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アメリカ現代思想理解のために(4)

 次に仲正氏は、「日本におけるプラグマティズム受容」として、1888年に、デューイの心理学についての論文が日本で出ているという。西田幾多郎の『善の研究』(1911年)で、ジェイムズの「純粋経験」概念に注目していることを指摘する。夏目漱石、大杉栄も影響を受けているという。大杉栄は、「労働運動とプラグマティズム」(1905年)で、「「行為(のもたらす帰結)を基準に物事を見ようとするプラグマティズムの精神を、これからの労働運動の戦略に応用することを模索している」(15頁)という。戦後、本格的にプラグマティズムを日本に導入したのは、鶴見俊輔であるという。

 鶴見は、自由で自立した市民から成る「市民社会」を日本に定着させることを目指して、丸山真男(1914―96)らとともに雑誌『思想の科学』(1946―96)を創刊した、左派的な知識人であるが、敗戦後の日本で急速に影響力を拡大していたマルクス主義とは一線を画した。(15~6頁)

 60年安保闘争に参加した清水幾多郎も、プラグマティズムを紹介しているという。

 日本や西ヨーロッパ諸国では、プラグマティズムへの評価は変わっていないが、1980年代から90年代初頭にかけて、アメリカ発の哲学が、西欧諸国で急速に勢いを増したという。それは、フランスの構造主義やポスト構造主義をあっという間に凌駕したという。それは日本にも及んできたという。

 氏は次に、その原因を説明する。それには三つの経路があったという。第一の経路は、「アメリカ版ポストモダン思想」、第二の経路は、「分析哲学の潮流」、第三の経路が、「リベラリズムをめぐる議論」、である。

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