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デフォルト回避、禁煙条例、放射能など

 アメリカで、債務不履行の期限当日に、債務上限引き上げ法が成立することで、ぎりぎりで債務不履行(デフォルト)が回避された。もっとも、これは根本的な解決にはなっておらず、当然、民主党オバマと共和党との妥協の産物である。 「民主党が主張していた富裕層、大企業への減税打ち切りは当面見送られ、共和党は財政均衡化を義務付ける憲法修正を債務上限引き上げの条件とする主張を取り下げた。民主党のリード上院院内総務は「双方とも何かをあきらめなければならなかったが、それが現実だ」と語った」。

 ひるがえって、3・11震災・原発事故に見舞われた日本で与野党「双方とも何かをあきらめなければならない」としたら、まずは原発である。そして、行政が社会道徳の指導者としてふるまうことである。その行き先は、官僚独裁・執行権の独裁強化であり、極端に行けばファシズムへと転化しかねないような過度の規制である。その一例は禁煙条例だ。禁煙条例は、その実際の働き方を見ていると、ファシズム的要素が顕著であり、危険性を感じる。禁煙条例を実際に適用・運用する中で、行政権力は、人々の道徳的指導者としての権威を強化しているように見える。禁煙条例は一例に過ぎないが、こうした執行権独裁の種々の現われを批判し闘う必要がある。喫煙による発がん率(未来の予測・確率だ)は飲酒によるそれより低いという専門家もいる。厚生労働省は、たばこの健康被害についての詳細な科学的データを明らかにしていない。それに対して、行政が今回の原発事故以来の放射能被害については低く見積もっているということを見ても、行政のデータの扱い方が公平・中立であるということは考えられない。

 アメリカは、かつてピューリタリニズムが支配的道徳として強まった時に、「魔女狩り」「禁酒法」などの道徳の権力による強制をやったことがあり、これに対する抵抗は、一種の解放運動となった。それは、結局、資本蓄積動機を形成し、労働規律強化となって、労働者にとってマイナスをもたらしたから、当然のことであった。

 それでは、放射能の身体に与える悪影響はどうなるのかという意見があるかもしれない。しかし、問題は、政府・行政が情報を操作することで、自らの独裁権力を強化しようとはかっていることにある。たばこの場合は高めに、放射能については低めにして、人々を意図的にかれらにとって望ましい方向へ誘導しようとしている点にある。原発政策については、もはや、人々の多数が脱原発になっていることは各種世論調査で明らかになっており、ことに、福島県の場合は県の行政意思も含めて圧倒的に脱原発意識が広まっている。それに対する「ポスト」などの巻き返しは、冷戦時代と同様の古くさい手法の繰り返しにすぎない。「あれは、左翼とりわけ過激派が裏で仕組んでいることだ」という類である。ずいぶん、左翼を大きく見せてくれているものだ。人々の圧倒的多数意識を動かせるほどに、左翼・過激派の影響力が大きいとは、ずいぶん買被ってくれたものだ。もちろん、かれらは、相手に厳しく自分に甘いから、脱原発派の言うことには厳しく高い基準を設けて追求するが、自分の使っている証拠の自己検証などは真面目に行っていない。だから、かれらは、沖縄戦での日本軍による集団自決命令があったかなかったかなどという点をめぐって争われた大江・岩波裁判で、歴史学者の秦邦彦が、かつて慰安婦問題で「実証主義」的に証人の記憶の曖昧さをついて慰安婦側の信用を落としたのに、今度は自分たちが立てた証人の信用度が低かったことが暴露されて、最高裁判決でも敗訴して自分たちが信用を落としたのと同じ轍を踏むことになる。かれらには自己批判・自己検証が欠けているので、こうしたことから学べず、同じ失敗を性懲りもなく繰り返すしかないのだ。

 放射能の人体への影響については、政府・推進派が意図的に低めに見積もってそれを宣伝していることがこの間明白になっているのだから、これを批判し、直すことを求めるのは当然である。べつに、高めに見積もれと言っているわけではなく、出来るだけ正確なデータを示せと言っているだけのことだ。たばこや酒の人体への影響についても同様である。いい加減な根拠をさも根拠あるように見せかけて、行政権力の強化を図る策動には反対する必要がある。人々も騙されないように気をつけるよう訴えたい。禁煙条例をいったん撤廃し、ファシズム化に抗し、新たな対策をきちんとしたデータをもとに公然たる議論をしっかりとやった上で立てるべきなのだ。

 債務上限引き上げ法が成立、デフォルト回避 米国
(2011.08.03)

 ワシントン(CNN) 米政府の債務上限を引き上げる法案が2日、上院を通過し、オバマ大統領が署名して同法は成立した。米国債の債務不履行(デフォルト)は期限当日になって回避された。

 上院は同日正午すぎに採決を行い、賛成74、反対26で法案を可決した。法案通過には60票の賛成票が必要だった。

 オバマ大統領はこれを受けて、同法案は「重要な第一歩だ」と述べる一方、今回の危機はもともと「完全に避けることができたはず」との見解を示した。

 同法は、2.1~2.4兆ドルの債務上限引き上げと、今後10年間にわたるほぼ同額の財政赤字削減を、2段階に分けて実施する内容。第一段階として9170億ドルの歳出を削減し、債務上限を9000億ドル引き上げる。第二段階では、上下両院の与野党議員12人で構成する特別委員会が1.5兆ドル以上の追加削減策を勧告し、今年末までに議会で採決にかける。これが可決されれば大統領は債務上限を同額引き上げ、否決されても1.2兆ドル引き上げる。否決された場合、1.2兆ドル規模の一律削減策を強制的に実施する条項も盛り込まれた。

 一律削減策では、共和党が削減を避けたい軍事費や、民主党が手を付けたくないメディケア(高齢者医療保険制度)が対象となる。

 民主党が主張していた富裕層、大企業への減税打ち切りは当面見送られ、共和党は財政均衡化を義務付ける憲法修正を債務上限引き上げの条件とする主張を取り下げた。民主党のリード上院院内総務は「双方とも何かをあきらめなければならなかったが、それが現実だ」と語った。

 CNNと世論調査機関ORCが1日に実施した調査では、与野党が合意した法案を44%が支持する一方で、52%が反対と答えた。議員らが債務上限引き上げ問題を「責任ある大人」として審議したと評価する国民は17%にとどまり、「駄々っ子のような」審議だったとする回答が77%を占めた。

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