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政治「悪くなっている」76%

 高原基彰氏の「現代日本の転機」(NHKブックス)の次の部分を参照しつつ、以下の記事を読んでみると、記事に現れているものがなんであるかがわかるような気がする。この著作は、「「自由」と「安定」のジレンマ」というサブタイトルがついているように、これらの二つの理念の間で揺れ動いた日本の戦後社会を概括している。

 高原氏は、「戦後日本の社会が持ってきた「自画像」や「理想像」を対象とし、それがどう時代的に変化したかを、巨視的に跡づけていこう」(13頁)という動機で同書を執筆したという。そして、現在蔓延している「被害者意識」を、「何らかの「理想像」が失われている、あるいは少なくとも自分の手には届かなくなっている、という疎外感のことだろう」(同)と述べている。彼は、社会心理、あるいは共同主観を対象にしている。そして彼は、「自由」(組織に束縛されず、個人の競争力によって生きていく生き方)と「安定」(かつての正社員や公務員のように、組織に属しつつ、年功的な昇給を当てにする生き方)という二つの理念がまったく別個に隔離して存在してきたというところに問題点を見出している。

 「安定」については、「戦後日本における現実認識としての「自画像」、あるいは個々人にも実現可能な「理想像」となり得た状況は、特定の歴史的な条件のもとで成立したものであり、今後それが再来する可能性はほとんどない」(13~14頁)という判断が下されている。では、「自由」の方はどうか。「「会社からの自由」は、単なる低賃金流動雇用への落ち込みを意味するものになった。また、中央への依存を強めていた「地方」にとって、そこから独立する試みは、末端の雇用が根こそぎ失われる危険を意味していた」(20頁)。こうして、「日本的経営」「日本型福祉社会」「自民党型分配システム」という三要素からなる1973年を転機とする日本の「後期近代」社会の「安定」を支えたシステムが失われると共にそれへのアンチとしてあった「自由」も失われたというのである。

 そこからの脱出を政権交代に託した人も多かったのではないかと思うが、それも、民主党政権誕生から一年半も経たないうちに潰えたようである。

 

政治「悪くなっている」76%…政権に不満如実(2011年11月24日 読売新聞)

特集 世論調査

 読売新聞社が12~13日に実施した「政治」に関する全国世論調査(面接方式)で、最近の日本の政治が「悪くなっている」と思う人は76%に上った。

 選挙で投じた1票が現実の政治に「反映していない」と答えた人も81%に達し、自民党政権時の前回2008年2月の67%から大幅に上昇して過去最高となった。

 政権交代で大きな期待を集めた民主党政権が、十分な成果を上げていないことに対する不満が表れた形だ。

 今の政治の問題点(複数回答)については、「国民の目線に立っていない」45%が最も多く、「政策決定が遅い」42%、「日本の将来像を示していない」33%などが続いた。

 民主党政権による政治主導の政策決定が「うまくいっていない」との回答は88%を占めた。

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