« クロンシュタットなど | トップページ | コメントによせて »

在特会抗議行動成功、データねつ造のことなど

 近年、政府やマスコミがねつ造データを流したり、宣伝・煽動していることが多く、それに右往左往させられることが多い。例えば、『比較福祉国家論』(法律文化社)という本にあるものだが、日本が先進国の中でも高福祉だというような類のデマである。この本にある社会保障給付量(対国民所得比)の部門別構成割合の国際比較のデータでは、1991年度のものだが、スウェーデン49%、フランス34.9%、ドイツ29.7%、イギリス24.5%、アメリカ18.0%、日本13.8%で、最低だ。そして、社会保障関係総費用における国庫負担割合の推移が、1980年代に減少しているのに対して、その国民負担率が増えている。それについて同書は、次のように書いている。

 1980年代の改革では、日本型福祉社会(あるいは「活力ある福祉社会」)の建設が謳われていたにもかかわらず、積極的政策展開に乏しく、国家財政の負担減が前面に押し出されていたことに特徴がある。国民負担率の抑制をいいながら、実は1980年代には国民負担率の抑制傾向は見られず、着実に増えている。この時代に抑制されたのは、国民負担率ではなく、社会保障に占める国庫負担率であった。国民負担率は70年24.3%、80年31.3%、90年40.4%と着実に伸びているのに対して、社会保障関係総費用に占める国庫負担割合は、1970年の22.7%から1980年には28.1%にまで増えているが、1990年には19.7%にまで低下している。また老人医療の有料化や健康保険における一部自己負担の導入によって、国民医療費に占める患者負担の割合は、1982年の10.5%を底に上昇傾向にある(160頁)

 これを見ると、大蔵省(現財務省)が、「失われた10年」の長期不況やアジア金融危機などによる国家信用の動揺を防ぐために、国債の買い手でもある金融資本の安定化をはかることを優先して、財政再建路線を強化したことがわかる。とくに、大蔵族の橋本政権がそうであり、このとき、行政改革会議が誕生しているが、それ以降、あの「日本一の借金王」を自称した小渕政権の時でも、同じだから、総理大臣が変わっても政策の基調は官僚主導のまま変わらなかったのである。これを、大げさなパフォーマンスを演じながら、大推進したのが、小泉政権だ。人々は一時的に騙されたわけだ。そのころ、テレビ朝日の「ニュースステーション」に、国の赤字残高を示す時計が表示されていたのを、覚えている人もいるだろう。このままでは国家破産は時間の問題だというような切迫感が演出されたわけである。確かに、日本の財政赤字は巨大だが、それに対して国際収支の黒字がものすごく貯まっていて、外為特別会計に組み入れられているのであって、最近、民主党などが、財源として埋蔵金などと呼んでいる膨大な額のドル資金がある。しかし国際収支の黒字は、アメリカ国債の購入に多くあてられているので、オバマ政権が膨大な国債発行で景気対策を続けている現状では、簡単には現金化できない。貨幣形態ではなく、証券の形態であるからだ。つまり、商品だから、売らないとお金に変わらないのである。

 最近では、槌田という学者から、地球温暖化CO2説への異論として、地球温暖化防止といういまや世界世論みたいになった説が、原発推進派によるプロパガンダとしてねつ造されたと指摘されたりもしている。

 歴史認識における似たような事例としては、「新しい歴史教科書をつくる会」などによる歴史偽造があって、それを継いでいるのが「在日特権を許さない市民の会」である。それを、排外主義的に煽動し、秋葉原のデモでは、これは中国との民族間戦争だなどと叫んでいる。かれらによると、定住外国人地方参政権付与は、日本人の権利を奪うことになるのだそうだ。定住外国人地方参政権がある22カ国の実態も確認してみたいが、今のところそれでどうという話しは聞かない。当ブログも賛同した大阪での10月10日の「在特会」などによる定住外国人参政権に反対する行動に対して、抗議するデモが、約250人を集めて成功したようだ。それに対して、「在特会」は約300人だったという。今後も、こうした動きを包囲していく必要がある。どちらにしても、かれらの歴史ねつ造は、資料に当たれば簡単に間違いとわかるものが多い。秋葉原のかれらのデモのビデオを見ると、かれらの中には、現在の閉塞状況へのフラストレーションを弱者に向けて吐き出してはらそうというような心情の持ち主が参加しているみたいだ。大変だけども、きっちり歴史事実をつかめば、そうした宣伝・煽動に流されにくくなるだろうから、そういうこともいるだろう。

 なにせ、きちんとしたデータも証明もないままに、ああだこうだ決めつけられるのは不快なのだが、そんなことが増えているような感じがするのだ。それはそれとして表現してみようではないか。

|

« クロンシュタットなど | トップページ | コメントによせて »

「雑文」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/57588/31743852

この記事へのトラックバック一覧です: 在特会抗議行動成功、データねつ造のことなど:

» あさひギフト「クレジットカードの現金化」 [あさひギフト]
クレジットカードを使っての現金化サービスです。 ショッピング枠に余裕があれば全国どなたでも無審査で利用可能です。 [続きを読む]

受信: 2009年10月13日 (火) 08時06分

« クロンシュタットなど | トップページ | コメントによせて »