からの報道によれば、イスラエル軍の戦車は境界フェンスを越えガザ北部に突入し、ガザ市やベイトラヒヤ、ジャバリアなどに展開。ハマスも迫撃砲で反撃し、激しい戦闘が繰り広げられているもようだ。
 AFP通信などによると、イスラエル首相府は声明で、作戦は「ハマスのテロ設備に強烈な打撃を与え、南部地域での安全保障の状況を長期にわたり改善する」ことが目的だと説明。「軍はハマスのロケット弾が発射されている地域を占拠する」としている。
 同軍の声明によれば、作戦には空軍の支援を受けた歩兵、戦車、砲兵など「多数の部隊」が参加している。軍報道官は地元テレビに「これは学校の遠足ではない。多くの日数がかかるだろう」と述べ、作戦の長期化を示唆した。(2009/

イスラム圏などでデモ ガザ連帯の声、世界に拡大(共同通信47ニュース)
http://www.asyura2.com/08/wara5/msg/479.html

2日、アンマンで行われたイスラエルに対する抗議デモの参加者(ロイター=共同)

イスラム圏などでデモ ガザ連帯の声、世界に拡大
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009010301000092.html

【アリーシュ(エジプト北東部)3日共同】AP通信によると、イスラム教の金曜礼拝が行われた2日、イランやヨルダン、トルコなど中東をはじめ、インドネシアやスーダンなどのイスラム圏、さらにスイスやロシアなどでイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区空爆に抗議するデモが行われた。ガザ連帯の声が世界に拡大している。

 イランの首都テヘランではテヘラン大学での礼拝の後、デモ隊が「イスラエルに死を」「米国に死を」などと叫びながら約1キロにわたって行進。ヨルダンの首都アンマンではイスラエル大使館に近づき一部投石を始めたグループを治安部隊が催涙弾で解散させたが、これとは別に市内のスタジアムでも抗議集会が開かれ約3万人が集まった。

 トルコ最大の都市イスタンブールでも約5000人がモスク(礼拝所)の近くでイスラエル、米国旗を焼くなどして抗議集会を開いた。ガザとの境界から西に約50キロのエジプト北東部アリーシュで3000人規模のデモが行われたほか、スイスのベルンで数百人がデモ。モスクワではイスラエル大使館付近でデモ参加者40人近くが拘束された。2009/01/03【共同通信】  

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イスラエル地上戦を示唆

 イスラエルのパレスチナ自治区ガザへの空爆は、1週間を超え、死者は、430人に上った。

 下の『朝日』によると、「空爆ではこのほか、1日から2日早朝までにパレスチナ自治評議会(国会)やモスク(イスラム教礼拝所)など約50カ所が破壊され、ガザ南部では、8歳から12歳の子3人が死亡した」と、イスラエルの攻撃が、パレスチナ人の精神的・政治的・コミュニティー的な拠り所となっている施設の破壊を目指しており、事前にイスラエルが、攻撃計画を練っていた可能性をうかがわせる。日本で言えば、国会や寺や神社を破壊しているのである。

 イスラム教のモスクが、イスラム教徒のコミュニティーにしめる位置は、きわめて大きい。その門前町として、バザールが形成され、その売り上げの一部は、イスラム・コミュニティーを維持するための、喜捨として、モスクに納められる。それを使って、イスラム・コミュニティーは、共同体内での相互扶助、連帯、平等化などのための、富の再配分を行う。そのようなイスラム・コミュニティー的なやり方で、福祉・医療・教育などの社会活動を行って、勢力を拡大してきたのが、ハマスである。

 イスラエルは、ユダヤ教を基盤にして、宗教イデオロギーを共有する者を、ユダヤ人として組織し、それを近代的民族としてでっち上げて、近代国家を偽装している国家である。その社会的基盤は、シナゴーグというユダヤ教の寺院であり、それがイスラエル人の社会生活・共同生活の規範や掟やを深く規定している。ユダヤ教徒という共通基盤がなければ、イスラエル人という民族は成り立たない。

 イスラエル人には、東欧系白人や黒人もおり、日本人がイメージする民族の一般的表象とは異なっている。出身地もまちまちで、話す言葉も違う。それで、共通のヘブライ語が作られた。現在も、世界各地のユダヤ教徒を受け入れ、その中の一部は、入植地に送り込まれている。ユダヤ人内部には、階級階層があって、差別がある。最近増えているアフリカ系のユダヤ人移住者は、最下層に置かれている。その下に、アラブ人、パレスチナ人が置かれているのである。

 イスラエルは一応、政教分離の近代国家制度を取っているが、人々の社会生活を強く規定しているのは、ユダヤ教である。結婚からなにから、生活に関わる事柄の多くに、ユダヤ教の僧侶であるラビが関わっている。

 それに対して、ヨーロッパやアメリカのユダヤ人には、非ユダヤ教徒も多く、シオニストはそんなに多くはない。ただ、シオニストは、豊富な資金を使って、世界で宣伝やロビー活動を活発に展開している。例えば、イラク戦争を扇動し、政治家や世論を戦争支持に向ける宣伝や工作を行った。

 下の記事によると、イスラエルは大規模な地上戦への突入準備を進めているようである。それは、ハマスと関係があるレバノン南部のヒズボラ、それを支援しているイラン、そしてパレスチナ人の側に立つアラブ民衆、パレスチナに連帯する世界の人々、を、この過程に巻き込んでいくことも辞さないということである。

 「イスラエルのリブニ外相は1日、パリでサルコジ仏大統領らと会談したが「ハマスと一般住民を区別している。ガザに人道危機はない」と言ったというが、これは真っ赤な嘘である。「ガザ南部では、8歳から12歳の子3人が死亡した」。この子供たちは、ハマスだろうか? 

 それに対して「ハマスは地雷や仕掛け爆弾などで応戦する準備を進めている」。また、第三次インティファーダが呼びかけられている。

 イスラエルは、ガザの住民を兵糧責めにし、人道危機に追い込み、その力をそぎつつ、この攻撃を準備していたのである。

 イスラエルによるパレスチナ人への抹殺攻撃に対して、アラブ民衆・世界の心ある人々と連帯し、この蛮行を止め、パレスチナ人の命と生活を守ることが求められている。

 

ハマス幹部と家族ら殺害 ガザ空爆、死者430人に(『朝日』2009年1月2日)

 【エルサレム=古谷祐伸】イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの空爆は2日、開始から7日目を迎え、AFP通信によるとこれまでの死者は430人に上った。1日にはガザを支配するイスラム過激派ハマスの上級幹部宅を空爆、本人と妻子ら約20人を殺害した。イスラエルのリブニ外相は同日、フランス政府提案の48時間停戦を改めて拒んだ。地上戦突入の可能性が徐々に高まっている。

 空爆で殺害されたのはハマス政治部門のニザル・ラヤン氏(49)。空爆ではこのほか、1日から2日早朝までにパレスチナ自治評議会(国会)やモスク(イスラム教礼拝所)など約50カ所が破壊され、ガザ南部では、8歳から12歳の子3人が死亡した。

 一方、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃も続き、イスラエル政府によると1日に52発、2日午前に18発が撃ち込まれた。

 ガザとの境界では地上部隊が侵攻に備えている。イスラエル紙ハアレツは「地上戦は大規模だが短期間になる」との政府の見方を報じた。ガザからの情報では、ハマスは地雷や仕掛け爆弾などで応戦する準備を進めているという。

 停戦に向けた国際社会の働きかけは成果を上げていない。イスラエルのリブニ外相は1日、パリでサルコジ仏大統領らと会談したが、「ハマスと一般住民を区別している。ガザに人道危機はない」として攻撃を続ける考えを示した。

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イスラエルはただちにガザへの攻撃を中止せよ!

 イスラエルによるガザへの攻撃は、年を越しても続いている。犠牲者は増え続けている。

 『朝日』の以下の記事は、ハマスのロケット弾攻撃にされされているイスラエル南部の様子を取材したものである。

 当然のことながら、この地域のイスラエル住民は、ハマスのロケット弾攻撃で、犠牲者が出ているので、政府のガザ攻撃に賛成している。

 住民は、「状況がさらに悪化する前にハマスを抹殺してほしい」「ハマスとの政治決着は無理だ。平穏を取り戻すためには力でねじ伏せるしかない」と軍事力によるハマスの掃討を求めている。

 「報道室のまとめでは、ガザ空爆が始まった27日から30日までに、迫撃砲とロケット弾計239発がイスラエル領内に撃ち込まれ、4人が死亡、77人が負傷」。

 しかし、29日には、「AFP通信によると、空爆が始まった27日からの死者数は少なくとも345人、負傷者数は1550人に達した」。

 イスラエルでは、3日で死者4人、ガザでは、2日で、死者345人。この数字のアンバランスが何を意味しているのかは、誰の目にも明らかではないだろうか? 

 「イスラエル外務省は、空爆開始直後にスデロトに臨時報道室を開設し、海外の報道陣に対応。イスラエル側の被害状況を24時間態勢で広報する。圧倒的武力でガザ空爆を続けるイスラエルの国際イメージ悪化を食い止めようと懸命だ」。

 イメージ悪化の基礎には、上のような圧倒的な力関係のアンバランスがある。それは、たんなる見せかけのイメージの善し悪しにあるわけではない。イスラエル政府は。それが、情報操作によって、可能であると思いこんでいるようだ。それは、イスラエル政府の浅薄さを示している。操作することは、操作されることであるという弁証法を知らないのである。この両極関係は、運動する中で、止揚され、そして、別のものに転化してしまうのである。このような過程が、真理なのである。イスラエルがこのような情報操作を止めないと、このような弁証法的過程を止めることはできない。イスラエルが善なるイメージを広めようとすればするほど、それだけ対極にある悪のイメージが広まるのである。この間、どれだけ、アラブはもちろん、世界の人々にイスラエルの悪のイメージが広まったかは、今、世界各地で取り組まれている反イスラエル行動の大きな広がりを見れば明らかである。

 イスラエルはただちにガザへの攻撃を中止せよ!

 

おびえる住民、ガザ空爆「支持」 ロケット弾攻撃の街(『朝日新聞』2009年1月2日)

 【スデロト(イスラエル南部)=井上道夫】イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの空爆に対し、ハマスなどイスラム過激派はロケット弾攻撃で対抗。おびえるイスラエル住民は空爆を支持し、対話による和平は遠のくばかりだ。

 30日午前、ガザとの境界まで約5キロのスデロトに空襲警報が鳴り響いた。自宅にいたシランさん(21)が慌てて床に伏せた瞬間、間近で大きな爆発音。警報発令から隣家にロケット弾が着弾するまで10秒。シランさんは「状況がさらに悪化する前にハマスを抹殺してほしい」と訴える。

 市中心部でスーパーマーケットを経営するヤコブさん(45)も「ハマスとの政治決着は無理だ。平穏を取り戻すためには力でねじ伏せるしかない」と語る。

 スデロト西方のガザとの境界線付近には、地上戦に備え戦車や装甲車が続々と集結。兵士が装備品の点検に追われていた。

 イスラエル外務省は、空爆開始直後にスデロトに臨時報道室を開設し、海外の報道陣に対応。イスラエル側の被害状況を24時間態勢で広報する。圧倒的武力でガザ空爆を続けるイスラエルの国際イメージ悪化を食い止めようと懸命だ。

 報道室のまとめでは、ガザ空爆が始まった27日から30日までに、迫撃砲とロケット弾計239発がイスラエル領内に撃ち込まれ、4人が死亡、77人が負傷。ロケット弾攻撃は31日も続いた。

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イスラエルによるパレスチナ人虐殺を許すな!

 こばやしさんへ。私も、今回のイスラエルの非道には強い憤りを感じています。

 支援については、以下のところで、いろいろな取り組みが呼びかけられています。

 パレスチナ情報センター(http://palestine-heiwa.org/)のホームページのリンク集に、パレスチナ支援を行っている団体などのブログやホームページが紹介されています。それから、Pーnavi info(https://app.f.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/p)では、以下の国際署名が呼びかけられています。

 ガザ地区即時停戦を世界の指導者に呼びかける国際署名

 フランス政府がイスラエルに提案していた48時間停戦すらも、イスラエル政府が拒否したことが伝わってきている。日本では31日が終わり、新年を迎えた が、ガザは攻撃5日目の夕方を迎えている。31日昼にパレスチナ保健省が発表した犠牲者は、死者390人、負傷者1884人となり、そのうち300人が重 体となっている。

 イスラエルからの爆撃は30日の夜、31日の明け方に行われ、救急車スタッフもターゲットにされた。31日の明け方、ガザ市内の路上で負傷者の救護 に当たっていた医師と救急クルーの2人は、イスラエルの無人戦闘機から直接爆撃されて殺された。また、病院の酸素プラントも爆撃されているとのこと。

 即時停戦を世界の指導者によびかけようと行われている国際署名をどすのメッキーさんが紹介してくださったので、それを転載します。(転送・転載可とのこと)ぜひ、広め、署名してください。(「暴力の連鎖」とか文面は私は完全に支持できるものじゃないのですが)。

**以下、転載部分**

 ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃で既に370人を超える市民が犠牲になり、 更に地上軍の侵攻も計画されています。しかし、欧米各国の首脳は、イスラエル の攻撃を過剰反応としながらも、今回の問題の責任は、第一義的には最初にロケ ット弾攻撃を行ったハマスにあるとし、積極的な介入を行っておらず、国連安保 理も方向性を集約できない状態です。

 仮にハマスに責任を求めるとしても、370人以上の人が犠牲になっており、 寒さの中、更に尊い人命が失われようとしている状態で、緊急対策も行わないで 責任論に終始していることは許されません。

 インターネットで活動を続けるAVAAZが、即時停戦を求める緊急署名を開 始しました。

↓ ↓ 署名サイト ↓ ↓
http://www.avaaz.org/en/gaza_time_for_peace/?cl=161793181&v=2606

 目標25万人で、日本時間31日の8時40分現在やっと12万名に到達した ところです。英語サイトですが、署名はとても簡単です。是非ご協力下さい!

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【GAZA: STOP THE BLOODSHED, TIME FOR PEACE】
 ガザ:流血を止め、平和の調停を
http://www.avaaz.org/en/gaza_time_for_peace/?cl=161793181&v=2606

 南イスラエルで、既に370人を超える市民が殺され、今も砲弾が浴びせられ 続けています。パレスチナ紛争で繰り返される暴力の連鎖を終わらせるよう、世 界の指導者に要求すべき時です。

 ガザ地区での即時停戦、そして2009年イスラエルとパレスチナの間に平和 が構築されることを求める、以下の請願に署名をお願いします。

(以下請願文)

 国連安全保障理事会、ヨーロッパ連合、アラブ連盟、およびアメリカ合衆国に 対する請願:

 ガザ地区における包括的な停戦を実現し、双方の民間人を護り、人道的な危機 がこれ以上深刻にならないよう直ちに行動するよう要求します。活発な国際的行 動と監視があれば、流血は止まり、ガザの通行が平和に再開され、2009年包 括的な平和への真の取組がつくられるでしょう。

(仮訳 どすのメッキー 31/12/2008)

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*署名方法*

 「1.Sign the petition」の下の欄、「First time here? Please fill out the form below.」でName(名前、ローマ字)、Email(メールアドレス)を入力 し、Country(国)でJapan(日本)を選択して「SEND」ボタンをクリックす るだけで完了します。Cell/Mobile(携帯電話番号)、Postcode(郵便番号)は 省略しても大丈夫です。

 署名サイトを運営しているAvaaz.orgは、国際市民団体 Res Publica と、イン ターネットでの市民運動の先駆者である米国の Moveon.org により共同設立され たネット運動体で、世界の様々な団体と連携して、英語等ヨーロッパ系言語のほ か、日本語、中国語、ウルドゥー語、トルコ語、ネパール語、ダリー語(イラ ク)等、数多くの言語で、政治を市民の手に取り戻す呼びかけを行っています。 Moveon は、911直後から日本でも紹介されていますので、思い出される方も 多いのではないでしょうか。

 画面右上の「日本語」タグをクリックすると食糧危機に対する行動や、ミャン マーのデモ隊を支援する呼びかけなどが日本語で紹介されていますが、ガザの件 は邦訳がまだ見つかりませんでした。いずれアップされると思いますが、事が緊 急ですので、今は英語サイトから署名をお願いします。

どすのメッキー拝

**転載ここまで**

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