イスラエルはガザへのジェノサイドを止めよ!
イスラエルは、戦闘の第3段階フェーズ3に突入し、予備役を投入し始めた。戦闘は、人口密集地帯のガザ中心街に移りつつある。
AFPが、12日、医療関係者の話として伝えるところによると、パレスチナ人の死者は、少なくとも905人、負傷者は3950人、死者のうち少なくとも227人は子どもだという。イスラエル軍は、11日の攻撃で、国際法で民間人への使用が禁止されている白リン弾を使用したと見られる。イスラエルはこれを否定している。ガザの様子を写した写真を見れば、崩壊した建物の下敷きになるなどして、救出されていない、あるいは生死が確認できない市民がまだまだある可能性が高いので、実際の死者数は、もっと多いものと思われる。
国連の潘基文事務総長は、今週、エジプト、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、トルコを訪れるという。ただし、ガザを訪問しない。国連事務総長は、ガザに行って、ガザの被抑圧者たちの側に立って、即時停戦を訴えるべきで、その方が、即時停戦への強い圧力になるはずだが、そうはしないらしい。国連としての即時停戦への強い決意と意志を現地で示すべきだ。訪問期間中、イスラエルはガザへの攻撃をしにくいだろう。もちろん、イスラエルは、国連総長がガザに入るのを嫌がるだろう。しかし、真剣に即時停戦を望むなら、やはり、国連事務総長は、直接、ガザの人道情況を見るべきだ。
アメリカでは、下院に続いて、上院でも、拘束力はないが、イスラエルを支持する決議が可決されたという。
これまで、この事態に沈黙を守ってきたオバマ次期大統領が、20日の大統領就任後、直ちに、中東和平の問題に取り組むことを表明した。イランなどの反米的な中東諸国と話し合うことを表明している。それは、シリア、イランなどとの対話を一切拒否してきたブッシュ政権の中東政策からの転換を意味している。もちろん、このオバマ次期大統領の発言は、イスラエルにとって、歓迎できないものである。
戦闘の終結が近いとのイスラエル副国防省の声も出始めている。イスラエルのオルメルト政権は、20日のオバマ政権の発足をにらみながら、戦闘の行方について考えているのだろう。イスラエルは、1ヵ月後に迫った総選挙から、アラブ系政党を締め出す。
12日付AFPに、Sylvie Lanteaumeさんの「親イスラエルとは? ガザ情勢めぐり分裂する米ユダヤ人社会」という署名記事がある。それによると、アメリカで、親イスラエル・ロビー団体「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC、American Israel Public Affairs Committee)」が、政治家に対して、強い影響力を行使してきたが、在米ユダヤ人の間に、それとは別の動きが台頭してきたという。2008年に、新たなユダヤ人らのロビー団体の「Jストリート(J Street)」が誕生し、「イスラエルが12月27日にガザへの空爆を開始した直後に、即時停戦を求める署名を集めた」。すでに、イスラエルの平和団体「ピース・ナウ」の米国支部があり、イスラエルの攻撃を批判しているが、アメリカのユダヤ社会内部に亀裂が広がっているというのである。
その大きなきっかけは、2006年のスティーブン・ウォルト(Stephen Walt)とジョン・ミアシャイマー(John Mearsheimer)が書いた『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策(The Israel Lobby and US Foreign Policy)』の出版であった。この本で、二人は、AIPACを親リクード的と批判し、それにAIPACが「反ユダヤ主義者」と批判するということがあった。ウォルト氏は、『親イスラエル』の定義を見直すべきだと主張しているという。民族アイデンティティの揺らぎは、ユダヤ人にとって、大きな問題になっているのである。
それに対して、富岡幸一郎という評論家は、イスラエル建国の正当性を、『聖書』に書かれた宗教的起源、神話的起源に求めている。それが、深いのだそうだ。ユダヤ教の直接の起源は、バビロン捕囚から解放されてパレスチナへ帰還した後のイスラエル建国の中での『聖書』編集過程での宗教改革である。もっとも、その後、トーラー、その他の『ユダヤ聖典』が別に出てきて、パリサイ派やエッセネ派などの諸派が登場し、エッセネ派から出たイエスによって開始されたキリスト教は、当初は、ユダヤ教の一派として、ユダヤ人の間に広まり、ユダヤ教の改宗として進むのである。その後、異教徒の間にも広まっていくのだが、その過程では、ギリシャ思想の影響も入っていくのである。さらに、ローマ帝国への反乱が鎮圧されて、世界に広がっていったユダヤ人の間では、神秘主義的な一派や世俗的な一派などに分かれていき、キリスト教に改宗する者も増えていった。もちろん、差別されたが、古代や中世の差別を現代の差別とは同じ内容ではないことに注意する必要がある。一方で、特権が付与されているということがある。いずれにしても、イスラエル建国の正当性を『聖書』の宗教性によってはかるというなら、もともと、イスラエルが立っている土地は、『聖書』のペリシテ人の土地を意味するパレスチナである。『聖書』に建国の正当性を求める限り、どっちにも有利な証拠を見つけることが可能である。彼は完全に現実から目をそらしているのである。
アメリカの反戦団体ANSWERのHPに、10日の世界のイスラエルへの抗議行動の数字が載っている。ソースによって、数に違いがあるが、これはある程度は仕方のないことである。ANSWERによると、10日のガザに連帯する世界緊急行動は、アメリカ以外では、 ロンドン、エディンバラ、カイロ、アテネ、クアラルンプール、ベイルート ソウル、メキシコシティ、ジャカルタ、モントリオール、パリ、バルセロナ、マルセイユ、リヨン、オスロ、ベルリン、ベルン、カラチ、ナブルス、ニューデリー、アンマン、サラエボ、ラマラ、ストックホルム、東京で行われた。11日には、スペイン25万人、アルジェリア10万人以上が参加する行動があった。
アメリカでは、ANSWER Coalition, Muslim American Society Freedom, Free Palestine Alliance, National Council of Arab Americans, and Al-Awda - International Palestine Right to Return Coalitionの呼びかけたデモに、 ワシントン2万人以上、サンフランシスコ1万人。
以下は、息子がイラク戦争で戦死したことをきっかけに、反戦・平和運動の先頭に立って政府の責任を追及し、アメリカの反戦運動の象徴的な存在となったシンディ・シーハンさんのガザに連帯するメッセージである。この記事は、「ちきゅう座」HP(11日)にあったものだが、ここには、ガザについて、気になる13日の記事がある。イスラエル兵が、医療スタッフを狙い撃ちしているというものである。これは、イスラエルが、ジェノサイドを行っていることを示している。それに対して、一般に通常の戦争のイメージで、この事態が語られている。明らかに、情報操作がなされ、イメージのイスラエルよりの誘導が行われている。それか、メディアなどが、通常の戦争イメージのフィルターをかけたまま、この事態を見ているかである。
これは、純粋ユダヤ人国家を夢見るシオニストによる民族浄化攻撃、レイシズムによるジェノサイドの一環である。アメリカ議会は、すっかり、通常の、民主国家対テロリストの戦いという低強度紛争(LIC)、あるいは、イスラレルが、ブッシュ政権が進めた対テロ戦争の同盟者として、ハマースなどのイスラム過激派テロリストを一掃する攻撃を行っているものと信じ切っているようだ。在米ユダヤ人の間に、これに反対する動きが出てきたことは、希望を感じさせるものだ。日本の右派の中に、シオニスト・イスラエルが純粋ユダヤ国家だとして、単一民族であろうとしている点で、日本と似ているというようなことを言うものがいる。しかし、それは、シオニスト・イスラエルのように、アグレッシブなレイシズム国家として、強烈な排外主義、侵略主義に似るという意味でもある。それは、われわれの正義の感覚に反するものだ。
イスラエルはガザへのジェノサイドを止めよ!
<09.01.11>わたし達は皆ガザとともにある<シンディ・シーハン/仮訳: どすのメッキー>
【We are all Gazans】
(By Cindy Sheehan, 7/Jan./2009)
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750
これを書きながら、私の目は真っ赤にはれています。
血だらけの赤ちゃんや体に障がいを負った子ども、そして母親や父親 が嘆き悲しんでいる写真を見るのは耐えられないことです。
ヤハウエの「神に選ばれし」国防軍は、2か所の国連避難所を爆撃しました。イスラエルは、そこが避難所として使われていることを知っていながら、(GPS座標を提供した国連は、それほど彼らを信用していたのかしら?)学校を破壊しました。ガザの数十人の無辜の人々が殺されました。イスラエルは、ハマスが学校をロケット発射場に使っていたという便利な言い訳をしましたが、 それは国連が否定しています。
「大統領はいつもひとりだけだ」と言ったナントカさん(【訳註】オバマ次期大統領のこと!)は「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」と言ったでしょう。あなたは、今ガザで行われているテロ行為にコメントするのを頑なに拒否したけれど、わたし達は、あなたが2008年7月にエルサレムを訪れた時、どちらの側に重きを置いてイスラエル大統領シモン・ペレスに話したかを知っている。南部イスラエルのスデロト、そこもイスラエルの大部分と同じようにもともとパレスチナ領土ですけどね、そこであなたはペレスに「あなたのおかげで、イスラエルが建国して60年で奇跡が花開きました」と語って、ハマスの貧弱なロケット弾からイスラエルが自衛する権利にお墨付きを与えたわね。ナントカさんに伝えましょう「わたし達は、あなたがイスラエルを大好きで、ずっと以前から、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPEC【訳註】米国の最も強力なロビー団体のひとつ。アメリカ-イスラエルの強固な関係を維持することを目的とする)と軍事で徒党を組んでいるアメリカ・イスラエ ル帝国の言いなりだって知ってるの。でも、パレスチナの赤ちゃんはガザからロ ケット弾を放ったりしないわ」
私はここで、オバマに言いたい。戦争は愚かではありません。戦争は「邪悪」なのです!ここアメリカの貧しい黒人に対する戦争から、アメリカとイスラエルがアラブの人々を侵略するために行った虐殺まで、あらゆる戦争が邪悪です。戦争というものは、例外なく、完全に、絶対的に、議論の余地なくむごたらしく、邪悪なのです。アメリカ議会も、イスラエル議会も、そしてそれぞれの政権も、死と破壊を求めて、乱暴で極端な人種差別主義者が羽を休める止まり木かもしれません。洞察にとんだ「チェンジ」にも、積極的な「チェンジ」にもわたし達は全く「希望」が持てません。
ジョージ・ブッシュはいつも死と破壊を推し進めて、共和党と民主党が戦争マシーンに忠誠を誓えば満足する役立たずの愚か者です。彼は最終的にいなくなり、それは大歓迎なのですが、経済に関わるブレインが納得できるというだ けで、次の政権を歓迎していいのでしょうか。次の大統領は、ガザの無力で無抵抗な人を弁護する段になると、驚くべきすばやさと光のスピードで責任逃れに 走ってしまうのです。
殺される赤ちゃんや子ども、そしてその他の純潔な人達が、貪欲で残忍なアメリカ・イスラエル政府の対価を払わされていると思うと、気が狂いそうです。わたしは、虐殺を前に、そして、私の仲間と多くの「平和」運動が、シオニストの次の戦争モンスターに「チェンジ」を期待しているの見ると、深い無力 感でいっぱいになります。そう、叫びたい「ナンセンス!」と。
イスラエルはガザの住民を虐殺し続けています。医師にどんな薬も必 要な物資も届かない状態では、数百人いえもっと多くの人達が死に、数千人以上の人が傷つけられるでしょう。そして、オバマがこれ以上沈黙しているなら、数万人が恐怖に取り残され、上に苦しみ続けるのです。沈黙は共犯と同じです。わたし達が似非リーダーに追従するなら、わたし達も共犯者です。
わたし達に何ができるのでしょう。税金を支払う日が近づいている。 あなたが支払った税金は、あなたが若い人でも、年老いた人でも、支払い始めてからずっと死と破壊に使われています。あなたが汗水流して稼いだお金がガザやイラクやアフガンの赤ちゃんを殺すのに使われているのを知りながら、夜すやすやと眠れる?わたしはもうめったに熟睡できません。わたしもアメリカ・イスラ エル戦争マシーンに税金で資金を提供しているからばかりではないのですが。
わたしは、サンフランシスコの議員に、イスラエルの会社の株と投資を剥奪するよう呼びかける積もりです。すべてのパレスチナ人への暴力的なアパルトヘイトを止めなければなりません。そして、南アフリカで実現したように、多くの保守的なイスラエル人とともに、公正で人道主義に根ざした解決策が経済的に推し進められなければなりません。あなたも、あなたの住む町で同じような 運動を始めるか、すでに始まっていればそこに加わってください。
わたし達が選んだ公務員に人道主義に基づいた行動をとらせるために は、組織化され、抜け目ない抗議運動をしなければなりません。アメリカ・イスラエル公共問題委員会は、政府立法を親イスラエルにさせるため無制限とも思える資金と影響力を持っています。わたし達の連邦公務員の多くがAIPACに買 収されているのですから。
わたし達が正当な怒りを表し、ファシスト政府に道徳的な水を運び、 声をそろえて平和と正義を叫ぶまで、これ以上赤ちゃんの犠牲を増やすべきでは ありません。
ガザ地区の住民は、アメリカ製の飛行機からアメリカ製の爆弾を落と されて組織的に殺されています。アメリカ製のヘリコプターからアメリカ製の機 関銃で機銃掃射されているのです。止められるのは、まさにわたし達なのです。
************************************************************
"One President at a Time" というオバマ氏の表現は、すでにイデオム化していますが、日本では最近になって(ハワイから帰ってきた)彼が就任後パレスチナ問題を重視すると発言したこと「だけ」を捉えて、愚かな期待をしています。言いたくもないわたしの地元の空騒ぎは論外としても、日本のオバマ熱 は異常でしょう。
上訳中の「『大統領はいつもひとりだけだ』と言ったナントカさん」の原文は"Mr."One President at a Time""です。周囲がどれだけ浮ついても、シンディの視点はぶれません。オバマは、日本で言えば小泉に似たプレゼンの上手い政治家だと見ていますが、シンディの言葉の真実を前にすると、その空虚さが 際立ってきます。
絶望と無力感に襲われそうな状況の中で、どれだけ、この人の声を 待っていたでしょうか。
わたしは、彼女をカリスマ化して思考停止する風潮に反対してきましたが、ガザに関する彼女の文章を読むと、運動家としてまさに類稀な資質、それは他人の痛みを我がことのように感じ、断固として何者をも恐れず、そして緻密な戦略をたてて行動するすべてにおいて、傑出したものを感じずにはいられませ ん。
今回紹介するメッセージは、シンディ・シーハンが今年1月7日に書 いたものです。微力ながら、彼女の熱い思いが伝わるよう精一杯訳しました。こ のメッセージで、彼女とともに泣き、怒り、そして胸を張りましょう。
「わたし達は皆、ガザとともにある」
(どすのメッキー 11/Jan./2009))
(著者/訳者の意思により、この記事は「転載歓迎」です。―編集部)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye500:090111〕
〔eye503:090113〕
| 固定リンク
「中東」カテゴリの記事
- イスラエル軍、再びガザを空爆(2009.01.29)
- ガザ、廃墟からの蘇生(2009.01.20)
- ガザの停戦、だが、人道危機は続く(2009.01.19)
- イスラエルは一方的停戦を宣言したが、戦時は続く(2009.01.18)
- Gaza needs your voice(2009.01.17)


コメント
国連人権理がイスラエルを人道に反するとしてガザでの調査を求めた採決で日本を含むEU諸国等の西側諸国の三分の一が棄権した。米国に最も近い国のひとつカナダが反対し米国は理事国となっていない。ロシア中国が賛成した結果は多数賛成で採択された。この採択は今の国際情勢を反映しているように思う。これほど明らかな人道に反した虐殺であれ国際政治の体制上、米国に気を使う分だけの棄権と思われる。世界経済の動向を巡る米国覇権中心体制と多極体制の綱引きが水面下で在るのかもしれない。確かなことはイスラエルには協調という概念はみじんもないということである。パレスチナの人々が先祖から生活してきた土地を機関銃を乱発しながら彼らの家々をブルドーザーで壊し土地を略奪。人々を追放して難民になったパレスチナ人がどれ程の数に上るだろう。その後は米シオニスト右派系のマクドナルドやスターバックスの工場が建つ。石油の利権を米国とタッグをくみ武力で制圧してきたイスラエルがもしそこに利権がなく日本に利権あったとして他国の干渉と二枚舌で突然建国され利権と土地略奪のため調和すら無視された強引な侵略に我々は抵抗しないだろうか。調和の無い哲学は生態系を破壊する外来種である
投稿: | 2009年1月13日 (火) 23時47分