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6月25日付「中央日報」から思ったこと

 6月25日付「中央日報」には、歴史関係の面白い記事が幾つか載っている。

 まず、イランの反政府デモについての社説である。この社説は、現在のイラン政治体制を神政と呼んでいる。そして、「今回の事態はイスラムの最高指導者が実権を持つ「神政統治」の限界と矛盾を劇的に表している。神政統治の下での民主主義は装飾品にすぎない。最高宗教指導者の嗜好に合わない選挙結果はいくらでも操作されるのだ」と神政統治対民主主義という対立図式の下に事態を整理し、民主主義の側を支持し、現体制を批判している。

 社説は、反政府デモに参加した若い女性が治安部隊の銃撃を受けて死亡したという衝撃的な場面を冒頭に記し、「彼女は有権者として政府に抗議しただけだ」と書いている。結論は、預言めいたものである。いわく、「市民の民主的要求を受け入れる勇断がない限り、イランの時代錯誤的な神政統治は下り坂を辿ることになるだろう」。この記者は、イスラム教やイスラム文化・社会について、西欧に一般に流布されている偏見・ステレオタイプをそのまま今の事態に当て嵌めていて、それを自己吟味しようという姿勢はまったく感じられない。

 社説は、イランで、イスラムの最高宗教指導者の個人独裁が行われていて、彼の恣意によって選挙が自由に操られているという図式を描いている。しかし、第一に、イランの宗教指導体制は、個人独裁ではなく、合議による集団制である。第二に、かつて最高宗教指導者の意に反する大統領が誕生したことがある。第三に、銃弾で撃たれた若い女性もまたイスラム教徒である可能性が高く、撃った方と基本的な価値観を共有しているものと思われる。彼女やその仲間の価値観は、それに対して、民主主義への信仰を持つ社説子の価値観とは異なっているだろう。彼女たちは、イスラム信仰から民主主義信仰へと改宗を迫るのは、信教の自由に反することと思うだろう。しかし、民主主義は、制度でありシステムであって、信仰ではないという反論があるかもしれない。しかし、それは、その時々の具体的条件の下での大衆と権力との力関係によって規定されるものである。つまり、それは、個人独裁的にもなるし、そうでない場合もあるというふうに流動的であって抽象的に絶対的な固定した対立ではない。また、「今回の事態を平和的に解決する方法は全面的な再点検または再選挙の実施しかない」と社説は述べているが、民主主義信仰を強く持たないイランのシーア派イスラム教徒の反政府派が、このような民主主義的な解決に簡単に納得するとは思えない。恐らくは、血の報復とか、イスラム法やコーランの教えるところに従って事態を解決することを望むだろう。それは、コーランが宗教と法・道徳・社会規範を一体としているためで、それらが分離されているキリスト教社会とは違うのである。

 次に、高麗人の問題である。この問題は、「19世紀末の日本の強占期まで多くの韓民族がロシア沿海州に移住した。経済的問題と「独立運動」という政治的理由のためだった。1937年冬、ソ連のスターリン政権は沿海州に住んでいた高麗人17万人をすべて中央アジアに強制移住させ」たが、1991年の冬に、ソ連邦が解体し、いくつもの国に分かれた際に、無国籍となった多くの無国籍高麗人を、ロシア政府が歴史の犠牲者だと認めたという記事である。

 まず、高麗人という名称である。高麗と言えば、918年に王建が建てた国で、936年に朝鮮半島を統一した国の名である。ウィキペディアによると、10世紀から12世紀にかけてアラビアとの貿易が盛んだった頃に、アラビア商人が、コリョをなまって「コウリオ」と呼ぶようになり、それが転じて、今の韓国の呼び名であるコリア(korea)になったという。コリアの成立にアラビアとの交流があったわけだが、今の韓国の代表的な新聞である「中央日報」の社説子は、イスラムを理解することが出来ないほど遠く隔たっているわけである。

 高麗は、宋と関係を結ぶが、中国東北部の契丹からの侵害を受け、さらにモンゴルから起こった元が南下して、宋を南へ追いやり、さらに滅ぼすと、元に支配され、さらに、元に協力して、元の日本への侵攻に協力した。したというか、元の圧倒的な力の前に、そうするしかなかったわけだが。1392年、高麗は滅亡する。高麗の特徴として、ウィキペディアにある面白い点を二点だけ引用しておく。新羅と高麗は、仏教を奉じていた。後の李氏朝鮮は、儒教、朱子学を奉じた。ちなみに、織豊時代、日本に宣教に来ていたイエズス会士のポルトガル人のルイス・フロイスの書いた『ヨーロッパ文化と日本文化』(岩波文庫)によると、当時の日本の女性の地位は徳川時代よりも高かったようである。例えば、女性に離婚権があったとか、若い娘が何日も家に帰らなくても問題にならないとか、結婚しても女性だけの財産を持っていたとか、書いている。もちろんそこには当時のヨーロッパ的なあるいはキリスト教的なまなざしが入っているとは思うのだが。

 高麗がアラビア商人とも交流し、交易した頃、日本では、平安時代末期に入っていて、荘園制度が衰えてきて、武士の平氏が台頭、平清盛は、海外貿易を盛んにしようとして、旧勢力の巣窟である平安京から、貿易拠点として、瀬戸内海に臨む福原遷都を企てる。しかし、後白河法皇などの旧勢力の反平氏の動きが活発化したり、東国武士などの反平氏の動きが、伊豆に島流し幽閉されていた源頼朝に結び付いた北条氏などを巻き込んでいって、平清盛の死後、平氏打倒の動きは強まり、源平合戦をくり広げ、ついに壇ノ浦の戦いで平氏は滅び、1192年源頼朝は征夷大将軍として鎌倉に幕府を開く。鎌倉時代にも、亡命者や僧侶や職人集団などが日本に来て活動していた。女性の地位という点で面白いのは、同じ平氏である北条氏の娘の政子が、島流しで幽閉状態にあった源頼朝と結婚式を挙げるが、それに出ずに姿を隠し、いわば、駆け落ちしたことである。やがて、幕府が出来ると、父親をも遠ざけ、頼朝亡き後、息子まで殺害し、尼将軍と呼ばれるほどの実権者となったことである。幕府打倒に立ち上がった都の後鳥羽上皇らの起こした承久の変の際には、東国武士を前に、頼朝の恩を蕩々と説いて、彼らを説得し、まとめた。軍事指揮権まで握ったかたちで、東国武士団の頭領としての器量を発揮したのである。幕府の後継者をも決める実権を持ったのである。

 「中央日報」は、韓国政府は2007年から無国籍高麗人の国籍取得を支援する事業を開始した。ロシア政府がそれに協力的だとロシア政府の姿勢を評価している。

 そして、イランの民主主義度が低いと批判した「中央日報」は、自国の民主主義度が低いとして問題点を指摘している。「韓国が経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に社会葛藤が深刻な国であることが分かった。韓国が社会葛藤のために支払う費用は国内総生産(GDP)の27%にのぼると分析された」。

 それを測る社会葛藤指数は、「社会葛藤指数の算出には所得不均衡の程度、民主主義の成熟度、政府政策の効率性(政府効果性)が指標に使われた。所得不均衡が高いほど、また民主主義の成熟度と政府政策の効果性が低いほど、葛藤指数は高まる」というもので、韓国は、OECD諸国中、所得不均衡は平均程度だが、「民主主義の成熟度は27位と最下位で、政府政策の効果性も23位」である。民主主義成熟度では、「行政権が他の憲法機関よりも強く、政党体系が不安定で、反対集団に対する寛容が十分でないと評価された。また妥協の文化が定着せず、法秩序を尊重する意識も不足している」と分析されたという。これが改善すれば、国民総生産GDPが上昇するという。民主主義は、経済成長と関連しているというわけである。あるいは、経済成長を促進する制度が民主主義だということだ。

 最後は、北朝鮮の核問題についてのコラムである。このコラムは、「最近、北朝鮮の核問題が米国が耐えうる限界に達した。2つの点で以前と次元が違う。まず一つは、北朝鮮は核と長距離ミサイルを保有した。米国を核攻撃する能力を近いうちに保有する。二つ目は、北核が交渉用カードではないという米国の判断だ。適当な補償で北朝鮮は核を放棄しないはずだ。したがって以前とは違う根本的対応が必要だというのがオバマ政権の判断だ。最悪を想定する軍事的な対応はすでに始まった」と戦争を想定した軍事的段階に入ったと述べている。

  「6月25日の朝に歴史の繰り返しを憂慮するのは悲劇だ。大韓民国は60年前の新生独立国や100年前の封建王朝ではない。もう無気力ではない。危機を直視しなければならない。先週の韓米首脳会談である米国側の関係者が「韓国はなぜ北朝鮮の核脅威に無感覚なのか」と尋ねたという。すべての国民が「そうではない」と答えられなければならない」といわば戦争の覚悟を韓国民に求めている。そこで、大国の国際政治に翻弄された歴史を総括し、「もう無気力ではない」として、その歴史を繰り返さないように呼び掛けているのである。その時、韓国が「もう無気力ではない」のは、民主主義という価値観が中心価値として根付いているという自覚によるのである。そしてそれは、韓国軍と北朝鮮軍の軍事力の比較をして、韓国が大きく北のそれを上回っていることを報じていることとも合わせて考えると納得がいく。

 イランで民主主義のために血を流し命を犠牲にした若い女性、ロシアで民主主義を勝ち取るべく無国籍高麗人の権利のために動く韓国政府、そしてハンナラ党、日韓併合、独立、朝鮮戦争、と、強大国によって自国の運命を決定された歴史への反省、そして、今や、そうした「無気力」を脱して、危機に対処すべきだという呼びかけ、そこには、しかし、強大国アメリカのオバマの危機を克服し、民主主義のために闘う市民の国としてのアメリカ人としてのナショナリズムの発揮の呼びかけとどこか似通っているものがあると感じる。それは、現在、通年のGNPが、マイナス1・2%と予想されている韓国経済の危機を戦時体制で乗り切れというふうに聞こえる。オバマ政権は、北朝鮮に対して軍事的解決の道に本格的に入ったのかどうか、まだはっきりしない。注意が必要だ。

 

ウィキペディアより 

 女性の社会的地位
 高麗の社会は朝鮮の歴史にとって新羅に続き、女の社会的地位が高いという時代だった。もちろん、政治や生活全般には男が優先されたが、財産の分配は息子と嫁いだ娘を同等に待遇した。また夫に殴られた妻が官庁に告発し、官庁に引っぱられた夫がむち打ちの刑をうけた事もあった。忠烈王の時、朴楡は王に貴族の畜妾(ちくしょう)制度を法律で定めることを建議した。後に朴楡は町で老婆と女たちに後ろ指を指され、面前で悪口を言われた。離婚と再婚が自由だったというが、特別な理由もなく妻を見捨てると法律によって処罰された。12世紀に宋の徐兢が高麗を訪問してから書いた『高麗図経』には、「離婚率が高いし、恋愛と別れが多すぎるので、風習がおかしい」と書かれている。息子がいなくても祭祀は娘と婿が行なった。婿取婚の比率も高い、女は影響力が強かった。

 

 アラビア
 高麗の首都の開京(現在の北朝鮮の開城市)の礼成江河口の国際貿易港だった碧瀾渡でアラビア商人が賑やかだった。『高麗史』の記録には1024年(顕宗15年)と1025年(顕宗16年)、1040年(靖宗6年)にアラビアと大食国(ペルシア)の商人らが高麗に入朝し、産物を献上したと記されている。高麗はアラビアから水銀・香料・ガラス工芸品・珊瑚を輸入した。この時代に高麗の名称がヨーロッパに知られ、アラビアの商人たちが高麗(コリョ)を「コリア」と呼び始め、今の朝鮮を指す英語表記「Korea」になった。

 【社説】危機を迎えたイランの時代錯誤的な神政統治
  ジーンズに白いスニーカーを履いた若い女性が路上で倒れる。2人の男性が胸を押しながら応急治療を試みるが効果はない。地面は血だらけだ。イラン内の反政府デモで女性が胸を銃で撃たれて倒れて死んでいく場面の映像が世界ネットユーザーに大きな衝撃を与えている。ネダという名前の27歳の大学生だ。

  彼女は有権者として政府に抗議しただけだ。大々的な不正選挙疑惑があるため選挙をやり直せということだ。正当な要求に返ってきたものは冷たい銃弾だった。バイクに乗った私服民兵隊員2人が照準を定めて彼女を殺害したと伝えられている。

  大統領選挙の結果が発表された13日から始まったイランの反政府デモが10日以上続いている。首都テヘランをはじめ全国的にこれまで数百万人が参加し、デモの過程で少なくとも19人が死亡したと伝えられている。しかしイラン政府の報道統制のため正確な真相は知ることができない。

  今回の事態はイスラムの最高指導者が実権を持つ「神政統治」の限界と矛盾を劇的に表している。神政統治の下での民主主義は装飾品にすぎない。最高宗教指導者の嗜好に合わない選挙結果はいくらでも操作されるのだ。イラン政府はアハマディネジャド現大統領が改革派のムサビ元首相に圧倒的な票差で勝ったと発表したが、大多数の有権者はこれを信じていない。各種証拠が不正選挙疑惑を説明しているということだ。

  神政統治の権威を自ら否定する格好となるため容易ではないが、今回の事態を平和的に解決する方法は全面的な再点検または再選挙の実施しかない。今のように武力強硬鎮圧で一貫すれば、一時的にデモを鎮めることはできても再発する可能性が高い。イラン人口の70%が1979年の革命以降に生まれた30歳未満の若者だ。今回のデモの主役も若者層だ。このままでは第2、第3のネダが出るしかない。市民の民主的要求を受け入れる勇断がない限り、イランの時代錯誤的な神政統治は下り坂を辿ることになるだろう。

 

 韓国政府「高麗人は歴史的被害者」認め始める

 ロシア南部のロストフ州。車に乗り3~4時間走っても地平線しか見えない広大な平原。ここの農村地域にパク・ドミトリーさん(53)とキム・イェカチェリーナさん(51)の夫婦が、22歳の娘と2歳の孫とともに暮らしている。夫婦にはロシア国籍がない。無国籍の身分は娘を経て2歳の孫にまで続いている。

  娘は高校を卒業しているが卒業証書はない。国籍がないので国が卒業を証明することができず、大学にも進学できなかった。正社員の職を得ることはほとんど不可能だ。歳を取っても年金はもらえない。妻は「娘」「母」という単語が出るたびに泣いた。

  19世紀末の日本の強占期まで多くの韓民族がロシア沿海州に移住した。経済的問題と「独立運動」という政治的理由のためだった。1937年冬、ソ連のスターリン政権は沿海州に住んでいた高麗人17万人をすべて中央アジアに強制移住させた。

  1991年冬。高麗人はまたも厳しい季節を経験する。ソ連が崩壊し、高麗人は自分の意志とは関係なくそれぞれ別の国住むことになった。この過程で多くの人は国籍を取得できなかった。ウズベキスタンが故郷のパクさん夫婦も同様だ。

  旧ソ連地域にはパクさんのような「無国籍高麗人」が5万人に上ると推定される。53万人の高麗人の10%程度だ。彼らを指して外交通商部のシン・ガクス次官は、「わが民族が不幸だった時代、列強に挟まれた弱小国が生んだ悲劇の産物」と述べた。

  政府は高麗人強制移住60周年を迎えた2007年から、無国籍高麗人支援事業に着手した。現地国籍取得のため外交的努力と法律的支援をしている。しかし各国の法律と文化的な壁に阻まれ大きな成果は上げられていない。

  こうした状況の中、最近無国籍高麗人の解決策が作られ始めた。ウクライナが「無国籍高麗人に国籍を回復させる創意的モデル」を提示したのだ。同国のルツェンコ内務相は本紙とのインタビューで、「(高麗人実態調査の)アンケートに参加した無国籍高麗人は、『自らの身元を証明できないとしても』追放することはできないという長官命令を全国に出した」と明らかにした。

  ルツェンコ内務相は特に、「高麗人について調査したところ、私の在任期間中に問題を起こしたことはなかった。高麗人はすでわが国の人だった」と話した。ルツェンコ内務相は以後、韓国大使館とこの問題を解決するための接触を始めた。150の民族で構成されたウクライナでひとつの民族に特恵を与える内容を盛り込んだ長官命令は前例がないものだった。

  破格の措置はこれにとどまらない。イーゴル移民局長は、「ウクライナ国籍がない高麗人の身分を、「韓国大使館」が証明すれば国籍回復手続きを手助けできる」という意志を明らかにした。「他国(韓国)が自国の領土で行政手続きを踏めるよう配慮する」という意味だった。朴魯壁(パク・ノビョク)駐ウクライナ大使は、「ソ連時代から何代にもわたりこの地域で暮らしてきたこと、高麗人は歴史的被害者だという事実をウクライナが認め始めた」と説明した。

  高麗人支援に関する法律を推進しているハンナラ党の李範観(イ・ボムグァン)議員は、「法をあるがままに適用すれば、無国籍高麗人はすべて不法滞在者なだけだ。しかし歴史認識を通じて彼らに関する新しい観点を提示できるだろう」と強調した。

  本紙はロシア、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタンの4カ国で20日間にわたり無国籍高麗人を取材した。しかし正確な実態調査も行われておらず、どこにどれだけ多くの無国籍者がいるのかも把握するのは困難だった。 

 

韓国の社会葛藤、OECDで4番目に深刻 
  韓国が経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に社会葛藤が深刻な国であることが分かった。韓国が社会葛藤のために支払う費用は国内総生産(GDP)の27%にのぼると分析された。

  三星(サムスン)経済研究所は24日、報告書「韓国の社会葛藤と経済的費用」で、韓国の社会葛藤指数は0.71で、OECD平均(0.44)を上回ったと明らかにした。OECD加盟国のうち韓国より葛藤指数が高い国はトルコ(1.20)、ポーランド(0.76)、スロバキア(0.72)。

  社会葛藤指数の算出には所得不均衡の程度、民主主義の成熟度、政府政策の効率性(政府効果性)が指標に使われた。所得不均衡が高いほど、また民主主義の成熟度と政府政策の効果性が低いほど、葛藤指数は高まる。

  所得不均衡はOECD平均水準だが、民主主義の成熟度は27位と最下位で、政府政策の効果性も23位と平均を下回った。

  民主主義の成熟度部門では、行政権が他の憲法機関よりも強く、政党体系が不安定で、反対集団に対する寛容が十分でないと評価された。また妥協の文化が定着せず、法秩序を尊重する意識も不足している。

  研究所は、韓国はGDPの27%を社会葛藤費用として支払っていると推定した。社会葛藤指数が10%下落する場合、GDPが7.1%増加する効果が生じるという。韓国の葛藤指数がOECD平均(0.44)水準に改善される場合、1人当たりのGDP(02-05年平均基準)は1万8602ドルから2万3625ドルに増える効果が生じるということだ。

  ◆社会葛藤指数=三星経済研究所が米ハーバード大のデニー・ロドリック教授(経済学)の「葛藤の経済的モデル」に基づいて開発した。所得不均衡の程度を表す「ジニ係数」を、民主主義の成熟度を表す「民主主義指数」と世界銀行が測定する「政府効果性指数」の算術平均値で割る方法で算出した。

 【コラム】歴史は繰り返される
  少なくとも過去100年間の大韓民国の運命は米国に左右されてきたといっても過言ではない。ところがそれほど重要な米国について、私たちはその間あまり知らなかった。気分は良くないが、『米国、韓国を捨てる』(ナカタ・アキフミ著)はこうした点で引用する価値がある。

  「私たちは米国を兄のような存在と考えています」。高宗(コジョン)が1897年に韓国公使に赴任した米国人アレンと面会しながら述べた言葉だ。 高宗はアレンを通して米国の支援を切実に訴えた。 米国公使館で保護してほしいと2度も頼んだ。 2度とも拒否された。米国の考えは違った。

  「私は日本が韓国を手に入れるのを見たい」。セオドア・ルーズベルトが副大統領候補時代に友人に送った手紙の一部だ。ルーズベルトの日本愛はさらに深まる。 「東洋の発展は日本の使命だ。 日本の勝利は世界の幸福だ」。日露戦争の直前に述べた言葉だ。ルーズベルトは白人優越主義者だ。 唯一の例外が日本だった。 有色人種のうち日本人だけがアングロサクリンと同じ文明人だと見なした。

  もちろん米国外交の第一の尺度は自国の利益だ。 国際政治で強大国が考慮しなければならない独立変数は強大国だけだ。米国は日本を後援することでロシアと中国を牽制しようとした。日本が韓半島を植民地化することを黙認する代わりに、米国は自国の植民地(フィリピン)に対する日本の放棄覚書を受けようとした。1905年に米日間で締結された桂・タフト協定がその結実だ。 密約で韓半島の植民地化は事実上完結した。

  解放も米国がもたらした。 米国が日本を追い出して植民地独立という原則を立てた。ただ、韓国人には自治能力が足りないため相当期間は信託統治をするという前提だ。そして計画を変更して38度線を引いたのも米国だ。日本が予想よりも早く降伏し、ソ連軍があまりにも早く韓半島に進入すると、半分でも占めようという考えで腰を切った。そのどの過程でも韓半島に住む人々は独立変数として考慮されなかった。

  ちょうど59年前の今日に戦争を起こしたのは北朝鮮だ。 しかし韓半島の運命は依然として米国の決心に左右されていた。スターリンが南侵計画を承認した決定的背景は米国のアチソンラインだ。アチソン国務長官が「米国の防衛線から韓半島は除外する」と発表すると、スターリンは「米国が参戦しない」と判断した。米国は参戦し、38度線を越えて進軍したことで、中国の参戦を招き、李承晩(イ・スンマン)政府の北進統一主張にもかかわらず休戦に合意した。この過程でも当事者の韓国よりも強大国の利害が優先された。

  不幸な歴史が見え隠れする。最近、北朝鮮の核問題が米国が耐えうる限界に達した。 2つの点で以前と次元が違う。まず一つは、北朝鮮は核と長距離ミサイルを保有した。 米国を核攻撃する能力を近いうちに保有する。二つ目は、北核が交渉用カードではないという米国の判断だ。適当な補償で北朝鮮は核を放棄しないはずだ。したがって以前とは違う根本的対応が必要だというのがオバマ政権の判断だ。最悪を想定する軍事的な対応はすでに始まった。最近、米国が成功した空中発射レーザーは北朝鮮ミサイルを狙ったものと考えられる。飛行機からレーザーを放ってミサイルを爆破させる方法だが、射程距離が短く、北朝鮮以外の核保有国には使用するのが難しい。新しい国連決議案に中国が協力することを約束し、北朝鮮船籍の貨物船「カンナム」の追跡はうやむやにはならないだろう。

  6月25日の朝に歴史の繰り返しを憂慮するのは悲劇だ。大韓民国は60年前の新生独立国や100年前の封建王朝ではない。もう無気力ではない。危機を直視しなければならない。先週の韓米首脳会談である米国側の関係者が「韓国はなぜ北朝鮮の核脅威に無感覚なのか」と尋ねたという。すべての国民が「そうではない」と答えられなければならない。

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