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4・28政府式典で、総理が天皇の臣下としてふるまった問題

 『沖縄タイムス』の以下の社説は、政府主催の「主権回復の日」式典で安倍首相が「天皇陛下万歳」の声を挙げたことに強い違和感を表明している。日本国憲法上最高権力者と規定されている内閣総理大臣が、天皇に対して「臣下」としての態度を取ったことは、主権在民の原則に反するもので、民主主義を破壊する行為である。天皇は現憲法では、国民統合の象徴であって、国民の代表者ではないし、ましてや統治権者ではない。そういう人に対して、総理大臣が「陛下」と叫んで、その臣下たることを公式の場で表明したというのは由々しき事態である。天皇の日常は儀式を行うことに多くが費やされているが、その儀式は、無宗教ではなく、神道であり、それは戦前と同じままのはずである。「はずである」というのは、それが一般には公開されず人々の目から隠されているからである。秘儀と言ってもいいようなもので、そういう儀式を日々行うことが天皇家の勤めなのである。こうして、日本国憲法は、9条ばかりでなく、1条もすでに中身が骨抜きにされているのである。沖縄からよく見えることが、ヤマトでは見えにくくなっていて、こういうことに無反応になっているのは、驚くべきことだ。

  辻直四郎『ウパニシャッド』、服部正明『古代インドの神秘思想』(いずれも講談社学術文庫)、白川静『文字遊心』(平凡社ライブラリー)等々。

4・28式典:「陛下万歳」尾を引く違和感(2013年5月1日 沖縄タイムス)

 「主権回復の日」政府式典であった「天皇陛下万歳」の三唱は、県民に強い違和感を残した。出席した高良倉吉副知事は「式典の趣旨がぶち壊しになった」と不快感を隠さない。一方、政府配信の動画は「天皇陛下」の音が消え、一部「なかったこと」になっている。

 28日、会場に用意された高良副知事の席は、他府県の知事を差し置いて筆頭の位置だった。次に小笠原諸島がある東京都の猪瀬直樹知事、その次に奄美群島を含む鹿児島県の伊藤祐一郎知事。高良副知事は「政府は相当に配慮していた。式典自体も厳粛でいい雰囲気だった」と振り返る。

 最後の万歳は、唱和しなかった。「なぜそうなるのか理解できない。アジアや沖縄への戦争責任に向き合えない、柔軟性を欠く日本社会を表している」

 沖縄国際大学の石原昌家名誉教授も、テレビで見て衝撃を受けた。「4・28は沖縄戦の結果を反映したもの。式典での『天皇陛下万歳』に、体験者や遺族は脳天を殴られた気持ちだったのではないか」と語る。

 「為政者は既成事実の積み重ねのパワーを熟知している。安倍晋三首相は自ら天皇・皇后の前で万歳し、戦争国家に向けて最初のくいを打ち込んだ」

 菅義偉官房長官は30日、首相らの唱和について「自然発生的であり、政府として論評すべきではない」と深入りを避けた。

 式典の模様を伝える「政府インターネットテレビ」。出席者の1人による「天皇陛下、万歳」の声は聞こえず、それに続く「万歳」の唱和から音が戻る。

 内閣府は「式典が終了したので、運営業者が会場のマイクのスイッチを切り、万歳に気付いて入れ直した。意図的な編集ではない」と説明する。ただ、テレビのニュースでは三唱の声が流れており、なぜ政府のカメラだけが音を拾えなかったのか、疑問も残る。(阿部岳)

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