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日本経済二番底に向かう?

 景気が落ち着いてきたと書いたら、今度は、また経済指標が下がり始めた。

 まず、アメリカでの自動車販売数が減少した。これは、政府が行っていた自動車減税の期限が切れたためである。

 それから、日本では株価が大幅に下落した。そして直近の有効求人倍率は、0・42ポイントで、求人一人につき、半分以下の求人しかないということが発表された。

 すでに、新聞で、榊原元財務官は、年末にかけて、二番底に向かう可能性があるので、民主・社民・国新の連立政権に、赤字国債を発行しての景気対策の準備をするように警告した。氏によると、国債市場にはまだ拡大の余地があるという。

 このところ、日本経団連のODA予算増額を求める提言もそうだが、需要拡大という需要サイドの対策を求める主張が、政府も含めて、目立ち始めた。小泉政権が採用した供給サイドの経済学とは異なる需要サイドの経済学が復活してきているようだ。

 そうなると、今、もめている前原国土交通省の進める八ツ場ダム建設中止をめぐる問題は、あたかも彼が供給サイドの経済政策を採っているように見える。しかし、民主党政権のやり方は、ダムに代わって、住民への直接的な保障を行うというものである。もともと、八ツ場ダムは、利根川治水を目的に建設が始められ、途中から首都圏での水不足解消などの名目を加えられた上で、中断をへつつも、数十年がかりで作られているものである。その間、費用は、膨れ上がっていった。少子高齢化、人口減少、省資源化などが進み、天候的な原因で水不足になる年以外は、このところ、特に、首都圏の水不足は起きていない。今後も、天候的な要因以外での水不足は考えにくい。おまけに、東京都へのオリンピック招致は失敗したから余計にそうだ。

 これは、民主党が掲げる政治主導の行方を示す象徴的な出来事である。ダムに群がって利権を食いつぶしてきた天下り官僚や財界や利益誘導型のオール与党議員たちなどに対する闘いの一コマである。おそらく、今日も、民主党本部には、陳情団が次から次と押し寄せているはずで、そこで、政策の優先順位をどうつけるのかが、民主党の悩みの種となっていることだろう。予算は限られている。これを整理し、精査するには、スタッフもいるし、時間もいる。そして、最後は政治判断になるわけで、つまりは、政治闘争になるわけだ。しかも、それは、国会でも行わねばならないのである。新人が多い民主党議員たちが、これをどれだけ押し進められるのかは、これからだが、あまり多くを期待しない方が無難だろう。始まったばかりなんだから。

 他方で、「在日の特権を許さない会」などの民間右翼の活動が活発化している。かれらは、とくに、在日外国人地方参政権付与に積極的な民主党政権の誕生に危機感を強めている。先の日曜日には、東京秋葉原で、公称400人の街頭行動を行ったというし、今後、大阪など地方都市でも行動を繰り返すことを明らかにしている。憲法で、国家権力の最高機関と規定されている議会のメンバーに、外国人を入れることには、そうとうな抵抗感があるようだ。地方でもだめだという。

 戦前には、旧植民地住民には、参政権が付与された。このときは、同じ臣民だということがあったわけだ。ところが、戦後、かれらは突如として、今日からあなたは外国人ですよと言い渡され、そして、旧帝国臣民として日本人が与えられていた権利を受けられなくなった。軍人恩給や被爆者援護法もそうだし、その他の社会保障もそうだ。昨日までは、同じ帝国臣民なのだからといって、徴兵され、最前線に日本軍兵士として従軍させられながら、外国籍となったら、他の外国人と同列扱いという目に遭ったのである。国籍がどうのこうのという以前に、無理矢理であれ、皇国兵士として戦友とした人々への感謝の念も示さないどころか、特権にあぐらをかくがごとき言い方で、権利剥奪を主張する「在特会」の妄言を許してはならない。逆だ。在日を、ずっと後になって、最初から外国人として入ってきた一般外国人と同じにあつかったら、具体的な歴史性を捨象したねつ造歴史観に基づく間違った政策をやってしまうことになるのだ。在日は歴史的に特別であり、それをとやかく言い、悪しき特権を持っているごとく言うのは、大間違いである。

 先に、入管法が改悪されたばかりで、3年後に、全面的な施行となるが、所管の法務大臣は、元社会党で、在日外国人参政権法案を民主党内で推進してきたプロジェクト・チームのメンバーである。定住外国人地方参政権法案には、民主、社民、共産、公明が賛成していて、しかも、法案はすでに二回提出され、廃案にされている。自民党の今の議員の中に法案反対派がどれだけいるかはわからない。世界22カ国に外国人の地方参政権を認めている国があるという。反対派の言い分には、日本国籍の取得が筋だとするものや相手国と相互に参政権を認めあうのではないとだめだというのもある。日本の場合、差別的な戸籍制度というものがあるし、歴史的な経緯もあって、日本国籍取得を積極的に進めにくいという事情もある。戸籍には、離婚を示すバツなどの記録が残され、それが差別の要因になったりする。それは、公的な家系図のようなものでもある。アイデンティティの問題は、感情・感覚が絡んで、微妙な問題でもある。それから、それは、いっさいの強制や圧力のない自由な意志で選択されるべきものだ。

 オバマ大統領が、11月に訪日する予定だという。先の日米首脳会談は挨拶程度のものだった。日米地位協定の改定問題(在日米軍人軍属こそ、特権が与えられている)、普天間移設問題、インド洋給油打ち切り問題など、日米間の懸案問題については、ここで話し合われることになるのかもしれない。ここは、鳩山政権の外交的な最初の大きな山場となろう。そして、榊原氏が指摘した景気後退、二番底への下落に対する景気対策。この二つが当面の政権の二大懸案となりそうだ。そして、八ツ場ダム問題は、象徴的な闘いということになろう。それから、鳩山首相は、国鉄問題で、四党合意推進、政治解決を約束しており、それの実現に向けた動きも始まるかもしれない。非正規雇用問題、派遣法見直しはどうなるのか。そして、今月の特別国会があり、新人議員を含めた党内人事、体制づくりがある。そして、新人議員などの教育も急速に進めなければならない。でも、陳情処理に追われて手一杯というのが現状だろう。

  榊原元財務官:国債10兆円増発でも長期金利は2%に届かず
                              
(9月9日ブルームバーグ)
      

  9月9日(ブルームバーグ):早稲田大学インド経済研究所所長の榊原英資元財務官は9日午後、都内で講演し、景気対策の財源に充てるための国債発行が 市場に与える影響について「10兆円くらいの新規発行は十分吸収できる状況だ」と述べた。また、鳩山由紀夫次期内閣は国債増発によって積極的な第2次補正 予算を組み、景気悪化の再来を未然に防ぐ必要があると強調した。

  榊原氏は、国内景気は自動車や家電の買い替え支援策による需要の一巡や政権交代に伴う省庁の予算執行停止などにより、「年末から年初にかけて二番底に陥る」恐れがあると指摘。「鳩山不況」と言われないためにも、政権発足後の「相当早い時期」に景気対策を打つべきだと語った。

  景気対策の財源に関し、国債増発を避けるべきという論議は「責任感の仮面を被った経済学の無理解だ」と非難。補正予算での「減額修正は極めて危険」であり、総需要を減らすべきでないと述べた。1400兆円超の家計の金融資産が国・地方の長期債務800兆円余りを上回っているため「財政危機に陥っている わけではない」と言明。10兆円増発しても10年物国債利回りは「2%に届かない」と予想した。 ただ、中長期的には「財政規律は大事だ」とも指摘。「無駄な歳出の削減には時間がかかる」ため、「4年くらい」の時間軸を念頭に取り組む必要があると語った。

        ドル基軸体制、20年は続く                

  榊原氏は、世界最大の外貨準備高を抱える中国などから揺さぶりがかかっているドル基軸体制について、今後「20年は変わらない。米国はそう簡単に崩壊しない」と言明。鳩山氏が掲げているアジア共通通貨構想については「長期的な課題」であり「早くても20-30年先の話だ。私も鳩山さんも死んだ後だと思っている」と述べた。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)は7日発表した報告書で、国連加盟国は新たに世界準備通貨銀行を創設すべきだと提唱。同銀が通貨を発行し、加盟国が保有する通貨の為替水準を監視することに合意する必要があると呼び掛けた。

  ドルは1970年代以降、金に代えて石油価格の表示通貨(ペトロダラー)として優位を保ってきただけに、基軸通貨としてのドルの地位に黄色信号がちらついている。

インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は8日に一時77.05と2008年9月以来の安値をつけた。対ユーロでは昨年12月以来初めて1ユーロ=1.45ドル台に、対円でも3日につけた約2カ月ぶりの円高・ドル安水準まであと9銭に迫る場面があった。

 榊原氏は、鳩山次期内閣での閣僚就任の有無については「話は全くない」と述べるにとどめた。

 榊原氏は1965年に大蔵省(現財務省)に入省。国際通貨基金(IMF)や米ハーバード大客員準教授などを経て、93年に国際金融局次長。円相場が1ドル=79円75銭と戦後最高値を記録した直後の95年6月に国際金融局長、アジア経済危機が発生した97年から財務官を務め、「ミスター円」の異名をとった。

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