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11月3日に考えたこと

 なぜ、マルクス(おそらくレーニンもまもなく復活するものと私は思っていますが)は復活してくるのか。

 一つの答えは、それ以外に、資本主義の現実を明確に理解できる手がかりを与えるものがないからである。思想や理論は、いくらでも構成できるけれども、我々の感覚は、それが現実をしっかりととらえたものかどうかを、キャッチする。つまり、その理論、あるいは、言葉に対して、なんとなく違うぞと感覚が示すのである。それに対して、イデオローグ、あるいは、インテリなどは、思想だの発想だのが、人間を動かすと思い込んでいる。これは完全に妄想であり、マルクスは、『ドイツ・イデオロギー』で、そういう妄想を徹底的に批判している。それは唯物論によって行われるわけだけれども、そこで、イギリスの唯物論などを評価している。つまり、ベンサムの功利主義などを。しかし、実は、ベンサムの功利主義は、功利主義的人間神話を作り上げただけであり、それを普遍性と信じて、しかもそれをキリスト教道徳と一致するものだとしただけである。功利主義的人間は、物的欲望を動機として、個人にとってもっとも効用のあるものを意志によって選択するという行為基準で動いているとされる。その場合に、その達成が幸福と呼ばれている。しかし、これらは、感覚的なものなので、個別的具体的なものである。それは、当然にも、他者とぶつかることになる。欲望と欲望が激突し、幸福欲を満たすための物的手段の獲得競争が起きて、争いが起こる。それを調節するのが、市場であって、高い値段を払ったものが財を獲得できるということになっている。しかし、財を得られなかった方は、不満が残る。それを鎮めるために、法律や道徳や規則が作られ、それを破る者には、刑罰が加えられる。しかし、市場において勝者となる金持ちは、どのようにして金を貯えたか? 労働者が働いて生み出した剰余価値を搾取することによってである。単純に言えば、そういうことだ。ちなみに、マルクスは、ベンサム主義を批判しているのであって、別に評価しているわけではない。ベンサム流の唯物論は、それなりに資本主義の現実の現象をある程度はリアルに写しているという点を指摘しているだけである。

 一方に、市場において勝者である大金持がいて、この人達が同時に社会の権力者でもある。この人達の不満は、労働者がもっと働いて、自分たちの獲得する富を増やしてくれないということに向けられる。それに対して、貧しい者の不満は、自分の望む幸福を実現するための物的手段、財を容易に手に出来ないことである。大金持ちというのは、物的な手段を多く握っているだけではなく、精神的な手段も多く獲得しようとする。そして、共産主義者などの自分たちへの批判者たちを精神的に屈服させようともする。そのために金を使う。しかし、労働者の感覚は言う。かれらを信用するな、なんかくさいぞ。でも、腹が減っては戦は出来ないから、栄養になるものはいただきましょうとかとかね。金持ちは、自分が金の力を信奉しているものだから、それが、自分たちの支配の及んだ証拠であり、精神的思想的な勝利の証だと思い込んだりする。しかし、マルクス主義的唯物論者から見ると、あるいは弁証法的に見ると、それは、資本家が自分達をやがてうち倒すだろう敵を育んでいるのにすぎないのである。これが本当だということは、幾多の歴史事例が示しているのだけれども、そんな事実も、見えないようになっているのである。『コーラン』によると、アラーの神は、自分たちの敵に対する罰として、目を見えないようにするという比喩を語っているそうだ。要するに、われわれに逆らうのは、かれらが理解力を閉ざされているからだと言うのである。

 この間、アメリカで起きたことも、日本で起きたことも、そのことを証している。市場の「見えざる手」は、調和の神ではなく、暴風の神、雷神・風神、スサノオの類であったことが再びあらわになってしまったのである。歴史の針を逆戻しすることはやっぱり不可能だったのだ。そこで、福祉国家という選択肢が呼び出されているのであるが、現にある福祉国家は、自由主義との折衷である。しかし、グローバリゼーションの嵐の中で、多くの国が福祉国家の方に押しやられているのである。あのフランス大統領のサルコジですらそうなのだ。これはマルクス主義経済学の用語で言えば、国家独占資本主義的な方向である。アメリカのオバマ政権も、そうした方向に向かう傾向を示している。レーニンの「さしせまる破局とどう闘うか」などの1917年革命直前に書かれたものに示されたような状況に似てきたわけである。もちろん、当時のロシアと、今の、例えば、アメリカの状況は違いがあって、それがそのまま当てはまるというわけではない。大きい違いがあるが、それでも傾向としてはそういうことなのだ。この間、一つ、はっきりしたのは、デヴィド・ハーヴェイが言うように、この間、市場は、国家権力によって強制的に創出されたものであり、それによって、階級権力が強化されたということである。結局、新自由主義は、多くの人にとって、自由も豊かさも安定も福祉の向上も、幸福の増進ももたらさなかった。それを多くの人々が感じたから、同時に、市場主義を救いの神のように宣伝し、広めた、ご立派な学者やマスコミやイデオローグや政治家たちに対する不信、不満、怒りなどの感情もまた広まっている。感覚、感情が、なかなか言葉化されないものであることから、この蓄積は、身体的な爆発として突如として表面化し、表現されるということは、しばしばあることだし、歴史的にもいくらでも事例がある。しかし、それは、目に見えるものから、推理によって、ある程度は、探っていくことができる。もちろんそれは適当な思いつきやたんなる妄想であってはならない。だからこそ、エンゲルスは、論理学、弁証法の研究の必要を強調しているわけだ。

 先日、11月3日に、「持たざる者」国際連帯行動に行き、夕方のブッシュ抗議行動にも行ってきた。「持たざる者」の方のデモでは、明治神宮前を通るときに、街宣右翼が待ち構えていて、差別的な言葉や罵詈雑言を、大音量で、浴びせられた。おそらく、厳密には騒音条例違反に達するほどだが、それは、見逃された。「持たざる者」に対して、怠け者とか社会のくずとか、フランスのサルコジが、移民暴動の際に、移民に対して投げかけた言葉と同じことを叫んでいる。街宣右翼の多くは、企業や自治体から金をむしり取ったり、かれらの源流である岸元首相がアメリカからもらった金などで、やってるような類が多い。かれらは、自分たちの利害のためにやっているので、自分が損をするようなことはしないから、大したもんじゃないけれども、「在日の特権を許さない会」などの方は、それとは違っている。かれらは、左翼的なスタイルとやり方を取っている。中心的イデオローグの一人の西村なる人物は、どうも元新左翼党派の活動家らしい。元左翼という右派は、ちょこちょこいる。とにかく、運動スタイルが、左翼に似ているというのが違う。ビデオで見ると、若い女性が、宣伝カーに乗って、柔らかな語り口で、アピールしたりスローガンをコールしているのも、似ている。音声がなく、旗が日の丸でなくて、赤旗だったら、左翼系の集会デモと見分けがつかないのではないだろうか。これは、やはり、ファシズム的な特徴と言えるだろう。もう一つ、かれらは、街宣右翼が反共親米なのに対して、反米右翼的な主張を持っているという特徴がある。かつて、小林よしのりは、単に、自分の本を売ることによって、そのデタラメな主張を広めようとした。運動は、右派新興宗教団体や青年商工会議所、つまりは、自民党の支持基盤が担った。かれらが彼の本をいっぱい買ってブームを作った。「在特会」は、どうなのか、まだ見えていないことが多いが、物的な支援がどこかからあるのではないか。

 「持たざる者」国際連帯行動の方は、約150人の結集。韓国からの労働組合活動家のアピールもあり、なかなか充実していたと思った。ブッシュ来日抗議行動は、緊急で、やはり150人ほどで、後楽園でのブッシュと小泉元首相の始球式をターゲットに、後楽園を回ってのデモだった。フリーター労組系のサウンド・デモで、在任中、ほぼイラクなどでの戦争に明け暮れたブッシュ元大統領とそれを支持・追随し続けた小泉を糾弾した。

 いずれにしても、かれらの差別排外主義扇動は、危険であり、許し難いものだ。かつて、自由民権運動は愛国主義運動化して、日露戦争後、増税などで不満を抱く民衆を扇動して、日比谷焼き討ち事件を起こした。時代が大きく動いているし、それだけ、未来は不透明化しており、漠然とした不安感、閉塞感などに襲われている人々に、差別排外主義と戦争の方向での希望か、それとも、別の社会変革の希望か、そういう選択肢がリアルに突きつけられつつあるようだ。後者こそ、人々を希望ある未来、そして幸福へと導く道である。

 

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